敬礼けいれい

「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」を行おこなう日本にっぽんの 海上かいじょう自衛隊じえいたい海士あま（兵へい、左右さゆう列れつ）および、それに対たいし「答礼とうれい（挙手きょしゅの答礼とうれい）」を行おこないながら歩あゆむアメリカ海軍かいぐん将校しょうこう（将官しょうかん、中央ちゅうおう）

「敬礼けいれい（お辞儀じぎの敬礼けいれい）」で出迎でむかえる白しろ服ふくの人物じんぶつ（右みぎ手前てまえ）に、「答礼とうれい（挙手きょしゅの答礼とうれい）」を行おこなう日本にっぽん陸軍りくぐん将校しょうこう（陸軍りくぐん少佐しょうさ李り鍝公おおやけ、中央ちゅうおう）。また、護衛ごえいの憲兵けんぺい（下士官かしかんないし兵へい、右みぎ奥おく）は陸軍りくぐん将校しょうこうに対たいし「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」を行おこなっている

敬礼けいれい（けいれい）とは、相手あいてに敬意けいいを表あらわすこと（礼れい）。一般いっぱん的てきには下位かいの者ものが上位じょういの者ものに対たいして行おこなう動作どうさを指さし、受礼者しゃたる上位じょういの者ものはこの「敬礼けいれい」に対たいし「答礼とうれい（とうれい）」で応こたえ、また同位どういの者ものでも相互そうごに「敬礼けいれい」は交換こうかんしあう。

日常にちじょうの動作どうさでは握手あくしゅ・お辞儀じぎなどが含ふくまれ単たんに「礼れい」と言いうことが一般いっぱん的てきであるため、「敬礼けいれい」と称しょうす場合ばあいには特とくに近代きんだい以降いこうの軍隊ぐんたいなどで行おこなわれている挙手きょしゅの敬礼けいれい（挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれい）を指さすことが多おおい（軍隊ぐんたい礼式れいしき）。

本ほん記事きじでは主おもに日本にっぽんの軍隊ぐんたい礼式れいしきについて記述きじゅつする。

一般いっぱん礼式れいしき

最敬礼さいけいれい

1943年ねん、イギリス国王こくおうたる海軍かいぐん元帥げんすいジョージ6世せいに対たいするイギリス海軍かいぐんにおける各種かくしゅの敬礼けいれい（お辞儀じぎ・握手あくしゅ・挙手きょしゅの敬礼けいれい・登とう舷ふなばた礼れい・号笛ごうてき（サイドパイプ）吹鳴すいめい

一般いっぱん的てきには握手あくしゅやお辞儀じぎの敬礼けいれいを行おこなう。握手あくしゅ・お辞儀じぎ共どもに東洋とうよう・西洋せいようで古ふるくから行おこなわれていた行為こういであるが、東洋とうようにおいてはお辞儀じぎが、西洋せいようにおいては握手あくしゅが広ひろく行おこなわれる。古ふるくは跪礼なども行おこなわれた。また、神かみ・仏ふつや僧そうなどを敬けいい拝おがむ意味いみの敬禮けいれい（きょうらい、けいれい）もある。

日本にっぽんでは上体じょうたいを傾かたむける角度かくどにより10度どの「会釈えしゃく」・30度どの「敬礼けいれい」・45度どの「最敬礼さいけいれい」があり、角度かくどが大おおきいものほど敬意けいいが深ふかいとされ、場面ばめんにより使つかい分わけられる。

軍隊ぐんたい礼式れいしき

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  アメリカ陸軍りくぐん10マイル走はし大会たいかいにおいて、国歌こっか吹奏すいそうで挙手きょしゅの敬礼けいれいを行おこなう軍人ぐんじん。後方こうほうの体操たいそう服ふく姿すがたの人々ひとびとは掌てのひらを胸むねに当あてる敬礼けいれいを行おこなっている。
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  挙手きょしゅの敬礼けいれいおよび捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれいを行おこなうアメリカ空軍くうぐんの軍人ぐんじん
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  挙手きょしゅの敬礼けいれいを行おこなうアメリカ海軍かいぐんの軍人ぐんじん
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  挙手きょしゅの敬礼けいれいおよび旗はたの敬礼けいれいを行おこなうアメリカ陸軍りくぐんの軍人ぐんじん
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  着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれいを行おこなうアメリカ陸海空りくかいくう軍ぐん・海兵かいへい隊たいの軍人ぐんじんと、挙手きょしゅの答礼とうれいを行おこなうアメリカ陸軍りくぐん（掌てのひらが下向したむき）およびフランス陸軍りくぐんの軍人ぐんじん（掌てのひらが前向まえむき）
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  着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれいを行おこなうアメリカ陸軍りくぐん・海兵かいへい隊たいの軍人ぐんじんと、挙手きょしゅの答礼とうれいを行おこなうアメリカ海軍かいぐんのマイケル・マレン作戦さくせん部長ぶちょうおよびチェコ空軍くうぐんの軍人ぐんじん
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  スウェーデン海軍かいぐんの舷門げんもん送迎そうげい。視察しさつを終おえ答礼とうれいしながら退すさ艦かんするアメリカ海軍かいぐん作戦さくせん部長ぶちょうゲイリー・ラフヘッドに敬礼けいれいする乗組のりくみ員いんの横よこでは号笛ごうてき（サイドパイプ） を吹ふいている。

軍隊ぐんたいにおいては一般いっぱん的てきな挙手きょしゅの敬礼けいれい（挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれい）のほか、銃じゅう・刀かたな・槍やり・旗はたなどや各種かくしゅ兵器へいきを用もちいたもの、手て・腕うでではなく頭あたま・視線しせん・体勢たいせいで表現ひょうげんするもの、個人こじん（各個かっこ）・団体だんたい（部隊ぶたい）によるものなど多種たしゅ多様たような敬礼けいれいが存在そんざいする。特とくに火砲かほうを用もちいたものは礼砲れいほうと称しょうす。

敬礼けいれいは受礼者しゃが答礼とうれいしてから元もとの姿勢しせいに復ふくするまで続つづけるべきであるとされている。

この軍隊ぐんたい礼式れいしきを参考さんこうとして導入どうにゅうしているものは、沿岸えんがん警備けいび隊たい・国境警備隊こっきょうけいびたいなどの準じゅん軍事ぐんじ組織そしきや警察けいさつ・消防しょうぼうなどの公的こうてき機関きかんだけでなく、警備けいび会社かいしゃや交通こうつう会社かいしゃ（航空こうくう・鉄道てつどう・船舶せんぱく・バスなど）といった民間みんかんの組織そしきなどもある（後述こうじゅつ）。

自衛隊じえいたい礼式れいしき

内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに対たいする隊たいの敬礼けいれい（海上かいじょう自衛隊じえいたい）

自衛隊じえいたいでは「自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい（昭和しょうわ39年ねん5月がつ8日にち防衛庁ぼうえいちょう訓令くんれい第だい14号ごう）」に基もとづき、以下いかの礼式れいしきが定さだめられている。概おおむね、アメリカ軍ぐんおよび事実じじつ上じょうの前身ぜんしんである旧きゅう日本にっぽん軍ぐん（陸海りくかい軍ぐん）の礼式れいしきの影響えいきょうを多分たぶんに受うけている。

自衛隊じえいたいの礼式れいしき

受礼者しゃ	各個かっこの敬礼けいれい （着ちゃく帽ぼう時じ）	各個かっこの敬礼けいれい （脱帽だつぼう時じ）	隊たいの敬礼けいれい	警衛けいえい隊たい敬礼けいれい	歩哨ほしょう等とうの敬礼けいれい
天皇てんのう	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい	45度どの敬礼けいれい	着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい、 挙手きょしゅの敬礼けいれい 又または45度どの敬礼けいれい	着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
国歌こっか（君きみが代よ）	姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい	姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい	姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
国旗こっき等ひとし	挙手きょしゅの敬礼けいれい	姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい （儀式ぎしきに際さいし、国旗こっきに対たいしては 着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい）、 挙手きょしゅの敬礼けいれい 又または姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい （儀式ぎしきに際さいしては 着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい）	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
隊員たいいんのひつぎ	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい	45度どの敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい （儀式ぎしき等とうに際さいしては 着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい）、 挙手きょしゅの敬礼けいれい 又または45度どの敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい （儀式ぎしきに際さいしては 着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい）	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
皇后こうごう、皇太子こうたいし等ひとし	銃じゅう礼れい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい	10度どの敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅう （特別とくべつ儀仗ぎじょう隊たいにあっては 着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅう） の敬礼けいれい、 頭あたま右みぎ（左ひだり、中なか）の敬礼けいれい 又または指揮しき者しゃのみの敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
皇后こうごう、皇太子こうたいし 以外いがいの皇族こうぞく	銃じゅう礼れい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい	10度どの敬礼けいれい	頭あたま右みぎ（左ひだり、中なか）の敬礼けいれい 又または指揮しき者しゃのみの敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん・ 防衛ぼうえい大臣だいじん・ 防衛ぼうえい副ふく大臣だいじん・ 防衛ぼうえい大臣だいじん政務せいむ官かん・ 幕僚ばくりょう長ちょう・一いち佐さ相当そうとうの その隊たいの指揮しき系統けいとう上じょうの 部隊ぶたい等とうの長ちょう・中隊ちゅうたい長等ながら 駐屯ちゅうとん地ち（基地きち）司令しれい それに準じゅんずる指揮しき官等かんとう	銃じゅう礼れい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい	10度どの敬礼けいれい	頭あたま右みぎ（左ひだり、中なか）の敬礼けいれい、 指揮しき者しゃのみの敬礼けいれい 又または号令ごうれいにより隊列たいれつ 又または隊員たいいんの姿勢しせいを正ただした後のちに 指揮しき者しゃのみの敬礼けいれい	捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい	停止ていしして、 捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい
その他たのもの	銃じゅう礼れい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい	10度どの敬礼けいれい	号令ごうれいにより隊列たいれつ 又または隊員たいいんの姿勢しせいを正ただしたのち、 指揮しき者しゃのみの敬礼けいれい	警衛けいえい司令しれいより上位じょうい者しゃである 幹部かんぶ自衛じえい官かん及および准尉じゅんいが 警衛けいえい所しょの所在しょざいする営門を 出入でいりする場合ばあいは 警衛けいえい司令しれいのみの敬礼けいれい	銃じゅう礼れい 又または挙手きょしゅの敬礼けいれい

捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい（89式しき小銃しょうじゅう）

着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい（64式しき小銃しょうじゅう）

着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい

着剣ちゃっけんした小銃しょうじゅうを右手みぎてで体からだの中央ちゅうおう前まえに上あげ、同時どうじに左手ひだりてで銃じゅうの引金ひきがね室しつ前部ぜんぶを握にぎり、前腕ぜんわんを水平すいへいにして体からだにつけ、小銃しょうじゅうを体からだから約やく10センチメートル離はなして垂直すいちょくに保たもち、次つぎに右手みぎてで銃じゅう把わを握にぎって行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。天皇てんのうや国旗こっき・隊員たいいんへの棺かん・慰霊いれい碑ひ等とうに対たいして行おこなわれる。

なお、大正たいしょう後期こうき頃ごろまでの旧きゅう日本にっぽん軍ぐんの礼式れいしきにおいて「捧ささげ銃じゅう（捧ささげ銃じゅう）」の動作どうさはこの自衛隊じえいたいとほぼ同おなじであったが、礼式れいしき令れい改正かいせい後ごの昭和しょうわ期きは持もち手しゅが左右さゆう逆ぎゃく（右手みぎてが上うえ・左手ひだりてが下した）で、また左手ひだりては銃じゅう把わに相当そうとうする小銃しょうじゅう下部かぶではなく右手みぎて位置いちから握にぎり拳こぶし1個こ分ぶん下かの前ぜん床ゆか（木き被ひ）部ぶを握にぎり、親指おやゆびを伸のばす違ちがいがあった。

捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい

着剣ちゃっけんしていない小銃しょうじゅうによる。動作どうさは「着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい」に同おなじ（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。主おもな対象たいしょう者しゃは将官しょうかん以上いじょうの階級かいきゅう・役職やくしょくにある高官こうかんに対たいする栄誉えいよ礼れい時じに行おこなわれるものとされている が、対象たいしょう者しゃが佐官さかんや尉官いかんであっても着任ちゃくにん式しきや離任りにん式しきにおいて観閲かんえつ台だい付近ふきんに立だてする衛兵えいへいたる隊員たいいんは観閲かんえつ行進こうしん開始かいし前まえ及および終了しゅうりょう時じにおける観閲かんえつ官かんへの敬礼けいれいとして捧ささげ銃じゅうを行おこなう。

銃じゅう礼れい

立たて銃じゅうの姿勢しせいから、左手ひだりての手てのひらを下したにして指ゆびをそろえて伸のばし、手首てくびと前腕ぜんわんをまっすぐにしておおむね水平すいへいに伸のばし、人ひとさし指ゆびの第だい1関節かんせつが銃口じゅうこうに軽かるく接触せっしょくする程度ていどに保たもって行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。

他たの敬礼けいれいと異ことなり、旧きゅう日本にっぽん軍ぐんでは行おこなわれていなかった敬礼けいれいの方式ほうしきで、アメリカ軍ぐんの「rifle salute at right shoulder（右肩みぎかた担にない銃じゅう敬礼けいれい）」に相当そうとうする。

挙手きょしゅの敬礼けいれい

挙手きょしゅおよび「頭あたま右みぎ（かしらみぎ）」、旗はた（自衛隊じえいたい旗はた）の敬礼けいれい

挙手きょしゅの敬礼けいれい

右手みぎてをあげ手てのひらを左ひだり下方かほうに向むけ、人ひとさし指ゆびを帽ぼうのひさしの右みぎ斜ななめ前部ぜんぶにあてて行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。

詳細しょうさいは「挙手きょしゅの敬礼けいれい」参照さんしょう。

10度どの敬礼けいれい

頭あたまを正まさしく上体じょうたいの方向ほうこうに保たもったまま、体からだの上部じょうぶを約やく10度ど前まえに傾かたむけて行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。

会釈えしゃくに相当そうとう。

45度どの敬礼けいれい

頭あたまを正まさしく上体じょうたいの方向ほうこうに保たもったまま、体からだの上部じょうぶを約やく45度ど前まえに傾かたむけて行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。

最敬礼さいけいれいに相当そうとう。

頭あたま右みぎ（左ひだり、中なか）の敬礼けいれい

頭あたまを受礼者しゃに向むけて行おこなう。ただし、頭あたまを向むける角度かくどは、約やく45度どを限度げんどとする。着ちゃく帽ぼう時じに行おこなわれる。脱帽だつぼう時じは基本きほん的てきに「頭あたま（かしら）」の号令ごうれいで受礼者しゃに正せい対たい（半なかば「左ひだり向むけ」または「右みぎ向むけ」）し、「中ちゅう（左ひだり・右みぎ）」の号令ごうれいで「10度どの敬礼けいれい」を行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう）。

原則げんそくとして2名めい以上いじょうの隊列たいれつを組くむ部隊ぶたいが行おこなう敬礼けいれいの一種いっしゅなので、指揮しき権けんを有ゆうする部隊ぶたい長ちょう以上いじょうに対たいして行おこなわれるべきである事ことから、陸上りくじょう自衛隊じえいたいでは、中隊ちゅうたい長ちょう（特とく科か部隊ぶたい等とうを除のぞく・但ただし、特とく科か部隊ぶたいは離はなれ着任ちゃくにん式しきのみ頭あたま中ちゅうの敬礼けいれいが行おこなわれる）以上いじょうの指揮しき官かんや駐屯ちゅうとん地ち司令しれいに対たいして行おこなわれる。

脱帽だつぼう時じは基本きほん的てきに「10度どの敬礼けいれい」をもってそれに換かえることが出来できる ものの、式典しきてんにおいては進行しんこう上じょう事務じむ官かんや技官ぎかんが参加さんかしている場合ばあい、脱帽だつぼうにもかかわらず「頭あたま中ちゅう（左右さゆう）の敬礼けいれい」を行おこなっている場合ばあいもあり、これは基本きほん的てきに訓令くんれい違反いはんに該当がいとうするが黙認もくにん扱あつかいになっている。

姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい

気きを付つけの姿勢しせいをとって行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょう参照さんしょう）。

脱帽だつぼう時じの敬礼けいれいの一種いっしゅ（主おもに国歌こっかに対たいして行おこなわれる）また、儀仗ぎじょう等とうにおいて曹士しが式典しきてん会場かいじょう付近ふきんにいる場合ばあいは受礼者しゃに対たいする栄誉えいよ礼れいにおいて「姿勢しせいを正ただす敬礼けいれい」を行おこなう。

着席ちゃくせき中ちゅうは号令ごうれいにより起立きりつ、直立ちょくりつ不動ふどうの姿勢しせいを取とる。

旗はたの敬礼けいれい

隊たいが姿勢しせいを正ただす敬礼けいれいを行おこなう場合ばあいは、姿勢しせいを正ただしてそのまま捧持ほうじし、その他たの敬礼けいれいを行おこなう場合ばあいは、右手みぎてで旗はたざおを垂直すいちょくに上あげ同時どうじに左手ひだりてで右みぎわきのところで旗はたざおを握にぎり、次つぎに旗はたざおを水平すいへいに前方ぜんぽうに倒たおして行おこなう。ただし、自衛隊じえいたい旗はたなど捧持ほうじ用ようバンドを使用しようして捧持ほうじしている旗はたは、右手みぎてをのばし旗はたざおを水平すいへいに前方ぜんぽうに倒たおして行おこなう（自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい51条じょう）。旗手きしゅは旗はたの敬礼けいれいを行おこなうと同時どうじに顔かおを受礼者しゃに向むける。

