プロトンロケット
基本 きほん データ運用 うんよう 国 こく
ソビエト連邦 れんぽう ロシア 開発 かいはつ 者 しゃ
OKB-52(クルニチェフ ) 使用 しよう 期間 きかん
1965年 ねん - 現役 げんえき 打 う ち上 あ げ数 すう
430回 かい (成功 せいこう 382回 かい ) 物理 ぶつり 的 てき 特徴 とくちょう 構成 こうせい
3段 だん 総 そう 質量 しつりょう
707 トン 全長 ぜんちょう
50 m 直径 ちょっけい
4.2 m(コア部分 ぶぶん ) 軌道 きどう 投入 とうにゅう 能力 のうりょく 低 てい 軌道 きどう
約 やく 20,000 kg200km / 51.6度 ど 静止 せいし 移行 いこう 軌道 きどう
約 やく 5,000 kg 脚注 きゃくちゅう 物理 ぶつり 的 てき 特徴 とくちょう はプロトンK (SL-13) 型 がた のデータ 。プロトンK・ブロックD (SL-12)およびプロトンM・ブリーズMは4段式 だんしき の構成 こうせい テンプレートを表示 ひょうじ
プロトン (ロシア語 ご : Протон プラトーン 、ラテン文字 もじ 表記 ひょうき の例 れい : Proton 、「陽子 ようし 」の意味 いみ )は、旧 きゅう ソ連 それん で開発 かいはつ された打 う ち上 あ げ用 よう ロケット である。別名 べつめい としてUR-500 、D-1 、SL-12 、SL-13 などが存在 そんざい する。
OKB-52(第 だい 52設計 せっけい 局 きょく 、チェロメイ設計 せっけい 局 きょく )が重 おも ICBM として設計 せっけい 、N2 O4 とUDMH を用 もち いた液体 えきたい ロケットエンジンを使用 しよう する。ソユーズL1計画 けいかく (有人 ゆうじん 月 がつ 接近 せっきん 飛行 ひこう 計画 けいかく )では無人 むじん のテスト機 き であるゾンドの打 う ち上 あ げに使 つか われた。有人 ゆうじん 月 がつ 探査 たんさ 計画 けいかく の中止 ちゅうし 後 ご はその大 だい 推力 すいりょく を生 い かし、惑星 わくせい 探査 たんさ 機 き やサリュート 、ミール 、国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション等 ひとし を打 う ち上 あ げ、現在 げんざい も静止 せいし 衛星 えいせい の商業 しょうぎょう 打上 うちあ げなどに使用 しよう されている。
すべてのプロトンロケットはモスクワにあるクルニチェフ国家 こっか 研究 けんきゅう 生産 せいさん 宇宙 うちゅう センター の工場 こうじょう で製造 せいぞう されている。バイコヌール宇宙 うちゅう 基地 きち で組 く み立 た てられ、横倒 よこだお しのまま鉄道 てつどう で射 い 点 てん まで運 はこ ばれてから垂直 すいちょく に立 た てられる[1] 。射 い 点 てん はバイコヌール宇宙 うちゅう 基地 きち 200番 ばん 射 い 点 てん が使用 しよう されている。
2013年 ねん 3月 がつ の報道 ほうどう によれば、アンガラ・ロケット がデビューし、打上 うちあ げ成功 せいこう 率 りつ に一定 いってい のめどがついた2020年 ねん 以降 いこう には、有毒 ゆうどく な推進 すいしん 薬 やく を使 つか うプロトンロケットは退役 たいえき させる方針 ほうしん が示 しめ された[2] 。
プロトンロケットの商用 しょうよう 販売 はんばい はインターナショナル・ローンチ・サービス (ILS) 社 しゃ が行 おこな っている。
これはロシア企業 きぎょう クルニチェフ とエネルギア、米 べい 企業 きぎょう ロッキード・マーティン の間 あいだ に設立 せつりつ された企業 きぎょう で、世界 せかい でのプロトンロケットを使用 しよう した人工 じんこう 衛星 えいせい の打 う ち上 あ げの権利 けんり を保有 ほゆう している。
