東京とうきょう・埼玉さいたま連続れんぞく幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん

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曖昧さ回避 「関東かんとう連続れんぞく少女しょうじょ殺人さつじん事件じけん」あるいは「北関東きたかんとう連続れんぞく幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん」とは異ことなります。
東京とうきょう・埼玉さいたま連続れんぞく幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん
正式せいしき名称めいしょう 警察庁けいさつちょう広域こういき重要じゅうよう指定してい117号ごう事件じけん
場所ばしょ 日本の旗 日本にっぽん: 東京とうきょう都と・埼玉さいたま県けん
日付ひづけ 1988年ねん - 1989年ねん
死亡しぼう者しゃ 4人にん
犯人はんにん 宮崎みやざき勤つとむ
対処たいしょ 逮捕たいほ・起訴きそ
謝罪しゃざい なし
刑事けいじ訴訟そしょう 死刑しけい（執行しっこう済ずみ）
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東京とうきょう・埼玉さいたま連続れんぞく幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん（とうきょう・さいたま れんぞくようじょゆうかいさつじんじけん）とは、1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）から翌よく1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）にかけて日本にっぽんの関東かんとう地方ちほう（埼玉さいたま県けん・東京とうきょう都と）で相次あいついで発生はっせいした4件けんの誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん。警察庁けいさつちょうにより、広域こういき重要じゅうよう事件じけん117号ごうに指定していされた。

1988年ねん8月がつ - 1988年ねん12月にかけ、埼玉さいたま県けん西部せいぶの入間川いりまがわ流域りゅういき（入間いるま市し・飯能はんのう市し・川越かわごえ市し）でA（事件じけん当時とうじ4歳さい）、B（同どう7歳さい〈小学しょうがく1年生ねんせい〉）、C（同どう4歳さい）の女児じょじ3人にんが相次あいついで行方ゆくえ不明ふめいになり、Cは行方ゆくえ不明ふめいになってから数日すうじつ後ごに山中さんちゅうで他殺たさつ体たいとなって発見はっけんされた。その後ご、1989年ねん2月がつにはAの遺族いぞくに遺骨いこつが送おくりつけられ、同年どうねん6月がつには東京とうきょう都と江東こうとう区くの女児じょじD（同どう5歳さい）が行方ゆくえ不明ふめいとなり、埼玉さいたま県けん飯能はんのう市しでバラバラ死体したいとなって発見はっけんされた。同年どうねん8月がつに一連いちれんの事件じけんの犯人はんにんである宮崎みやざき勤つとむがD事件じけんの被疑ひぎ者しゃとして警視庁けいしちょうに逮捕たいほされ、彼かれの自供じきょうにより行方ゆくえ不明ふめいのままだったBも遺体いたいで発見はっけんされた。宮崎みやざきは2006年ねん（平成へいせい18年ねん）2月がつ2日にちに死刑しけい判決はんけつが確定かくてい[1]、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）6月17日にちに東京とうきょう拘置こうち所しょで死刑しけいを執行しっこうされている。

被害ひがい者しゃの遺骨いこつを遺族いぞくに送おくりつける、犯行はんこう声明せいめいを新聞しんぶん社しゃに送おくりつけるなど、不可解ふかかいな行動こうどうを犯人はんにんがとったことで、マスメディアによる報道ほうどうが過熱かねつ。犯人はんにん逮捕たいほ後ごも、犯人はんにんの趣味しゅみ嗜好しこうなどが大おおきく取とり上あげられ、「おたく」という呼称こしょう・言葉ことばが広ひろく周知しゅうちされるきっかけとなった。当時とうじとしては異例いれいの2度どの正式せいしきな精神せいしん鑑定かんていが行おこなわれた事件じけんでもある。

犯人はんにんの名前なまえから、「宮崎みやざき事件じけん」「宮崎みやざき勤つとむ事件じけん」「M君くん事件じけん」などと呼よばれる。犯人はんにんだけでなく、被害ひがい者しゃの名前なまえも実名じつめいで報道ほうどうされた事件じけんであるが、本ほん項こうでは被害ひがい者しゃを事件じけん発生はっせい順じゅんにA・B・C・Dと表記ひょうきする。

事件じけんの経緯けいい[編集へんしゅう]

東京とうきょう都とあきる野の市し小和田こわだ（旧きゅう：西多摩にしたま郡ぐん五日市いつかいち町まち小和田こわだ）にある「和なごみ広場ひろば」。ここは宮崎みやざき勤つとむの生家せいか（五日市いつかいち町まち小和田こわだ181番地ばんち）と彼かれの父親ちちおやが経営けいえいしていた「新しん五日市いつかいち社しゃ」社屋しゃおくの跡地あとちであり、A事件じけん・D事件じけんではそれぞれ被害ひがい女児じょじの遺体いたいがここで焼却しょうきゃく・切断せつだんされた。2023年ねん9月がつ撮影さつえい。

A事件じけん[編集へんしゅう]

1988年ねん8月がつ22日にち、埼玉さいたま県けん入間いるま市し春日かすが町まちで幼稚園ようちえん児じの女児じょじA（当時とうじ4歳さい）が行方ゆくえ不明ふめいになり、両親りょうしんが「娘むすめが帰かえってこない」と埼玉さいたま県けん警察けいさつに通報つうほうした[2]。Aは15時じ20分ふんごろ、近所きんじょに住すむ同おなじ幼稚園ようちえんの友人ゆうじん宅たくに遊あそびに行いくとい残いのこして外出がいしゅつしたが、実際じっさいには友人ゆうじん宅たくには寄よっていなかった[3]。同日どうじつ15時じ30分ふんごろにはAが自宅じたく近ちかくで、中年ちゅうねん男性だんせいについて行いくような形かたちで入間川いりまがわの方ほうへ向むかって歩あるいている姿すがたを、男児だんじ2人にんが目撃もくげきしている[2]。またAと同おなじ団地だんちに住すんでいた主婦しゅふ2人にんも同おなじころ、Aが自宅じたく近ちかくの市道しどうを西にしから歩あるいてきて、自宅じたくのある団地だんちに隣接りんせつする市立しりつ黒須くろす小学校しょうがっこう校庭こうていの角かくを左折させつし、見知みしらぬ中年ちゅうねんの男おとこ（見みた目めは30 - 40歳さい）の数すうメートル後ごをついていくように、団地だんちと小学校しょうがっこうの間あいだの道みちを入間川いりまがわ方向ほうこうへ歩あるいて行いく姿すがたを目撃もくげきしていた[3]。

翌よく23日にち以降いこう、所轄しょかつの狭山さやま警察けいさつ署しょや入間いるま市し消防しょうぼう本部ほんぶ（現げん：埼玉さいたま西部せいぶ消防しょうぼう組合くみあい）、地元じもと自治じち会員かいいんらが徹夜てつやで付近ふきんの入間川いりまがわ・霞かすみ川がわや用水路ようすいろ、寺社じしゃなどで大だい規模きぼな捜索そうさくを行おこない[4]、前述ぜんじゅつの男児だんじ2人にんの証言しょうげんから、県警けんけいは誘拐ゆうかい事件じけんも視野しやに捜査そうさを進すすめたが、Aは発見はっけんされなかった[3]。前述ぜんじゅつの目撃もくげき証言しょうげんから、Aは友人ゆうじん宅たくに向むかったはずが何なんらかの理由りゆうで引ひき返かえし、自宅じたく前まえを通とおり過すぎていったことになるため、広範囲こうはんいの捜索そうさくでも手掛てがかりが得えられなかったこと、また慎重しんちょうな性格せいかくであるAが傘かさも持もたず、一人ひとりで川かわなど危険きけんな場所ばしょに行いくことは考かんがえられない[注ちゅう 1]ことから、狭山さやま署しょはAが友人ゆうじん宅たくへ向むかう途中とちゅうで誰だれかに声こえをかけられた可能かのう性せいを強つよめて捜査そうさした[3]。実際じっさいにはAは犯人はんにんである宮みや﨑勤によって誘拐ゆうかいされた直後ちょくごに殺害さつがいされていた。宮崎みやざきは殺害さつがい後ごしばらく経たち、死後しご硬直こうちょくで固かたくなったAの遺体いたいにわいせつ行為こういを行おこなう様子ようすをビデオ撮影さつえいしている。

犯行はんこう声明せいめい[編集へんしゅう]

A事件じけんから2か月げつ後ごの10月がつにはB事件じけんが、さらに同どう事件じけんから2か月げつ後ごにはC事件じけんがそれぞれ発生はっせいし、その度たびに県警けんけいは新あらたな事件じけんに限かぎられた数かずの捜査そうさ員いんを動員どういんするため、未み解決かいけつのままだったA事件じけんやB事件じけんの捜査そうさ員いんを新あらたな事件じけんの捜査そうさに回まわさざるを得えなくなっていた[5]。同年どうねん12月がつ以降いこう、狭山さやま署しょは捜査そうさ体制たいせいを37人にんに縮小しゅくしょうしていたが[5]、後述こうじゅつのB事件じけん・C事件じけんが相次あいついで発生はっせいした後のちの1989年ねん2月がつ6日にち、Aの自宅じたく玄関げんかん前まえに段だんボール箱ばこ（縦たて28 cm×横よこ34 cm×深ふかさ17 cm）が置おかれており、中なかには焼やかれた十じゅう数すう個この骨ほね片へん（歯はが付ついた子供こどもの顎あご部ぶの骨ほねなど）、犯行はんこうを匂におわすメモ[6]、富士写真ふじしゃしんフイルム製せいのインスタントカメラで撮影さつえいされた写真しゃしん（Aが失踪しっそうした当時とうじ着きていた衣服いふくの写真しゃしん）などが入はいっていた[注ちゅう 2][7]。これを受うけ、狭山さやま署しょは骨ほね片へんはAの遺体いたいの一部いちぶとの見方みかたを強つよめて骨ほねの鑑定かんていを行おこない[6]、捜査そうさ体制たいせいを約やく3倍ばいの97人にんに再ふたたび増強ぞうきょうした[5]。またこの日ひは、AやBが失踪しっそうした日ひと同おなじ月曜日げつようびだった[注ちゅう 3][5]。

埼玉さいたま県警けんけいは箱はこに入はいっていた歯はの鑑定かんていを、Aが通院つういんしていた入間いるま市しの歯科しか医院いいんと東京歯科大学とうきょうしかだいがくに依頼いらいした結果けっか、ほとんどは乳歯にゅうしであることが判明はんめいしたが、Aは虫歯むしばを治療ちりょうしたことがある一方いっぽう、歯はには治療ちりょう痕こんが見当みあたらなかったことなどから、7日にちには歯ははAのものではなく、またB（歯科しか医いへの通院つういん歴れきがなかった）の歯はでもないと発表はっぴょうした[9]。しかし歯はの鑑定かんていを行おこなった東京歯科大学とうきょうしかだいがく教授きょうじゅ（法ほう歯学しがく）の鈴木すずき和男かずおはあくまで所見しょけんとして「（鑑定かんてい結果けっかだけでは）Aとは断定だんていできない」と述のべていたに過すぎず、鈴木すずきが詳くわしく調しらべたところ、乳歯にゅうしと見みられていた歯ははAの奥歯おくばと形かたちが異ことなり、永久歯えいきゅうしの生はえかけの歯はの頭あたまの部分ぶぶんである可能かのう性せいが強つよいことが判明はんめいしたため、県警けんけいは「歯ははAのものではない」という発表はっぴょうを事実じじつ上じょう撤回てっかい、科学警察研究所かがくけいさつけんきゅうしょの詳細しょうさいな鑑定かんてい結果けっかを待まつこととなった[7]。後のちに再さい鑑定かんていを行おこない、10日とおかには「A本人ほんにんのものと推定すいていされる」という中間ちゅうかん鑑定かんてい要旨ようしを発表はっぴょうした[10]。同月どうげつ10日とおかと11日にちに「今田いまだ勇子ゆうこ」[注ちゅう 4]の名なで、朝日新聞あさひしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃとA宅たく宛あてにそれぞれ、犯行はんこう声明せいめいとAの顔かおが写うつったインスタント写真しゃしんが郵送ゆうそうされた[10]。犯人はんにんは犯行はんこう声明せいめいの中なかで女性じょせいであると称しょうしており、内容ないようは段だんボール箱ばこに入はいった骨ほねは全すべてAの骨ほねである、と主張しゅちょうするものだった[10]。手紙てがみ2通つうはいずれも、狭山さやま署しょが「歯ははAとは別人べつじん」と発表はっぴょうした翌日よくじつ（8日にち）に青梅おうめ郵便ゆうびん局きょく（東京とうきょう都と）管内かんないから投函とうかんされたものだった[10]。朝日新聞社あさひしんぶんしゃに添付てんぷされた写真しゃしんがA本人ほんにんと確認かくにんされ、また事件じけんの経緯けいいが克明こくめいに記しるされていたことや、警察けいさつが公表こうひょうしなかった写真しゃしんの内容ないようについて説明せつめいがあるなど、犯人はんにんしか知しり得えない事実じじつが記載きさいされていたことから、同どう県警けんけいは前述ぜんじゅつの鑑定かんてい結果けっかと併あわせ、Aは誘拐ゆうかい・殺害さつがいされたものと断定だんていした上うえで、この声明せいめい文ぶんも犯人はんにんが書かいたものと断定だんていした[10]。一方いっぽうでこの手紙てがみにはAを入間川いりまがわに沈しずめて殺ころしたなど、事実じじつと異ことなるいきさつが書かかれていた。

3月11日にち、「今田いまだ勇子ゆうこ」名めいでの第だい2の書簡しょかん『告白こくはく文ぶん』が朝日新聞あさひしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃとB宅たくに届とどく[注ちゅう 5]。両りょう書簡しょかんとも極端きょくたんに角張かくばったき手きてと反対はんたいの手てで書かかれたとも思おもえる筆跡ひっせきが特徴とくちょうであり、筆跡ひっせき鑑定かんていが行おこなわれた。宮みや﨑の犯行はんこう声明せいめい文ぶんには、平仮名ひらがなに片仮名かたかなが混こんじるなど不自然ふしぜんな部分ぶぶんが見みえる。以下いかに要旨ようしを掲かかげる。