主おもに中隊ちゅうたい（隊たい）以上いじょうの部隊ぶたいで行おこなう。

栄誉えいよ礼れい

将はた補ほ以上いじょうに対たいして行おこなわれる。栄誉えいよ礼れい参照さんしょう。

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  国旗こっきに対たいし着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい
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  着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい（M1小銃しょうじゅう）
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  挙手きょしゅおよび「頭あたま右みぎ」、旗はたの敬礼けいれい
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  「頭あたま中ちゅう（かしらなか）」の敬礼けいれいをもって部隊ぶたいの敬礼けいれいを行おこなう様子ようす
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  「頭あたま中ちゅう」の敬礼けいれい。指揮しき官かんは挙手きょしゅの敬礼けいれい、他たの隊員たいいんは鼻先はなさきや顎あごから顔かおを執行しっこう者しゃに向むけて注目ちゅうもく
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  駐屯ちゅうとん地ち司令しれいに対たいする挙手きょしゅおよび旗はたの敬礼けいれい
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  着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい（および指揮しき官かんは刀かたなの敬礼けいれい）

旧きゅう日本にっぽん陸軍りくぐんの礼式れいしき

軍旗ぐんきの敬礼けいれい（宮城みやぎ遥拝ようはい）。手前てまえの連隊れんたい長ちょう以下いか将校しょうこうと見習みならい士官しかんは「投とう刀がたな」、後列こうれつの下士官かしかん兵へいのうち帯刀たいとう本分ほんぶん者しゃは「捧ささげ刀がたな」、他たは「着剣ちゃっけん捧ささげ銃じゅう（捧ささげ銃じゅうの敬礼けいれい）」を行おこなっている

詳細しょうさいは「軍旗ぐんき#大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん」を参照さんしょう

旧きゅう日本にっぽん陸軍りくぐんにおける独自どくじの礼式れいしきとしては、種々しゅじゅの沿革えんかくがあるが「陸軍りくぐん礼式れいしき令れい（昭和しょうわ15年ねん1月がつ25日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）」によると第だい4章しょうに軍旗ぐんきに関かんする敬礼けいれいが定さだめられている。

軍旗ぐんきの敬礼けいれい

軍旗ぐんきは、天皇てんのうに対たいするとき及および拝はい神しんの場合ばあいに限かぎり敬礼けいれいを行おこなうものとされ、旗手きしゅ、軍旗ぐんき衛兵えいへい並ならびに軍旗ぐんき中隊ちゅうたい及および誘導ゆうどう将校しょうこう、護衛ごえい下士官かしかん並ならびに軍旗ぐんき誘導ゆうどう部隊ぶたいは、軍旗ぐんきの敬礼けいれいを行おこなう場合ばあいに限かぎり敬礼けいれいを行おこなうものとされた。

軍旗ぐんきに対たいする敬礼けいれい

抜刀ばっとう将校しょうこうや武装ぶそう下士官かしかん兵へいの軍旗ぐんきに対たいする敬礼けいれいは天皇てんのうに対たいする敬礼けいれいに同おなじである。すなわち、抜刀ばっとう将校しょうこうは刀かたなの礼れい、武装ぶそう下士官かしかん兵へいは捧ささげ銃じゅう・捧ささげ刀がたなの礼れいを行おこなう。

室内しつないにおいては、拝礼はいれいする。

軍旗ぐんきに行いき遇あい又またはその傍はたを通過つうかする者ものは、行進こうしん間あいだにおいては停止ていしし、乗馬じょうば者しゃは乗馬じょうばのまま、乗車じょうしゃ者しゃは乗車じょうしゃのまま、軍旗ぐんきに面めんして敬礼けいれいを行おこなう。

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  軍旗ぐんきに対たいする敬礼けいれい。占領せんりょう地ちに入城にゅうじょうする軍旗ぐんきに対たいし、衛兵えいへい（右みぎ奥おく）は「捧ささげ銃じゅう（執と銃じゅうの敬礼けいれい）」を行おこない注目ちゅうもくしている
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  皇太子こうたいし（のちの昭和しょうわ天皇てんのう）に対たいし、馬上まけで敬礼けいれいを行おこなう儀仗ぎじょう兵へいたる近衛このえ騎兵きへい連隊れんたいの将兵しょうへい。将校しょうこう（最さい左ひだり）は「投とう刀がたな」、下士官かしかん兵へいは槍やり旗はたを付ふした騎兵きへい槍やりを奉ほうじ注目ちゅうもくしている

旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐんの礼式れいしき

旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐんにおいては、通則つうそくとして「君きみが代よ」の奏楽そうがく、吹奏すいそうを聞きくときは姿勢しせいを正ただすこと、上官じょうかんに対たいしては敬礼けいれいし、上官じょうかんはこれに答礼とうれいし、同級どうきゅう者しゃは相互そうごに敬礼けいれいを交換こうかんすべきであるとされる。

各個かっこの敬礼けいれい

室内しつない、室外しつがいの区別くべつがあるが、室外しつがいの基本きほん形式けいしきは挙手きょしゅ注目ちゅうもくの礼れいである。拝はい神しんの礼れいは常つねに室内しつないの最敬礼さいけいれいに依よる。また剣けんを持もってするもの、銃じゅうを執とってするものなどがある。

艦船かんせん部隊ぶたいの敬礼けいれい

軍艦ぐんかん旗はたの揚あげ卸おろしは艦艇かんていの毎日まいにち行事ぎょうじであるが、楽隊がくたい（信号しんごう兵へい）は「君きみが代よ」を吹奏すいそうし、衛兵えいへい隊たいは捧ささげ銃じゅうし、上うえ甲板かんぱん以上いじょうに在ある者ものはこれに向むかって挙手きょしゅ注目ちゅうもくし、中ちゅう甲板かんぱん以下いかに在ある者ものは姿勢しせいを正ただす。将はた旗はたを掲かかげる軍艦ぐんかんまたは短艇たんていに対たいしては、衛兵えいへい隊たいは敬礼けいれいし、「海うみ行いかば」を1回かい吹奏すいそうし、上うえ甲板かんぱんに在ある者ものは敬礼けいれいし、姿勢しせいを正ただす。短艇たんていの敬礼けいれいは将官しょうかんに対たいしては「橈立（かいた）て」、佐官さかん・尉官いかんに対たいしては「橈上（かいあ）げ」を行おこなう。軍隊ぐんたいの敬礼けいれいは「頭あたま右みぎ（左ひだり）」を令れいし、隊長たいちょうは各個かっこの敬礼けいれいを行おこなう。拝はい神しんの礼れいは「捧ささげ銃じゅう」を行おこない、「国くにの鎮しずめ」を吹奏すいそうする。ただし靖国神社やすくにじんじゃのみに対たいしては「海うみ行いかば」のうち「水漬みずく屍かばね」の節ふしを吹奏すいそうする。

軍艦ぐんかんの敬礼けいれいは、

• 軍艦ぐんかん旗きに対たいする敬礼けいれい。
• 軍艦ぐんかんが天皇てんのう乗じょう御おの艦船かんせんに遇あった場合ばあいには幹部かんぶおよび当直とうちょく将校しょうこうは艦橋かんきょうに集あつまり、その他たの乗員じょういんは上うえ甲板かんぱんおよび舷側げんそくに整列せいれつして敬礼けいれいを行おこない、衛兵えいへい隊たいおよび番兵ばんぺいは捧ささげ銃じゅうし喇叭らっぱ「君きみが代よ」を吹奏すいそうし、副長ふくちょうの令れいで祝しゅく声ごえ（万歳ばんざい三唱さんしょう）を唱となえて敬意けいいを表ひょうする。
• 軍艦ぐんかんが相そう遇あう時とき、将はた旗はたあるいは代将だいしょう旗はたを掲かかげた軍艦ぐんかんまたは短艇たんていに遇あう時ときは、喇叭らっぱを吹奏すいそうして敬礼けいれいし、外国がいこく軍艦ぐんかんに相あい遇あった時ときにも互たがいに敬意けいいを表ひょうする。
• 船舶せんぱく灯台とうだいなどより軍艦ぐんかんに対たいしその国旗こっきを降下こうかして敬礼けいれいする時ときは軍艦ぐんかんは軍艦ぐんかん旗はたを半なかば降下こうかして答礼とうれいする。外国がいこく商船しょうせんもまた軍艦ぐんかんに対たいしてはその国旗こっきを降下こうかして敬意けいいを表ひょうする。
• 艦船かんせんにはその他た登とう舷ふなばた礼式れいしきといって天皇てんのうに対たいする敬礼けいれいを行おこなう場合ばあい、および戦時せんじ、事変じへんあるいは遠洋えんよう航海こうかいなどのため出で入港にゅうこうする艦船かんせんを送迎そうげいする時とき、総員そういんが舷側げんそくに整列せいれつして敬礼けいれいを表ひょうする。
• 軍艦ぐんかんの敬礼けいれいの中なかに号笛ごうてきを吹ふいて敬意けいいを表ひょうする敬礼けいれいがある。制せい規ぶんまわしの服装ふくそうをして軍艦ぐんかんに出入でいりする副長ふくちょう以上いじょうあるいは特命とくめい全権ぜんけん大使たいしなどが乗艦じょうかん退すさ艦かんする際さい、舷門げんもんで行おこなうものである。

