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サリュート1ごう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
サリュート1ごう
基本きほん項目こうもく
製造せいぞうこく ソビエト連邦れんぽう
NSSDC ID 1971-032A
げロケット プロトンロケット
1971ねん4がつ19にち
通算つうさん搭乗とうじょう員数いんずう 3めい
通算つうさん滞在たいざい日数にっすう 23にち
さい突入とつにゅう 1971ねん10月11にち
設計せっけい寿命じゅみょう 3かげつ
物理ぶつりてき特性とくせい
なが 13.07 m
最大さいだい直径ちょっけい 4.15 m
あずかあつ区画くかく容積ようせき 99m3
質量しつりょう 18,210 kg
メインエンジン
出力しゅつりょく 4089 N
推進すいしんざい種類しゅるい HNO3 / N2H4
推進すいしんざい質量しつりょう 2000kg
推力すいりょく 282 びょう
デルタV 320 m/びょう
電力でんりょく
太陽たいよう電池でんち枚数まいすう 4まい
太陽たいよう電池でんち面積めんせき 33 m3
発生はっせい電力でんりょく 平均へいきん 1.0 kW
サリュート1ごうとソユーズ。

サリュート1ごうロシア: Салют-1、ラテン文字もじ表記ひょうきれいSalyut 1)は1971ねん4がつ19にちソビエト連邦れんぽうによってげられた世界せかいはつ宇宙うちゅうステーションである。ソユーズ10ごう失敗しっぱいのちソユーズ11ごうによって3にん宇宙うちゅう飛行ひこうおとずれ、3週間しゅうかん滞在たいざいあいだ各種かくしゅ実験じっけん観測かんそくや、重力じゅうりょく環境かんきょう人体じんたいあたえる影響えいきょう調査ちょうさおこなわれた。しかし帰還きかんちゅう事故じこにより3にんいのちうしなわれ、その有人ゆうじん飛行ひこう中止ちゅうしされた。ステーションは無人むじんのまま軌道きどうじょうにとどまり、同年どうねん10月11にち大気圏たいきけん突入とつにゅうして廃棄はいきされた。ロシアでサリュート(салют)は「敬礼けいれい」を意味いみする。

設計せっけい[編集へんしゅう]

サリュートには軍事ぐんじ目的もくてきのDOSと軍事ぐんじ目的もくてきアルマース(OPS)の2つの型式けいしきがあった。サリュート1ごうはDOSステーションで、表向おもてむきには軍事ぐんじようだったが、実際じっさいには軍事ぐんじてき任務にんむおこなった。

サリュート1ごうは、元々もともとだい52設計せっけいきょく (OKB-52) を統括とうかつするウラジミール・チェロメイがアルマースとして開発かいはつすすめていた。しかし、宇宙うちゅうステーションの完成かんせいいそ政府せいふ意向いこうにより、ヴァシーリー・ミシンひきいるだい1設計せっけいきょく(OKB-1)が途中とちゅうから開発かいはつ参加さんかし、DOSステーションとして建造けんぞうすすめられた。

サリュート1ごうふとさのことなる円筒えんとうつらなったかたちをしていた。ながさは13mで、最大さいだい直径ちょっけいは4mだった。あずかあつ区画くかく体積たいせきは99m3質量しつりょうは18トンにたっした。電力でんりょく供給きょうきゅうよう太陽たいよう電池でんちパネルはソユーズ宇宙船うちゅうせんから流用りゅうようしたものを4まいもちいた。

ステーションは4つの区画くかくから構成こうせいされていた。ソユーズとのドッキング使用しようされる移乗いじょう区画くかく生活せいかつ実験じっけんである主要しゅよう区画くかく生命せいめい維持いじ装置そうちなどのステーションの機能きのうささえる装置そうちせた補助ほじょ区画くかく・ステーションの軌道きどう保持ほじするための機関きかん区画くかくであった。機関きかん区画くかくはソユーズ宇宙船うちゅうせんのサービスモジュールと共通きょうつう設計せっけいになっていた。

サリュート1ごう搭載とうさいされた主要しゅよう装置そうちとして、オリオン1宇宙うちゅう天文台てんもんだいばれるものがあった。オリオン1はおもきょう直径ちょっけい28cmの紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょう中心ちゅうしんとした天体てんたい観測かんそく装置そうちで、200-380ナノメートル (nm) の波長はちょう領域りょういきスペクトルを5nmの解像度かいぞうどることができた。

運用うんよう[編集へんしゅう]

