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イグアノドン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
イグアノドン
Iguanodon
生息せいそく年代ねんだい: 中生代ちゅうせいだい前期ぜんきはく亜紀あき, 126–113 Ma
イグアノドン
I. bernissartensis全身ぜんしん骨格こっかく
からだみき水平すいへいにしたあたらしい復元ふくげん
地質ちしつ時代じだい
中生代ちゅうせいだい前期ぜんきはく亜紀あき
やく1おく2,600まん ~ 1おく1,300まんねんまえ
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 爬虫つな Reptilia
つな : そうゆみつな Diapsida
下綱しもつな : しゅりゅうがた下綱しもつな Archosauromorpha
上目うわめ : 恐竜きょうりゅう上目うわめ Dinosauria
: とりばん Ornithischia
階級かいきゅうなし : ゲナサウルスるい Genasauria
階級かいきゅうなし : しんとりばんるい Neornithischia
階級かいきゅうなし : すみあしるい Cerapoda
: とりあし Ornithopoda
階級かいきゅうなし : イグアノドンるい Iguanodontia
階級かいきゅうなし : ドリオがたるい Dryomorpha
階級かいきゅうなし : けん拇指ぼしるい Ankylopollexia
階級かいきゅうなし : とげ胸骨きょうこつるい Styracosterna
階級かいきゅうなし : ハドロサウルスがたるい Hadrosauriformes
うえ : ハドロサウルスうえ Hadrosauroidea
階級かいきゅうなし : ハドロサウルスがたるい Hadrosauriformes
ぞく : イグアノドンぞく Iguanodon
学名がくめい
Iguanodon Mantell1825
和名わみょう
禽竜 (きんりゅう)
たね

イグアノドン学名がくめい Iguanodon)は、イグアノドンるいぞくする恐竜きょうりゅういちぞく和名わみょう禽竜 (きんりゅう)。

概要がいよう

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メガロサウルスならんで恐竜きょうりゅう研究けんきゅう最初さいしょ発見はっけんされたとりあしるい世界せかいで2番目ばんめ名前なまえがつけられた[1]中生代ちゅうせいだいはく亜紀あき前期ぜんきやく1おく2,600まん ~ 1おく1,300まんねんまえ)のヨーロッパに生息せいそくしていた。

研究けんきゅう

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イグアノドンを発見はっけんしたのはイギリス田舎いなか医者いしゃだったギデオン・マンテルである。マンテルは相当そうとう生物せいぶつマニアで、医師いしぎょうかたわみずか化石かせきりにかけていたという。マンテルの収集しゅうしゅうした化石かせきコレクションは当時とうじのイギリスでも有数ゆうすうのものだった。ある診察しんさつかえりに工事こうじかえされた道路どうろていたところ、巨大きょだいれる化石かせき発見はっけん、すぐさま博物はくぶつ学者がくしゃジョルジュ・キュヴィエなど専門せんもんした意見いけんあおぎにった。ところがキュヴィエらはサイか、ぞうとしかとらえず、マンテルは納得なっとくしなかった。その爬虫類はちゅうるいであるイグアナ化石かせき特徴とくちょう一致いっちすることをめたマンテルは、その化石かせき古代こだいきた巨大きょだい爬虫類はちゅうるいのものであるとし、「イグアナの」を意味いみする学名がくめいIguanodon(イグアノドン)をあたえた。

マンテルが想像そうぞうしたイグアノドンは、鼻先はなさきかくち、長大ちょうだい、イグアナのような体躯たいくをしていた。イグアナをモデルとした結果けっか、「マンテル・イグアノドン」は、体長たいちょう70メートルという非常ひじょう巨大きょだい生物せいぶつとなってしまった。体長たいちょうはともかく、そのながくマンテル・イグアノドンのスタイルはしばらくがれることになる。

