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アメリカオニアザミ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
アメリカオニアザミ
分類ぶんるい（APG III）
界さかい : 植物しょくぶつ界かい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょう双そう子葉しよう類るい eudicots
階級かいきゅうなし : コア真正しんせい双そう子葉しよう類るい core eudicots
階級かいきゅうなし : キク類るい asterids
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうキク類るいI euasterids I
目め : キク目め Asterales
科か : キク科か Asteraceae
亜あ科か : タンポポ亜あ科か Cichorioideae
連れん : アザミ連れん Cardueae
亜あ連れん : Carduinae
属ぞく : アザミ属ぞく Cirsium
種たね : アメリカオニアザミ C. vulgare [1]
学名がくめい
Cirsium vulgare (Savi) Ten. (1835–38)[1][2][3]
和名わみょう
アメリカオニアザミ [1]
英名えいめい
bull thistle [3][4],
spear thistle [5][4],
common thistle [4]

アメリカオニアザミ（学名がくめい: Cirsium vulgare）はキク科かアザミ属ぞくの多年草たねんそう。日本にっぽんには本来ほんらい分布ぶんぷしていない外来がいらい種しゅ。和名わみょうに「アメリカ」とあるがヨーロッパ原産げんさんのアザミであり、誤解ごかいをさけるためセイヨウオニアザミと呼よばれることがある。中国ちゅうごく名めいは、翼つばさ薊あざみ[1]。

分布ぶんぷ

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ヨーロッパ原産げんさんで[6]、日本にっぽんには、北海道ほっかいどう、本州ほんしゅう、四国しこくに移入いにゅう分布ぶんぷする。北きたアメリカ、アフリカ南部なんぶ、オーストラリアでも外来がいらい種しゅとして定着ていちゃくしている。

特徴とくちょう

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種子しゅし

二に年ねん草くさ[6]。根ね生葉いくはは羽はね状じょうに深ふかく裂さけて、大おおきなロゼットをつくる[6]。茎くきはロゼットの中央ちゅうおうから立たち上あがり、高たかさは50 - 100センチメートル (cm) ほどになるが[6]、大おおきいものは200 cmにもなる[7]。茎くき全体ぜんたいに鋭するどいトゲを持もった翼つばさがある[6]。茎くき上じょうの葉はも羽はね状じょうに深ふかく裂さけて、裂きれ片へんの先さきや縁えんにトゲがある[6]。葉はの表面ひょうめんは緑色みどりいろで硬かたい短たん毛げがあり、下面かめんは綿毛わたげが多おおく白色はくしょくをしている[6]。

花期かきは7 - 10月がつ頃ごろ。両りょう生花せいかで、枝えだ上じょうに紅紫こうし色しょくの頭状花とうじょうかを1 - 3個こ咲さかせる[6]。総そう苞つとは幅はば2 - 4 cmの長ちょう卵たまご形がたで、線形せんけいの総そう苞つと片へんの先端せんたんには鋭するどい棘とげがある[6]。花冠かかんの長ながさは3 - 4 cm、冠かんむり毛げは白色はくしょくで羽はね状じょうに分ぶん枝えだする[6]。花はな床ゆかには長ながさ1 - 2 cmの白しろい剛毛ごうもう状じょうの鱗片りんぺんがある[6]。果実かじつ（痩やせ果はて）は長ながさ3ミリメートル (mm) の灰白色かいはくしょくで、冠かんむり毛げは脱落だつらくしやすい[6]。種子しゅしはタンポポのように綿毛わたげで風ふうに乗のって拡散かくさんする。

外来がいらい種しゅ問題もんだい

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日本にっぽんへは北きたアメリカから輸入ゆにゅうされた穀物こくもつや牧草ぼくそうに混入こんにゅうして持もち込こまれた[8]。はじめ「ヒレアザミ」の名なで[6]1960年代ねんだいに北海道ほっかいどうで初はじめて確認かくにんされ、本州ほんしゅうや四国しこくでも定着ていちゃくしているが、特とくに北海道ほっかいどうに多おおい[9]。

利尻島りしりとうや世界せかい遺産いさんの知床しれとこ国立こくりつ公園こうえんなどの自然しぜん度どの高たかい地域ちいきに侵入しんにゅうし、在来ざいらい種しゅと競争きょうそうし駆逐くちくしている[9]。ニホンジカはアメリカオニアザミを食たべないため、シカの多おおい地域ちいき（知床しれとこなど）では本ほん種しゅが増ふえている[10]。また、牛うしなどの家畜かちくも本ほん種しゅを食たべることはなく、酪農らくのう地帯ちたいでは放牧ほうぼく地ちの害がい草そうとして知しられている[11]。

外来がいらい生物せいぶつ法ほうにより、生態せいたい系けい被害ひがい防止ぼうし外来がいらい種しゅに指定していされている。棘とげを有ゆうするため、抜ぬき取とって駆除くじょするのは大変たいへんである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d 米倉よねくら浩司こうじ・梶田かじた忠ただし (2003-). “Cirsium vulgare (Savi) Ten.　アメリカオニアザミ（標準ひょうじゅん）”. BG Plants 和名わみょう−学名がくめいインデックス（YList）. 2024年ねん7月がつ21日にち閲覧えつらん。
  2. ^ "Plant Name Details for Cirsium vulgare (Savi) Ten". International Plant Names Index (IPNI). International Organization for Plant Information (IOPI). 2012年ねん7月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  3. ^ a b "Cirsium vulgare (Savi) Ten.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 2700598. 2012年ねん7月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  4. ^ a b c ITISのCirsium vulgare[broken anchor]のページ
  5. ^ Encyclopedia of LifeのCirsium vulgare[broken anchor]のページ
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m 長田ながた武正たけまさ 1976, p. 16.
  7. ^ “大阪おおさか市立しりつ自然しぜん史し博物館はくぶつかん第だい50回かい特別とくべつ展てん「知しるからはじめる外来がいらい生物せいぶつ 〜未来みらいへつなぐ地域ちいきの自然しぜん〜」”. 大阪おおさか市立しりつ自然しぜん史し博物館はくぶつかん. 2020年ねん8月がつ7日にち閲覧えつらん。
  8. ^ 多た紀きの保彦やすひこ（監修かんしゅう） 財団ざいだん法人ほうじん自然しぜん環境かんきょう研究けんきゅうセンター（編著へんちょ）『決定けってい版ばん 日本にっぽんの外来がいらい生物せいぶつ』平凡社へいぼんしゃ、2008年ねん4月がつ21日にち。ISBN 978-4-582-54241-7。 
  9. ^ a b 北海道ほっかいどうブルーリスト A2 アメリカオニアザミ
  10. ^ 知床しれとこ国立こくりつ公園こうえん羅臼らうすビジターセンター アメリカオニアザミ
  11. ^ 村上むらかみ興きょう正ただし・鷲谷わしやいづみ（監修かんしゅう） 日本にっぽん生態せいたい学会がっかい（編著へんちょ）『外来がいらい種しゅハンドブック』地ち人じん書しょ館かん、2002年ねん9月がつ30日にち。ISBN 4-8052-0706-X。 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 長田ながた武正たけまさ『原色げんしょく日本にっぽん帰化きか植物しょくぶつ図鑑ずかん』保育ほいく社しゃ、1976年ねん6月がつ1日にち。ISBN 4-586-30053-1。 
ウィキメディア・コモンズには、アメリカオニアザミに関連かんれんするカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズにアメリカオニアザミに関かんする情報じょうほうがあります。

外部がいぶリンク

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