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いすゞ・ジャーニーQ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
いすゞ・ジャーニーQ

P-MR112D 富士急ふじきゅう都留つる中央ちゅうおうバス
路線ろせん仕様しよう前後ぜんごとびら

いすゞ・ジャーニーQ(Journey Q)は、かつていすゞ自動車ずじどうしゃ製造せいぞう販売はんばいしていたマイクロバスジャーニー」シリーズのうち、フロントエンジン仕様しよう中型ちゅうがた小型こがたバス。ほんこうではこれを主軸しゅじくべる。29にん以上いじょうりのリヤエンジン中型ちゅうがたバスについてはいすゞ・ジャーニーK参照さんしょう

生産せいさん開始かいしから1995ねんまでは、車体しゃたい製造せいぞう北村きたむら製作所せいさくしょ担当たんとうしていたが、以降いこういすゞバス製造せいぞうがれ、2001ねんまで生産せいさんされた。

BY31(北村きたむら車体しゃたい蒲原鉄道かんばらてつどう

1968ねん、いすゞ・TYがた中型ちゅうがたトラック(のちフォワード発展はってん)をベースにしたキャブオーバーバスとして登場とうじょう。29にんり。そう川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう北村きたむら製作所せいさくしょ自家用じかようバスとしての導入どうにゅうがほとんどであった。このモデルはのちに、リヤエンジン中型ちゅうがたバスBK32がたジャーニーKへと進化しんかする。

(K-)DBR370 初代しょだいジャーニーQ

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K-DBR370 奈良交通ならこうつう

1976ねん、フォワードのフルモデルチェンジにともない、エンジン出力しゅつりょく増強ぞうきょうし、型式けいしきがDBR370となる。登場とうじょうまもなく、かなり角張かくばった独特どくとくのスタイルにモデルチェンジされた。このスタイルはかなりインパクトがつよかったようで、中型ちゅうがたバスのCCM/CDMけいにも同様どうようのスタイルの車体しゃたい採用さいようされた。まるみをびていた大型おおがたバスと比較ひかくすると、おな北村きたむらせい車体しゃたいとはおもえないボディスタイルであった。K-だいまではこの型式けいしき製造せいぞうされた。

このモデルから「ジャーニーQ」という愛称あいしょうけられた。ローカル路線ろせんバスでも採用さいようされている。

P-MR112F 奈良交通ならこうつう

昭和しょうわ58ねん排出はいしゅつガス規制きせい(P-だい)に対応たいおうし、1984ねんモデルチェンジ。エンジン出力しゅつりょく増強ぞうきょうし、型式けいしきがP-MR112Fとなる。車体しゃたいはDBR370とほぼ同様どうようであったが、リアウインドウが大型おおがたされた。しかし、わずか2ねんでモデルチェンジされたこともあり、このモデルの販売はんばい台数だいすうすくない。

このモデルの採用さいようれいとして、京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつげん京浜急行けいひんきゅうこうバス)がきゅう羽田空港はねだくうこうえき空港くうこうターミナルをむす連絡れんらくバス輸送ゆそう開始かいししたさいに、専用せんようしゃとして1984ねんにP-MR112Fを導入どうにゅうしている[1]。しかし1とびらだったことから、1988ねんには前後ぜんご2とびらのP-MR112Dを導入どうにゅうし、短期間たんきかん代替だいたいされた[1]京浜急行けいひんきゅうこうバス#小型車こがたしゃ参照さんしょう)。

1986ねんフルモデルチェンジおこない、型式けいしきがP-MR112Dとなった。ホイールベース短縮たんしゅくしたうえ、フロントオーバーハング拡大かくだいし、フロントエンジンしゃであるにもかかわらずさい前部ぜんぶへのドア設置せっち実現じつげんした。エンジンは6BG1がた (6,494cc・175ps) を採用さいよう車体しゃたいはば拡大かくだいされているが、運転うんてんせきわきおおきなエンジンカバーがあり、客室きゃくしつないから運転うんてんせきへの出入でいりはやはり困難こんなんともなうため、運転うんてんせきがわ乗務じょうむいん専用せんようのドアが設置せっちされている。

さらに平成へいせい元年がんねん排出はいしゅつガス規制きせい(U-だい)に対応たいおうし、型式けいしきがU-MR132Dとなった。路線ろせん仕様しようとしてはこのだいまで発売はつばいされた。

路線ろせん仕様しよう

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1986ねんのモデルチェンジにより、路線ろせんしゃ同様どうように2とびらしゃとすることが可能かのうになり、事業じぎょうしゃ仕様しようわせてトップドア(ぜんとびらのみ)・ぜんちゅうとびら前後ぜんごとびら選択せんたく可能かのうとなった。これにより輸送ゆそうりょうすくない路線ろせんバスへの採用さいようれい急増きゅうぞうした。ローカル路線ろせんのみならず、奈良交通ならこうつうおよ傘下さんかエヌシーバスなど、狭隘きょうあいともな住宅じゅうたく路線ろせん投入とうにゅうしたケースもおおられた。また群馬ぐんま中央ちゅうおうバスのように、にほとんどいすゞしゃ導入どうにゅうしていないにもかかわらず、少数しょうすう台数だいすうながらローカル路線ろせんよう導入どうにゅうしたケースもあるなど、路線ろせんバス車両しゃりょうとしてはかなり広範囲こうはんい導入どうにゅうされた。しかし路線ろせんバスとして使用しようする場合ばあいは、エンジンカバーのうえ運賃うんちんばこ設置せっちされることになり、運賃うんちんばこ位置いち異様いようたか位置いちになるため、特注とくちゅうひく運賃うんちんばこ採用さいようした事業じぎょうしゃ存在そんざいした。またエンジンの振動しんどうから運賃うんちんばこ故障こしょうおおくなるという欠点けってんもあった。

