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カリガネ

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カリガネ
カリガネ
カリガネ Anser erythropus
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: カモ Anseriformes
: カモ Anatidae
ぞく : マガンぞく Anser
たね : カリガネ A. erythropus
学名がくめい
Anser erythropus (Linnaeus, 1758)[2]
和名わみょう
カリガネ[2][3][4][5]
英名えいめい
Lesser white-fronted goose[2][3][4][5]
Anser erythropus
Anser erythropus

カリガネ雁金かりがね[3][6]Anser erythropus)は、とりつなカモカモマガンぞく分類ぶんるいされる鳥類ちょうるい

分布ぶんぷ

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アルバニアアルメニアイラクイランインドウクライナウズベキスタンエストニアカザフスタンギリシャグルジアクロアチアシリアスウェーデンスロバキアスロベニアセルビア大韓民国だいかんみんこくチェコ中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくトルクメニスタン日本にっぽんノルウェーハンガリーフィンランドブルガリアボスニア・ヘルツェゴビナポーランドきたマケドニア共和国まけどにあきょうわこくモンゴルモンテネグロラトビアリトアニアルーマニアロシア[1]

ロシアの北極圏ほっきょくけんない地域ちいきスカンジナビア半島はんとう繁殖はんしょくし、冬季とうきにインドや中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく日本にっぽん・ハンガリー・カスピ海かすぴかい南岸なんがん黒海こっかい沿岸えんがんいきなどへ南下なんか越冬えっとうする[5]。スカンジナビア半島はんとうからヨーロッパロシアで繁殖はんしょくしヨーロッパ南部なんぶから中央ちゅうおうアジアにかけての地域ちいき越冬えっとうする個体こたいぐんと、ロシアで繁殖はんしょく中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく日本にっぽん朝鮮半島ちょうせんはんとう越冬えっとうする2つの個体こたいぐんかれる[2]日本にっぽんには冬季とうき島根しまねけん宍道湖しんじこ宮城みやぎけん伊豆沼いずぬま長沼ながぬまなどで越冬えっとうし(ふゆとり)、秋期しゅうきわたりの途中とちゅう北海道ほっかいどうサロベツ原野げんやなどにも飛来ひらいする(たびとり[2]

形態けいたい

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全長ぜんちょう53 - 66センチメートル[3]つばさちょう36 - 39センチメートル[3]つばさひらきちょう128センチメートル[5]体重たいじゅう1.4 - 2.5キログラム[3]全身ぜんしんくら褐色かっしょく[2][5]がくから頭頂とうちょうにかけてはしろ[5]腹部ふくぶ不規則ふきそくくろ横縞よこじまはい[2]尾羽おは基部きぶおお羽毛うもう上尾あげおとう下尾しもおとう)の色彩しきさいしろ[5]つばさながく、つばさ先端せんたん尾羽おはよりも後方こうほう突出とっしゅつする[4]

眼瞼がんけん黄色おうしょく[4]くちばしみじか[3]くちばし色彩しきさいピンク色ぴんくいろ[3][5]後肢あとあし色彩しきさい橙色だいだいいろ[2][3]

生態せいたい

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湿地しっち農耕のうこう牧草ぼくそうなどに生息せいそくする[3]和名わみょうのカリはごえ由来ゆらいし、元々もともとはマガンぞく構成こうせいしゅ広範こうはんしていた[6]

しょくせい植物しょくぶつしょくで、くさスゲなど)、などをべる[5]

繁殖はんしょく様式ようしき卵生らんせいおもにツンドラ地帯ちたい森林しんりんツンドラの境目さかいめ繁殖はんしょくする[3]。5 - 6がつに3 - 8平均へいきん5)のたまご[4]だきたまご期間きかんは25 - 28にち[3]ひな孵化ふかしてからやく35にち飛翔ひしょうできるようになる[4]