「遺骨いこつ入いりの段だんボールを置おいたのは、この私わたしです。この、A一いち件けんに関かんしては、最初さいしょから最後さいごまで私わたし一人ひとりでしたことです。その証しょうかしを立たてます。まず、どうやって連つれ去さったか述のべましょう。
Aを泳およがせ、Aを見守みまもるのではなく、私わたし達たち二に人にんを誰だれかが見みていないかどウカを見守みまもります。居いる様子ようすはなく、来くる様子ようすさえありませんでした。すると、誰だれも来きたそウにないという気きが集中しゅうちゅうして、異様いような程ほどに、胸むねが高たかまってくると、なぜかモヤモヤしてきました。そして、子供こどもを産うむことが出来できないくせに、こうして目めの前まえに自由じゆうな子こガイルといウ、自分じぶんにとっての不自然ふしぜんさが突如とつじょとしてぶり返かえし、「このままAを家いえに帰かえしては……」といウ思おもいのよぎりガ交差こうさし合あい、モヤモヤした、とめどもない高こうなりガ一気いっきに爆発ばくはつし、目めの前まえの水みずを武器ぶきに、私わたしは、Aの髪かみの毛けをつかみ、顔かおを川かわに沈しずめ、決けっして自分じぶんガ、いいといウまで、頭あたまを水面すいめんから上あげさせませんでした。

このような犯行はんこう文ぶんから、埼玉さいたま県警けんけいは子供こどもを生うめない女性じょせいによる犯行はんこうとの見方みかたに傾かたむき、捜査そうさは振ふり回まわされることになる[11]。一方いっぽうで「今田いまだ勇子ゆうこ」の声明せいめい文ぶんと異ことなり、仮かりに犯人はんにんが男性だんせいだと仮定かていすると、Aが失踪しっそうした8月がつ22日にち当日とうじつにAを目撃もくげきした主婦しゅふや男児だんじたちの証言しょうげんと犯行はんこう声明せいめいの内容ないようがほぼ一致いっちすることも指摘してきされた[12]。県警けんけいは同月どうげつ27日にち、「幼女ようじょ連続れんぞく行方ゆくえ不明ふめい事案じあん総合そうごう対策たいさく本部ほんぶ」を発展はってん的てきに解消かいしょうした上うえで、新あらたに「幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん等とう総合そうごう対策たいさく本部ほんぶ」を設置せっち、それまで県けん西部せいぶを中心ちゅうしんに11署しょに設置せっちされていた対策たいさく本部ほんぶも37全ぜん署しょに広ひろげた[13]。

B事件じけん[編集へんしゅう]

その後ご、同年どうねん10月3日にちに同どう県けん飯能はんのう市し下赤工しもあかだくみで市立しりつ原市場はらいちば小学校しょうがっこう1年生ねんせいの女児じょじB（当時とうじ7歳さい）が行方ゆくえ不明ふめいになった[14]。Bは同日どうじつ13時じ50分ふんごろに集団しゅうだん下校げこうし、途中とちゅうで欠席けっせきした同級生どうきゅうせい宅たくに一人ひとりで寄よって学校がっこうからの連絡れんらく帳ちょうを届とどけた後のち、自宅じたく玄関げんかん先さきにランドセルを置おいたまま行方ゆくえ不明ふめいになった[注ちゅう 6][15]。現場げんばは飯能はんのう市街地しがいちから約やく8 km離はなれた名栗なぐり川がわ（入間川いりまがわの上流じょうりゅう部ぶ）・県道けんどう飯能はんのう下名栗しもなぐり線せん沿線えんせんの山間さんかん地ちである[15]。宮みや﨑はBを誘拐ゆうかいした直後ちょくごに殺害さつがいし、その直後ちょくごにわいせつ行為こういをした。

Bの家族かぞくはBが失踪しっそうした3日にち夜よるに捜索そうさく願ねがいを出だし、これを受うけた埼玉さいたま県警けんけいや所轄しょかつの飯能はんのう警察けいさつ署しょ、飯能はんのう消防署しょうぼうしょは4日にち朝あさから、B宅たく近ちかくの入間川いるまがわなど周辺しゅうへん一帯いったいで大だい規模きぼな捜索そうさくを行おこなったが、手掛てがかりは得えられなかった[14]。失踪しっそう現場げんばはA事件じけんの失踪しっそう現場げんばと同おなじ入間川いるまがわ沿ぞい（A事件じけんの現場げんばから約やく12 km上流じょうりゅう）にあり、また両りょう事件じけんには「被害ひがい女児じょじがおかっぱ頭あたま」「失踪しっそう時間じかん帯たいは月曜日げつようびの日にち中ちゅう」という共通きょうつう点てんが見みられたことから、埼玉さいたま県警けんけいはこの時点じてんで両りょう事件じけんの関連かんれんを調しらべていた[14]。事件じけんを受うけて原げん市場いちば小学校しょうがっこうは10月がつはじめに予定よていしていた運動会うんどうかいを延期えんきし、11月になって開ひらいたが、Bの家族かぞくに配慮はいりょして応援おうえん合戦かっせんやアトラクションを自粛じしゅくしていた[16]。

C事件じけん[編集へんしゅう]

同年どうねん12月9日にちには同どう県けん川越かわごえ市し古谷上ふるやかみで、幼稚園ようちえん児じの女児じょじC（当時とうじ4歳さい）が行方ゆくえ不明ふめいになった[17]。Cは事件じけん当日とうじつの14時じ30分ふんごろに母親ははおやとともに幼稚園ようちえんから帰宅きたくした後のち、自宅じたくのある棟むねから約やく100 m離はなれた別棟べつむねの友人ゆうじん宅たくへ遊あそびに行いった[18]。その後ご、既すでに暗くらくなっていた16時じ30分ふんごろにもう一人ひとりの友達ともだちと一緒いっしょにこの園児えんじ宅たくを出でたが、自宅じたくまで約やく20 mのところで友人ゆうじんと別わかれた[17]。ここまでは団地だんち内ないの主婦しゅふが目撃もくげきしていたが、そこから約やく20 m先さきの自宅じたくのある棟むねとの間あいだで行方ゆくえ不明ふめいになった[18]。

C宅たくのあった団地だんちは川越線かわごえせんの南みなみ古谷ふるや駅えきから北東ほくとう約やく2 kmに位置いちするマンション団地だんちであり、35棟むねに約やく1450世帯せたいが入居にゅうきょしていた[18]。団地だんちから東ひがしへ約やく500 m離はなれたところには入間川いりまがわが流ながれていたが、Cの母親ははおやは娘むすめに対たいし、入間川いりまがわには行おこなってはいけないと言いっていた[17]。Cの通園つうえんしていた幼稚園ようちえんも入間川いりまがわ近ちかくにあったことから、普段ふだんから水みずの事故じこがないよう保護ほご者しゃたちに呼よび掛かけていたほか、事件じけん発生はっせい時点じてんでは入間川いるまがわ沿ぞいで女児じょじ行方ゆくえ不明ふめい事件じけんが2件けん（A・Bの両りょう事件じけん）相次あいついでいたため、園児えんじたちに注意ちゅういを促うながしていたところだった[16]。また団地だんちの住民じゅうみんらも、11月中旬ちゅうじゅんに小学しょうがく1年生ねんせいの女児じょじが見知みしらぬ男おとこに誘拐ゆうかいされそうになった事件じけん[注ちゅう 7]が発生はっせいしていたこともあって、警戒けいかいを強つよめていた矢先やさきの事件じけんだった[16]。

Cの失踪しっそうを受うけ、埼玉さいたま県警けんけいは川越かわごえ警察けいさつ署しょ員いんや機動きどう隊員たいいんら約やく70人にんを動員どういん、地元じもと自治じち会かいの住民じゅうみんら約やく150人にんの応援おうえんを得えて付近ふきん一帯いったいを捜索そうさくした[18]。3事件じけんの現場げんばはいずれも埼玉さいたま県けん西部せいぶであり[18]、かつ半径はんけい10 km圏内けんないの入間川いるまがわ沿ぞいであること、失踪しっそうした時間じかんが夕方ゆうがたであることなど共通きょうつう点てんが多おおかったため、埼玉さいたま県警けんけいは3件けん連続れんぞくの女児じょじ連つれ去さり事件じけんの可能かのう性せいがあるとみて捜査そうさした[17]。また県警けんけいは同月どうげつ10日にち[16]、県警けんけい本部ほんぶに「幼女ようじょ連続れんぞく行方ゆくえ不明ふめい事案じあん総合そうごう対策たいさく本部ほんぶ」[13]（本部ほんぶ長ちょう・石瀬いしぜ博はく県警けんけい本部ほんぶ長ちょう）を、県けん西部せいぶ地域ちいきの11署しょにも対策たいさく本部ほんぶをそれぞれ設置せっちした[16]。前者ぜんしゃの総合そうごう対策たいさく本部ほんぶの設置せっちは、狭山さやま（A事件じけん）・飯能はんのう（B事件じけん）・川越かわごえ（C事件じけん）の3署しょの捜査そうさを強力きょうりょくに進すすめる一方いっぽう、同種どうしゅ事件じけんの発生はっせいを未然みぜんに防ふせぐため行おこなわれた異例いれいの措置そちだった[16]。

同どう事件じけんでも、宮みや﨑は誘拐ゆうかい直後ちょくごにCを殺害さつがいしていた。同月どうげつ13日にちから14日にちにかけ、同どう県けん入間いるま郡ぐん名栗なぐり村むら上名栗かみなぐり新田しんでん1289-2の「県立けんりつ名栗なぐり少年しょうねん自然しぜんの家いえ」の職員しょくいんが駐車ちゅうしゃ場じょう付近ふきんの山林さんりん（遺体いたい発見はっけん現場げんばから県道けんどう青梅おうめ秩父ちちぶ線せんを隔へだてて約やく350 m東ひがしの横瀬よこせ川がわ近ちかく）で子供こども用ようの衣服いふくが捨すてられているのを発見はっけん、15日にち朝あさになって飯能はんのう署しょに連絡れんらくした[19]。これを受うけ、同どう署員しょいんが自然しぜんの家いえに近ちかい杉林すぎばやし[注ちゅう 8]でCの他殺たさつ体たいが発見はっけんされた[19]。同どう事件じけんを捜査そうさしていた県警けんけい捜査そうさ一いち課かと飯能はんのう・川越かわごえの両りょう警察けいさつ署しょは誘拐ゆうかい殺人さつじん・死体したい遺棄いき事件じけんと断定だんてい[20]、県警けんけい刑事けいじ部長ぶちょう・友とも川がわ清きよし中ちゅうを本部ほんぶ長ちょうとする「Cちゃん誘拐ゆうかい・殺人さつじん事件じけん合同ごうどう捜査そうさ本部ほんぶ」を設置せっちした[19]。またそれまでの3件けんについて同どう一いち犯はんによる連続れんぞく誘拐ゆうかい事件じけんとの見方みかたを強つよめ、3事件じけんの失踪しっそう現場げんばの徹底てっていした捜索そうさく・検証けんしょうも行おこなった[21]。

同月どうげつ20日にち、C宅たくに「C」「かぜ」「せき」「のど」「楽らく」「死し」とそれぞれ行ぎょうを改あらためて新聞しんぶん記事きじの文字もじを拡大かくだいコピーして切きり貼はりした葉書はがきが届とどいていた[8]。

D事件じけん[編集へんしゅう]

翌よく1989年ねん6月6日にち、東京とうきょう都と江東こうとう区く東雲しののめ二に丁目ちょうめで保育園ほいくえん児じの女児じょじD（当時とうじ5歳さい）が行方ゆくえ不明ふめいになった[22]。警視庁けいしちょう捜査そうさ一いち課かと深川ふかがわ警察けいさつ署しょが事件じけん・事故じこの両面りょうめんで捜査そうさしたが[22]、同月どうげつ11日にち、飯能はんのう市し宮沢みやざわ170-1にある宮沢みやざわ湖こ霊園れいえん[注ちゅう 9]の駐車ちゅうしゃ場じょう北西ほくせい側がわにあった簡易かんいトイレ裏うらで、頭部とうぶと両手りょうて足首あしくびが切断せつだんされた女児じょじの遺体いたいが発見はっけんされ[24]、同月どうげつ12日にちに埼玉さいたま県警けんけいは発見はっけんされた遺体いたいが女児じょじDのものと断定だんていした[29]。警察庁けいさつちょうによれば、日本にっぽん国内こくないで小学生しょうがくせい以下いかの幼児ようじが被害ひがい者しゃとなったバラバラ殺人さつじん事件じけんは初はじめてであった[30]。バラバラ殺人さつじん事件じけんは1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）以降いこう、それまでに全国ぜんこくで77件けんが発生はっせいしていたが、死体したいの持もち運はこびのために切断せつだんした事例じれいが多おおく、被害ひがい者しゃはほとんどが大人おとなだったという特徴とくちょうがあり[注ちゅう 10]、Dは日本にっぽん国内こくないでそれまでに発生はっせいしたバラバラ殺人さつじんの被害ひがい者しゃとしては最年少さいねんしょうでもあった[31]。また1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）以降いこう、12歳さい以下いかの児童じどうが犠牲ぎせいとなった誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけんはD事件じけんが14件けん目めだった[32]。同日どうじつ、警察庁けいさつちょうは一連いちれんの誘拐ゆうかい事件じけんを広域こういき重要じゅうよう事件じけん捜査そうさ要綱ようこうに基もとづき、広域こういき重要じゅうよう指定してい事件じけんに次つぐ重要じゅうよう事件じけんとして同庁どうちょうが捜査そうさの指導しどう・調整ちょうせいに乗のり出だす「準じゅん指定してい第だい4号ごう事件じけん」に指定していした[32]。

なお公判こうはんの罪状ざいじょう認否にんぴで、宮みや﨑は「Dの両手りょうてを焼やいて食たべた」という旨むねを述のべたが、検察けんさつは自己じこの異常いじょう性せいを強調きょうちょうするため虚偽きょぎの事実じじつを述のべたものだと論告ろんこくで主張しゅちょうした。判決はんけつでは検察けんさつ側がわの主張しゅちょうを認みとめ、宮みや﨑の主張しゅちょうする食しょく人じん行為こういは虚偽きょぎの疑うたがいが濃厚のうこうだとされた[33]。

犯人はんにんの逮捕たいほ[編集へんしゅう]

1989年ねん頃ごろの宮みや﨑勤の写真しゃしん 1989年ねん7月がつ23日にち、宮みや﨑は東京とうきょう都と八王子はちおうじ市し美山みやま町まちで、幼おさない姉妹しまいを標的ひょうてきとして妹いもうとの方ほうの全裸ぜんら写真しゃしんを撮とるというわいせつ事件じけんを起おこしているところを被害ひがい女児じょじの父親ちちおやに見みつかり威嚇いかくされ宮崎みやざきが「もうしませんから警察けいさつには言いわないでください！」と言いったのを偶然ぐうぜん近ちかくをパトロールしていた警官けいかんが聞ききつけて、父親ちちおやによって引ひき渡わたされ（私人しじん逮捕たいほ）[注ちゅう 11]、八王子はちおうじ警察けいさつ署しょに現行げんこう犯はん逮捕たいほされた。宮みや﨑を取とり押おさえた被害ひがい者しゃの父親ちちおやは「D事件じけんの犯人はんにんもまだ捕つかまっていないのに」と取とり押おさえた宮みや﨑を責せめたが、後日ごじつそれが連続れんぞく殺人さつじん事件じけんの犯人はんにんだと知しって愕然がくぜんとしたと当時とうじのマスコミの取材しゅざいで話はなしている。