1878ねんベルギーエノーしゅうにあるベルニサール炭鉱たんこうから30たい以上いじょう完全かんぜん全身ぜんしん骨格こっかく化石かせき発見はっけんされ、イグアノドンの復元ふくげんについての研究けんきゅうおおきくすすんだ。現在げんざいこの化石かせきベルギー王立おうりつ自然しぜん博物館はくぶつかん展示てんじされている。

形態けいたい

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実際じっさいのところ、一般いっぱんてき現生げんなま爬虫類はちゅうるいであるイグアナと、絶滅ぜつめつした生物せいぶつであるイグアノドンあいだには生物せいぶつがくてきなんの関係かんけいはない。かたちている程度ていどのものである。

体長たいちょう7 - 9メートル。イグアノドンは一般いっぱんてきとりあしるい同様どうようにくちばし(とりのようなくちばしではなく、骨格こっかく一部いちぶをなすほね)をち、りゅうあしるいくら発達はったつしたすうひゃくほん臼歯きゅうしがあった。上顎じょうがくにはれつ左右さゆううごかすことができる関節かんせつがあった。こうした構造こうぞうは、固定こていされ上下じょうげするのみのしもあごれつとのあいだがわかた剪断ちから[2]植物しょくぶつ効率こうりつてきり、すりつぶすことができた[3]

比較的ひかくてきみじか前肢ぜんしながめの後肢あとあしつ。イグアノドンのもっともおおきな特徴とくちょうはその前肢ぜんしにある。親指おやゆびはほとんどがながさ15センチメートルほど[4]円錐えんすいじょうするどくとがったほねからできていて、マンテルがかくても仕方しかたがなかった。実際じっさいには、ほねさら角質かくしつつめがかぶるのでさらながくなる。これが親指おやゆびだと判明はんめいした当時とうじ肉食にくしょく恐竜きょうりゅうたいする唯一ゆいいつ防御ぼうぎょ方法ほうほうとしてわたっていたが、現在げんざいでは柔軟じゅうなんせいたかだい5ゆび小指こゆび)とともにやぶのなかこのみのせるとき使つかわれたのではないかとかんがえられている。実際じっさい捕食ほしょく動物どうぶつおそわれたさい、この親指おやゆび武器ぶきとして使つかえる余裕よゆうがあったかどうかは疑問ぎもんである。

イグアノドンはマンテルのころに4そく歩行ほこう、やがて2そく歩行ほこう復元ふくげんされるようになり、現在げんざいではふたたび4そく歩行ほこうもどっている。これは前肢ぜんしの5ほんゆびのうち、なかの3ほんに、こうがわふかげることのできる特殊とくしゅ関節かんせつっていることがかったためである。イグアノドンは通常つうじょう4そく歩行ほこうで、体重たいじゅうかるわか個体こたいいそときなどは2そく歩行ほこうをしていたのだろうとかんがえられている。

イグアノドンの断面だんめん縦長たてながになっているため、かつては使つかっておよ水生すいせい動物どうぶつかんがえられたこともあったが、現在げんざいでは陸生りくせいであったとされる。

ギャラリー

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 小学館しょうがくかん図鑑ずかんNEO 恐竜きょうりゅう小学館しょうがくかん、2016ねん3がつ2にち、138ぺーじ 
  2. ^ 犬塚いぬづかのりひさ 2006, p. 223.
  3. ^ リチャードソン 2005, pp. 138–139.
  4. ^ リチャードソン 2005, p. 139.
  5. ^ 小学館しょうがくかん図鑑ずかんNEO 恐竜きょうりゅう小学館しょうがくかん、2016ねん3がつ2にち、170ぺーじ 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 犬塚いぬづかのりひさし恐竜きょうりゅうホネホネがく日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかいNHKブックス〉、2006ねんISBN 4-14-091061-5 
  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修かんしゅう)『恐竜きょうりゅう博物はくぶつ図鑑ずかん出田いでたきょうせいわけ)、新樹あらきしゃ〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005ねんISBN 4-7875-8534-7 

関連かんれん項目こうもく

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