人間にんげんとの関係かんけい

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開発かいはつによる生息せいそく破壊はかい狩猟しゅりょうなどにより生息せいそくすう減少げんしょうしている[5]1981ねんにはスウェーデンとオランダあいだわたりを復活ふっかつさせるため、カオジロガン仮親かりおやとしたこころみがすすめられ成果せいかをあげている[5]。ハンガリーでの1950年代ねんだい以前いぜんにおける越冬えっとう個体こたいすうは120,000以上いじょう、1980年代ねんだいにおける越冬えっとう個体こたいすうすうせん推定すいていされている[5]ほらにわみずうみでの1996ねんにおける越冬えっとう個体こたいすうは、566観察かんさつされている[3]

日本にっぽん
江戸えど時代じだいには徳川とくがわ実紀みきなどの全国ぜんこく飛来ひらいしていた文献ぶんけん記録きろくがあるが、マガンと混同こんどうされることもあり発見はっけんむずかしく記録きろくとぼしかった[2]日本にっぽんでは日本にっぽんかり保護ほごするかい調査ちょうさから、1999ねん以降いこう最大さいだい100程度ていどがサロベツ原野げんやなどにわたりの途中とちゅう飛来ひらいし、宮城みやぎけん北部ほくぶ伊豆沼いずぬまなどで越冬えっとうすることが判明はんめいしている[2]宍道湖しんじこでもやく25越冬えっとうしている[5]。1999 - 2007ねんにかけての飛来ひらいすう漸増ぜんぞう傾向けいこうにある[2]
絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい (EN)環境省かんきょうしょうレッドリスト[2]

日本にっぽんでは1978ねんに、多摩たま動物どうぶつ公園こうえん人工じんこう照明しょうめい白夜はくや再現さいげんすることで飼育しいく繁殖はんしょく成功せいこうした[7]

カリガネを意匠いしょうしたかり金紋きんもん家紋かもんとして使用しようされた。

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん

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  1. ^ a b BirdLife International 2018. Anser erythropus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22679886A132300164. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22679886A132300164.en. Downloaded on 09 June 2019.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 呉地くれじ正行まさゆき 「カリガネ」『レッドデータブック2014 -日本にっぽん絶滅ぜつめつのおそれのある野生やせい動物どうぶつ-2 鳥類ちょうるい環境省かんきょうしょう自然しぜん環境かんきょうきょく野生やせい生物せいぶつ希少きしょうしゅ保全ほぜん推進すいしんしつへん株式会社かぶしきがいしゃぎょうせい、2014ねん、88-89ぺーじ
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 呉地くれじ正行まさゆき 「カリガネ」『日本にっぽん動物どうぶつだい百科ひゃっか 3 鳥類ちょうるいI』日高ひだか敏隆としたか長久ちょうきゅう監修かんしゅう平凡社へいぼんしゃ、1996ねん、62ぺーじ
  4. ^ a b c d e f 黒田くろだ長久ちょうきゅう森岡もりおか弘之ひろゆき監修かんしゅう 「ガンカモ分類ぶんるい」『世界せかい動物どうぶつ 分類ぶんるい飼育しいく (ガンカモ)』、財団ざいだん法人ほうじん東京とうきょう動物どうぶつえん協会きょうかい、1980ねん、14-88ぺーじ
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m 竹下たけした信雄のぶお 「カリガネ」『動物どうぶつ世界せかい遺産いさん レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、きたアメリカ』小原おはら秀雄ひでおうらほん昌紀まさき太田おおた英利ひでとし松井まつい正文まさふみ編著へんちょ講談社こうだんしゃ、2000ねん、183ぺーじ
  6. ^ a b 安部あべ直哉なおややまけい名前なまえ図鑑ずかん 野鳥やちょう名前なまえ』、やま溪谷社けいこくしゃ、2008ねん、299ぺーじ
  7. ^ 小宮こみや輝之てるゆき 「カリガネの繁殖はんしょく 人工じんこう照明しょうめいによる日長ひなが調節ちょうせつこころみ」『世界せかい動物どうぶつ 分類ぶんるい飼育しいく (ガンカモ)』黒田くろだ長久ちょうきゅう森岡もりおか弘之ひろゆき監修かんしゅう財団ざいだん法人ほうじん東京とうきょう動物どうぶつえん協会きょうかい、1980ねん、119-124ぺーじ