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ソユーズ5

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソユーズ5
ソユーズロケットの比較ひかくひだりからソユーズ2.1v, 2.1a, 2.1bみぎはしがソユーズ5
基本きほんデータ
運用うんようこく ロシアの旗 ロシア
開発かいはつしゃ RKKエネルギア
TsSKB-プログレス
使用しよう期間きかん 開発かいはつちゅう
射場いば バイコヌール宇宙うちゅう基地きち LC 45/1
すう 0かい成功せいこう0かい
開発かいはつ費用ひよう 612おくルーブル
物理ぶつりてき特徴とくちょう
段数だんすう 3だん
そう質量しつりょう 530,000 kg
全長ぜんちょう 61.9 m
直径ちょっけい 4.1 m
軌道きどう投入とうにゅう能力のうりょく
てい軌道きどう 18,000 kg (無人むじん)
15,500 kg (有人ゆうじん)
静止せいし移行いこう軌道きどう 5,000 kg
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ソユーズ5 (ロシア: Союз-5, 英語えいご: Soyuz-5) またはイルティシュ (Иртыш, Irtysh)[1]は、ロシア計画けいかくちゅうソユーズシリーズの新型しんがたロケットTsSKB-プログレスFeniks計画けいかく (Фениксフェニックス) として開発かいはつすすめている(カザフスタンでは Sunker)。

おもゼニット2プロトン-Mえを目指めざしたもので、将来しょうらいてきにはエネルギア/ブランきゅうちょう重量じゅうりょうきゅう視野しやれている。げにはカザフスタン政府せいふとの協力きょうりょくにより現在げんざいゼニット2のげがおこなわれているバイコヌール宇宙うちゅう基地きち45ばんてん使用しようし、2024ねんはつ飛行ひこう予定よていしている[2][3][4][5]

プロジェクト構成こうせい

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ソユーズ5の開発かいはつ計画けいかくTsSKB-プログレス提案ていあんし、クルニチェフ国家こっか研究けんきゅう生産せいさん宇宙うちゅうセンターマキーエフロケット設計せっけいきょく協力きょうりょくしている。さらに、RKKエネルギアてん整備せいびのほか上段じょうだんブロックDM-03供給きょうきゅうし、ロスコスモスは2016ねんから2025ねん宇宙うちゅう開発かいはつ基本きほん計画けいかくにおいて資金しきん供与きょうよおこなっている。カザフスタン同国どうこくバイコヌール宇宙うちゅう基地きち45ばんてん射場しゃじょうとして提供ていきょうするほか、べい合弁ごうべんインターナショナル・ローンチ・サービス (ILS) をつうじて商用しょうようロケットげサービスを提供ていきょうする[3][5]

ソユーズ5は商業しょうぎょうげサービス市場いちばのうち、静止せいしトランスファ軌道きどうへの5トン以下いか衛星えいせいげをねらって企画きかくされた。これは、2014ねんクリミア危機きき影響えいきょうで、ロシアがウクライナせいゼニット3LSB利用りようできなくなったことにくわえ、アンガラ A3開発かいはつボストチヌイ宇宙うちゅう基地きちからのアンガラ A5げがキャンセルされたことから、この範囲はんいげロケットがなくなったためである。2016ねんにILSはプロトン-Mちゅうりょうきゅう衛星えいせい静止せいしトランスファ軌道きどうへの市場いちば投入とうにゅうすると発表はっぴょうした。しかし、カザフスタン政府せいふはプロトンが使用しようするハイパーゴリック推進すいしんざい毒性どくせい懸念けねんしており、より安全あんぜん燃料ねんりょう使用しようするロケットへの代替だいたいのぞんでいた[3][5]

TsSKB-プログレスは2016ねんはじめにソユーズ5を商用しょうようげロケットとして投入とうにゅうすることを提案ていあんした。この提案ていあんには、ソユーズ5をてい軌道きどうへのちょう重量じゅうりょうきゅうげ(80トンきゅう)に展開てんかいすることもうたわれていた[3][5]。カザフスタン政府せいふはこの提案ていあんをほぼれたものの、投資とうしについては決定けってい先送さきおくりにした。結局けっきょく、2016ねんにカザフスタン政府せいふはプロトンようしゃてん1ヶ所かしょ所有しょゆうしてプロトン-Mの商業しょうぎょうげに参加さんかすることと、ソユーズ5が2024ねん完成かんせいした時点じてんでプロジェクトに参加さんかすることがめられた[4][5]

しょもと

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ソユーズ5は、既存きそん施設しせつおおくをさい利用りようでき、ゼニットわるプロトン-M後継こうけいロケットとなり、かつ、あたらしいちょう重量じゅうりょうきゅうげロケットのブースターとしても利用りようできるロケットとして提案ていあんされた。まずは2段式だんしきロケットとして開発かいはつされるが、オプションのブロックDM-03追加ついかすることで静止せいしトランスファ軌道きどうへの衛星えいせいげミッションにも対応たいおうできる。また、バイコヌール宇宙うちゅう基地きち45ばんてんはじめとするゼニットよう地上ちじょう施設しせつ活用かつようできる[5]

