シクンシ科か

シクンシ科か
	モモタマナ
分類ぶんるい（APG IV）
学名がくめい
	Combretaceae; R.Br. (1810)
属ぞく
	本文ほんぶん参照さんしょう

シクンシ科か（シクンシか、Combretaceae）は、双そう子葉しよう植物しょくぶつフトモモ目めの科かで、旧きゅう世界せかいの熱帯ねったい・亜熱帯あねったいに分布ぶんぷする木本もくほん（つる植物しょくぶつを含ふくむ）、14-20属ぞく600種たねほどからなる。

花はなは両性りょうせいまたは単たん性せいで、子房しぼう下位かい、4-5数すう性せい、雄蕊おしべは5から多数たすうある。マングローブ樹き種しゅもあり、これらは胎生たいせい種子しゅしをつける。日本にっぽんではモモタマナが南西諸島なんせいしょとう・小笠原諸島おがさわらしょとうに自生じせいおよび栽培さいばいされ、ヒルギモドキが琉球りゅうきゅう諸島しょとう（沖縄おきなわ県けん）のマングローブに自生じせいする。

利用りようとしてはシクンシが薬用やくように用もちいられ、モモタマナは食用しょくようまたは薬用やくようにされる。また、モモタマナ属ぞくの（インディアン）シルバーグレイウッド（英えい: (Indian) silver grey wood）、イディグボ（idigbo、これはナイジェリアのヨルバ語ご由来ゆらいの呼称こしょうであり、コートジボワールのアニ語ご由来ゆらいのフラミレ framiré とも呼よばれる^[1]）、インディアンローレル（英えい: Indian laurel; 別名べつめい: ロックファー、ロクハ rokfa^[2]）、リンバ（limba、これはコンゴ共和きょうわ国こく・コンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こく・アンゴラ由来ゆらいの呼称こしょうであり、ヨルバ語ご由来ゆらいのアファラ afara とも呼よばれる）は木材もくざいとして国際こくさい的てきに流通りゅうつうする^[3]^[4]。

属ぞく[編集へんしゅう]

（Anogeissus）- 2017年ねん発表はっぴょうの論文ろんぶんではモモタマナ属ぞくに移うつすのが妥当だとうとされている^[5]。
（Buchenavia）- 2017年ねん発表はっぴょうの論文ろんぶんではモモタマナ属ぞくに移うつすのが妥当だとうとされている^[5]。
（Bucida）- Maurin et al. (2017) によるとモモタマナ属ぞくに移うつされている。
Calopyxis
Calycopteris
シクンシ属ぞく Combretum
- シクンシ（英語えいご版ばん） C. indicum - 花はなを鑑賞かんしょうするほか、種子しゅしを使つかい君子くんし（しくんし）といい、駆虫くちゅう薬やくとして知しられる。かつては Quisqualis indica の学名がくめいを与あたえられていたが、遺伝子いでんし解析かいせきにより変更へんこうされた。
- モンゾ（英語えいご版ばん） C. imberbe - 大変たいへん硬かたく重おもい材ざいをもち、レッドウッド（leadwood，鉛なまりの木き）とも呼よばれる。アフリカの南半球みなみはんきゅう側がわに分布ぶんぷ。
Conocarpus
Dansiea
Guiera
Laguncularia
ヒルギモドキ属ぞく Lumnitzera
- ヒルギモドキ L. racemosa
Macropteranthes
Melostemon
（Pteleopsis）- 2017年ねん発表はっぴょうの論文ろんぶんではモモタマナ属ぞくに移うつすのが妥当だとうとされている^[5]。
Strephonema
モモタマナ属ぞく Terminalia
- T. alata - GRINでは T. elliptica のシノニムとされている^[6]。インディアンローレルの一種いっしゅ^[3]。
- アクスルウッド T. anogeissiana（シノニム: Anogeissus latifolia）^[7]
- アジュンナ T. arjuna
- シルバーグレイウッド T. bialata (Roxb.) Steud. - 熱帯ねったい植物しょくぶつ研究けんきゅう会かい (1996:365) や Hassler (2019) などでは T. calamansanay (Blanco) Rolfe とシノニムの関係かんけいにあるとされているが、T. calamansanay の原はら記載きさい文献ぶんけん Rolfe (1884:310) はあくまでもフィリピン産さん植物しょくぶつに関かんする Fernandez-Villar (1880:80) で T. bialata として紹介しょうかいされている種たねのシノニムであり、元々もともと T. bialata として記載きさいされ知しられていた種たねとは別種べっしゅとして区別くべつすべき旨むねを述のべている。
- モモタマナ T. catappa - 果実かじつを食用しょくようとする。
- ミロバラン（英語えいご版ばん） T. chebula - 果実かじつを訶梨勒（かりろく）または訶子（かし）といい、生薬きぐすりとして珍重ちんちょうされた。
- T. coriacea - インディアンローレルの一種いっしゅ^[3]。
- T. crenulata - インディアンローレルの一種いっしゅ^[3]。
- フラミレ T. ivorensis
- ヨン（ビルマ語ご: ရုံး）T. phillyreifolia（シノニム: Anogeissus acuminata）^[8]
- リンバ T. superba
- クチナシミロバラン T. tomentosa Wight & Arn. - GRINでは T. elliptica のシノニムとされている^[6]が、Hassler (2019) は T. coriacea のシノニムとしている。インディアンローレルの一種いっしゅ^[2]。
（Terminaliopsis）- Maurin et al. (2017) によるとモモタマナ属ぞくに移うつされている。
Thiloa