東京とうきょう地検ちけん八王子はちおうじ支部しぶは8月がつ7日にち、宮崎みやざきをわいせつ誘拐ゆうかい、強制きょうせいわいせつ罪ざいで起訴きそし、同月どうげつ9日にちに宮崎みやざきは女児じょじDの殺害さつがいを自供じきょう[34]。翌よく10日とおか、自供じきょう通どおり奥多摩おくたま町まち梅沢うめざわ地区ちくの山中さんちゅう[注ちゅう 12]で女児じょじDの頭蓋骨ずがいこつが発見はっけんされ[36]、11日にちに宮崎みやざきを未成年みせいねん者しゃ誘拐ゆうかい、殺人さつじん、死体したい遺棄いきの容疑ようぎで再さい逮捕たいほした[37]。この後のち、唯一ゆいいつ被害ひがい者しゃの安否あんぴが不明ふめいだったB事件じけんについても宮みや﨑は自身じしんがBを誘拐ゆうかい・殺害さつがいしたことを自供じきょうし、その自供じきょう通どおり9月がつ6日にち、五日市いつかいち町まち戸倉とくらの小峰峠こみねとうげ付近ふきんの山中さんちゅう（東京電力とうきょうでんりょく新しん多摩たま変電へんでん所しょの裏うら）[注ちゅう 13]でBの白骨はっこつ化かした遺体いたいが発見はっけんされた[38]。以後いご、次々つぎつぎと事件じけんが明あかるみに出でたあと、後藤ごとう正夫まさお法務大臣ほうむだいじんは「死刑しけいくらいでは収おさまらない残酷ざんこくな出来事できごとだ」と発言はつげんした[39]。

宮崎みやざきが自室じしつに所有しょゆうしていた5,763本ほんもの実写じっしゃドラマなどを撮影さつえいしたビデオテープを家宅かたく捜索そうさくにより押収おうしゅうした警察けいさつ側がわは、これらを分析ぶんせきするために74名めいの捜査そうさ員いんと50台だいのビデオデッキを動員どういんした。2週間しゅうかんの捜査そうさによって、被害ひがい者しゃ幼女ようじょ殺害さつがい後ごに撮影さつえいしたと見みられる映像えいぞうが発見はっけんされた。

宮崎みやざきは当初とうしょ、埼玉さいたま県けんで起おきた3つの誘拐ゆうかい事件じけんの関連かんれんについては否定ひていしていたが、9月がつにかけて4つの事件じけんへの関与かんよを自供じきょうし、9月2日にちに東京とうきょう地検ちけんは宮崎みやざきをD事件じけんに関かんする誘拐ゆうかい、殺人さつじん、死体したい損壊そんかい・遺棄いき罪ざいで起訴きそした[40]。警察庁けいさつちょうは一連いちれんの事件じけんについて、社会しゃかい的てき影響えいきょうの大おおきさ、類るいを見みない残虐ざんぎゃくな犯行はんこうからグリコ・森永もりなが事件じけん（広域こういき重要じゅうよう指定してい114号ごう事件じけん）・朝日新聞あさひしんぶん襲撃しゅうげき事件じけん（116号ごう事件じけん）といった過去かこの広域こういき重要じゅうよう指定してい事件じけんに匹敵ひってきする重大じゅうだい事件じけんと判断はんだん[41]、9月1日にち付づけでA・C・Dの3事件じけんを広域こういき重要じゅうよう指定してい117号ごう事件じけんとして指定していし、A事件じけんの捜査そうさ本部ほんぶが設置せっちされていた狭山さやま署しょに「117号ごう事件じけん合同ごうどう捜査そうさ本部ほんぶ」を設置せっちした[42]。その後ご、宮崎みやざきは生死せいし不明ふめいになっていたBについても、A・C・Dの3被害ひがい者しゃと同おなじく誘拐ゆうかい後ごに絞殺しめころして小峰峠こみねとうげ（五日市いつかいち町まちと八王子はちおうじ市しの市町しちょう境さかい）付近ふきんの山中さんちゅうに遺体いたいを遺棄いきしたことを自供じきょう、同月どうげつ6日にちに自供じきょう通どおり五日市いつかいち町まちの山中さんちゅうでBの遺体いたいが発見はっけんされた[43]。これを受うけ、警察庁けいさつちょうはB事件じけんも117号ごう事件じけんに追加ついか指定していした[44]。

取とり調しらべでの自供じきょう[編集へんしゅう]

1989年ねん8月がつ9日にち - Dの殺害さつがいを自供じきょう。
1989年ねん8月がつ10日とおか - Dの頭部とうぶ発見はっけん。犯人はんにんのマスコミ報道ほうどうが始はじまる。
1989年ねん8月がつ11日にち - Dの誘拐ゆうかい・殺人さつじん・死体したい遺棄いきの容疑ようぎで再さい逮捕たいほ。
1989年ねん8月がつ13日にち - A・Cの誘拐ゆうかい殺人さつじんを自供じきょう。
1989年ねん9月1日にち - 警察庁けいさつちょう広域こういき重要じゅうよう指定してい117号ごうに指定してい。
1989年ねん9月がつ2日にち - 検察けんさつが起訴きそに踏ふみ切きる。
1989年ねん9月5日にち - Bの殺害さつがいを自供じきょう。
1989年ねん9月6日にち - 東京とうきょう都と西多摩にしたま郡ぐん五日市いつかいち町まち（現げん・あきる野の市し）でBの遺骨いこつ発見はっけん。
1989年ねん9月13日にち - Aの遺骨いこつ発見はっけん。

動機どうき[編集へんしゅう]

事件じけんの奇異きいさからさまざまな憶測おくそくが飛とび交かい、また宮崎みやざき自身じしんが要領ようりょうを得えない供述きょうじゅつを繰くり返かえしていることから、裁判さいばんでも動機どうきの完全かんぜんな特定とくていには至いたっていない。

鑑定かんていに当あたった医師いしたちによると、彼かれは本来ほんらい的てきな小児しょうに性愛せいあい者ものではなくあくまで代替だいたい的てきに幼女ようじょを狙ねらったと証言しょうげんされている。第だい1次じ精神せいしん鑑定かんてい鑑定かんてい医いの保崎ほさき秀夫ひでおは法廷ほうていで「成人せいじんをあきらめて幼女ようじょを代替だいたい物ぶつとしたようで、小児しょうに性愛せいあいや死体したい性愛せいあいなどの傾向けいこうは見みられません」と証言しょうげんし、簡易かんい精神せいしん鑑定かんてい書しょは「幼児ようじを対象たいしょうとしているが、本質ほんしつ的てきな性せい倒錯とうさくは認みとめられず……幼児ようじを対象たいしょうとしたことは代替だいたいである」としている。

一方いっぽうで彼かれの性愛せいあいの対象たいしょうは、成人せいじんの女性じょせいより幼女ようじょとする幼女ようじょ性愛せいあい、幼女ようじょよりその死体したいとする死体したい性愛せいあい、死体したいよりそれを解体かいたいしたものとする死体したい加か虐しいたげ愛あい、さらにそれをビデオに撮とったものとする拝はい物ぶつ愛あいへ移うつっていった、とする意見いけんもある[45]。

刑事けいじ裁判さいばん[編集へんしゅう]

第だい一いち審しん[編集へんしゅう]

1989年ねん8月がつ24日にち、東京とうきょう地方ちほう検察庁けんさつちょうの総務そうむ部ぶ診断しんだん室しつで簡易かんい精神せいしん鑑定かんていを受うける。精神分裂病せいしんぶんれつびょうの可能かのう性せいは否定ひていできないが、現時点げんじてんでは人格じんかく障害しょうがいの範囲はんいに留とまるとされ、これを受うけて検察けんさつは起訴きそに踏ふみ切きった。初はつ公判こうはんでは「全体ぜんたい的てきに、醒さめない夢ゆめを見みて起おこったというか、夢ゆめを見みていたというか……」と罪状ざいじょう認否にんぴで訴うったえた。 簡易かんい鑑定かんていの問診もんしん記録きろくによれば、宮みや﨑はA事件じけんで遺体いたいを動画どうが撮影さつえいした動機どうきについて、鑑定かんてい人じんに「どうして写真しゃしんだけでは済すまなくなったか」を聞きかれた際さいは、第だい一いち次じ鑑定かんていでは「よくわかんない」、最後さいごの被告人ひこくにん質問しつもんでは「急きゅうに子こどものころが懐なつかしくなった」と、それぞれ曖昧あいまいな証言しょうげんをしていた。またB事件じけんで遺体いたいにわいせつ行為こういをした動機どうきについても供述きょうじゅつ調書ちょうしょでは「何なんともいえぬスリルがあった」、第だい一いち次じ鑑定かんていでは「よく覚おぼえていない」「一番いちばん印象いんしょうがない」と述のべ、やはり不明瞭ふめいりょうな供述きょうじゅつをしていた。

初はつ公判こうはん[編集へんしゅう]

第だい一いち審しんの初はつ公判こうはんは1990年ねん（平成へいせい2年ねん）3月がつ30日にちに東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ刑事けいじ第だい2部ぶ（中山なかやま善よし房ぼう裁判さいばん長ちょう）で開ひらかれ、被告人ひこくにんとして出廷しゅっていした宮みや﨑は罪状ざいじょう認否にんぴで犯行はんこうの外形がいけい的てき事実じじつは認みとめたが、誘拐ゆうかい・殺害さつがいの計画けいかく性せいや殺意さついは否定ひていした[46]。

保崎ほさき鑑定かんてい[編集へんしゅう]

同年どうねん11月がつ28日にちに宮みや﨑の弁護人べんごにんが精神せいしん鑑定かんていを請求せいきゅうし、鑑定かんていのため、公判こうはんは約やく1年ねん5か月げつ間あいだ中断ちゅうだんされた[47]。同年どうねん12月がつより、5人にんの精神せいしん科か医いと1人ひとりの臨床りんしょう心理しんり学者がくしゃによる精神せいしん鑑定かんていが実施じっしされる[48]。この鑑定かんていは保崎ほさき秀夫ひでお（慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ）ら6人にんによる精神せいしん鑑定かんてい（保崎ほさき鑑定かんてい）で、保崎ほさきらは鑑定かんていの末すえ、宮みや﨑は手ての障害しょうがいの劣等れっとう感かんから被害ひがい的てきになりやすい傾向けいこうがあり、それに性的せいてき興味きょうみや収集しゅうしゅう癖へきが相あいまって犯行はんこうにおよんだものであり、事件じけん当時とうじは人格じんかく障害しょうがいではあったが精神分裂病せいしんぶんれつびょうなどの状態じょうたいではなく、完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくを有ゆうしていたとする結論けつろんを出だした[47]。同どう鑑定かんていでは動物どうぶつ虐待ぎゃくたいなどの異常いじょう行動こうどうに目めが向むけられ、祖父そふの遺骨いこつを食たべたことなどは供述きょうじゅつが曖昧あいまいなため事実じじつではないとみなされた[49]。また祖父そふの骨ほねを食たべた件けんについて、弁護べんご側がわは墓石はかいしなどが動うごかされたことを証拠しょうことしたが、検察けんさつ側がわはそれだけでは確証かくしょうではないと反論はんろんした[50]。

1992年ねん（平成へいせい4年ねん）3月がつ31日にちに「保崎ほさき鑑定かんてい」の鑑定かんてい書しょが提出ていしゅつされ[48]。同年どうねん4月がつ27日にちに再開さいかいされた公判こうはんで証拠しょうこ採用さいようされたが、同年どうねん9月がつ21日にちに弁護べんご側がわは冒頭ぼうとう陳述ちんじゅつで、「異常いじょうで冷酷れいこくな犯行はんこうに比くらべ、全まったく罪悪ざいあく感かんが欠如けつじょ。精神せいしん世界せかいの解明かいめいと犯行はんこう時じの精神せいしん状態じょうたい考察こうさつが必要ひつよう」とする意見いけんを述のべた[47]。

内沼うちぬま鑑定かんてい・中安なかやす鑑定かんてい[編集へんしゅう]

同年どうねん11月がつ11日にちの公判こうはんで被告人ひこくにん質問しつもんが開始かいしされたが、同日どうじつの公判こうはんで宮みや﨑は「祖父そふの骨ほねを食たべた」などと述のべた[47]。同日どうじつ、弁護べんご側がわは再度さいどの精神せいしん鑑定かんていを請求せいきゅうし[47]、同年どうねん12月がつ18日にちよりから3人にんの鑑定かんてい医いにより再さい鑑定かんていが始はじまる[49]。このため1993年ねん（平成へいせい5年ねん）3月がつ2日にち以降いこう、再さい鑑定かんていのため公判こうはんは再ふたたび中断ちゅうだんされた[47]。

1995年ねん（平成へいせい7年ねん）2月がつ2日にちに1年ねん11か月げつぶりに再開さいかいされた公判こうはんで、中安なかやす信夫しのぶ（東京大学とうきょうだいがく助教授じょきょうじゅ）による2回かい目めの精神せいしん鑑定かんてい（中安なかやす鑑定かんてい）と、内沼うちぬま幸雄ゆきお（帝京大学ていきょうだいがく教授きょうじゅ）・関根せきね義夫よしお（東京大学とうきょうだいがく助教授じょきょうじゅ）による3回かい目めの精神せいしん鑑定かんてい（内沼うちぬま鑑定かんてい）それぞれの結果けっかが提出ていしゅつされた[47]。「中安なかやす鑑定かんてい」は、宮みや﨑は手ての奇形きけいや「解離かいり性せい家族かぞく」などを背景はいけいにした妄想もうそうが発展はってんし、唯一ゆいいつの支ささえであった祖父そふの死しを契機けいきに「多重たじゅう人格じんかく」を主体しゅたいとする反応はんのう性せい精神病せいしんびょうの状態じょうたい（精神分裂病せいしんぶんれつびょうに近ちかい状態じょうたい）に陥おちいっており、犯行はんこう時じは是非ぜひ善悪ぜんあくの識別しきべつ能力のうりょくもその識別しきべつに従したがって行動こうどうする能力のうりょくも若干じゃっかん減げん弱よわしていた、と結論けつろん付つけていた[47]。また「内沼うちぬま鑑定かんてい」は、宮みや﨑は高校こうこう時代じだいまでに精神分裂病せいしんぶんれつびょうを発症はっしょうしており、それによる意欲いよく低下ていか・感情かんじょう欠かけ除じょ・攻撃こうげき性せいなどが祖父そふの死しによって強つよまり、多重たじゅう人格じんかく状態じょうたいにあったと評ひょうした上うえで、犯行はんこうの要因よういんは性的せいてき欲求よっきゅうと収集しゅうしゅう欲求よっきゅうが大だい部分ぶぶんであり、事件じけん当時とうじは是非ぜひ善悪ぜんあくを識別しきべつする能力のうりょくはほとんど保たもたれてはいたものの、行為こういを制御せいぎょする能力のうりょくを欠かいており、心神耗弱しんしんこうじゃく状態じょうたいであった（ただし免責めんせき範囲はんいは少すくない）と結論けつろんづけていた[47]。