プロトンロケットには、3段式 だんしき または4段式 だんしき のタイプがある。1段 だん 目 め は一見 いっけん するとコアステージの周 まわ りを補助 ほじょ ロケットが囲 かこ んでいるようだが、中心 ちゅうしん 部 ぶ は底 そこ にエンジンを持 も たない単 たん なる酸化 さんか 剤 ざい タンクで、その周囲 しゅうい をRD-253 (現在 げんざい は、推力 すいりょく 増強 ぞうきょう 型 がた のRD-275へ移行 いこう )エンジンを装備 そうび した6本 ほん の燃料 ねんりょう タンクが囲 かこ んだ特有 とくゆう の構造 こうぞう を持 も つ。
1965年 ねん 7月 がつ 16日 にち から翌 よく 66年 ねん 7月 がつ 6日 にち までに4機 き 打 う ち上 あ げられた初期 しょき 型 がた (8K82/UR-500) は、RD-253エンジン6基 き の1段 だん 目 め とRD-0210エンジン4基 き の2段 だん 目 め を持 も つ2段式 だんしき であったが、プロトンK (SL-13) からはRD-0212エンジン1基 き の3段 だん 目 め を持 も つ構成 こうせい になっている。3段式 だんしき のプロトンKは主 おも に低 てい 軌道 きどう の人工 じんこう 衛星 えいせい 打 う ち上 あ げ用 よう として使 つか われる。
ルナ計画 けいかく やゾンド計画 けいかく 、その他 た の静止 せいし 軌道 きどう またはそれを超 こ える軌道 きどう への投入 とうにゅう 計画 けいかく には、N1 ロケット5段 だん 目 め として開発 かいはつ されたブロックDを加 くわ えた4段式 だんしき のプロトンK・ブロックD (SL-12) が使 つか われる(プロトンKの4段 だん 目 め はブロックDまたはブロックDM(RD-58 エンジン1基 き )を使用 しよう )。4段式 だんしき のプロトンKは静止 せいし トランスファ軌道 きどう に約 やく 4.8トンの打 う ち上 あ げ能力 のうりょく をもつ。
プロトンM・ブリーズM (Proton M / Briz M) はプロトンKの改良 かいりょう 型 がた で、2001年 ねん 4月 がつ にデビューした。フェアリングを5mに大型 おおがた 化 か し、1段 だん エンジンの推力 すいりょく を増強 ぞうきょう するとともに飛行 ひこう 制御 せいぎょ システムをデジタル化 か した、また4段 だん 目 め もブリーズM (S5.98Mエンジン1基 き )に変更 へんこう 、打 う ち上 あ げ能力 のうりょく も静止 せいし トランスファ軌道 きどう に約 やく 5.5トンにまで向上 こうじょう した。なお、2007年 ねん 7月 がつ には機体 きたい を軽量 けいりょう 化 か するなどして打 う ち上 あ げ能力 のうりょく を強化 きょうか した増強 ぞうきょう 型 がた プロトンM(Proton-M Enhanced)がデビューした。
プロトン K (プロトン8K82K)
プロトン K (プロトン8K82K)は燃料 ねんりょう として 非対称 ひたいしょう ジメチルヒドラジン と酸化 さんか 剤 ざい として四 よん 酸化 さんか 二 に 窒素 ちっそ を使用 しよう する。この組 く み合 あ わせは接触 せっしょく するだけで燃焼 ねんしょう する(ハイパーゴリック推進 すいしん 剤 ざい と呼 よ ばれる)ため、点火 てんか 装置 そうち が不要 ふよう で、常温 じょうおん で保管 ほかん できる。これにより低温 ていおん 設備 せつび が不要 ふよう となり、長期間 ちょうきかん 発射 はっしゃ 台 だい に配備 はいび することが可能 かのう になる(同様 どうよう の能力 のうりょく はアメリカのタイタンロケットシリーズや中国 ちゅうごく の長 ちょう 征 せい シリーズ、ソビエト/ウクライナのツィクロン ・コスモス3 ・コスモス3M にもある)。