サリュート1ごうは、1971ねん4がつ19にちバイコヌール宇宙うちゅう基地きちからプロトン8K82Kロケット使用しようしてげられた。軌道きどう投入とうにゅう予定よていどおりにすすんだが、科学かがく機器ききベイをおおうカバーが分離ぶんりできず、計画けいかくされていた観測かんそく一部いちぶおこなえなくなった。しかし、ソユーズによる滞在たいざいいんげは当初とうしょ計画けいかくどおりにおこなうことになった。

ソユーズ10ごう[編集へんしゅう]

4がつ22にち宇宙うちゅうステーションへ宇宙うちゅう飛行ひこう3にんおくとどけるためにソユーズ10ごうげられた。4月23にち、ソユーズはサリュート1ごうとのドッキングをこころみた。途中とちゅう自動じどう装置そうち故障こしょうしたため、手動しゅどう操作そうさによる接近せっきんおこなわれた。ソフトドッキング(完全かんぜん結合けつごうぜん段階だんかいとして宇宙船うちゅうせん固定こていすること)に成功せいこうしたものの、完全かんぜんなドッキングには失敗しっぱいし、宇宙うちゅう飛行ひこうがステーションに移乗いじょうすることはできなかった。5あいだ30ふん、ソユーズはサリュート1ごうからはなれ、24にち地上ちじょう帰還きかんした。

ソユーズ11ごう[編集へんしゅう]

6月6にち、3にん飛行ひこうせたソユーズ11ごうげられ、6月7にちにサリュート1ごうとドッキングした。乗員じょういんがステーションないはいるとけむりにおいが充満じゅうまんしていた。空気くうき浄化じょうかされるまでのあいだ宇宙うちゅう飛行ひこうはソユーズで睡眠すいみんをとった。8にちにソユーズは待機たいきモードにうつされ、本格ほんかくてきなステーションの運用うんようはじまった。地上ちじょうでは、世界せかいはつ宇宙うちゅうステーションの運用うんよう開始かいしとして大々的だいだいてきほうじられた。

ソユーズ11ごう乗員じょういん宇宙うちゅうステーションの姿勢しせい制御せいぎょ軌道きどう変更へんこうおこなった。カバーの分離ぶんり失敗しっぱいしたために一部いちぶ観測かんそくはできなかったが、それ以外いがい実験じっけん比較的ひかくてき順調じゅんちょうすすんだ。オリオン1の紫外線しがいせん望遠鏡ぼうえんきょうによってシリウスケンタウルスβべーたほし紫外線しがいせんスペクトルが測定そくていされ、地球ちきゅう表面ひょうめん大気圏たいきけん観測かんそくおこなわれた。長期ちょうき宇宙うちゅう滞在たいざい人体じんたいあたえる影響えいきょう調しらべることも、重要じゅうよう任務にんむひとつだった。

6月29にち、23日間にちかん滞在たいざいえた3にんはソユーズ11ごうってサリュートからはなれ、6月30にち地上ちじょう帰還きかんした。しかし、乗員じょういんはカプセルない遺体いたいとなって発見はっけんされた。調査ちょうさ結果けっか大気圏たいきけん突入とつにゅう直前ちょくぜんにカプセルの空気くうきけていたことが判明はんめいした。

ソユーズ12ごう[編集へんしゅう]

ソユーズ12ごうはサリュート1ごうとドッキングする計画けいかくだったが、11ごう事故じこけて中止ちゅうしされた。実際じっさいのソユーズ12ごうは、安全あんぜんせい改善かいぜんした新型しんがたソユーズのテスト飛行ひこうとしてげられた。

さい突入とつにゅう[編集へんしゅう]

無人むじんとなったステーションは設計せっけい寿命じゅみょうの3かげつぎても運用うんようされた。推進すいしんざい消費しょうひりょうそらりょく特性とくせいのデータがあつめられ、以後いご参考さんこうになった。1971ねん7がつ・8がつには、空気くうき抵抗ていこうによる落下らっかふせ目的もくてきでよりたか軌道きどう移動いどうするためのエンジン噴射ふんしゃおこなわれたが、同年どうねん10がつ電子でんし機器きき故障こしょうし、大気圏たいきけん安全あんぜん突入とつにゅうできなくなるおそれがしょうじたため、10月11にち軌道きどう修正しゅうせいおこなって太平洋たいへいよううえ大気圏たいきけん突入とつにゅうした。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Salyut 1” (英語えいご). NASA - NSSDC. 2008ねん6がつ6にち閲覧えつらん
  • Salyut 1” (英語えいご). Encyclopedia Astronautica. 2008ねん6がつ6にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]