挙手きょしゅの敬礼けいれい

花輪はなわに対たいして「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」を行おこなうアメリカ空軍くうぐん大佐たいさ（将校しょうこう、中央ちゅうおう）と上級じょうきゅう部隊ぶたい等とう最さい先任せんにん上級じょうきゅう曹長そうちょう（下士官かしかん、右みぎ）他た。「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」の形かたちが大おおきく異ことなっている

陸上りくじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶ（陸上りくじょう幕僚ばくりょう長ちょうたる陸りく将すすむ君塚きみづか栄治えいじ）の「答礼とうれい」。「敬礼けいれい」に対たいし上位じょうい者しゃが行おこなう「答礼とうれい」であるため、肘ひじは張はらずに指ゆびと腕うでも伸のばさず、力ちからを入いれない形かたちになっている。君塚きみづかの左ひだりにいるのは夫人ふじん。右みぎの二人ふたりはアメリカ海兵かいへい隊たい大将たいしょうジェームズ・F・アモス夫妻ふさい

「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」を行おこなうアメリカ海軍かいぐんの軍人ぐんじん（将校しょうこう・下士官かしかん・兵へい）。「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」の形かたちは各自かくじ大おおきく異ことなっている

挙手きょしゅの敬礼けいれい（挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれい）は、軍隊ぐんたいの敬礼けいれい（軍隊ぐんたい礼式れいしき）の中なかで最もっとも有名ゆうめいなものである。この敬礼けいれいは近代きんだい的てき軍隊ぐんたいの発祥はっしょう地ちであるヨーロッパにおいて、鎧よろいを装着そうちゃくした騎士きしが王族おうぞくや貴族きぞくに拝謁はいえつする際さい、鉄兜てつかぶとの目めの保護ほご具ぐである鎧戸よろいどを持もち上あげるその仕草しぐさが端緒たんしょとされる。イギリスでは王おう・女王じょおうに騎士きしが謁見えっけんをする際さい、自みずからの額がくに右手みぎての甲かぶとを当あてて、手てのひらに武器ぶきを握にぎっていないことを証明しょうめいするために行おこなわれていた。

下位かいの者ものより「敬礼けいれい（挙手きょしゅの敬礼けいれい）」を受うけた受礼者しゃたる上位じょういの者ものは、例外れいがいを除のぞき「答礼とうれい（挙手きょしゅの答礼とうれい）」を行おこなう。受礼者しゃが行おこなう「答礼とうれい」は厳密げんみつには「敬礼けいれい」と異ことなるものであるが、動作どうさがほぼ同様どうようであるため一般いっぱん的てきにはこれも「敬礼けいれい」と総称そうしょうされることが多おおい。

また、上位じょういの者ものが行おこなう「答礼とうれい」および同位どういの者もの同士どうしが交換こうかんし合あう「敬礼けいれい」の場合ばあい、動作どうさや形かたち（指ゆびや腕うでの位置いち・角度かくど）は下位かいの者ものが行おこなう「敬礼けいれい」と異ことなり、力りきまず簡易かんいなものになる場合ばあいも多おおい。

軍隊ぐんたい組織そしきにおいて挙手きょしゅの敬礼けいれいの形かたちは基本きほんが定義ていぎされ、新しん入隊にゅうたい者しゃは教育きょういく隊たいなどを含ふくむ各かく部隊ぶたいや軍ぐん学校がっこうにて先まず敬礼けいれいの教育きょういく・指導しどうを受うけるものの、あくまで癖くせ・嗜好しこう・体格たいかくも異ことなる人間にんげんが行おこなう動作どうさであることから、同おなじ軍ぐん種しゅ・職種しょくしゅ・階級かいきゅうであってものちのち形がたに相当そうとうの差異さいが生しょうじることは珍めずらしくはない（かつ、時ときと場合ばあいによっては同どう一人物いちじんぶつであっても差異さいが生しょうじる場合ばあいもある）。そのため、軍隊ぐんたい組織そしきにおいて画一かくいつ的てきな挙手きょしゅの敬礼けいれいの形かたちというものは厳密げんみつには存在そんざいしない。例れいとして、以下いかの3枚まいの画像がぞうは「答礼とうれい」を行おこなうアメリカ海軍かいぐん将校しょうこうを捉とらえたものであるが、各自かくじの「答礼とうれい」の形かたちは全まったく異ことなることが確認かくにん出来できる。

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  「敬礼けいれい」（右みぎ列れつ）に対たいし「答礼とうれい」を行おこなうアメリカ海軍かいぐん将校しょうこう（将官しょうかん、左ひだり）。右みぎ掲画像ぞうの海軍かいぐん軍人ぐんじんとは形かたちが異ことなる
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  「敬礼けいれい」（左右さゆう列れつ）に対たいし「答礼とうれい」を行おこなうアメリカ海軍かいぐん将校しょうこう（中央ちゅうおう）。左右さゆう掲画像ぞうの海軍かいぐん軍人ぐんじんとは形かたちが異ことなる
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  「敬礼けいれい」（左右さゆう列れつ）に対たいし「答礼とうれい」を行おこなうアメリカ海軍かいぐん将校しょうこう（中央ちゅうおう）。左ひだり掲画像ぞうの海軍かいぐん軍人ぐんじんとは形かたちが異ことなる

日本にっぽんでは明治めいじ初はじめ、西洋せいようを模範もはんとした近代きんだい軍隊ぐんたいである陸海りくかい軍ぐん（旧きゅう日本にっぽん軍ぐん）建けん軍ぐんの際さいに導入どうにゅうされた。脱帽だつぼう時じには挙手きょしゅの敬礼けいれいをしてはならず、会釈えしゃく・お辞儀じぎの敬礼けいれいをする。日本にっぽん以外いがいの軍隊ぐんたいなどにおいては脱帽だつぼう時じにも行おこなうところが多おおい。国くにによっては、負傷ふしょうなどの理由りゆうで右手みぎてを使つかえない場合ばあい、左手ひだりてで挙手きょしゅ礼れいを行おこなうよう定さだめている場合ばあいもある。

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  イギリス海軍かいぐん将官しょうかん（海軍かいぐん大将たいしょうジョージ・ザンベラス）の「敬礼けいれい」ないし「答礼とうれい」
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  ドイツ陸軍りくぐん将官しょうかん（右みぎ）および同どう佐官さかん（左ひだり）と、海上かいじょう自衛隊じえいたい将官しょうかん（中央ちゅうおう）の「答礼とうれい」
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  陸上りくじょう自衛隊じえいたいの特別とくべつ儀ぎじょう隊たい（中央ちゅうおう他た）の「敬礼けいれい」を受うけ、「答礼とうれい」を行おこなう陸自りくじ将官しょうかん（左ひだり）とアメリカ陸軍りくぐん将官しょうかん（右みぎ）
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  「敬礼けいれい」を受うけ「答礼とうれい」を行おこなう壇上だんじょうのアメリカ海軍かいぐん将官しょうかん（左ひだり）と海上かいじょう自衛隊じえいたい将官しょうかん（右みぎ）
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  「敬礼けいれい」を受うけ「答礼とうれい」を行おこなうアメリカ陸軍りくぐん将官しょうかん（左ひだり）と航空こうくう自衛隊じえいたい将官しょうかん（右みぎ）
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  「敬礼けいれい」を行おこなうアメリカ海軍かいぐん兵へい。「敬礼けいれい」の形かたちは各々おのおの異ことなっている

掌てのひらの向むき

掌てのひらを下方かほうに向むけるか前方ぜんぽうに向むけるかという差さもあり、アメリカ軍ぐんや自衛隊じえいたいなど多おおくの国くにでは掌てのひらを下方かほうに向むける。フランス軍ぐんとその礼式れいしきを採用さいようしたベトナム軍ぐんなどの国々くにぐに、イギリス軍ぐんの影響えいきょうを受うけたパキスタン軍ぐんやイラク軍ぐんなどでは前方ぜんぽうに向むける。イギリス軍ぐんでは、歴史れきし的てき経緯けいいから陸軍りくぐん・空軍くうぐんは前方ぜんぽうへ、海軍かいぐんは下方かほうに向むけるといった違ちがいがある。現在げんざいのインド軍ぐんは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん以降いこうに編成へんせいされたが、旧きゅう宗主そうしゅ国こくであるイギリスの影響えいきょうで各かく軍ぐんの掌てのひらの向むきはイギリスと同おなじになっている。