これは、蒸発 じょうはつ によって推進 すいしん 剤 ざい が逃 に げていく低温 ていおん 燃料 ねんりょう エンジンとは対照 たいしょう 的 てき である。ハイパーゴリック推進 すいしん 剤 ざい は腐食 ふしょく 性 せい があり毒性 どくせい があるので、取 と り扱 あつか いには細心 さいしん の注意 ちゅうい を払 はら う必要 ひつよう があり、高度 こうど に訓練 くんれん された作業 さぎょう 者 しゃ によって扱 あつか われる必要 ひつよう がある。
任務 にんむ によっては様々 さまざま な形式 けいしき の4段 だん 目 め が追加 ついか される。最 もっと も単純 たんじゅん なブロックD は惑星 わくせい 探査 たんさ ミッションに使 つか われた。ブロックDは飛行 ひこう 制御 せいぎょ を探査 たんさ 機 き に依存 いぞん しており、誘導 ゆうどう 装置 そうち を持 も たない。3種類 しゅるい のブロックDM派生 はせい 型 がた (DM, DM2, DM-2M) は高 こう 軌道 きどう への打 う ち上 あ げに使用 しよう された(低 てい 軌道 きどう への打 う ち上 あ げには4段 だん 目 め を使用 しよう しないため、3段 だん に搭載 とうさい した航法 こうほう 装置 そうち を使用 しよう )。ブロックD/DMの燃料 ねんりょう はエンジンの周囲 しゅうい 、酸化 さんか 剤 ざい タンクの後方 こうほう に設置 せっち されたドーナツ形 がた のタンクに貯蔵 ちょぞう されるという珍 めずら しい方式 ほうしき であった。
45年間 ねんかん 使 つか われてきたプロトンKは、2012年 ねん 3月 がつ 30日 にち に310機 き 目 め (1回 かい の打 う ち上 あ げ前 ぜん 失敗 しっぱい をカウントすると311機 き 目 め )となる最後 さいご の打上 うちあげ げが行 おこな われた[3] 。
打 う ち上 あ げを待 ま つプロトンM
プロトン M は最新 さいしん 式 しき のバージョンで、3~3.2トンの重量 じゅうりょう 物 ぶつ を静止 せいし 軌道 きどう へ投入 とうにゅう 、若 も しくは5.5トンの重量 じゅうりょう 物 ぶつ を静止 せいし トランスファー軌道 きどう へ投入 とうにゅう する。低 てい 軌道 きどう には最大 さいだい 22トンまでを、国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション の周回 しゅうかい する51.6°の軌道 きどう 傾斜 けいしゃ 角 かく に投入 とうにゅう できる。
プロトンMの改良 かいりょう 点 てん は1段 だん 目 め の構造 こうぞう 重量 じゅうりょう を減 へ らし、推力 すいりょく を増強 ぞうきょう して推進 すいしん 剤 ざい を完全 かんぜん に使 つか うようにした事 こと である。全体 ぜんたい 的 てき にブロックD やブロックDMの代 か わりに貯蔵 ちょぞう 可能 かのう な推進 すいしん 剤 ざい を使用 しよう するブリーズ-M を上段 じょうだん に使用 しよう する事 こと によって、複数 ふくすう の燃料 ねんりょう の供給 きょうきゅう の必要 ひつよう 性 せい や液体 えきたい 酸素 さんそ の蒸発 じょうはつ の問題 もんだい を解消 かいしょう した。プロトン-MもブロックDMを上段 じょうだん に使用 しよう する。外国 がいこく (主 おも にウクライナ)製 せい の部材 ぶざい の使用 しよう の削減 さくげん にも注力 ちゅうりょく した。