1985ねんには日野自動車ひのじどうしゃから、マイクロバスをリアエンジン仕様しようにしたうえでホイールベースを変更へんこうし、トップドア設置せっち可能かのうにしたレインボーRB登場とうじょうした。1980年代ねんだい後半こうはんから1990年代ねんだいにかけては全国ぜんこく各地かくちコミュニティバス開設かいせつされ、初期しょきのコミュニティバスにはレインボーRBとならんでおお採用さいようされている。

さらに1995ねん8がつには、レインボーRBの後継こうけい車種しゃしゅとして2とびら仕様しよう可能かのうリエッセ登場とうじょうした。それ以降いこうはフロントエンジンに起因きいんする車内しゃない騒音そうおん低減ていげん困難こんなんということもあり、急速きゅうそく販売はんばい台数だいすう減少げんしょうした。このためいすゞ自動車ずじどうしゃは、1995ねん平成へいせい7ねん)にコーチビルダーである北村きたむら製作所せいさくしょとの提携ていけい解消かいしょう同時どうじに、路線ろせん仕様しようしゃについては生産せいさん終了しゅうりょうした。

MR112D/MR132Dはおおくの台数だいすう販売はんばいされたものの、フロントエンジン構造こうぞう最後さいごまで踏襲とうしゅうした結果けっか路線ろせんバス車両しゃりょうとしては多少たしょう無理むりがあっためんいなめない。しかし、全長ぜんちょう7mクラスで2とびら仕様しようという路線ろせんバス車両しゃりょうのニーズがたかかったことは、ジャーニーQの販売はんばい台数だいすう導入どうにゅう事業じぎょうしゃおおさのみならず、そのかくメーカーから7mクラスの2とびらバスがおお開発かいはつ販売はんばいされたことからもあきらかであり、自家用じかよう中心ちゅうしんだった小型こがたバス市場いちばいちせきとうじた存在そんざいといえる。

ジャーニーシリーズは、2003ねんからは日野自動車ひのじどうしゃとのバス事業じぎょう統合とうごうにより日野ひの・リエッセとの統合とうごう車種しゃしゅジャーニーJ(RXけい販売はんばいされていたが、リエッセと同時どうじ2011ねん8がつをもって生産せいさん終了しゅうりょうした。これによりいすゞ自動車ずじどうしゃのラインナップから小型こがた路線ろせんバスは姿すがたした。

貸切かしきり仕様しよう

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貸切かしきりバス自家用じかようバスとしてはトップドア仕様しようのほか、ちゅうとびらのみの仕様しよう導入どうにゅうれい少数しょうすうながら存在そんざいし、特装車とくそうしゃのベースとしても使つかわれた。

U-MR132Dとなった1990ねんには、このシャシ利用りようしてシアターフロアとした貸切かしきりしゃロイヤルデッカー」が登場とうじょうした。エンジンは6HE1がた (7,127cc・195ps) に変更へんこうされた。屋根やね後部こうぶたかくなる独特どくとく外観がいかん特徴とくちょうで、西日本にしにほんJRバス東武鉄道とうぶてつどうなど大手おおて事業じぎょうしゃでの採用さいようられた。しかし「ロイヤルデッカー」は天井てんじょうガラス張がらすばりとなっていることから、なつ冷房れいぼうきがわるく、ふゆには結露けつろしょうじるといった問題もんだいもあった(ふゆ結露けつろについては、グラスルーフやサンルーフ装備そうびしゃ以外いがいでも、まど面積めんせきおおきな車両しゃりょう全般ぜんぱん問題もんだいである)。

U-GR432F/KC-GR433F/KK-GR433F

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いすゞ・ジャーニーQ GRけい

U-GR432F 三陸さんりく観光かんこう

1991ねんには、エンジン配置はいちミッドシップとしたうえで、全幅ぜんぷくフルサイズみに拡大かくだいし、スーパークルーザー調しらべハイデッカー仕様しようとして「グランドロイヤル」も販売はんばいされた。型式けいしきはGRけい。マイクロバスとはおもえない居住きょじゅうせいものとし、小規模しょうきぼ貸切かしきりバス事業じぎょうしゃのみならず、大手おおてバス事業じぎょうしゃにも採用さいようされた。

型式けいしきにおける排出はいしゅつガス規制きせい識別しきべつ記号きごう以下いか意味いみ以下いかのとおり。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b バスラマエクスプレス 05 京浜急行けいひんきゅうこうバスの車両しゃりょうアルバム』p.36、ぽると出版しゅっぱん、2000ねん2がつ10日とおかISBN 4-938677-85-7

関連かんれん項目こうもく

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