死刑しけい求刑きゅうけい[編集へんしゅう]

1996年ねん（平成へいせい8年ねん）7月がつ17日にちに最後さいごの被告人ひこくにん質問しつもんが行おこなわれたが、宮みや﨑は「事件じけんは別べつのシマのことのようで、何なにも感かんじることがない」と述のべた[47]。

同年どうねん10月がつ7日にちに東京とうきょう地裁ちさい（田尾たお健二郎けんじろう裁判さいばん長ちょう）で論告ろんこく求刑きゅうけい公判こうはんが開ひらかれ、宮みや﨑は検察官けんさつかんから死刑しけいを求刑きゅうけいされた[51][52]。それまで公判こうはんはオウム真理教おうむしんりきょう事件じけんの公判こうはんの余波よはで、東京とうきょう地裁ちさいで最大さいだいの104号ごう法廷ほうていから狭せまい別べつの法廷ほうていに移うつされて行おこなわれていたが、同日どうじつの公判こうはんは再ふたたび104号ごう法廷ほうていで行おこなわれた[53]。同日どうじつは論告ろんこくに先立さきだって新あらたに証拠しょうこ採用さいようされた被害ひがい者しゃ遺族いぞくの調書ちょうしょ（宮みや﨑の死刑しけいを望のぞむ旨むね）の証拠しょうこ調しらべ手続てつづきが行おこなわれた[53]。

証拠しょうこ調しらべ手続てつづきが終おわった後のち、検察官けんさつかんは200ページ超ちょうの論告ろんこく書しょを約やく2時じ間あいだかけて朗読ろうどくした[53]。検察官けんさつかんは論告ろんこくで、弁護人べんごにんの「宮みや﨑は事件じけん当時とうじ心神喪失しんしんそうしつあるいは心神耗弱しんしんこうじゃくの状態じょうたいで、責任せきにん能力のうりょくを欠かいていた」とする主張しゅちょうを否定ひていし、捜査そうさ段階だんかいの供述きょうじゅつでは犯行はんこうを詳細しょうさいに再現さいげんしていること、動機どうきや犯行はんこう当時とうじの心理しんり状態じょうたいも十分じゅうぶんに理解りかい可能かのうであることから、異常いじょう性せいは認みとめられず、責任せきにん能力のうりょくがあることは明あきらかであると主張しゅちょうした[51]。また責任せきにん能力のうりょくへの疑義ぎぎを指摘してきした「中安なかやす鑑定かんてい」「内沼うちぬま鑑定かんてい」に関かんしては、捜査そうさ段階だんかいにおける宮みや﨑の供述きょうじゅつを排除はいじょするなど、前提ぜんていとなる事実じじつ認識にんしきや宮みや﨑の供述きょうじゅつの信用しんよう性せいに対たいする慎重しんちょうな検討けんとうがなされていないことなどを指摘してきし[51]、両りょう鑑定かんていは十分じゅうぶんに信用しんように値あたいするものではないと批判ひはんした[54]。

その上うえで情状じょうじょう面めんについては、事件じけんを「我わが国くにの犯罪はんざい史上しじょう類るいを見みないほどの凶悪きょうあく重大じゅうだい事犯じはん」であると位置いちづけた上うえで、犯行はんこうの罪つみ質しつが極きわめて悪質あくしつであり、4人にんの幼女ようじょの命いのちが奪うばわれた結果けっかも重大じゅうだいである点てん、犯行はんこう動機どうきに何なんら同情どうじょうすべき点てんがない点てん、被害ひがい感情かんじょうの峻烈しゅんれつさ、事件じけんの甚大じんだいな社会しゃかい的てき影響えいきょうを指摘してきした[54]。また、宮みや﨑が犯行はんこうを認みとめていた捜査そうさ段階だんかいから一転いってんして公判こうはんでは自身じしんが犯行はんこう時じ異常いじょうな精神せいしん状態じょうたいにあったかのような言動げんどうを繰くり返かえし、被害ひがい者しゃや遺族いぞくに謝罪しゃざいせず、改悛かいしゅんの情じょうも更生こうせいへの意欲いよくも一切いっさい示しめしていないことから、矯正きょうせい効果こうかを期待きたいする余地よちは皆無かいむであると断だんじた[54]。

最終さいしゅう弁論べんろん[編集へんしゅう]

同年どうねん12月がつ25日にちに開ひらかれた第だい37回かい公判こうはんで、弁護人べんごにんによる最終さいしゅう弁論べんろんが行おこなわれ[55]、初はつ公判こうはんから6年ねん半はん以上いじょうにおよんだ第だい一いち審しんの審理しんりは結審けっしんした[56]。

弁護人べんごにんは約やく9万まん5,000字じにおよぶ最終さいしゅう弁論べんろん書しょで[55]、「自白じはく調書ちょうしょの信用しんよう性せい」「動機どうき」「精神せいしん状態じょうたいの考察こうさつ」の3点てんについて、検察官けんさつかんの主張しゅちょうに対たいする反論はんろんを展開てんかいした[57]。自白じはく調書ちょうしょについては、遺体いたいの損壊そんかい時期じきなどが事実じじつと異ことなること、取調とりしらべ中ちゅうも異常いじょうな行動こうどうがあったことなどを指摘してきし、その信用しんよう性せいを否定ひていした[56]。また検察官けんさつかんが「性的せいてき欲望よくぼうの充足じゅうそく」とした犯行はんこう動機どうきについては、犯行はんこう態様たいようとの間あいだに大おおきな落差らくさがあると主張しゅちょうした上うえで、一連いちれんの犯行はんこうの動機どうきは「解離かいり性せい家族かぞく」「両手りょうての障害しょうがい」「母子ぼし関係かんけいの不全ふぜん性せいを背景はいけいとする幼児ようじ性せいと性的せいてき未熟みじゅく性せい」が背景はいけいにあり、それらの下したで宮みや﨑が犯行はんこう前まえに発病はつびょうしていた精神分裂病せいしんぶんれつびょうの影響えいきょうで形成けいせいされたものであると主張しゅちょう[57]。真しんの動機どうきとして[57]、「誘拐ゆうかいのスリル」「幼児ようじ性せいと性的せいてき未熟みじゅくによる倒錯とうさく」「ビデオの収集しゅうしゅう癖へき」の存在そんざいを指摘してきした[56]。

また完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくの存在そんざいを認みとめた「保崎ほさき鑑定かんてい」については、家族かぞくや生活せいかつ史しの分析ぶんせきが不十分ふじゅうぶんである点てん[56]、（半数はんすうの医師いしが途中とちゅうで宮みや﨑に問診もんしんを拒否きょひされたことから）問診もんしん時間じかんが短みじかく、分析ぶんせきも不十分ふじゅうぶんである点てん、奇妙きみょうな行動こうどうをすべて「拘禁こうきん反応はんのう」と決きめつけており、ビデオの収集しゅうしゅうなど異常いじょうな生活せいかつぶりにも言及げんきゅうしていないことなどを批判ひはんした[57]。その上うえで、宮みや﨑は犯行はんこう時じ心神耗弱しんしんこうじゃく状態じょうたいにあったとした「内沼うちぬま鑑定かんてい」「中安なかやす鑑定かんてい」の2鑑定かんていは、家族かぞく歴れきや生活せいかつ史しの分析ぶんせきに積極せっきょく的てき手間てまあり、精神せいしん医学いがく的てき考察こうさつにも多おおくのページを割さいているとして、事件じけん記録きろくや接見せっけん内容ないよう、宮みや﨑に罪つみの意識いしきがないことなどから、宮みや﨑は犯行はんこう時じ精神分裂病せいしんぶんれつびょうに罹患りかんしていたと主張しゅちょうし、犯行はんこう時じは心神喪失しんしんそうしつもしくは心神耗弱しんしんこうじゃくであったとするのが相当そうとうだと主張しゅちょうした[57]。

最終さいしゅう意見いけん陳述ちんじゅつで、宮みや﨑は「早はやく帰かえりたいです」と2回かい発言はつげんした[55]。

死刑しけい判決はんけつ[編集へんしゅう]

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）4月がつ14日にちの判決はんけつ公判こうはんで、東京とうきょう地裁ちさい（田尾たお健二郎けんじろう裁判さいばん長ちょう）は求刑きゅうけい通どおり宮みや﨑を死刑しけいとする判決はんけつを宣告せんこくした[58][59]。死刑しけい判決はんけつの場合ばあいは主文しゅぶんを後回あとまわしにして判決はんけつ理由りゆうから読よみ上あげることが通例つうれいだが、田尾たおは同日どうじつ、冒頭ぼうとうで主文しゅぶんを宣告せんこくした[59]。

東京とうきょう地裁ちさいは3件けんの精神せいしん鑑定かんてい結果けっかについて検討けんとうし、「内沼うちぬま鑑定かんてい」については公判こうはんでの宮みや﨑の供述きょうじゅつをそのまま犯行はんこう時じの体験たいけんと理解りかいした基本きほん的てき姿勢しせいに疑問ぎもんを呈ていし、同様どうようの犯行はんこうを4回かいにわたって繰くり返かえしたことなどから、宮みや﨑が事件じけん当時とうじ「多重たじゅう人格じんかく」だったとは認みとめられないとして、採用さいようしなかった[58]。また「中安なかやす鑑定かんてい」も「手ての障害しょうがいに起因きいんする被害ひがい感かんや劣等れっとう感かんを分裂ぶんれつ病びょうの症状しょうじょうと見みるには疑問ぎもんがある」として不ふ採用さいようとした一方いっぽう、宮みや﨑には完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくがあったとした「保崎ほさき鑑定かんてい」を採用さいようし、宮みや﨑は事件じけん当時とうじ、完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくを有ゆうしていたと認定にんていした[58]。また、捜査そうさ段階だんかいの自白じはく調書ちょうしょは自みずから遺体いたい遺棄いき現場げんばを明あきらかにするなど信用しんよう性せいが高たかいことを指摘してきした上うえで、犯行はんこう動機どうきについては性的せいてき欲求よっきゅうに加くわえ、「幼女ようじょをビデオ撮影さつえいして収集しゅうしゅうしたい」とする気持きもちがあったことを指摘してきした[58]。

そして量刑りょうけい理由りゆうでは、犯行はんこう動機どうきに同情どうじょうの余地よちが皆無かいむであること、犯行はんこうが冷酷れいこく非情ひじょう極きわまりないものであり（殺害さつがい方法ほうほうの残虐ざんぎゃく性せい・死体したい損壊そんかいの態様たいようなど）人じんとしての尊厳そんげんを踏ふみにじる態度たいどが著いちじるしいこと、被害ひがい者しゃ遺族いぞくの悲嘆ひたんや処罰しょばつ感情かんじょうの峻烈しゅんれつさ、宮みや﨑が犯行はんこう時じから被害ひがい者しゃ遺族いぞくや社会しゃかいを嘲笑ちょうしょうする態度たいどを取とったり、公判こうはんでも自己じこの刑事けいじ責任せきにんを免まぬかれようとする態度たいどに終始しゅうしして謝罪しゃざい・反省はんせいの態度たいどが見みられないことなどを指摘してきした[47]。一方いっぽうで宮みや﨑には生うまれつき両手りょうてに障害しょうがいがあり、両親りょうしんの対応たいおうが不適切ふてきせつだったこともあって幼少ようしょう期きから一人ひとりで悩なやみを抱かかえ込こみ、祖父母そふぼや両親りょうしんの不和ふわなど情緒じょうちょ的てきに恵めぐまれず、長男ちょうなんとして甘あまやかされ適切てきせつなしつけを受うけずに成長せいちょうしたため、人格じんかくの歪ゆがみを形成けいせいするに至いたったことが犯行はんこうの背景はいけいにあり、その点てんには同情どうじょうの余地よちが皆無かいむとは言いえないこと、世間せけんに溢あふれる残忍ざんにんさや性的せいてき興味きょうみを売うり物ものにした映像えいぞうや出版しゅっぱん物ぶつが幾許いくばくか影響えいきょうを与あたえた面めんもあること、事件じけん後ごに家族かぞくが世間せけんから厳きびしい非難ひなんの目めを向むけられ、父親ちちおやが自殺じさつしたこと、母親ははおやは娘むすめ（宮みや﨑の妹いもうと）2人ふたりとともにひっそりと身みを寄よせて生活せいかつしながら、被害ひがい者しゃの氏名しめいを紙かみに書かいて日々ひび祈いのり謝罪しゃざいしながら冥福めいふくを祈いのりつつ、自宅じたく敷地しきちを引当ひきあてにするなどして合計ごうけい800万まん円えんを工面くめんし、遺族いぞくに対たいする慰謝いしゃの措置そちの一部いちぶとして各かく200万まん円えんずつ送金そうきんして受領じゅりょうされていることなど、宮みや﨑にとって汲くむべき事情じじょうもあることを指摘してきした。しかし犯行はんこうの回数かいすう・動機どうき・社会しゃかい的てき影響えいきょうなどから、宮みや﨑の刑事けいじ責任せきにんは重大じゅうだいであり、極刑きょっけい以外いがいの量刑りょうけいはありえないと結論けつろん付つけた[47]。

宮みや﨑の弁護べんご側がわは判決はんけつに対たいする事実じじつ誤認ごにんと量刑りょうけい不当ふとうを訴うったえ、同日どうじつ中ちゅうに東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょへ控訴こうそした[60]。埼玉さいたま県知事けんちじの土屋つちや義彦よしひこは同日どうじつ、判決はんけつ内容ないようについて、定例ていれい会見かいけんで「かつてない不幸ふこうな悲かなしむべき事件じけんだった。公正こうせいな裁判さいばんの結果けっかだと思おもう」と述のべた[58]。

控訴こうそ審しん[編集へんしゅう]

控訴こうそ審しんは東京とうきょう高裁こうさい刑事けいじ第だい12部ぶに係属けいぞくし[61]、河辺かわべ義正よしまさが裁判さいばん長ちょうを務つとめた[62][63]。宮みや﨑の弁護人べんごにんは1999年ねん（平成へいせい11年ねん）11月12日にちまでに、宮みや﨑は事件じけん当時とうじ心神喪失しんしんそうしつもしくは心神耗弱しんしんこうじゃく状態じょうたいだったとして、改あらためて無罪むざいか刑けいの減げん軽けいを求もとめる控訴こうそ趣意しゅい書しょを提出ていしゅつ[61]、同月どうげつ16日にちには東京とうきょう高裁こうさいが初はつ公判こうはん期日きじつを指定していした[64]。