2007年 ねん 7月 がつ 7日 にち にILSはディレクTV-10 衛星 えいせい を載 の せた最初 さいしょ のプロトン Breeze M Enhanced を打 う ち上 あ げ軌道 きどう に投入 とうにゅう した。これは326番目 ばんめ のプロトンの打 う ち上 あ げで、16番目 ばんめ のプロトンM/ブリーズ-Mの打 う ち上 あ げでもあり、41回 かい 目 め のILSによるプロトン打 う ち上 あ げでもある。[4] プロトン-M Enhanced の特徴 とくちょう は高 こう 効率 こうりつ のエンジンを1段 だん 目 め に搭載 とうさい し、航空 こうくう 電子 でんし 機器 きき を更新 こうしん し、タンクを増量 ぞうりょう して、より強力 きょうりょく なバーニアエンジンをブリーズ-M上段 じょうだん に備 そな えて重量 じゅうりょう を軽減 けいげん した事 こと である。
2013年 ねん 7月 がつ 2日 にち に3機 き のGLONASS 衛星 えいせい を搭載 とうさい して打 う ち上 あ げたが、発射 はっしゃ 直後 ちょくご に問題 もんだい が発生 はっせい し、制御 せいぎょ が失 うしな われたプロトンMは蛇行 だこう した後 のち に横 よこ 方向 ほうこう に飛行 ひこう して空中 くうちゅう 分解 ぶんかい し、発射 はっしゃ 台 だい から2.5kmの距離 きょり の地表 ちひょう に墜落 ついらく した[5] (墜落 ついらく 動画 どうが )。発射 はっしゃ 17秒 びょう 後 ご にエンジンの緊急 きんきゅう 停止 ていし コマンドを送信 そうしん したが、このコマンドは射場 しゃじょう 保護 ほご のために42秒 びょう 後 ご まで受 う け付 つ けられない仕様 しよう になっており、機能 きのう しなかった[6] 。
2014年 ねん 5月 がつ 16日 にち 、カザフスタン のバイコヌール宇宙 うちゅう 基地 きち から打 う ち上 あ げられたプロトンは、打 う ち上 あ げ545秒 びょう 後 ご に制御 せいぎょ 用 よう エンジンが故障 こしょう 、太平洋 たいへいよう 上 じょう で炎上 えんじょう して墜落 ついらく した[7] 。
比較 ひかく 表 ひょう (2014.3)
形式 けいしき
運用 うんよう 国 こく
初 はつ 飛行 ひこう
打 う ち上 あ げ緯度 いど
総 そう 質量 しつりょう (t)
ペイロード(t)
直径 ちょっけい (m)
成功 せいこう 率 りつ /総 そう 打 う ち上 あ げ回数 かいすう
低 てい 軌道 きどう
静止 せいし トランスファ軌道 きどう
静止 せいし 軌道 きどう
プロトン M
ロシア
2001
46°
705
23
6,15
3,25
4,35
91%----(76)
アリアン5 ECA
欧州 おうしゅう 連合 れんごう
2002
5°
780
20
10
5,4
98%----(44)
ゼニット 3SL
ロシア ウクライナ
1999
0°
473
13,7
6,06
2,6
4,15
85%----(41)
デルタ IV Heavy
アメリカ
2004
35° и 28°
732
23
10,75
6,57
5,1
86%----(7)
デルタ IV Medium+(5.4)
アメリカ
2009
35° и 28°
399
13,5
5,5
3,12
5,1
100%---(4)
アトラス V 551
アメリカ
2006
35° и 28°
541
18,8
6,86
3,90
5,4
100%---(4)
アトラス V 521
アメリカ
2003
35° и 28°
419
13,49
4,88
2,63
5,4
100%---(2)
H-IIB
日本 にっぽん
2009
30°
531
19
8
5,1
100%---(4)
H-IIA 204
日本 にっぽん
2006
30°
445
15
6
2.3
4
100%---(1)
長 ちょう 征 せい 3号 ごう B
中国 ちゅうごく
1996
28°
426
11,2
5,1
2
4,2
92%---(25)
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