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  フランス陸軍りくぐんの挙手きょしゅの敬礼けいれい（中央ちゅうおうの人物じんぶつはシャルル・ド・ゴール）
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  パキスタン陸軍りくぐんの挙手きょしゅの敬礼けいれい
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  ベトナム軍ぐんの挙手きょしゅの敬礼けいれい（ファム・ヴァン・チャ）
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  イギリス軍ぐんの挙手きょしゅの敬礼けいれい。左ひだりより空軍くうぐん・陸軍りくぐん・海軍かいぐん
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  インド軍ぐんの挙手きょしゅの敬礼けいれい。イギリス軍ぐんと同おなじく陸軍りくぐん・空軍くうぐんは前方ぜんぽうへ、海軍かいぐんは下方かほうに向むけている。国防こくぼう相しょう（制服せいふくを着用ちゃくようしない無む帽ぼうの女性じょせい）は海軍かいぐん式しきの挙手きょしゅ敬礼けいれいを行おこなっている。

旧きゅう日本にっぽん陸軍りくぐん

視察しさつに訪おとずれた陸軍りくぐん大将たいしょう東條とうじょう英機ひでき（中央ちゅうおう）に対たいし、出迎でむかえの陸軍りくぐん将校しょうこう・陸軍りくぐん軍属ぐんぞく高等官こうとうかん一同いちどう（手前てまえ列れつ）が「敬礼けいれい」を行おこなう姿すがた。陸軍りくぐん大将たいしょう（東條とうじょう）はその「敬礼けいれい」に対たいし「答礼とうれい」を行おこなっている

日本にっぽん陸軍りくぐんの陸軍りくぐん礼式れいしき令れい（昭和しょうわ15年ねん1月がつ25日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）では、「挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいは姿勢しせいを正ただし右手みぎて｛傷痍しょうい疾病しっぺいに依より右手みぎてを使用しようし得えざる者ものは左手ひだりて｝を挙あげ其その指ゆびを接せっして伸のばし食指しょくしと中指なかゆびとを帽ぼうの庇ひさしの右みぎ（左ひだり）側がわ（庇ひさしなき帽ぼうに在ありては其その相当そうとう位置いち）に当あて掌てのひらを稍やや〻(やや)外方そっぽに向むけ肘ひじを肩かたの方向ほうこうにて略りゃく〻其その高たかさに斉ひとしくし頭とうを向むけて受礼者しゃの目め若わかくは敬礼けいれいすべきものに注目ちゅうもくす」（片仮名かたかなを平仮名ひらがなに改あらため、小文字こもじを｛｝で括くくる）と、定義ていぎされている。

なお、元帥げんすい陸軍りくぐん大将たいしょう寺内てらうち正毅まさきは右腕うわんが不自由ふじゆうだったため、左手ひだりてを挙あげて敬礼けいれいを行おこなっていた。

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  元帥げんすい陸軍りくぐん大将たいしょう杉山すぎやま元はじめの答礼とうれい。出迎でむかえの陸軍りくぐん将校しょうこう3名めい（右みぎ列れつ手前てまえ）は元帥げんすい陸軍りくぐん大将たいしょう（杉山すぎやま）に対たいし敬礼けいれいを行おこなっている
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  イギリス陸軍りくぐん将校しょうこうに対たいし敬礼けいれいないし答礼とうれいを行おこなう南方なんぽう軍ぐん総そう参謀さんぼう長ちょう陸軍りくぐん中将ちゅうじょう沼田ぬまた多た稼蔵（中央ちゅうおう）
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  ドイツ空軍くうぐん将校しょうこうに対たいし答礼とうれいを行おこなうスウェーデン公使館こうしかん付づけ武官ぶかん陸軍りくぐん大佐たいさ小野寺おのでら信しん
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  見送みおくりの女学生じょがくせいらに対たいし機上きじょう（一式いっしき戦せん「隼はやぶさ」）から答礼とうれいを行おこなう陸軍りくぐん特別とくべつ攻撃こうげき隊たい第だい20振ふ武たけ隊たい陸軍りくぐん少尉しょうい穴澤あなざわ利夫としお。地上ちじょう勤務きんむ者しゃ（中央ちゅうおう左ひだり）は敬礼けいれいを行おこなっている
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  敬礼けいれいを交まじえる陸軍りくぐん将校しょうこう（中央ちゅうおう）とイギリス海軍かいぐん将校しょうこう・下士官かしかん（左ひだり）

旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐん

イギリス陸軍りくぐん将校しょうこうに対たいし「敬礼けいれい」を行おこなう海軍かいぐん士官しかんおよび陸軍りくぐん将校しょうこう・陸軍りくぐん軍属ぐんぞく高等官こうとうかん。斜はす革かわ付づけ剣けん帯たいを着用ちゃくようした前列ぜんれつ左端ひだりはしの2名めいと右みぎ端はしの1名めいが海軍かいぐん士官しかんであり、中央ちゅうおうの3名めいおよび後列こうれつの2名めいはそれぞれ陸軍りくぐん将校しょうこう・軍属ぐんぞくであるが、「敬礼けいれい」の形かたちは陸海りくかい軍ぐん間あいだで大差たいさはない。さらに各かく将校しょうこう・軍属ぐんぞく間あいだにおいても「敬礼けいれい」の形かたちは各々おのおの異ことなっている。無む帽ぼうの人物じんぶつのみ姿勢しせいを正ただす敬礼けいれいを行おこなっている

日本にっぽん海軍かいぐんの海軍かいぐん礼式れいしき令れい（大正たいしょう3年ねん2月がつ10日とおか勅みことのり令れい第だい15号ごう） では、「挙手きょしゅ注目ちゅうもくは姿勢しせいを正ただし右手みぎてを挙あげ右みぎ臂ひじを右みぎ斜はすに右みぎ前腕ぜんわん及および掌てのひらを一線いっせんに保たもち五指ごしを伸のばして之これを接せっし掌てのひらを左ひだり方かたに向むけ食指しょくしの第だい三さん関節かんせつを帽ぼうの右みぎ前部ぜんぶ又または庇ひさしの右みぎ縁えんに当あて頭あたまを向むけて受礼者しゃの目め又または敬礼けいれいを受くへきものに注目ちゅうもくす」（片仮名かたかなを平仮名ひらがなに改あらためる）と、定義ていぎされている。

なお、「海軍かいぐんでは艦内かんないは狭せまいため極端きょくたんに脇わきを締しめ肘ひじを張はらない挙手きょしゅの敬礼けいれいをする」とされることが、これは俗説ぞくせつないし、特定とくていの場面ばめんでそのような敬礼けいれいが行おこなわれたに過すぎない。海軍かいぐん礼式れいしき令れいでは上述じょうじゅつの通とおり、脇わきを締しめるといったことは定さだめられていない（但ただし「右みぎ臂ひじを右みぎ斜はすに」で、陸軍りくぐん式しきと比ひし大おおきく脇わきが締しめられる事ことにも注意ちゅうい）。また、実際じっさいに当時とうじの海軍かいぐん軍人ぐんじんが陸軍りくぐんと同様どうようの（脇わきを締しめない）敬礼けいれいを行おこなっている姿すがたが多数たすう確認かくにん出来できる（以下いかの5枚まいの画像がぞうを参照さんしょう）。特とくに2枚まい目め画像がぞうでは、沈没ちんぼつ直前ちょくぜんの危険きけんな状況じょうきょうで、乗組のりくみ員いんが密集みっしゅうした状態じょうたいであるが、大だい多数たすうの将兵しょうへいが脇わきを大おおきく開あけ肘ひじを肩かたの位置いちで高たかく水平すいへいに張はる挙手きょしゅの敬礼けいれいを行おこなっている。また、逆ぎゃくに日本にっぽん陸軍りくぐんにおいて主おもに受礼者しゃが、脇わきを締しめた敬礼けいれいを答礼とうれいとして行いっている姿すがたもある。

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  連合れんごう艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん海軍かいぐん大将たいしょう山本やまもと五十六いそろく（左ひだり奥おく）の答礼とうれい。海軍かいぐん将兵しょうへい（手前てまえ列れつ）は海軍かいぐん大将たいしょう（山本やまもと）に対たいし敬礼けいれいを行おこなっている
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  「瑞みず鶴づる」甲板かんぱん上じょうにおいて降旗ふるはたする軍艦ぐんかん旗きに対たいし敬礼けいれいを行おこなう乗組のりくみ員いん一同いちどう
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  海軍かいぐん中将ちゅうじょう大西おおにし瀧たき治郎じろう（左ひだり手前てまえ）に対たいし敬礼けいれいを行おこなう海軍かいぐん将兵しょうへい
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  敬礼けいれいを行おこなう海軍かいぐん中尉ちゅうい
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  敬礼けいれいを行おこなう飛行ひこう予よ科か練習れんしゅう生せい
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  靡下将兵しょうへいより敬礼けいれいを受うけ、答礼とうれいを行おこなう支ささえ那な方面ほうめん艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん兼けん第だい三さん艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん海軍かいぐん中将ちゅうじょう長谷川はせがわ清きよし（最さい左ひだり）他た。答礼とうれいの形かたちは同おなじ壇上だんじょうに立たつ上海しゃんはい派遣はけん軍ぐん司令しれい官かん陸軍りくぐん中将ちゅうじょう朝香あさか宮みや鳩ばと彦王（中央ちゅうおう）とほぼ同様どうよう
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  オーストラリア陸軍りくぐん少佐しょうさの敬礼けいれいを受うけ答礼とうれいを行おこなう第だい87警備けいび隊たい司令しれい加藤かとう榮吉えいきち海軍かいぐん大佐たいさ
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  答礼とうれいを行おこなう海軍かいぐん中将ちゅうじょう嶋田しまだ繁太郎しげたろう