控訴こうそ審しん初はつ公判こうはんは1999年ねん12月21日にちに東京とうきょう高裁こうさい（河辺かわべ義正よしまさ裁判さいばん長ちょう）で開ひらかれ、弁護人べんごにんは原げん判決はんけつと同おなじ「宮みや﨑は心神喪失しんしんそうしつまたは心神耗弱しんしんこうじゃく状態じょうたいだった」とする主張しゅちょうのほか、捜査そうさ段階だんかいの供述きょうじゅつ調書ちょうしょには捜査そうさ官かんの誘導ゆうどうと見みられる供述きょうじゅつが随所ずいしょに見みられ、信用しんよう性せいに疑問ぎもんがあるとする主張しゅちょうや、密室みっしつで執行しっこうされる死刑しけいは残虐ざんぎゃくで憲法けんぽう違反いはんであるとする主張しゅちょうを展開てんかいし、死刑しけい判決はんけつの破棄はきを求もとめた[62]。一方いっぽうで検察官けんさつかんは、宮みや﨑の捜査そうさ段階だんかいの自白じはくは十分じゅうぶん信用しんよう性せいが認みとめられると主張しゅちょう、その自白じはくを前提ぜんていに判断はんだんされた精神せいしん鑑定かんていの結果けっかおよび、「完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくが認みとめられる」とした鑑定かんてい結果けっかを採用さいようした原はら判決はんけつの判断はんだんに誤あやまりはないと主張しゅちょう、控訴こうそ棄却ききゃくを求もとめた[62]。しかし同年どうねん11月がつ21日にちの控訴こうそ審しん公判こうはんで、東京とうきょう高裁こうさいは第だい一いち審しんで行おこなわれた精神せいしん鑑定かんていなどの記録きろくと、控訴こうそ審しんでの10回かいにわたる被告人ひこくにん質問しつもんから精神せいしん鑑定かんていは必要ひつようないと判断はんだん、弁護人べんごにんによる精神せいしん鑑定かんてい請求せいきゅうを却下きゃっかし、控訴こうそ審しんの事実じじつ調しらべを終おえ[65]、第だい一いち審しんで採用さいようされた3つの精神せいしん鑑定かんていを基もとに、宮みや﨑の責任せきにん能力のうりょくの有無うむを再さい検討けんとうした[63]。

控訴こうそ審しんは2001年ねん（平成へいせい13年ねん）2月がつ6日にちの第だい12回かい公判こうはんで結審けっしんした[66]。同日どうじつの最終さいしゅう弁論べんろんで弁護人べんごにんは、宮みや﨑は精神分裂病せいしんぶんれつびょうに罹患りかんしていたため、事件じけん当時とうじは心神喪失しんしんそうしつか心神耗弱しんしんこうじゃくの状態じょうたいだったとして原はら判決はんけつ破棄はきを求もとめた[66]。一方いっぽうで検察官けんさつかんは、宮みや﨑の供述きょうじゅつする「もう一人ひとりの自分じぶん」などは、犯行はんこう時じの精神せいしんの異常いじょうさを強調きょうちょうするものであり、そのような言動げんどう自体じたいが完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくを有ゆうしていたことを表あらわしているものだと主張しゅちょう、控訴こうそ棄却ききゃくを求もとめた[66]。

控訴こうそ棄却ききゃく判決はんけつ[編集へんしゅう]

2001年ねん6月がつ28日にちの控訴こうそ審しん判決はんけつ公判こうはんで、東京とうきょう高裁こうさい（河辺かわべ義正よしまさ裁判さいばん長ちょう）は宮みや﨑には完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくがあったと認定にんていして死刑しけいをい渡いわたした原はら判決はんけつを支持しじし、宮みや﨑の控訴こうそを棄却ききゃくする判決はんけつをい渡いわたした[63]。

同どう高裁こうさいは「心神耗弱しんしんこうじゃく」とする2件けんの鑑定かんてい結果けっかは供述きょうじゅつや証拠しょうこに照てらして疑問ぎもんがあると指摘してきし、原はら判決はんけつでも採用さいようされた「宮みや﨑は人格じんかく障害しょうがいで、物事ものごとの善悪ぜんあくを判断はんだんする能力のうりょくまでは失うしなわれていない」とする鑑定かんていを支持しじし、宮みや﨑の「ネズミ人間にんげんが出でてきて、気きが付つくと女おんなの子こが倒たおれていた」という供述きょうじゅつは整合せいごう性せいを欠かいており、一連いちれんの犯行はんこうは巧妙こうみょう・計画けいかく的てきであり、犯行はんこう声明せいめいを出だすなど一貫いっかんした意思いしがあったと評ひょうした[63]。また捜査そうさ段階だんかいにおける供述きょうじゅつの信用しんよう性せいについても、警察けいさつで厳きびしい取とり調しらべがなされた可能かのう性せいまでは否定ひていしなかったが、犯行はんこう経過けいかなど中核ちゅうかくの事実じじつに関かんする供述きょうじゅつは客観きゃっかん的てきな証拠しょうことよく符合ふごうすると指摘してきし、「暴力ぼうりょく的てきな取とり調しらべにより自白じはくを強制きょうせいされた」として信用しんよう性せいを否定ひていする弁護人べんごにんの主張しゅちょうを排斥はいせきした[63]。

弁護人べんごにんは判決はんけつを不服ふふくとして同年どうねん7月がつ10日とおか、最高裁さいこうさいへ上告じょうこくした[67]。

上告じょうこく審しん[編集へんしゅう]

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）11月23日にちに最高裁判所さいこうさいばんしょ第だい三さん小しょう法廷ほうてい（藤田ふじた宙ちゅう靖やすし裁判さいばん長ちょう）で上告じょうこく審しんの公判こうはんが開ひらかれ、弁論べんろんが行おこなわれて結審けっしんした[68]。弁護人べんごにんは宮みや﨑が拘置こうち所しょで長年ながねん、向こう精神せいしん薬やくを処方しょほうされていることなどから、統合とうごう失調しっちょう症しょうを想定そうていした治療ちりょうが継続けいぞくされていることを主張しゅちょう、さらに宮みや﨑は犯行はんこう時じから明あきらかに精神せいしん疾患しっかんに罹患りかんしていたとして、捜査そうさ段階だんかいでの供述きょうじゅつのみ信用しんよう性せいを認定にんていした第だい一いち審しん判決はんけつは事実じじつ誤認ごにんであると主張しゅちょうし、原はら判決はんけつを破棄はきして審理しんりを差さし戻もどすよう求もとめた[68]。一方いっぽうで検察官けんさつかんは、捜査そうさ段階だんかいでの供述きょうじゅつは具体ぐたい的てき・詳細しょうさいであり、極端きょくたんな性格せいかくの偏かたより（人格じんかく障害しょうがい）はあったものの、犯行はんこう時じには病的びょうてきな精神せいしん状態じょうたいだったとまではいえないと主張しゅちょう、上告じょうこく棄却ききゃくを求もとめた[68]。

死刑しけい確定かくてい・執行しっこう[編集へんしゅう]

2006年ねん（平成へいせい18年ねん）1月がつ17日にちに上告じょうこく審しん判決はんけつ公判こうはんが開ひらかれ、最高裁さいこうさい第だい三さん小しょう法廷ほうてい（藤田ふじた宙ちゅう靖やすし裁判さいばん長ちょう）は宮みや﨑の完全かんぜん責任せきにん能力のうりょくを認定にんていして死刑しけいとした第だい一いち審しん・控訴こうそ審しん判決はんけつを是認ぜにんし、控訴こうそ審しん判決はんけつに対たいする宮みや﨑の上告じょうこくを棄却ききゃくする判決はんけつを宣告せんこくした[69][70]。

宮みや﨑の弁護人べんごにんは判決はんけつ訂正ていせい申立もうしたてを行おこなったが[71]、同年どうねん2月がつ1日にち付づけで同小どうしょう法廷ほうていから申立もうしたてを棄却ききゃくする決定けっていが出だされた[72][73]。翌よく2日にちに決定けってい書しょが宮みや﨑へ送達そうたつされ[71]、同日どうじつ付づけで正式せいしきに死刑しけいが確定かくていした[注ちゅう 14][1]。判決はんけつ確定かくていまでの期間きかんは事件じけんから17年ねん余あまり[69]、第だい一いち審しんの初はつ公判こうはんから16年ねんという長期ちょうき裁判さいばんであった[73]。かくして死刑しけい確定かくてい者しゃ（死刑しけい囚しゅう）となった宮みや﨑は、鳩山はとやま邦夫くにお法務大臣ほうむだいじんが発はっした死刑しけい執行しっこう命令めいれいにより、確定かくていから2年ねん4か月げつ後ごの2008年ねん（平成へいせい20年ねん）6月17日にちに収監しゅうかん先さきの東京とうきょう拘置こうち所しょで死刑しけいを執行しっこうされた（45歳さい没ぼつ）[75]。

詳細しょうさいは「宮崎みやざき勤つとむ#死刑しけい執行しっこう」を参照さんしょう

影響えいきょう[編集へんしゅう]

地元じもと新聞しんぶんの1つである『秋あき流りゅう新聞しんぶん・西にしの風ふう』（現げん：『Weekly News 西にしの風ふう』）は、宮崎みやざきが住すんでいた五日市いつかいち町まち小和田こわだ周辺しゅうへんには逮捕たいほ後ご、連日れんじつ報道陣ほうどうじんが押おし寄よせ、早朝そうちょうの4時じからヘリコプターが飛とんだり、秋川あきかわの川遊かわあそび客きゃくが野次馬やじうまとして押おし寄よせたりして近隣きんりん住民じゅうみんに大変たいへんな迷惑めいわくがかかっていることや、「小和田こわだ橋きょう」付近ふきんである新聞しんぶん社しゃの車くるまが5歳児さいじをはね、子供こどもが意識いしき不明ふめいの重体じゅうたいになる交通こうつう事故じこがあったが、その事故じこは『しんぶん赤旗あかはた』が数すう行ぎょう報ほうじた以外いがい、どの新聞しんぶんでも報ほうじられておらず、警察けいさつ署しょや（被害ひがい児じの）両親りょうしんに取材しゅざいを申もうし入いれても「死亡しぼう事故じこではない」「すんだこと」として取材しゅざいを断ことわられたと報ほうじ、大だい新聞しんぶんは他人たにんのことを派手はでに報道ほうどうする一方いっぽうで身内みうちの事件じけん事故じこは共同きょうどうして抑おさえ込こむと主張しゅちょう、マスコミ批判ひはんを展開てんかいしていた[76]。同紙どうしによれば同年どうねん10月がつに入はいって五ご日にち市しは平穏へいおんを取とり戻もどしたが、同紙どうしは宮崎みやざきの逮捕たいほ後ごにある町民ちょうみんが伊豆いずの旅館りょかんに投宿とうしゅくしようとしたところ、五日市いつかいち町民ちょうみんであることを理由りゆうに宿泊しゅくはくを断ことわられたという話はなしがあったり、町議会ちょうぎかいで「名誉めいよ回復かいふく」を求もとめる一般いっぱん質問しつもんも出でたりしたことなど、町まちに風評ふうひょう被害ひがいがおよんでいることを報ほうじていた[77]。

『埼玉さいたま新聞しんぶん』は、一連いちれんの事件じけんが人ひとと人ひととのつながりを遠とおざけ、さらに人間にんげんを不信ふしんがらせる風潮ふうちょうを作つくり上あげたと評ひょうしている[78]。被害ひがい者しゃBが通学つうがくしていた飯能はんのう市し立原たちはら市場いちば小学校しょうがっこうは事件じけんを契機けいきに、それまで低てい学年がくねんでのみ実施じっししていた集団しゅうだん下校げこうを高学年こうがくねんにも適用てきようするようになった[79]。またAやCがそれぞれ住すんでいた入間いるま市しや川越かわごえ市しの団地だんちでも、自治じち会かいが毎日まいにち16時じから1時じ間あいだにわたるパトロールを実施じっしするようになり゙、後者こうしゃの団地だんちの子こどもたちが通学つうがくしている川越かわごえ市立しりつ古谷ふるや東中ひがしなか学校がっこうも職員しょくいんが週しゅう2回かい程度ていど団地だんち周辺しゅうへんを巡回じゅんかいするようになった[79]。A事件じけんの誘拐ゆうかい現場げんばとなった歩道橋ほどうきょう付近ふきん、およびC事件じけんの誘拐ゆうかい現場げんば付近ふきんには、それぞれ事件じけんから3年ねん後ごに交番こうばんが設置せっちされ、またそれぞれ誘拐ゆうかい現場げんば付近ふきんの小学校しょうがっこうには「二に人にん以上いじょうで帰かえります」「四よん時じまでに帰かえります」、「幼児ようじを誘拐ゆうかいから守まもりましょう」といった看板かんばんが設置せっちされている[80][81]。

犯人はんにんである宮みや﨑の実家じっかは地元じもと新聞しんぶん『秋川あきかわ新聞しんぶん』を発行はっこうする出版しゅっぱん社しゃ「新しん五日市いつかいち社しゃ」で、同社どうしゃの経営けいえい者しゃである父親ちちおやは地元じもとの名士めいしとして知しられていたが、事件じけん後ごに家族かぞくは離散りさんし、父親ちちおやは息子むすこの逮捕たいほから5年ねん後ごの1994年ねん（平成へいせい6年ねん）に自殺じさつしている。

詳細しょうさいは「宮崎みやざき勤つとむ」を参照さんしょう

オタクバッシング[編集へんしゅう]

宮崎みやざきがいわゆるおたく・ロリコン・ホラーマニアとして報道ほうどうされたことから、同様どうようの趣味しゅみを持もつ者ものに対たいして強つよい偏見へんけんが生しょうじた。宮崎みやざきが殺害さつがい後ごの幼女ようじょをビデオカメラで撮影さつえいし、膨大ぼうだいなコレクションのビデオテープの中なかに隠かくし持もっていたことから、おたくは現実げんじつと空想くうそう・妄想もうそうと犯罪はんざい行為こういの境界きょうかいが曖昧あいまいで、明確めいかくな規範きはん意識いしきの欠落けつらくが犯罪はんざいに及およんだなどとされた。

