ユニバーサル・ロケット

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
UR-500プロトン初期しょき設計せっけい
UR-500プロトンによるザーリャげにて
UR-100Nロコット上段じょうだんブリーズ-M衛星えいせい搭載とうさいしたモデル

ユニバーサルロケット: Универса́льная раке́та, えい: Universal RocketしくはUR-ファミリー («УР» — семейство) とは、ソビエト連邦れんぽう開発かいはつし、2020ねん現在げんざいロシア運用うんようしているいちぐんロケットのことである。そのなかには大陸たいりくあいだ弾道弾だんどうだんおよびふくまれる。

ソ連それんぜんロケットで同一どういつ技術ぎじゅつ使用しようされることを目論もくろんだURファミリーは、クルニチェフ国家こっか研究けんきゅう生産せいさん宇宙うちゅうセンター以下いかクルニチェフ)で生産せいさんされた。元々もともとはいくつかの派生はせいがた計画けいかくされたが、そのなかで3種類しゅるいだけが実際じっさい宇宙うちゅう飛行ひこうし、現状げんじょうんだなかでも2種類しゅるいしか現役げんえき運用うんようされているものはい。くわえて、キャンセルされたUR-500じゅうICBMは、プロトン衛星えいせい運搬うんぱんロケット基礎きそ形作かたちづくっている。現在げんざい主流しゅりゅうとなりつつあるモジュラーロケット概念がいねんれたもので共通きょうつうのコア・ステージを用途ようとおうじてわせることにより、大小だいしょう様々さまざま需要じゅよう柔軟じゅうなん対応たいおうすること企図きとしたものである。

派生はせいがた[編集へんしゅう]

以下いか計画けいかく段階だんかいにあったか現時点げんじてんでも衛星えいせいげに使つかわれるユニバーサルロケットの派生はせいがたしるす。

UR-100[編集へんしゅう]

UR-100とその改良かいりょうがたは、冷戦れいせんのソビエト連邦れんぽうでの標準ひょうじゅんてきICBMであった。ローンチ・ヴィークルであるストレラロコットは、これを基本きほんとして製作せいさくされた。

UR-200[編集へんしゅう]

UR-200はキャリア・ロケットとしても使用しようできる大型おおがたICBMにされる予定よていであった。1963ねん11月4にちから1964ねん10がつ20日はつかまでのあいだに9かい試験しけん飛行ひこうがおこなわれた。その、UR-200開発かいはつ計画けいかくはキャンセルされて、ミハイル・ヤンゲリ設計せっけいしたR-36 サタンミサイルと、としての派生はせいであるツィクロン選定せんていされた。

UR-500[編集へんしゅう]

UR-500は、ちょう大型おおがたICBMとして設計せっけいされた。かく出力しゅつりょく100メガトンのツァーリ・ボンバ核弾頭かくだんとう使つかったときに必須ひっす投射とうしゃ重量じゅうりょうたすミサイルであるようにつくられた。開発かいはつ計画けいかくは2かい飛行ひこうのちでキャンセルされ、3だんくわえられたのちで、UR-500ロケットは2011ねん現在げんざいでもいま供用きょうようちゅうのプロトン・キャリア・ロケットとしてさい利用りようされた。

UR-700[編集へんしゅう]

UR-700はウラジーミル・チェロメイソビエトのつきロケット発射はっしゃのために設計せっけいした重量じゅうりょうきゅうげロケットであった。それは宇宙うちゅう飛行ひこうをLK-1宇宙船うちゅうせんせたままがつ直接ちょくせつはこげることを予定よていしていた。セルゲイ・コロリョフN-1ロケットとソユーズ 7K-L3 / LK 着陸ちゃくりくつき飛行ひこうミッションのために選定せんていされ、ついにUR-700は製図せいずばんはなれて計画けいかく段階だんかいからすすむことが出来できなかった。

表面ひょうめんてきには、UR-700は、中央ちゅうおうコア・ブロックと、それをがわかた横付よこづけブースターで構成こうせいされた、られるタイプのソビエト連邦れんぽう現在げんざいでもられるのデザインにえた。しかし、従前じゅうぜんソ連それんせいロケットと明確めいかくけるひとつの特徴とくちょうがあった。だい一段いちだんのエンジンは、だい一段いちだん燃焼ねんしょうするあいだちゅう、ストラップ・オン・ブースターの燃料ねんりょうタンクから、ヒドラジンとあかけむり硝酸しょうさんりょう推進すいしんざいをクロス-フィードされていたのである。これは、ブースターが使用しようみになってはなされたとき、中央ちゅうおう機体きたいはまだ燃料ねんりょうまんタンな状態じょうたいべる、そのためデッドウェイトを減少げんしょう運搬うんぱん可能かのうなペイロードを増加ぞうかさせるということ意味いみしていた。

UR-900[編集へんしゅう]

UR-900は、ユニバーサルロケットの、究極きゅうきょく応用おうようほうであった。火星かせい金星かなぼしといった、地球ちきゅう以外いがいほか惑星わくせいへの有人ゆうじん飛行ひこうげるためのちょう重量じゅうりょうきゅうげロケット・ブースターであった。それ自体じたい設計せっけい図上ずじょうの、計画けいかく段階だんかいわったプロジェクトとしてのこっている。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Mark Wade. “Universal Rockets”. friends-partners.org. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  • Mark Wade. “UR-100”. Astronautix.com. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  • Mark Wade. “UR-200”. Astronautix.com. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  • Mark Wade. “Proton”. Astronautix.com. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  • Mark Wade. “UR-700”. Astronautix.com. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  • Mark Wade. “UR-700M”. Astronautix.com. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  • Mark Wade. “UR-900”. Astronautix.com. 2012ねん1がつ29にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]