推進すいしんざいタンクの直径ちょっけいは4.1 mで、プロトンの工具こうぐさい利用りようできる。直径ちょっけい3.9 mのゼニットよりもふといため、おなぜんこうでよりおおくの推進すいしんざい搭載とうさいできる。また、バイコヌール宇宙うちゅう基地きちない鉄道てつどう輸送ゆそう可能かのうなサイズであるため、バイコヌールで最終さいしゅう組立くみたておこなうことでより大型おおがたのロケットとすることもできる(ボストチヌイ宇宙うちゅう基地きちではおなじことはできない)。射場しゃじょうがあるカザフスタン政府せいふ要望ようぼう沿って、プロトンで使つかわれている毒性どくせいつよハイパーゴリック推進すいしんざいわりに比較的ひかくてき環境かんきょうにやさしいRG-1/LOX推進すいしんざい採用さいようしている[3][5]

だい1だんのエンジンはゼニットとおなじだが推力すいりょくが10%アップしたRD-171Mか、RD-180 2使用しようする。だい1だんぜんこうは37.14 mで、ゼニットだい1だんの32.94 mよりもながく、直径ちょっけいふといため、推進すいしんざいはゼニットの290トンにたいして363トンと大幅おおはばえている。はゼニットのてん整備せいび施設しせつ利用りようできるよう、直径ちょっけい3.68 mにしぼられている[3][5][6]

だい2だん直径ちょっけい4.1 m、全高ぜんこう7.77 m、乾燥かんそう重量じゅうりょう5.9トンで推進すいしんざい重量じゅうりょうは59トンである。エンジンはアンガラ同様どうようRD-0124Aを2搭載とうさいする。ただし、ソユーズ5ようのRD-0124Aは4つのノズルが正方形せいほうけいではなく半円はんえんがた配置はいちされており、エンジン2をノズルが円形えんけいならぶようにけるようになっている。この配置はいちにより、だい2だん全長ぜんちょうおさえながらすぐれた推力すいりょく実現じつげんしている[3][5][6]

そう重量じゅうりょうはゼニットの430トンから484トンに増加ぞうかしているが、だい2だん性能せいのう向上こうじょうによりバイコヌール宇宙うちゅう基地きちから軌道きどう傾斜けいしゃかく51.6°、高度こうど200kmの円軌道えんきどうに16トンのペイロードをげることができる。これはおな軌道きどうへの能力のうりょくやく12トンのゼニットにたいしておおきなアドバンテージになる[3][5][6][7]

静止せいしトランスファ軌道きどうへのげでは、だい3だんブロックDM-03使用しようする。これはすでゼニット3SLアンガラ A5よう確立かくりつされており、リスクを低減ていげんしたオプションとなっている[3][5]能力のうりょく静止せいしトランスファ軌道きどうに4.5トン、対地たいち同期どうき軌道きどうに2.3トンで、ゼニット3SLBの3.6トン、1.59トンからおおきく向上こうじょうしている[5][8][6]

ソユーズ5 スーパーヘビー

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だい1だんは、バイコヌールまたはボストチヌイからてい軌道きどうに73トンを発射はっしゃできるちょう重量じゅうりょうきゅうロケットのブースター(さらにはコア)として使用しようすることができる。このアーキテクチャでは、120トンから160トンにまで能力のうりょく向上こうじょうできるとかんがえられている。 2016ねんから2025ねんにかけて計画けいかくされているふか宇宙うちゅう探査たんさミッションではアンガラA5V想定そうていされているが、能力のうりょくは36トンにぎないため、1かいつき探査たんさミッションのために最大さいだい4かいげが必要ひつようとなる。また、燃料ねんりょうとして高価こうか水素すいそ必要ひつようとなる。ソユーズ5 スーパーヘビーは、すぐに利用りよう可能かのうなモジュールを使用しようしてミッションを簡素かんそすることができる[2][5][6][7]

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ ロシア あらたな「ソユーズ5」げコムプレックスを開発かいはつ ロケットの発射はっしゃ開始かいし時期じき発表はっぴょう”. Sputnik (2020ねん11月1にち). 2021ねん4がつ12にち閲覧えつらん
  2. ^ a b "Роскосмос" создаст новую сверхтяжелую ракету” [Roscosmos to create a new super-heavy launcher]. Izvestia (2016ねん8がつ22にち). 2016ねん9がつ16にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e f g h i Российско-казахстанскую ракету «Сункар» построят в Самаре к 2024 году” [Russian-Kazakh launcher "Sunkar" will be built in Samara in 2024]. Izvestia (2016ねん8がつ25にち). 2016ねん9がつ15にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2016ねん9がつ16にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Россия передаст Казахстану пусковой комплекс для ракет "Протон"” [Russia will give Kazakhstan launch facility for the "Proton" rocket]. Izvestia (2016ねん8がつ22にち). 2016ねん9がつ15にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2016ねん9がつ16にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m Zak, Anatoly (2017ねん11月13にち). “Russia charts new path to super rocket”. RussianSpaceWeb. 2018ねん2がつ26にち閲覧えつらん
  6. ^ a b c d e Zak, Anatoly (2018ねん2がつ16にち). “Russia's "new" next manned rocket detailed”. RussianSpaceWeb. 2018ねん2がつ26にち閲覧えつらん
  7. ^ a b Zak, Anatoly (2018ねん2がつ16にち). “Preliminary design for Soyuz-5 races to completion”. RussianSpaceWeb. 2018ねん2がつ26にち閲覧えつらん
  8. ^ Land Launch User's Guide. Space International Services. (2014-10-01). p. 43. オリジナルの2016-06-25時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160625025453/http://www.landlaunch.ru/download/llug_eng.pdf 2016ねん9がつ16にち閲覧えつらん 

外部がいぶリンク

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