この事件じけんにより「有害ゆうがいコミック騒動そうどう」が活発かっぱつ化かしてアニメ・漫画まんが・ゲームなどが青少年せいしょうねんに悪影響あくえいきょうを及およぼすとする風潮ふうちょうが高たかまり、マスコミやPTAなどでの議論ぎろんとなった。これら議論ぎろんでは、事件じけんの代表だいひょう格かくである「幼女ようじょ連続れんぞく誘拐ゆうかい事件じけん」が槍玉やりだまに挙あげられた。

宮崎みやざきが第だい1の事件じけんを供述きょうじゅつして以降いこう、NHKや民放みんぽうのテレビの報道ほうどう・ワイドショー番組ばんぐみは連日れんじつ、連続れんぞく幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん関連かんれんの報道ほうどうを大々的だいだいてきに伝つたえた。その直前ちょくぜん、海部かいふ俊樹としきが第だい76代だい内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに就任しゅうにんし、第だい1次じ海部かいふ内閣ないかくが発足ほっそくしたばかりだったが、宮崎みやざきが第だい2・第だい3の事件じけんの供述きょうじゅつをしたことから、事件じけんの経緯けいいを検証けんしょうする形かたちで誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん報道ほうどうを優先ゆうせんしていた。民放みんぽう各局かくきょくのワイドショーは8月がつ下旬げじゅんまで、連日れんじつ30分ふん〜1時間じかん（場合ばあいにより2時じ間あいだも）程度ていどで誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん関連かんれんの話題わだいを優先ゆうせんしていた。

当時とうじの報道ほうどうでは、後ごのオウム真理教おうむしんりきょう事件じけん以降いこう顕著けんちょになった報道ほうどうのワイドショー化か、マス・ヒステリーが激化げきか。これらは1980年代ねんだいサブカル文化ぶんか人じんにとっての「連合赤軍れんごうせきぐん事件じけん」となり、これ以降いこう大塚おおつか英志えいじなどのサブカル文化ぶんか人じんが「社会しゃかい派は」に転てんじる動うごきが起おきた[82]。

8月がつ26日にちに礼宮あやのみや文ぶん仁じん親王しんのう（現げん・秋篠宮あきしののみや）が川嶋かわしま紀子のりことの婚約こんやくを発表はっぴょうしてからは、事件じけん報道ほうどうの扱あつかいが次第しだいに縮小しゅくしょうされていった。

『埼玉さいたま新聞しんぶん』は宮みや﨑の逮捕たいほ後ごに県内けんないの高校こうこうで、人付ひとづき合あいが苦手にがてな一方いっぽうでパソコンやテレビゲームが好すきな少年しょうねんが級友きゅうゆうたちから「将来しょうらい宮崎みやざきになるんじゃないの」とからかわれたり、別べつの高校こうこうで「宮みや﨑みたい」などと言いわれ続つづけた少年しょうねんが登校とうこう拒否きょひになるなどといった出来事できごとが起おきていると報ほうじている[78]。また宮みや﨑の逮捕たいほ後ご、かつて彼かれが所属しょぞくしていたビデオクラブの会長かいちょうを始はじめとした会員かいいんたちはマスコミ各社かくしゃから相次あいついで取材しゅざいを受うけたが、その影響えいきょうで「家族かぞくからも変へんな目めで見みられた」などの投書とうしょがクラブの会誌かいし（同年どうねん9月がつ発刊はっかん）に投稿とうこうされた[83]。同年どうねん12月がつのコミックマーケットには十じゅう数すう万まん人にんが参加さんかした一方いっぽう、参加さんか者しゃらの多おおくはマスコミの取材しゅざいに対たいしてかなり神経質しんけいしつになっており、取材しゅざいに応おうじる者ものもそれまでに比くらべてかなり少すくなかったが、準備じゅんび会かい代表だいひょうの米沢よねざわ嘉博よしひろはその背景はいけいについて、マスコミ報道ほうどうでアニメやビデオ、ホラーといった「弱よわい部分ぶぶん」に責任せきにんが押おし付つけられた結果けっか、コミケの参加さんか者しゃらが「出版しゅっぱん文化ぶんかを支ささえている漫画まんがやアニメの末端まったんに位置いちし、マスコミの側がわにいると思おもっていた自分じぶんたちがマスコミにたたかれている」というマスコミへの猜疑心さいぎしんを抱だいていると解説かいせつしている[83]。同どう会かいには事件じけんを扱あつかった同人どうじん誌しが5、6誌し出品しゅっぴんされたが、そのうちの1誌しには「天皇てんのう報道ほうどうも、紀子のりこさんブームの時ときも、マスコミはすべて同おなじ方向ほうこうを向むいている。“明あかるくてスポーツマン”タイルの人間にんげんだけが認みとめられ、社会しゃかいの枠組わくぐみに入いれない者もの、感性かんせいの異ことなる者ものを否定ひていし、切きり捨すてる風潮ふうちょうこそ見直みなおすべきだ」という発言はつげんが掲載けいさいされている[83]。

「10万まん人にんの宮崎みやざき勤つとむ」デマ[編集へんしゅう]

コミケ会場かいじょうを取材しゅざいしたあるテレビ番組ばんぐみのレポーターが来場らいじょう者しゃを前まえに「ここに10万まん人にんの宮崎みやざき勤つとむがいます！」と言いった、という噂うわさが2000年代ねんだいにWikipediaを含ふくむネット空間くうかんで真偽しんぎ不明ふめいのまま広ひろまった。ライターの石動いするぎ竜りゅう仁ひとしが2017年ねんに行いった調査ちょうさによると、事件じけん発覚はっかく当時とうじ、新聞しんぶんや週刊しゅうかん誌しなどで似にたような記述きじゅつは多おおくみられたが、「10万まん人にんの宮崎みやざき勤つとむ」という文言もんごんは使つかわれていなかった[84]。また「10万まん人にんの宮崎みやざき勤つとむ」をテレビで見みたという証言しょうげんは多数たすうあり、中なかには発言はつげん者しゃが東海林しょうじのり子こであると名指なざしするものもあった（東海林しょうじのり子こ#「10万まん人にんの宮崎みやざき勤つとむ」デマ被害ひがいを参照さんしょう）が、報ほうじた局きょく、レポーターの名前なまえ・性別せいべつ、状況じょうきょうがみなバラバラであり、噂うわさと一致いっちする映像えいぞうは確認かくにんできなかったという。石動いするぎによれば、2004年ねん9月がつに発売はつばいされたとある雑誌ざっしに掲載けいさいされていた漫画まんがの中なかで「10万まん人にんの宮崎みやざき勤つとむ」発言はつげんをネタにしたシーンがあり、これ以降いこう、ネットで噂うわさが大おおきく広ひろがったとしている[84]。

ホラー作品さくひん[編集へんしゅう]

宮崎みやざきの部屋へやから押収おうしゅうされた大量たいりょうのビデオテープの中なかに、『ギニーピッグ2 血肉けつにくの華はな』が含ふくまれていたと報道ほうどうされると、この作品さくひんに影響えいきょうされて犯行はんこうに至いたったという解釈かいしゃくが世間せけんに広ひろまり『ギニーピッグ』シリーズは全ぜん作品さくひんが廃盤はいばんとなった。しかし実際じっさいに部屋へやから押収おうしゅうされたのは全編ぜんぺんコメディ調ちょうの『ギニーピッグ4 ピーターの悪魔あくまの女医じょいさん』であり、宮崎みやざきは『ギニーピッグ2』を見みていないと供述きょうじゅつしている。しかしながらこの影響えいきょうで宮崎みやざきの逮捕たいほ後ごしばらく、ホラー映画えいがのテレビ放送ほうそうが自粛じしゅくされた。

ポルノ作品さくひん[編集へんしゅう]

この事件じけん後ご、1989年ねんあたりから創作そうさく物ぶつにおける性的せいてき描写びょうしゃに規制きせいが強つよまった。少年しょうねん漫画まんがなどで女性じょせいの裸体らたいを表現ひょうげんする場面ばめんで乳首ちくびが見みえないように修正しゅうせいを施ほどこされたのもこのころからである。青年せいねん誌しでは『ANGEL』などの人気にんき作品さくひんが連載れんさい中止ちゅうしとなった。

当時とうじ『読売新聞よみうりしんぶん』社会しゃかい部ぶの記者きしゃとして本ほん事件じけんを取材しゅざいしていた木村きむら透とおるは後年こうねん、ある民放みんぽうのカメラクルーが宮みや﨑の部屋へやの中なかにあった雑誌ざっしの山やまの中なかから成人せいじん向むけ漫画まんが『若わか奥様おくさまのナマ下着したぎ』を抜ぬき取とり、最さい上部じょうぶに乗のせて撮影さつえいするという行為こういをしたため、宮みや﨑が収集しゅうしゅうしていた雑誌ざっし類るいやビデオはすべて成人せいじん向むけのものであるという誤あやまったイメージが流ながれたと証言しょうげんしている[注ちゅう 15][86]。報道陣ほうどうじんが部屋へやを撮影さつえいする現場げんばに居合いあわせていた週刊しゅうかん誌し記者きしゃの小林こばやし俊之としゆきも同様どうようの証言しょうげんをしており[87]、また『月刊げっかんニュータイプ』1989年ねん11月がつ号ごうでもとり・みきが、こうした「TVの人間にんげん」による雑誌ざっしの位置いちを動うごかすなどの「演出えんしゅつ」があったと主張しゅちょうしている。5,787本ほんという膨大ぼうだいなビデオテープの大半たいはんは『男おとこどアホウ甲子園こうしえん』や『ドカベン』など大量たいりょうのアニメ作品さくひんの録画ろくがテープが占しめており、いかがわしいビデオや幼女ようじょ関連かんれんのビデオ作品さくひんは44本ほんに過すぎなかった。

これらのテープのほとんどは一般いっぱんのテレビ放送ほうそうを録画ろくがしたものや、そのテレビ録画ろくががマニアによってダビングされたもので、これらは文通ぶんつうなどの方法ほうほうで交換こうかんされたものという話はなしがある。当時とうじの報道ほうどうによれば、こういったマニア間あいだでのテレビ録画ろくがしたダビングビデオの交換こうかんは方々かたがたで行おこなわれていたが、宮崎みやざきはこの交換こうかんで望のぞみのテープを入手にゅうしゅする際さいに、相手あいてへの返礼へんれいが十分じゅうぶんでなく、遅延ちえんするトラブルもあったという。また宮崎みやざきが自分じぶんの欲ほしい作品さくひんをどんどん入手にゅうしゅする反面はんめん、相手あいての頼たのみはできるだけ断ことわるという態度たいどを取とったため、宮崎みやざきを除名じょめいしたサークルもあった。またサークルのメンバーからは、宮崎みやざきは「完かん録ろくマニア」（全ぜん話はなしを録画ろくがしないと気きがすまないタイプ）であり子こどもっぽいとの印象いんしょうも持もたれていた。

小児しょうに児童じどうへの影響えいきょう[編集へんしゅう]

この事件じけんをきっかけに、年端としはもいかない小児しょうにに性せい衝動しょうどうを覚おぼえるペドフィリア嗜好しこうの存在そんざいが広ひろく知しられることとなり、保護ほご者しゃが子こどもをめぐる性せい犯罪はんざいに対たいして強つよい恐怖きょうふ感かんを抱いだくようになった。

テレビの幼児ようじ番組ばんぐみなどでも、児童じどう（女児じょじ）の裸はだか・下着したぎが画面がめんに映うつることを避さけるようになった。さらに、宮崎みやざきが年少ねんしょうのころより動物どうぶつに対たいして残虐ざんぎゃくな行為こういを行おこなっていたという報告ほうこくもあり、動物どうぶつ虐待ぎゃくたい行為こういがこれらの犯罪はんざい行為こういの予兆よちょうであると考かんがえる向むきもある。

その他たの影響えいきょう[編集へんしゅう]

事件じけん当時とうじ、フジテレビジョンで放送ほうそう中ちゅうのアニメ『らんま1/2』において、8月がつ19日にち放送ほうそう予定よていだった 第だい14話わ「さらわれたPちゃん 奪うばわれたらんま」が誘拐ゆうかいを連想れんそうさせるとして急遽きゅうきょ放送ほうそう内容ないようを差さし替かえ、後日ごじつ放送ほうそう予定よていだったアニメオリジナルエピソードの回かいを放送ほうそうしたが、その話はなしの回想かいそうシーンにまだ未み放送ほうそう回かいのシーンがあったため、話はなしがつながらない部分ぶぶんが発生はっせいする影響えいきょうがあった。また、この回かいは放送ほうそう枠わく移動いどう後ごに放送ほうそうされたが、移動いどう後ごの放送ほうそう枠わくがローカルセールス枠わくであったことから一部いちぶの局きょくでは移動いどうの際さいに打うち切きられたため、再さい放送ほうそうかソフト化かまで見みられない地域ちいきもあった。

日本にっぽんのロックバンドARBの楽曲がっきょく「MURDER GAME」の歌詞かしの内容ないようが本ほん事件じけんに酷似こくじしているとNHKから指摘してきがあり[要よう出典しゅってん]、放送ほうそう禁止きんしとなった。また同どう楽曲がっきょくの歌詞かしの内容ないようは、テレビゲーム狂きょうの男おとこが遊あそび相手あいての子供こどもを殺ころしたというもので、宮崎みやざきの起おこした事件じけんの概要がいようとは異ことなる。

冤罪えんざい説せつ[編集へんしゅう]

この事件じけんについて冤罪えんざい説せつを唱となえる者ものが集あつまり、「M君くん裁判さいばんを考かんがえる会かい」という市民しみん団体だんたいを組織そしきした。代表だいひょう者しゃの木下きのした信男のぶお（応用おうよう数学すうがく者もの、明治大学めいじだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ）は1994年ねん、『明治大学めいじだいがく教養きょうよう論集ろんしゅう』に『裁判さいばんと論理ろんり学がく─幼女ようじょ連続れんぞく誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけんに見みる冤罪えんざいの軌跡きせき』と題だいする論文ろんぶんを載のせ、冤罪えんざい論ろんを説といた。

また、「M君くん裁判さいばんを考かんがえる会かい」会員かいいんである小笠原おがさわら和彦かずひこは冤罪えんざい説せつの立場たちばから『宮崎みやざき勤つとむ事件じけん 夢ゆめの中なか：彼かれはどこへいくのか』（現代げんだい人文じんぶん社しゃ、1997年ねん）を執筆しっぴつしている。

その他た[編集へんしゅう]