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Kerharo, J.; Bouquet, A. (1950). Plantes médicinales et toxiques de la Côte-d’Ivoire - Haute-Volta. Paris: Vigot Frères. p. 54
^ ^a ^b 河村かわむら・西川にしかわ (2019).
^ ^a ^b ^c ^d エイダン・ウォーカー編へん『世界せかい木材もくざい図鑑ずかん』乙おつ須敏紀き訳やく、産さん調ちょう出版しゅっぱん、2006年ねん、175-8頁ぺーじ。ISBN 4-88282-470-1（原書げんしょ: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.）
^ 熱帯ねったい植物しょくぶつ研究けんきゅう会かい (1996).
^ ^a ^b ^c Maurin et al. (2017).
^ ^a ^b USDA, Agricultural Research Service, National Plant Germplasm System. (2019). Germplasm Resources Information Network (GRIN-Taxonomy). National Germplasm Resources Laboratory, Beltsville, Maryland. URL: https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomydetail.aspx?id=410549. Accessed 28 November 2019.
^ Maurin et al. (2017:319).
^ Maurin et al. (2017:321).

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

ラテン語らてんご:

Fernandez-Villar, Cœlestino (1880). Novissima Appendix ad Floram Philippinarum. Manila: Establecimiento Tipográfico de Plana y Ca

英語えいご:

Rolfe, R. A. (1884). “On the Flora of the Philippine Islands, and its probable Derivation”. The Journal of Linnean Society. Botany 21 (135): 283–316.
Maurin, Olivier; Gere, Jephris; van Der Bank, Michelle; Boatwright, James Stephen (2017). “The inclusion of Anogeissus, Buchenavia and Pteleopsis in Terminalia (Combretaceae: Terminaliinae)”. Botanical Journal of the Linnean Society 184 (3): 312–325. doi:10.1093/botlinnean/box029.
Hassler, M. (2019). World Plants: Synonymic Checklists of the Vascular Plants of the World (version Nov 2018). In: Species 2000 & ITIS Catalogue of Life, 2019 Annual Checklist (Roskov Y., Ower G., Orrell T., Nicolson D., Bailly N., Kirk P.M., Bourgoin T., DeWalt R.E., Decock W., Nieukerken E. van, Zarucchi J., Penev L., eds.). Digital resource at http://www.catalogueoflife.org/annual-checklist/2019. Species 2000: Naturalis, Leiden, the Netherlands. ISSN 2405-884X.

日本語にほんご:

熱帯ねったい植物しょくぶつ研究けんきゅう会かい編へん『熱帯ねったい植物しょくぶつ要覧ようらん』（第だい4版はん）養よう賢堂かしこどう、1996年ねん、363-370頁ぺーじ。ISBN 4-924395-03-X。
河村かわむら寿ことぶき昌あきら、西川にしかわ栄さかえ明あきら共著きょうちょ、小泉こいずみ章夫あきお監修かんしゅう『増補ぞうほ改訂かいてい【原色げんしょく】木材もくざい加工かこう面めんがわかる樹き種しゅ事典じてん』誠まこと文ぶん堂どう新光しんこう社しゃ、2019年ねん、172頁ぺーじ。ISBN 978-4-416-51930-1

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

Combretaceae in Stevens, P. F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website Version 8, June 2007 [and more or less continuously updated since].
Combretaceae in Watson, L., and Dallwitz, M.J. 1992 onwards. The families of flowering plants: descriptions, illustrations, identification, and information retrieval. Version: 1st June 2007

[1] Kerharo, J.; Bouquet, A. (1950). Plantes médicinales et toxiques de la Côte-d’Ivoire - Haute-Volta. Paris: Vigot Frères. p. 54

[k&n-2] 河村かわむら・西川にしかわ (2019).

[aw-3] エイダン・ウォーカー編へん『世界せかい木材もくざい図鑑ずかん』乙おつ須敏紀き訳やく、産さん調ちょう出版しゅっぱん、2006年ねん、175-8頁ぺーじ。ISBN 4-88282-470-1（原書げんしょ: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.）

[NSY-4] 熱帯ねったい植物しょくぶつ研究けんきゅう会かい (1996).

[mgvb-5] Maurin et al. (2017).

[GRIN_elli-6] USDA, Agricultural Research Service, National Plant Germplasm System. (2019). Germplasm Resources Information Network (GRIN-Taxonomy). National Germplasm Resources Laboratory, Beltsville, Maryland. URL: https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomydetail.aspx?id=410549. Accessed 28 November 2019.

[7] Maurin et al. (2017:319).

[8] Maurin et al. (2017:321).

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