自衛隊じえいたい

航空こうくう自衛隊じえいたい幹部かんぶ（統合とうごう幕僚ばくりょう長ちょうたる空そら将しょう岩崎いわさき茂しげる、中央ちゅうおう）に対たいし「敬礼けいれい」を行おこなう陸上りくじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶ（1等とう陸りく佐たすく、左ひだり）および海上かいじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶ（3等とう海うみ佐さ、右みぎ）。海自かいじ幹部かんぶの「敬礼けいれい」は肘ひじを大おおきく張はっており、陸海りくかい自衛じえい官かんの「敬礼けいれい」の形かたちに大差たいさはない

「敬礼けいれい」ないし「答礼とうれい」を行おこなう航空こうくう自衛隊じえいたい幹部かんぶ

• 陸上りくじょう自衛隊じえいたいと航空こうくう自衛隊じえいたいは、礼式れいしきに関かんする訓令くんれい第だい10条じょうによって、「右手みぎてをあげ手てのひらを左ひだり下方かほうに向むけ、人ひとさし指ゆびを帽ぼうのひさしの右みぎ斜ななめ前部ぜんぶにあてて行おこなう」とされる。
• 海上かいじょう自衛隊じえいたいは、狭せまい艦艇かんてい内ないで行おこなわれることを想定そうていしているため、右みぎ肘ひじ上腕じょうわん部ぶを右みぎ斜ななめ前約ぜんやく45度どに出だして肘ひじを張はらない特徴とくちょうがある（肘ひじを張はると擦すれ違ちがい敬礼けいれいの交換こうかんの際さいに相手あいてとぶつかってしまうため）。しかし、本ほん項こう各かく画像がぞうの様ように陸自りくじ（空自くうじ）と同様どうようの肘ひじを大おおきく張はった敬礼けいれいが行おこなわれる事ことも多々たたある。また、艦内かんない通路つうろにおいてのみ、上席じょうせき者しゃに道みちを譲ゆずることが優先ゆうせんされるため、結果けっか、敬礼けいれいが抜ぬけても問題もんだい視しはされない。

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  陸上りくじょう自衛隊じえいたい陸りく曹の敬礼けいれい
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  陸上りくじょう自衛隊じえいたい自衛じえい官かん候補こうほ生せいの部隊ぶたいの敬礼けいれいである頭あたま中ちゅうによる指揮しき官かんの挙手きょしゅの敬礼けいれい
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  海上かいじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶおよび海曹かいそうの敬礼けいれい
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  海上かいじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶの敬礼けいれい
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  海上かいじょう自衛隊じえいたい海士あまの敬礼けいれい
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  海上かいじょう自衛隊じえいたい生徒せいとの敬礼けいれい
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  陸上りくじょう自衛隊じえいたいの特別とくべつ儀ぎじょう隊たい（中央ちゅうおう他た）の敬礼けいれいを受うけ、答礼とうれいを行おこなう海上かいじょう自衛隊じえいたい将官しょうかん（左ひだり）とアメリカ海兵かいへい隊たい将官しょうかん（右みぎ）。海自かいじ将官しょうかんは肘ひじを大おおきく張はった敬礼けいれいを行おこなっている
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  出発しゅっぱつする機上きじょう(F-15J)の操縦そうじゅう士しを敬礼けいれいで見送みおくる航空こうくう自衛じえい官かん。操縦そうじゅう士しは機器ききの操作そうさがあるため答礼とうれいはしていない。

特殊とくしゅな形式けいしきの例れい

• 古代こだいローマのローマ軍団ぐんだんではいわゆる「ローマ式しき敬礼けいれい」を行おこなっていた。これを元もとにファシスト党とうの敬礼けいれいが制定せいていされ、更さらにナチス・ドイツでも採用さいようされた。詳細しょうさいはナチス式しき敬礼けいれいを参照さんしょう。
• ポーランドでは、掌てのひらを前方ぜんぽうに向むけた上うえで人差ひとさし指ゆびと中指なかゆびのみを揃そろえて伸のばし残のこりの指ゆびは握にぎる二に指ゆびの敬礼けいれいを行おこなう。
• 共産きょうさん主義しゅぎその他たの革命かくめい思想しそうを掲かかげる武装ぶそう組織そしきや軍隊ぐんたいでは、掌てのひらの指ゆびを伸のばす一般いっぱん的てきな挙手きょしゅの礼れいを「ブルジョワ的まと」または「反動はんどう的まと」として廃はいし、握にぎり拳こぶしを掲かかげる「Communist salute」をとった例れいもある。例れいにはスペイン内戦ないせん時どきの国際こくさい旅団りょだん、ドイツ共産党きょうさんとうの赤色あかいろ戦線せんせん戦士せんし同盟どうめい、文化ぶんか大だい革命かくめい時代じだいの中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐん、ペルーのセンデロ・ルミノソ、ネパール共産党きょうさんとう毛沢東もうたくとう主義しゅぎ派はの武装ぶそう組織そしきなどがある。なおソ連それん軍ぐんにおいては一般いっぱん的てきな挙手きょしゅの礼れいを行おこない後進こうしん組織そしきにもそれを行おこなうよう指導しどうしていたが、革命かくめい思想しそうの宣伝せんでんポスターでは握にぎり拳こぶしの人物じんぶつが多用たようされており、「掲かかげた拳こぶし（Raised fist）」は革命かくめいのシンボルとして広ひろまっていった。
• アルバニアではゾグー1世せいが親衛隊しんえいたいの敬礼けいれいとして、右手みぎてを胸むねの前まえで水平すいへいにし掌てのひらを下したに向むける「ゾグー式しき敬礼けいれい（Zogist salute）」を採用さいようし、自みずからが国王こくおうに即位そくいした際さいには王立おうりつアルバニア軍ぐんにそのまま採用さいようしたが、士官しかんの多おおくは従来じゅうらい通どおりの敬礼けいれいを行おこなっていた。エンヴェル・ホッジャ時代じだいにはこれが個人こじん崇拝すうはいであるとし、握にぎり拳こぶしを掲かかげる形式けいしきに変更へんこうしたが社会しゃかい主義しゅぎ時代じだいが終おわると一般いっぱん的てきな掌てのひらを下したに向むける敬礼けいれいに変更へんこうされた。アルバニアとは無関係むかんけいにアルゼンチン軍ぐんが1940年代ねんだいに採用さいようしていた他ほか、インドの民族みんぞく義勇ぎゆう団だんが採用さいようしている。
• 航空機こうくうきのパイロットは搭乗とうじょう中ちゅうにも挙手きょしゅの敬礼けいれいを行おこなうが、戦闘せんとう機きでは操縦そうじゅう席せきが狭せまく操縦そうじゅう桿を握にぎる右手みぎてを長時間ちょうじかん離はなせないため、キャノピーを閉しめていたり機器ききの操作そうさで忙いそがしい場合ばあいは省略しょうりゃくしてもよいとする国くにもある。代かわりに敬礼けいれいが見みえていることを知しらせるため左手ひだりてのサムズアップを答礼とうれいとする者ものもいる。複ふく座ざの場合ばあいは機長きちょう（後部こうぶに座すわるナビゲーターなど）だけが敬礼けいれいする。

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  軍部ぐんぶ隊たいの敬礼けいれいを受うけた文民ぶんみんは、左ひだり胸むねに帽子ぼうし又または右手みぎてを当あてることで答礼とうれいする（元もと米国べいこく海軍かいぐん将校しょうこうのマイケル・ソーントン）
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  ワルシャワにある無名むめい戦士せんしの墓はかに献花けんかするゲイツ国防こくぼう長官ちょうかん。隣となりのポーランド軍ぐん将校しょうこうは二に指ゆびの敬礼けいれいをしている。
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  普通ふつうの敬礼けいれいをするソ連それん軍ぐん将校しょうこう（ボリス・グロモフ）
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  アルバセテのキャンプで握にぎり拳こぶしを掲かかげる国際こくさい旅団りょだんのメンバー
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  ゾグー式しき敬礼けいれいをするアルゼンチン軍ぐん兵士へいし（1940年代ねんだい）
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  撮影さつえい者しゃに対たいしサムズアップするアメリカ海兵かいへい隊たいのパイロット。
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  操縦そうじゅう席せきに余裕よゆうがあるため普通ふつうの敬礼けいれいをするB-1のパイロット。