宮崎みやざき勤つとむが1989年ねん3月がつ11日にちに「今田いまだ勇子ゆうこ」名義めいぎで第だい2の書簡しょかん「告白こくはく文ぶん」を朝日新聞あさひしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃと殺害さつがいされた女児じょじの家いえに送おくっているが、その告白こくはく文ぶんでは、前年ぜんねん1988年ねんに利根川とねがわ河川敷かせんしきで白骨はっこつ化かした遺体いたいが発見はっけんされた群馬ぐんま小しょう2女児じょじ殺害さつがい事件じけんについて触ふれられている。群馬ぐんま小しょう2女児じょじ殺害さつがい事件じけんは、遺体いたいの発見はっけん現場げんばが河川敷かせんしきだったこと、遺体いたいの両りょう腕うでのひじから先さきと両脚りょうきゃくの膝ひざがなかったことなど、宮崎みやざきの事件じけんとの共通きょうつう点てんがあった。そのため、この事件じけんも宮崎みやざきの犯行はんこうと疑うたがうメディアもあったが、殺害さつがい時期じきが宮崎みやざきの第だい1の殺害さつがい事件じけんから1年ねん近ちかく前まえであること、事件じけん現場げんばがやや離はなれていたこと、宮崎みやざきと結むすびつける証拠しょうこが見みつからなかったこともあり、宮崎みやざきの犯行はんこうとしては立件りっけんされず、2002年ねん9月15日にちに公訴こうそ時効じこうが成立せいりつして未み解決かいけつ事件じけんとなった。

女児じょじDの切断せつだん遺体いたいが遺棄いきされた宮沢みやざわ湖みずうみ霊園れいえん（埼玉さいたま県けん飯能はんのう市し）には事件じけん後ご、遺体いたい発見はっけん者しゃの一人ひとりである元もと霊園れいえん管理人かんりにんがDのための小ちいさい祠ほこらを建設けんせつし、1997年ねん4月がつごろ（第だい一いち審しん判決はんけつ後ご）にはその祠ほこらに代かわって被害ひがい者しゃ4人にんのための慰霊いれい碑ひが建設けんせつされた[88]。碑いしぶみには平仮名ひらがなで「なむあみだぶつ」と刻印こくいんされている[89]。また入間いるま市し春日かすが町まちの「蓮華れんげ院いん」にある被害ひがい者しゃAの墓はかは[90]、おかっぱ頭あたまの女おんなの子この姿すがたをした地蔵じぞう菩薩ぼさつが墓石はかいしとして用もちいられており、2008年ねん6月がつ時点じてんでも参拝さんぱい者しゃによる献花けんかが続つづいている[91]。この地蔵じぞうはAの両親りょうしんの要望ようぼうを受うけ、Aの面影おもかげを残のこす顔立かおだちで製作せいさくされたもので[92]、墓はかと地蔵じぞうは事件じけんを風化ふうかさせたくないという遺族いぞくの意向いこうから南みなみ向むきの目立めだつ場所ばしょに建たてられている[93]。

神奈川かながわ県けん横須賀よこすか市しにある「久里浜くりはま霊園れいえん」には、被害ひがい者しゃ4人にんを慰霊いれいするため地蔵じぞう菩薩ぼさつなどの石像せきぞう群ぐんが建立こんりゅうされているが、これは同どう霊園れいえんを管理かんりする横浜よこはま市しの寺てら「聖徳寺せいとくじ」の檀家だんか（事件じけん当時とうじ、被害ひがい者しゃの1人ひとりの近所きんじょに住すんでいた）が寄贈きぞうしたものである[94]。

関連かんれん作品さくひん[編集へんしゅう]

テレビ番組ばんぐみ[編集へんしゅう]

  • 『報道ほうどうスクープSP 激動げきどう!世紀せいきの大だい事件じけんII』（フジテレビジョン）- 2014年ねん12月13日にち 宮崎みやざき勤つとむ役やく：曇天どんてん三さん男なん坊ぼう
  • 『土曜どようプレミアム・衝撃しょうげきスクープSP 30年ねん目めの真実しんじつ ～東京とうきょう・埼玉さいたま連続れんぞく幼女ようじょ誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん』（フジテレビ） - 2017年ねん10月がつ7日にち 宮崎みやざき勤つとむ役やく：坂本さかもと真しん 宮崎みやざき本人ほんにんの肉声にくせいが放送ほうそうされ、大おおきな反響はんきょうがあった。
    • 安永やすなが英樹ひでき『肉声にくせい 宮みや﨑勤 30年ねん目めの取調とりしらべ室しつ』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、2019年ねん1月がつ。ISBN 978-4163908687。上記じょうきテレビ番組ばんぐみ『土曜どようプレミアム』取材しゅざい内容ないようの書籍しょせき化か。
  • 『みんなのニュース』（フジテレビ） - 2017年ねん10月がつ9日にち 特報とくほう
  • 『平成へいせいニッポンの瞬間しゅんかん映像えいぞう30』（日本にほんテレビ） - 2018年ねん12月28日にち 宮崎みやざき勤つとむ役やく：長坂ながさか一はじめ哲あきら
  • 『ザ!世界せかい仰天ぎょうてんニュース』（日本にほんテレビ） - 2023年ねん3月がつ28日にち

