ウグイ属ぞく

ウグイ属ぞく
	ウグイ Pseudaspius hakonensis
分類ぶんるい
学名がくめい
	Pseudaspius Dybowski, 1869
タイプ種しゅ
	Cyprinus leptocephalus Pallas, 1776
シノニム
	Tribolodon Sauvage, 1883
和名わみょう
	ウグイ属ぞく

ウグイ属ぞく（ウグイぞく、学名がくめい：Pseudaspius）は、コイ目めコイ科か（ウグイ科かとする説せつもあり）に分類ぶんるいされる魚さかなの属ぞく。サハリン、ロシア沿海えんかい地方ちほう、朝鮮半島ちょうせんはんとう東岸とうがん部ぶ、日本にっぽんに生息せいそくする。

分類ぶんるい

模も式しき種しゅはPseudaspius leptocephalus^[1]。そのほかに日本にっぽん産さんとして4種しゅ（2亜種あしゅ）が含ふくまれ、日本にっぽん産さんの種たねはTribolodon属ぞくとして長ながらく分類ぶんるいされていた^[1]^[2]^[3]。ジュウサンウグイ・マルタウグイ・ウグイは降くだ河かわ回遊かいゆうを行おこなうが、他た2種しゅは行おこなわない。

Pseudaspius leptocephalus (Pallas, 1776) マンシュウウオ^[4]
Pseudaspius hakonensis (Günther, 1877) ウグイ Japanese dace^[4]
Pseudaspius nakamurai (Doi & Shinzawa, 2000) ウケクチウグイ Long lowerjaw dace^[4]
Pseudaspius sachalinensis (Nikolskii, 1889) エゾウグイ Ainu dace^[4]
Pseudaspius brandtii (Dybowski, 1872) マルタ（広義こうぎ）
- Pseudaspius brandtii brandtii (Dybowski, 1872) ジュウサンウグイ Jusan dace^[4]
- Pseudaspius brandtii maruta (Sakai & Amano, 2014) マルタ Maruta dace^[4]

系統けいとう

旧きゅうTribolodon属ぞくに最もっとも近きん縁えんな種たねは、シベリアから中国ちゅうごくの淡水たんすい域いきに分布ぶんぷするPseudaspius属ぞくのマンシュウウオ^[5] Pseudaspius leptocephalus とされていた。この種たねと旧きゅうTribolodon属ぞくの間あいだには、咽頭いんとう歯ぱなどの形態けいたい的てき共通きょうつう点てんが多おおく、2020年ねんに同属どうぞくとする説せつが提唱ていしょうされた^[1]。旧きゅうTribolodon属ぞく内ないではウグイの分岐ぶんきが最もっとも早はやく、他たの3種しゅは相互そうごに近きん縁えんであるとする結果けっかもあるが^[6]、その他たの解析かいせきでは異ことなる結果けっかも得えられている^[1]。

分子ぶんし時計とけいによると、本属ほんぞくが他たのコイ科か魚類ぎょるいから分岐ぶんきしたのは鮮新世よ前期ぜんきであると考かんがえられる。これは日本海にほんかいが形成けいせいされた時期じきに当あたり、日本海にほんかいの海水かいすい化かに伴ともなって、海水かいすいへの耐たい性せいが獲得かくとくされていったと推測すいそくされる。

ウグイ科かLeuciscidae（＝コイ科かウグイ亜あ科かLeuciscinae）のうちOreoleuciscus属ぞくやアブラハヤ属ぞくRhynchocyprisと単たん系統けいとう群ぐんを形成けいせいするとされ、これらの属ぞくとともにPseudaspininae亜あ科かを構成こうせいする説せつもある^[1]。

脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h Harumi Sakai, Katsutoshi Watanabe & Akira Goto, “A revised generic taxonomy for Far East Asian minnow Rhynchocypris and dace Pseudaspius,”　Ichthyological Research, Volume 67, No. 2, Ichthyological Society of Japan, 2020, Pages 330–334.
^ ^a ^b 本村もとむら浩之ひろゆき『日本にっぽん産さん魚類ぎょるい全ぜん種目しゅもく録ろくこれまでに記録きろくされた日本にっぽん産さん魚類ぎょるい全ぜん種たねの現在げんざいの標準ひょうじゅん和名わみょうと学名がくめい』鹿児島大学かごしまだいがく総合そうごう研究けんきゅう博物館はくぶつかん、2020年ねん、27-28頁ぺーじ。
^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2011). Species of Tribolodon in FishBase. October 2011 version.
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 藤田ふじた朝彦あさひこ「ウグイ」ほか、細谷ほそや和かず海うみ編へん・監修かんしゅう『山やま溪けいハンディ図鑑ずかん 15 増補ぞうほ改訂かいてい日本にっぽんの淡水魚たんすいぎょ』山やまと溪谷社けいこくしゃ、2015年ねん、112-119頁ぺーじ。
^ 満まん鉄てつ調査ちょうさ部ぶ編へん『原色げんしょく満州まんしゅう有用ゆうよう淡水魚たんすいぎょ類るい図説ずせつ』南みなみ満州まんしゅう鉄道てつどう、1939年ねん、14‐15頁ぺーじ。
^ Sasaki T, Kartavtsev YP, Chiba SN, Uematsu T, Sviridov VV, Hanzawa N (2007). “Genetic divergence and phylogenetic independence of Far Eastern species in subfamily Leuciscinae (Pisces: Cyprinidae) inferred from mitochondrial DNA analyses”. Genes Genet. Syst. 82 (4): 329-340. doi:10.1266/ggs.82.329.

外部がいぶリンク

東北とうほく日本にっぽんにおけるウグイ属ぞく魚類ぎょるいの種族しゅぞく分化ぶんか動物どうぶつ分類ぶんるい学会がっかい誌し (12), 65-77, 1976-12-20

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[sakai_et_al2020-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h Harumi Sakai, Katsutoshi Watanabe & Akira Goto, “A revised generic taxonomy for Far East Asian minnow Rhynchocypris and dace Pseudaspius,”　Ichthyological Research, Volume 67, No. 2, Ichthyological Society of Japan, 2020, Pages 330–334.

[motomura2020-2] 本村もとむら浩之ひろゆき『日本にっぽん産さん魚類ぎょるい全ぜん種目しゅもく録ろくこれまでに記録きろくされた日本にっぽん産さん魚類ぎょるい全ぜん種たねの現在げんざいの標準ひょうじゅん和名わみょうと学名がくめい』鹿児島大学かごしまだいがく総合そうごう研究けんきゅう博物館はくぶつかん、2020年ねん、27-28頁ぺーじ。

[fb-3] Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2011). Species of Tribolodon in FishBase. October 2011 version.

[fujita2019-4] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 藤田ふじた朝彦あさひこ「ウグイ」ほか、細谷ほそや和かず海うみ編へん・監修かんしゅう『山やま溪けいハンディ図鑑ずかん 15 増補ぞうほ改訂かいてい日本にっぽんの淡水魚たんすいぎょ』山やまと溪谷社けいこくしゃ、2015年ねん、112-119頁ぺーじ。

[5] 満まん鉄てつ調査ちょうさ部ぶ編へん『原色げんしょく満州まんしゅう有用ゆうよう淡水魚たんすいぎょ類るい図説ずせつ』南みなみ満州まんしゅう鉄道てつどう、1939年ねん、14‐15頁ぺーじ。

[6] Sasaki T, Kartavtsev YP, Chiba SN, Uematsu T, Sviridov VV, Hanzawa N (2007). “Genetic divergence and phylogenetic independence of Far Eastern species in subfamily Leuciscinae (Pisces: Cyprinidae) inferred from mitochondrial DNA analyses”. Genes Genet. Syst. 82 (4): 329-340. doi:10.1266/ggs.82.329.

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