警察けいさつ

警察けいさつの礼式れいしきは、基本きほん的てきに軍隊ぐんたいの礼式れいしきに準じゅんじている。日本にっぽんでは、警察けいさつ礼式れいしき(昭和しょうわ29年ねん国家こっか公安こうあん委員いいん会かい規則きそく第だい13号ごう)に定さだめがある。

室内しつないの敬礼けいれい

室内しつないの敬礼けいれいは通常つうじょう脱帽だつぼうしている室内しつないで行おこない、室外しつがいであっても着き帽ぼうしていない私服しふく勤務きんむ員いんなどは室内しつないの敬礼けいれいを行おこなう。その要領ようりょうは、受礼者しゃに向むかって姿勢しせいを正ただし、注目ちゅうもくした後のち、体からだの上部じょうぶを約やく15度ど前まえに傾かたむけ、頭あたまを正まさしく上体じょうたいの方向ほうこうに保たもって行おこなう。その場合ばあいにおいて、帽子ぼうしを持もっているときは、右手みぎてにその前ぜんひさしをつまみ、内部ないぶを右みぎももに向むけて垂直すいちょくに下さげる(制帽せいぼうを持もっている婦人ふじん警察官けいさつかんにあっては、右手みぎてにその縁えんをつかみ、記章きしょうを前方ぜんぽうに、内部ないぶを右みぎ腰こしに向むけ、右腕うわんに抱かかえる )。室内しつないの敬礼けいれいは受礼者しゃから離はなれること約やく3歩ほの間合まあいで行おこなう。

挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれい

挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいは制帽せいぼうやヘルメットなどを着き帽ぼうしている場合ばあいに行おこない、無む帽ぼうの場合ばあいは行おこなわない。その要領ようりょうは、受礼者しゃに向むかって姿勢しせいを正ただし、右手みぎてを上あげ、指ゆびを接せっして伸のばし、ひとさし指ゆびと中指なかゆびとを帽子ぼうしあるいはヘルメットの前ぜんひさしの右みぎ端はし（制帽せいぼうを着用ちゃくようしている婦人ふじん警察官けいさつかんにあつては、つばの前部ぜんぶの右みぎ端はし）に当あて、たなごころを少すこし外方そっぽに向むけ、ひじを肩かたの方向ほうこうにほぼその高たかさに上あげ、受礼者しゃに注目ちゅうもくして行おこなう。挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいは受礼者しゃから離はなれること約やく8歩ほの間合まあいで行おこなう。なお、テレビの刑事けいじドラマなどで、しばしば登場とうじょう人物じんぶつの刑事けいじが私服しふく無む帽ぼうながらこれを行おこなうシーンが登場とうじょうすることがあるが、日本にっぽんの警察けいさつ礼式れいしきにおいては誤あやまりとなる。

警棒けいぼうの敬礼けいれい

受礼者しゃに向むかって姿勢しせいを正ただし、警棒けいぼうを握にぎったこぶしを(手ての甲こう側がわを受礼者しゃに向むけるように)前方ぜんぽうに向むけ、そのおや指ゆびがあごの直前ちょくぜん約やく10センチメートルの位置いちに来くるよう活発かっぱつに上あげ、警棒けいぼうを身体しんたいと約やく15度どになるように前まえに傾かたむけ、つばの一方いっぽうの先端せんたん部ぶをあごに向むけて受礼者しゃに注目ちゅうもくして行おこなう。捧ささげ刀がたなの礼れいの動作どうさに同おなじ。誘導ゆうどう棒ぼうを使用しようする公務こうむ中ちゅうにも行おこなわれる。

部隊ぶたいの敬礼けいれい

まず隊列たいれつを正ただし、指揮しき官かんの「かしらー右みぎ（左ひだり）」又または「注目ちゅうもく」の号令ごうれいで、受礼者しゃに対たいし、指揮しき官かんは挙手きょしゅ注目ちゅうもく又または警棒けいぼうの敬礼けいれいを行おこない、隊員たいいんは、注目ちゅうもくし、「なおれ」の号令ごうれいで旧きゅうに復ふくする。受礼者しゃが、隊列たいれつを離はなれること約やく8歩ほの所ところで行おこなう。

消防しょうぼう

消防庁しょうぼうちょうでは消防しょうぼう吏員りいんの礼式れいしきとして警察けいさつと類似るいじした礼式れいしきを制定せいていしている。

日本にっぽんの消防しょうぼう団だんでは消防しょうぼう吏員りいんの礼式れいしきを簡略かんりゃく化かした動作どうさを採用さいようしている。

沿岸えんがん警備けいび隊たい

沿岸えんがん警備けいび隊たいでは自国じこく海軍かいぐんの礼式れいしきを取とり入いれた国くにもあるが、警察けいさつの礼式れいしき、の礼式れいしきとすることもあり一定いっていしていない。

アメリカ沿岸えんがん警備けいび隊たいではアメリカ海軍かいぐんと類似るいじした敬礼けいれいを採用さいようしている。

海上保安庁かいじょうほあんちょうでは海上かいじょう自衛隊じえいたいと類似るいじした敬礼けいれいを採用さいようしている が、潜水せんすい士しはウエットスーツ着用ちゃくよう時じのみ、右みぎ拳けんを左ひだりの鎖骨さこつの下したに当あてる敬礼けいれいとなる。これは宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマトのクルーの敬礼けいれいを真似まねて採用さいようしたという説せつがある。なお海上かいじょう自衛隊じえいたいの潜水せんすい員いんはウエットスーツを着用ちゃくようしていても通常つうじょうの敬礼けいれいを行おこなう。

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  アイルランド警察けいさつ部隊ぶたい部隊ぶたいの敬礼けいれい。代表だいひょうたる指揮しき官かんのみが挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいで、隊員たいいんは受礼者しゃに対たいし注目ちゅうもくして敬礼けいれい (かしら左ひだり) している（1954年ねん）
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  掌てのひらを正面しょうめんに向むけたイラクの警察官けいさつかん。
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  騎乗きじょうしたまま敬礼けいれいするモスクワ警察けいさつの騎馬きば隊たい
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  アメリカ沿岸えんがん警備けいび隊たい大将たいしょうの就任しゅうにん式しきで敬礼けいれいするトーマス・H・コリンズ

民間みんかんの礼式れいしき

民間みんかんでも制帽せいぼうを着用ちゃくようする職業しょくぎょうでは軍ぐんの礼式れいしきを取とり入いれている組織そしきがある。

少年しょうねん団だん

ボーイスカウトでは、右手みぎての親指おやゆびと小指こゆびをつなぎ、残のこりの3指ゆびは伸のばす三指みつゆびの敬礼けいれいを行おこなう。盾たてを持もつ手てである左手ひだりてでの握手あくしゅは相手あいてへの友好ゆうこうと信頼しんらいを表あらわすとされていることから、右手みぎてで敬礼けいれいした左手ひだりてで握手あくしゅをすることが多おおい。カブスカウトやビーバースカウトは二に指ゆびの敬礼けいれい。

海洋かいよう少年しょうねん団だんでも、類似るいじした敬礼けいれいを採用さいようしている。

ピオネールやその類似るいじ団体だんたいの挙手きょしゅの敬礼けいれいは、挙手きょしゅの敬礼けいれいに似にているが、掌てのひらを額がくの前まえにかざす点てんが異ことなる。遠とおくを見みるため眼めの上うえに手てをかざす所作しょさを取とり入いれたものという説せつがある。

交通こうつう機関きかん

鉄道てつどう会社かいしゃやバス会社かいしゃの車掌しゃしょう・運転うんてん士しは頭あたまを下さげる代かわりに挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいをするが、これは勤務きんむ中ちゅう制帽せいぼうを着用ちゃくようしているため（内勤ないきんで無む帽ぼうの運行うんこう管理かんり者しゃは頭あたまを下さげる答礼とうれい）。バス運行うんこう中ちゅうに、すれ違ちがう同僚どうりょうと“お疲つかれ様さま”の挨拶あいさつを交かわす場合ばあいは軽かるく手てを挙あげるだけ、という事ことが多おおい。JR各社かくしゃでは警察けいさつ礼式れいしきに近ちかい形式けいしきであるが、肘ひじの角度かくどには個人こじん差さがある。

民間みんかん船員せんいんの挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいは海上かいじょう自衛隊じえいたいと同おなじく肘ひじを張はらないのが特徴とくちょうである。

乗馬じょうば

馬術ばじゅつでは礼れいが重おもんじられる。近代きんだいオリンピックで見みられるようなブリティッシュ馬術ばじゅつの競技きょうぎ会かいでは、全すべての競技きょうぎ者しゃは審判しんぱん長ちょうまたは臨席りんせきの国家こっか元首げんしゅに対たいし敬礼けいれいを行おこなわねばならない。