映画えいが[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 団地だんちの東ひがし約やく300 mには入間川いりまがわが、約やく150 m地点ちてんには霞かすみ川がわがそれぞれ流ながれていたが、Aは家族かぞくらにより、普段ふだんから川かわには近ちかづかないよう厳きびしく注意ちゅういされており、また近隣きんりん住民じゅうみんや通園つうえんしていた幼稚園ようちえんの園長えんちょうからも、Aは注意深ちゅういぶかい性格せいかくで、一人ひとりで遠とおくに出掛でかけるようなことは考かんがえられなかったという証言しょうげんがなされている[4]。
  2. ^ カメラの印画いんが紙しは当初とうしょ、1981年ねん以降いこう販売はんばいされていたF1-10シリーズ、もしくは1984年ねんから販売はんばいされていたF1-800シリーズと見みられていた[7]。後のちに詳細しょうさいな鑑定かんていを行おこなった結果けっか、F1-10型がた（当時とうじ、既すでに生産せいさん終了しゅうりょうしていたカメラにしか使つかえなかった）であることが判明はんめいしている[8]。
  3. ^ Cが失踪しっそうした12月9日にちは金曜日きんようびである。
  4. ^ 今田いまだ勇子ゆうことは、「『勇子ゆうこ・今田いまだ』＝“Yuuko Imada”→“Yuuka Imada”＝『誘拐ゆうかい魔まだ』のアナグラム」という説せつや、「今いまだから言いう」などという説せつが、当時とうじの犯罪はんざい分析ぶんせき専門せんもん家かなどのコメントとして報道ほうどうされた。
  5. ^ 今田いまだ勇子ゆうことは、「『勇子ゆうこ・今田いまだ』＝“Yuuko Imada”→“Yuuka Imada”＝『誘拐ゆうかい魔まだ』のアナグラム」という説せつや、「今いまだから言いう」などという説せつが、当時とうじの犯罪はんざい分析ぶんせき専門せんもん家かなどのコメントとして報道ほうどうされた。
  6. ^ Bが帰宅きたくした時点じてんでは家いえは無人ぶにんだったが、14時じ30分ふんごろに当時とうじ9歳さいだったBの姉あね（長女ちょうじょ：小学しょうがく4年生ねんせい）が帰宅きたくした際さいは玄関げんかんにランドセルが置おいてあり、家いえは施錠せじょうされていなかった[14]。
  7. ^ この団地だんちではC失踪しっそうから約やく1か月げつ前まえの11月17日にち午後ごご、小学しょうがく1年生ねんせいの女児じょじが白しろいワゴン車しゃに乗のった男おとこにより、車くるまに誘さそい込こまれそうになる事案じあんがあった[18]。男おとこは白しろい軽けいワゴン車しゃに乗のっており、メガネを掛かけていた[16]。
  8. ^ 現場げんばは「少年しょうねん自然しぜんの家いえ」の建物たてものから下したに約やく30 m下くだった場所ばしょ、かつ斜面しゃめんの下したを通とおっている県道けんどう青梅おうめ秩父ちちぶ線せんから約やく10 m登のぼった場所ばしょである[19]。同どう地点ちてんは飯能はんのう市街しがいから県道けんどう青梅おうめ秩父ちちぶ線せんを秩父ちちぶ市し方面ほうめんに向むかった約やく20 kmの山中さんちゅう（標高ひょうこう約やく600 m）で、飯能はんのう市しと横瀬よこせ町まちの境さかい付近ふきんにある「正丸峠しょうまるとうげ」から南西なんせいに約やく1 km下くだった地点ちてんだが、周囲しゅういには少年しょうねん自然しぜんの家いえ以外いがいに大おおきな施設しせつはなく、冬季とうきは通行つうこう車両しゃりょうも比較的ひかくてき少すくなかった[19]。
  9. ^ 宮沢みやざわ湖みずうみ霊園れいえんは埼玉さいたま県立けんりつ奥おく武蔵むさし自然しぜん公園こうえんの東南とうなん端はしに位置いちする霊園れいえんで[23]、光西こうせい寺てら（川越かわごえ市し）が管理かんりしている[24]。東飯能ひがしはんのう駅えきから北東ほくとう約やく2.5 km離はなれた小高こだかい丘おかにある[25]。最寄もよりの県道けんどうからは約やく150 m[23]、もしくは約やく500 mほど入はいった奥おくまった位置いちに所在しょざいする[26]。1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）に造成ぞうせいされた霊園れいえんで[27]、敷地しきち面積めんせきは約やく2万まん m2、墓はかは約やく1,000基き（いずれも1989年ねん6月がつ当時とうじ）[26]。同どう霊園れいえんの市道しどうからの入口いりくちには事件じけんの2、3年ねん前まえに暴走ぼうそう族ぞくの侵入しんにゅうを防ふせぐため、シャッター状じょうの鉄柵てっさくが設置せっちされており、管理かんり事務所じむしょ員いんが出勤しゅっきんする9時じごろに開門かいもんして帰宅きたくする17時じごろに閉門へいもんしていたが[23]、夜間やかんに訪おとずれる墓参ぼさん者しゃのため施錠せじょうはされていなかった[25]。霊園れいえんの管理人かんりにんは遺体いたい発見はっけんの前日ぜんじつ（10日とおか）夕方ゆうがたには簡易かんいトイレ脇わきには何なにもないことを確認かくにんした上うえで、同日どうじつ夜よるには霊園れいえんの門もんを全開ぜんかいにしたまま帰宅きたくしており、10日とおか夜よるから11日にち朝あさにかけては霊園れいえん内ないに自由じゆうに出入でいりできる状態じょうたいになっていた[28]。
  10. ^ それ以前いぜんに発生はっせいしたバラバラ殺人さつじん事件じけんで最年少さいねんしょうの被害ひがい者しゃは、1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）4月がつ2日にちに東京とうきょう都と中野なかの区くで殺害さつがいされた中学ちゅうがく1年生ねんせいの男子だんし生徒せいと（当時とうじ12歳さい）である[31]。この被害ひがい者しゃは犯人はんにんの事務じむ員いん（当時とうじ31歳さい）宅たくに誘さそい込こまれ、いたずらされて殺害さつがいされ、ナタなどで遺体いたいをバラバラに切断せつだんされ、床下ゆかしたに遺棄いきされていた[31]。子供こどもが犠牲ぎせいになったバラバラ殺人さつじん事件じけんは、D事件じけんが同どう事件じけん以来いらいだった[32]。
  11. ^ この時とき宮崎みやざきは被害ひがい女児じょじの父親ちちおやに威嚇いかくされて怯おびえながら何なん度ども謝あやまったが許ゆるしてもらえなかった。この時とき宮崎みやざきはとたんに臆病おくびょうな性格せいかくになっていたが後のちに取とり調しらべで大峯おおみね警部補けいぶほから威嚇いかくされても顔色かおいろ一ひとつ変かえなかったため演技えんぎの可能かのう性せいがある。
  12. ^ 現場げんばは多摩川たまがわに並行へいこうする「吉野よしの街道かいどう」から約やく30 m入はいった杉林すぎばやしで、付近ふきんは夏なつになると多摩川たまがわ近ちかくのキャンプ客きゃくで賑にぎわうが、夜よるになると真まっ暗くらで車くるまはほとんど通とおらない場所ばしょである[35]。
  13. ^ 現場げんばは変電へんでん所しょ端はしのハイキングコースから徒歩とほ30分ふんほどの場所ばしょにある、林道りんどうから沢さわへ向むかって約やく50 m下くだった場所ばしょ[38]。
  14. ^ 被告人ひこくにんから上告じょうこく審しん判決はんけつに対たいする判決はんけつ訂正ていせい申立もうしたてが行おこなわれた場合ばあい、申立もうしたてを棄却ききゃくする決定けってい書しょが被告人ひこくにんの下したに送達そうたつされた時点じてんをもって判決はんけつが確定かくていする[74]。
  15. ^ この証言しょうげんは2005年ねんに『格闘かくとうする読売よみうりウイークリー編集へんしゅう部ぶ』でなされたが[85]、当該とうがい記事きじは2023年ねん時点じてんで既すでに削除さくじょされている。
  16. ^ 劇げき中ちゅうでは同どう事件じけん以外いがいにも、オウム真理教おうむしんりきょうによる一連いちれんの事件じけんや和歌山わかやま毒物どくぶつカレー事件じけんに関連かんれんする人物じんぶつなどもモデルとなって登場とうじょうする。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 福田ふくだ康夫やすお 2007, pp. 14–15.
  2. ^ a b 『読売新聞よみうりしんぶん』1988年ねん8月がつ23日にち東京とうきょう夕刊ゆうかん社会しゃかい面めん15頁ぺーじ「幼女ようじょが行方ゆくえ不明ふめいに 300人にんで付近ふきんを捜索そうさく 入にゅう間あいだ」（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん973頁ぺーじ。
  3. ^ a b c d 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん8月がつ29日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん11頁ぺーじ「狭山さやまの女児じょじ 行方ゆくえ不明ふめいから1週間しゅうかん 事件じけんに巻まき込こまれた？」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん421頁ぺーじ。
  4. ^ a b 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん8月がつ24日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん13頁ぺーじ「入間いるまで幼女ようじょ失跡しっせき 男性だんせいが連つれ去さる？ 少年しょうねんが目撃もくげき 事件じけんに巻まき込こまれた可能かのう性せいも 地元民じもとみんら徹夜てつやで捜索そうさく」「Aちゃん 明あかるくおとなしい子こ 困惑こんわくの色いろ深ふかまる」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん343頁ぺーじ。
  5. ^ a b c d 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ7日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん15頁ぺーじ「Aちゃん失跡しっせき事件じけん 「異様いよう」「人間にんげんじゃない」 住民じゅうみんら怒いかりあらわ 県警けんけい 不審ふしん者しゃ洗あらい出だしに全力ぜんりょく」「大胆だいたんさにショック 捜査そうさ本部ほんぶ、再ふたたび拡充かくじゅうへ」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん109頁ぺーじ。
  6. ^ a b 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ7日にち朝刊ちょうかん3版はん一いち面めん1頁ぺーじ「行方ゆくえ不明ふめいのAちゃん自宅じたく前まえに骨ほね片へん入いり段だんボール 入間いるま 中ちゅうに幼児ようじのあごも 犯行はんこうにおわすメモ残のこす」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん95頁ぺーじ。
  7. ^ a b c 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ10日とおか朝刊ちょうかん2版はん一いち面めん1頁ぺーじ「女児じょじ失跡しっせき・誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん 歯ぱの別人べつじん鑑定かんてい、白紙はくしに Aちゃんの可能かのう性せいも 県警けんけい、捜査そうさの基本きほん線せん変かわらず」「カメラは富士ふじ写うつし製せい」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん143頁ぺーじ。
  8. ^ a b 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ18日にち朝刊ちょうかん2版はん一いち面めん1頁ぺーじ「Cちゃん宅たくにも犯行はんこう声明せいめい？ 12月下旬げじゅん届とどく 「死し」など新聞しんぶん活字かつじコピー」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん259頁ぺーじ。
  9. ^ 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ8日にち朝刊ちょうかん3版はん一いち面めん1頁ぺーじ「女児じょじ失跡しっせき、誘拐ゆうかい殺人さつじん事件じけん 遺骨いこつはAちゃんではない 歯はの鑑定かんていから断定だんてい Bちゃんとも異ことなる 第だい4の犯行はんこう？なぞ深ふかまる」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん111頁ぺーじ。
  10. ^ a b c d e 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん2月がつ12日にち朝刊ちょうかん2版はん一いち面めん1頁ぺーじ「Aちゃん、殺害さつがいと断定だんてい 自宅じたくなどに犯行はんこう声明せいめい文ぶん 鑑定かんていもAちゃん 誘拐ゆうかい殺人さつじんで本格ほんかく捜査そうさ」「文面ぶんめんに“女おんな”の心情しんじょう 犯行はんこう声明せいめい分析ぶんせき 犯人はんにん像ぞうで専門せんもん家から」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん177頁ぺーじ。
  11. ^ 現場げんば検証けんしょう 平成へいせいの事件じけん簿ぼ. 株式会社かぶしきがいしゃ 柏かしわ艪舎. (2019年ねん3月がつ8日にち). pp. 9-10 
  12. ^ 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ12日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん15頁ぺーじ「Aちゃん誘拐ゆうかい殺人さつじん 無事ぶじ祈いのる両親りょうしんの思おもい無残むざん 最悪さいあくの悲報ひほうに絶句ぜっく 母親ははおやの○○さん 添付てんぷ写真しゃしんで確認かくにん」「声明せいめいと違ちがう目撃もくげき情報じょうほう 犯人はんにん 男性だんせいなら証言しょうげんと符合ふごう」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん191頁ぺーじ。
  13. ^ a b 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1989年ねん2月がつ28日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん23頁ぺーじ「幼女ようじょ誘拐ゆうかい・殺人さつじん事件じけんで県警けんけい 「総力そうりょく集あつめ解決かいけつを」 対策たいさく本部ほんぶを全ぜん署しょに拡大かくだい」「事件じけんの解決かいけつと再発さいはつ防止ぼうしに決意けつい 県けん会かいで石瀬いしぜ本部ほんぶ長ちょう」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん457頁ぺーじ。
  14. ^ a b c d 『読売新聞よみうりしんぶん』1988年ねん10月がつ5日にち東京とうきょう朝刊ちょうかん第だい14版はん第だい一いち社会しゃかい面めん31頁ぺーじ「埼玉さいたま・入間川いるまがわ沿ぞい 幼女ようじょまた失跡しっせき 飯能はんのうの小しょう1が帰宅きたく後ご 12キロ下流かりゅうの入間いるま市しでは8月がつ末まつに4歳さい園児えんじ いずれも月曜げつよう、関連かんれん追及ついきゅう」（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん237頁ぺーじ。
  15. ^ a b 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん10月がつ5日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん13頁ぺーじ「飯能はんのう 小しょう1の女児じょじ行方ゆくえ不明ふめい」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん79頁ぺーじ。
  16. ^ a b c d e f g 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん12月11日にち朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん15頁ぺーじ「県けん西部せいぶの連続れんぞく女児じょじ不明ふめい事件じけん 警戒けいかいしていたのに… 不安ふあん募つのらせる親おやや学校がっこう 主婦しゅふら150人にん 無事ぶじ祈いのり懸命けんめいの捜索そうさく」「連続れんぞく事件じけんにショック」「きょうCちゃんのポスター配布はいふ 川越かわごし署しょ、2千せん枚まい」「県警けんけい、相次あいつぐ幼児ようじ不明ふめいで総合そうごう対策たいさく本部ほんぶを設置せっち」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん187頁ぺーじ。
  17. ^ a b c d 『読売新聞よみうりしんぶん』1988年ねん12月がつ10日とおか東京とうきょう夕刊ゆうかん社会しゃかい面めん11頁ぺーじ「誘拐ゆうかいか、4歳さい女児じょじ不明ふめい 入間川いるまがわ沿ぞい 4か月げつ間あいだで3人にん目め 同一どういつ犯人はんにんの可能かのう性せいも」（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん511頁ぺーじ。
  18. ^ a b c d e f 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん12月11日にち朝刊ちょうかん2版はん一いち面めん1頁ぺーじ「川越かわごえ Cちゃん依然いぜん不明ふめい 2件けんの幼女ようじょ失跡しっせきと関連かんれん？」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん173頁ぺーじ。
  19. ^ a b c d e 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん12月16日にち朝刊ちょうかん第だい2版はん一いち面めん1頁ぺーじ「Cちゃん死体したいで発見はっけん 「名栗なぐり少年しょうねん自然しぜんの家いえ」付近ふきんの杉林すぎばやし 絞殺こうさつ？スカートなど衣類いるい散乱さんらん 飯能はんのう、川越かわごえ両りょう署しょ 合同ごうどう捜査そうさ本部ほんぶを設置せっち 3件けんの幼女ようじょ失跡しっせき連続れんぞく誘拐ゆうかいの可能かのう性せい」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん249頁ぺーじ。
  20. ^ 『中日新聞ちゅうにちしんぶん』1988年ねん12月16日にち朝刊ちょうかん一いち面めん1頁ぺーじ「【所沢ところざわ】Cちゃん遺体いたいで発見はっけん 埼玉さいたまの連続れんぞく幼女ようじょ不明ふめい事件じけん 自宅じたくから35キロの杉林すぎばやし」（中日新聞社ちゅうにちしんぶんしゃ）
  21. ^ 『埼玉さいたま新聞しんぶん』1988年ねん12月17日にち朝刊ちょうかん2版はん一いち面めん1頁ぺーじ「Cちゃん 誘拐ゆうかい直後ちょくごに殺害さつがい 残のこる2女児じょじも同どう一いち犯はんか」「1000人にん動員どういんし大だい捜索そうさく 手掛てがかり得えられず」（埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ） - 縮刷しゅくさつ版ばん265頁ぺーじ。
  22. ^ a b 『読売新聞よみうりしんぶん』1989年ねん6月がつ8日にち東京とうきょう朝刊ちょうかん社会しゃかい面めん31頁ぺーじ「5歳さい幼女ようじょが行方ゆくえ不明ふめい―昼夜ちゅうや 東京とうきょう都と江東こうとう区内くないで」（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  23. ^ a b c 『毎日新聞まいにちしんぶん』1989年ねん6月がつ12日にち東京とうきょう夕刊ゆうかん社会しゃかい面めん15頁ぺーじ「「むごい」幼女ようじょバラバラ事件ばらばらじけん 身元みもと確認かくにん遅おくらせる目的もくてき？――飯能はんのう」（毎日新聞まいにちしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  24. ^ a b 『読売新聞よみうりしんぶん』1989年ねん6月がつ12日にち東京とうきょう夕刊ゆうかん一いち面めん1頁ぺーじ「埼玉さいたまで幼女ようじょのバラバラ死体したいを発見はっけん 不明ふめいのDちゃんか 血液けつえき型がたが一致いっち」（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  25. ^ a b 『読売新聞よみうりしんぶん』1989年ねん6月がつ12日にち東京とうきょう夕刊ゆうかん社会しゃかい面めん19頁ぺーじ「またも戦慄せんりつの幼女ようじょ殺人さつじん きわ立だつ残忍ざんにん性せい 犯人はんにん、現場げんばに詳くわしい？／埼玉さいたま・飯能はんのう」（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  26. ^ a b 『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』1989年ねん6月がつ12日にち東京とうきょう夕刊ゆうかん15頁ぺーじ「霊園れいえんに女児じょじの遺体いたい、埼玉さいたま・飯能はんのう――頭部とうぶ・両りょう手足てあしを切断せつだん、不明ふめいのDちゃんか」（日本経済新聞にほんけいざいしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  27. ^ 『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』1989年ねん6月がつ18日にち東京とうきょう朝刊ちょうかん35頁ぺーじ「Dちゃん事件じけん、埼玉さいたまの捜索そうさく打うち切きり――き込きこみに重点じゅうてん置おく」（日本経済新聞にほんけいざいしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  28. ^ 『朝日新聞あさひしんぶん』1989年ねん6月がつ14日にち東京とうきょう朝刊ちょうかん第だい13版はん埼玉さいたま県けん版ばん27頁ぺーじ「「前日ぜんじつ夕ゆう、遺体いたいなかった」Dちゃん事件じけん、通報つうほうした○○（宮沢みやざわ湖こ霊園れいえんの管理人かんりにんの実名じつめい）さん 埼玉さいたま」（朝日新聞あさひしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  29. ^ 『読売新聞よみうりしんぶん』1989年ねん6月がつ13日にち東京とうきょう朝刊ちょうかん一いち面めん1頁ぺーじ「飯能はんのうの幼女ようじょ死体したい Dちゃんと断定だんてい」胃いに保育園ほいくえんの給食きゅうしょく 誘拐ゆうかい直後ちょくごに絞殺こうさつか 死因しいんは急性きゅうせい窒息ちっそく（読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
  30. ^ 『毎日新聞まいにちしんぶん』1989年ねん6月がつ12日にち東京とうきょう夕刊ゆうかん一いち面めん1頁ぺーじ「埼玉さいたま県けん飯能はんのう市しの霊園れいえんに幼女ようじょ切断せつだん死体したい 江東こうとう区くで不明ふめいのDちゃんか」（毎日新聞まいにちしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ）
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

刑事けいじ裁判さいばんの判決はんけつ文ぶん[編集へんしゅう]

書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 都市としのフォークロアの会かい (編へん) 『幼女ようじょ連続れんぞく殺人さつじん事件じけんを読よむ―全ぜん資料しりょう・宮崎みやざき勤つとむはどう語かたられたか?』 1989年ねん11月。ISBN 978-4880636832
  • 佐さ木き隆三りゅうぞう 『宮崎みやざき勤つとむ裁判さいばん』 1995年ねん5月がつ。ISBN 978-4022640710
  • 瀧野たきの隆浩たかひろ 『宮崎みやざき勤つとむ 精神せいしん鑑定かんてい書しょ―「多重たじゅう人格じんかく説せつ」を検証けんしょうする』 1997年ねん1月がつ。ISBN 978-4062085434
  • 小笠原おがさわら和彦かずひこ 『宮崎みやざき勤つとむ事件じけん夢ゆめの中なか―彼かれはどこへいくのか』 1997年ねん12月。ISBN 978-4906531325
  • 宮崎みやざき勤つとむ 『夢ゆめのなか―連続れんぞく幼女ようじょ殺害さつがい事件じけん被告ひこくの告白こくはく』 1998年ねん12月。ISBN 978-4924718302
  • 吉岡よしおか忍しのぶ 『M/世界せかいの、憂鬱ゆううつな先端せんたん』 2001年ねん1月がつ、文庫ぶんこ2003年ねん1月がつ。ISBN 978-4167547035
  • 中安なかやす信夫しのぶ 『宮崎みやざき勤つとむ精神せいしん鑑定かんてい書しょ別冊べっさつ 中安なかやす信夫しのぶ鑑定かんてい人じんの意い』 2001年ねん8月がつ。ISBN 978-4791104505
  • 一いち橋きょう文ぶん哉『宮みや﨑勤事件じけん—塗ぬり潰つぶされたシナリオ』新潮しんちょう文庫ぶんこ、2003年ねん9月がつ1日にち。ISBN 978-4-10-142624-2。 
  • 宮崎みやざき勤つとむ 『夢ゆめのなか、いまも』 2006年ねん2月がつ。ISBN 978-4924718722
  • 芹沢せりざわ俊介しゅんすけ 『“宮崎みやざき勤つとむ”を探さがして』 2006年ねん12月。ISBN 978-4876722112
  • 松谷まつや創はじめ一郎いちろう 著ちょ「第だいII部ぶ 「若者わかもの文化ぶんか」の社会しゃかい学がく的てき問題もんだい化か 第だい6章しょう〈オタク問題もんだい〉の四半世紀しはんせいき—〈オタク〉はどのように〈問題もんだい視し〉されてきたのか」、羽渕はぶち一代かずよ 編へん『どこか〈問題もんだい化か〉される若者わかものたち』（初版しょはん1刷さつ発行はっこう）恒星こうせい社しゃ厚生こうせい閣かく、2008年ねん10月がつ31日にち、113-140頁ぺーじ。ISBN 978-4769910879。 NCID BA87671494。国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000009785153・全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:21514384。 
  • 読売新聞よみうりしんぶん社会しゃかい部ぶ「第だい一いち章しょう 執行しっこうの現実げんじつ > 宮崎みやざき勤つとむ死刑しけい囚しゅう執行しっこうの朝あさ」『死刑しけい』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ、2009年ねん10月がつ10日とおか、17-26頁ぺーじ。ISBN 978-4120040634。 NCID BA91632135。国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000010590428・全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:21690683。 
  • 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 日本にっぽん映像えいぞう倫理りんり審査しんさ機構きこう. “日ひ映うつ審しん（JMRC）の誕生たんじょうまで”. 2010年ねん1月がつ5日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2009年ねん11月8日にち閲覧えつらん。
  • 篠田しのだ博之ひろゆき「第だい12章しょう 宮崎みやざき勤つとむ死刑しけい囚しゅうの突然とつぜんの刑けい執行しっこう」『生涯しょうがい編集へんしゅう者しゃ 月刊げっかん『創そう』奮戦ふんせん記き』（初版しょはん第だい1刷さつ刊行かんこう）創出そうしゅつ版ばん、2012年ねん6月がつ28日にち、154-173頁ぺーじ。ISBN 978-4904795187。 NCID BB09639182。国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:023748419・全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:22148651。 

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女性じょせいを標的ひょうてきにした連続れんぞく殺人さつじん犯はん

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