敬礼けいれいは騎乗きじょうしたまま行おこなわれる。競技きょうぎ者しゃが男性だんせいの場合ばあい、ヘルメット着用ちゃくよう時じには挙手きょしゅ注目ちゅうもくの敬礼けいれいを、トップハット（シルクハット）または山高やまたか帽ぼう（ボーラーハット）着用ちゃくよう時じには脱帽だつぼうして前まえ傾かたぶけする敬礼けいれいを行おこなう例れいが多おおい。女性じょせいでは、指ゆびを揃そろえた右手みぎてを横よこ斜ななめ下かに伸のばしつつ前まえ傾かたぶけする敬礼けいれいを行おこなう例れいが多おおい。なお、馬場ばば馬術ばじゅつ競技きょうぎにおいては、手綱たづなを片手かたてにまとめて取とって敬礼けいれいを行おこなうよう規則きそくづけられている。

競馬けいばにおいては、馬上まけでは保護ほご帽ぼうを取とって頭あたまを下さげ、下馬げばした状態じょうたいでは膝ひざを着ついて頭あたまを下さげる。但ただし、レース後ごから後こう検量けんりょうが行おこなわれるまでの間あいだ、騎乗きじょう馬ばの故障こしょうなど正当せいとうな理由りゆうのない下馬げばをすることが禁きんじられている（一いち例れいとして、日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい（JRA）においてはJRA競馬けいば施行しこう規程きていにて騎乗きじょう馬ばが故障こしょうした場合ばあいを除のぞき、競走きょうそう後ごにコース内ないで騎手きしゅが下馬げばすることを禁止きんしするという規定きていがある。返かえし馬ば時じに重おもりを馬場ばばに捨すて、競走きょうそう後ごに下馬げばしコース上じょうに捨すてた重おもりを再ふたたび装着そうちゃくして検量けんりょう室しつに戻もどるという不正ふせいを未然みぜん防止ぼうしするため）場合ばあいが多おおく、基本きほん的てきには馬上まけで脱帽だつぼうする形かたちを取とらざるを得えない。

天覧てんらん競馬けいばとして実施じっしされた2012年ねん（平成へいせい24年ねん）の第だい146回かい天皇てんのう賞しょう（秋あき）では、エイシンフラッシュに騎乗きじょうして優勝ゆうしょうしたミルコ・デムーロはコース内ないでいったん下馬げばして最敬礼さいけいれいを行おこなった（下記かき画像がぞうファイル参照さんしょう）が、これを理由りゆうとした制裁せいさいは行おこなわれなかった。

他た

忠誠ちゅうせいの誓ちかいにおいては当初とうしょベラミー式しき敬礼けいれいが行おこなわれていたが、ナチス式しき敬礼けいれいと似にていたことが問題もんだいとなり、フランクリン・D・ルーズベルト大統領だいとうりょうにより1942年ねん6月がつ22日にちから右手みぎてを心臓しんぞうの上うえに置おく姿勢しせいに変更へんこうされた。

アメリカのSFテレビドラマシリーズ『スタートレック』に登場とうじょうするスポックが敬礼けいれいとして行おこなう「ヴァルカン式しき挨拶あいさつ」は熱心ねっしんなトレッキーの間あいだで敬礼けいれいとして使つかわれ、スタートレック以外いがいの作品さくひんにもパロディとして登場とうじょうしている。

銀河ぎんが英雄えいゆう伝説でんせつ_(アニメ)では、着ちゃく帽ぼうしていない軍隊ぐんたい（帝国ていこく）が挙手きょしゅの敬礼けいれいを行おこなっている。

メキシコでは民間みんかん人じんの答礼とうれいにゾグー式しき敬礼けいれいが用もちいられている。

アメリカの公民こうみん権けん運動うんどうにおいて黒人こくじん（アフリカ系けいアメリカ人じん）が黒人こくじん差別さべつに抗議こうぎする意志いしを示しめすため、拳こぶしを高たかく掲かかげる行為こういはブラックパワー・サリュートと呼よばれる。

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  三指みつゆびの敬礼けいれいをしつつ握手あくしゅを交かわすボーイスカウト
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  ゾグー式しき敬礼けいれいで答礼とうれいするメキシコ人じん。
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  指ゆびを伸のばした掌てのひらを額がくの前まえにかざすピオネールの敬礼けいれい。
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  敬礼けいれいする馬場ばば馬術ばじゅつの男性だんせい騎手きしゅ
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  臨席りんせきした皇太子こうたいし徳とく仁じん親王しんのう（当時とうじ）に対たいしウオッカに騎乗きじょうしたまま最敬礼さいけいれいする四よん位い洋文ひろふみ
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  臨席りんせきした天皇てんのう明仁あきひと（当時とうじ）に対たいしエイシンフラッシュから下馬げばして跪礼するミルコ・デムーロ
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  ベラミー式しき敬礼けいれいで国旗こっきへの誓ちかいを暗誦あんしょうするアメリカの児童じどう（1941年ねん）
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  スポックを演えんじたレナード・ニモイによるヴァルカン式しき挨拶あいさつ。

人間にんげん以外いがい

アメリカ海洋かいよう大気たいき庁ちょうの調査ちょうさ船せんをウォーター・サルートで出迎でむかえるサンディエゴ・ハーバー警察けいさつの消防しょうぼう艇てい。

民間みんかん船せんが軍艦ぐんかんに対たいして国旗こっきの上あげ下さげで行おこなう（人間にんげんが敬礼けいれいするのではない）ものと、人間にんげんが行おこなう登とう檣礼がある。国旗こっき礼れいでは、民間みんかん船側せんそくが国旗こっきを下さげた後のち、軍艦ぐんかん側がわが同おなじ事ごとをしたのを確認かくにん後ご、上あげる事ことで完了かんりょうする。入港にゅうこうの歓迎かんげいとして消防しょうぼう艇ていなどが放水ほうすいでアーチを作つくる「ウォーター・サルート」が行おこなわれることもある。

船ふねが行おこなう敬礼けいれいとしてフラッグディッピングが行おこなわれる。これは、旗はたを一度いちど下さげて戻もどすことで行おこなわれる。

航空機こうくうきでは低空ていくう飛行ひこう中ちゅうに操縦そうじゅう士しが挙手きょしゅの敬礼けいれいやハンカチを振ふることが行おこなわれていたが、ジェット機じぇっときの普及ふきゅうに伴ともない飛行ひこう中ちゅうにキャノピーを開放かいほうできなくなったため（単発たんぱつプロペラ機きさえも現代げんだいの機種きしゅは完全かんぜん閉鎖へいさ・天井てんじょうのある室内しつない化かされている）、何なん度どかローリングして翼つばさを振ふることが行おこなわれている。航空こうくう業界ぎょうかいは船舶せんぱくの影響えいきょうを受うけているため、空港くうこうでは消防車しょうぼうしゃによるウォーター・サルートが行おこなわれることもある。

参考さんこう文献ぶんけん

• アジア歴史れきし資料しりょうセンター（公式こうしき）（防衛ぼうえい省しょう防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ）
• Ref.A03020996300 『御ご署名しょめい原本げんぽん・大正たいしょう三さん年ねん・勅みことのり令れい第だい十じゅう五ご号ごう・海軍かいぐん礼式れいしき令れい』
• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん　デジタルコレクション　神社じんじゃ祭式さいしき行事ぎょうじ作法さほう　内務省ないむしょう神祇じんぎ院いん教務きょうむ局きょく祭まつり務つとむ課か編集へんしゅう　昭和しょうわ17年ねん　書誌しょしID　000000664653　P15　https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1040190/1
• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん　デジタルコレクション　告示こくじ / 内務省ないむしょう / 第だい76号ごう / 神社じんじゃ祭式さいしき行事ぎょうじ作法さほう　明治めいじ40年ねん　https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2950545

関連かんれん項目こうもく

• ローマ式しき敬礼けいれい
• ナチス式しき敬礼けいれい
• 礼砲れいほう
• 栄誉えいよ礼れい
• 名誉めいよ勲章くんしょう - アメリカ軍ぐんで最高さいこう位いの勲章くんしょう。受章じゅしょう者しゃは階級かいきゅうに関係かんけいなく敬礼けいれいを先さきに受うける特権とっけんを有ゆうする。
• スカウトサインと敬礼けいれい

外部がいぶリンク

• 自衛隊じえいたいの礼式れいしきに関かんする訓令くんれい（昭和しょうわ39年ねん5月がつ8日にち防衛庁ぼうえいちょう訓令くんれい第だい14号ごう）
• 警察けいさつ礼式れいしき（昭和しょうわ29年ねん8月がつ2日にち国家こっか公安こうあん委員いいん会かい規則きそく第だい13号ごう） - e-Gov法令ほうれい検索けんさく