シュンドルボン

	シュンドルボン; （バングラデシュ）
	シュンドルボン
英名えいめい	The Sundarbans
仏ふつ名めい	Les Sundarbans
面積めんせき	1,397km2
登録とうろく区分くぶん	自然しぜん遺産いさん
IUCN分類ぶんるい	IV
登録とうろく基準きじゅん	(9),(10)
登録とうろく年ねん	1997年ねん
公式こうしきサイト	世界せかい遺産いさんセンター（英語えいご）
地図ちず
	使用しよう方法ほうほう・表示ひょうじ

シュンドルボン（英語えいご：The Sundarbans、ベンガル語ご: সুন্দরবন、ヒンディー語ご: सुंदरवन）はバングラデシュ・クルナ管区かんく南部なんぶにまたがり、インドに接せっして広ひろがるマングローブの群生ぐんせい地帯ちたい。バングラデシュ側がわはそのほとんどの地域ちいきが政府せいふによって保護ほごされており、1997年ねんには国際こくさい連合れんごう教育きょういく科学かがく文化ぶんか機関きかんの世界せかい遺産いさん（自然しぜん遺産いさん）に登録とうろくされた。1987年ねんに自然しぜん遺産いさんに登録とうろく済ずみのインドのスンダルバンス国立こくりつ公園こうえんも同様どうようの保護ほご区くである。シュンドルボンはベンガル語ごで文字通もじどおりには〈美うつくしい森もり〉を意味いみする（< সুন্দর sundara〈美うつくしい〉+ বন bana〈森もり〉）が、むしろこの地域ちいきに生育せいいくするアオイ科かサキシマスオウノキ属ぞくのスンドリ（英語えいご版ばん）の木き（ベンガル語ご: সুন্দরী sundarī; 学名がくめい: Heritiera fomes）が関連かんれんしていると考かんがえられる^[1]。ヒンディー語ごではスンダルバンと呼よばれる。またシュンダバンズと表記ひょうきしている資料しりょうも存在そんざいする^[2]。

概要がいよう

総そう面積めんせき100万まんhaの大森おおもり林りん地帯ちたいであり、世界せかい最大さいだいのマングローブ天然てんねん林りんである。この内うち、62%にあたる57万まん7,000haがバングラデシュ側がわに存在そんざいする。

シュンドルボンはベンガル湾わんに注そそぐガンジス川がわ、ブラマプトラ川がわとメグナ川がわのデルタ地帯ちたいに位置いちしており、泥どろが平ひらたく蓄積ちくせきした湿地しっち帯おびである。数かず千せんの川かわと水路すいろ、入いり江えが複雑ふくざつに入いり組くみ、この環境かんきょうがマングローブの群生ぐんせい地帯ちたいを生うんだ。一方いっぽうでアクシスジカなどの多数たすうのシカやイリエワニ、サル、ベンガルトラ、バタグールガメ、インドニシキヘビが棲息せいそくしており、その他たキガシラウミワシ、アジアヒレアシ、シロハラウミワシ、カワセミ類るいなどの鳥類ちょうるいも240種類しゅるい以上いじょう確認かくにんされている事ことなどから、動物どうぶつの聖地せいちである。海岸かいがんには、定住ていじゅう性せいのニタリクジラの他ほか、カワゴンドウ、スナメリ、ミナミハンドウイルカ、マダライルカ、ハシナガイルカ、ウスイロイルカや希少きしょう種しゅのガンジスカワイルカなど貴重きちょうな鯨くじら類るいが数多かずおおく見みられる。他たにはガンジスメジロザメ（英語えいご版ばん）も生息せいそくしている^[3]^[4]。1992年ねんにラムサール条約じょうやく登録とうろく地ちとなった^[3]。

一帯いったいにはクルナ港みなと、モングラ港こうなどの港湾こうわんがある。夏場なつばはサイクロンが襲おそいかかるため、入にゅう域いきは乾季かんきに限かぎられる。

登録とうろくされた地域ちいき

シュンドルボンは以下いかの地域ちいきが登録とうろくされている。

シュンドルボン国立こくりつ公園こうえん
シュンドルボン西にし野生やせい生物せいぶつ保護ほご区く
シュンドルボン東野とうの生なま生物せいぶつ保護ほご区く
シュンドルボン南みなみ野生やせい生物せいぶつ保護ほご区く

登録とうろく基準きじゅん

この世界せかい遺産いさんは世界せかい遺産いさん登録とうろく基準きじゅんのうち、以下いかの条件じょうけんを満みたし、登録とうろくされた（以下いかの基準きじゅんは世界せかい遺産いさんセンター公表こうひょうの登録とうろく基準きじゅんからの翻訳ほんやく、引用いんようである）。

(9) 陸上りくじょう、淡水たんすい、沿岸えんがんおよび海洋かいよう生態せいたい系けいと動植物どうしょくぶつ群集ぐんしゅうの進化しんかと発達はったつにおいて進行しんこうしつつある重要じゅうような生態せいたい学がく的てき、生物せいぶつ学がく的てきプロセスを示しめす顕著けんちょな見本みほんであるもの。
(10) 生物せいぶつ多様たよう性せいの本来ほんらい的てき保全ほぜんにとって、もっとも重要じゅうようかつ意義いぎ深ふかい自然しぜん生息せいそく地ちを含ふくんでいるもの。これには科学かがく上じょうまたは保全ほぜん上じょうの観点かんてんから、すぐれて普遍ふへん的てき価値かちを持もつ絶滅ぜつめつの恐おそれのある種しゅの生息せいそく地ちなどが含ふくまれる。

開発かいはつの危機きき

バングラデシュ政府せいふがシュンドルボン内ないに火力かりょく発電はつでん所しょの建設けんせつを進すすめており、ユネスコ（世界せかい遺産いさんセンター）と国際こくさい自然しぜん保護ほご連合れんごう（IUCN）が警告けいこくを発はっしているが、バングラデシュ政府せいふは意いに介かいしておらず、世界せかい遺産いさん委員いいん会かいは危機きき遺産いさん指定していや登録とうろくの抹消まっしょうを示唆しさしている^[5]。

ギャラリー

シュンドルボンのベンガルトラ
シュンドルボン
マングローブの森もりとシカの群むれ
シュンドルボンの衛星えいせい写真しゃしん

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Krishnamurthy, K. (1980). “Gondwanaland in Ancient Indian Literature”. In Mary Sears and Daniel Merriman. Oceanography: The Past. New York and Heidelberg and Berlin: Springer-Verlag. p. 788. doi:10.1007/978-1-4613-8090-0_69. ISBN 978-1-4613-8092-4
^ 『地球ちきゅう紀行きこう世界せかい遺産いさんの旅たび』小学館しょうがくかん、1999年ねん、217頁ぺーじ。ISBN 4-09-102051-8。
^ ^a ^b “Sundarbans Reserved Forest | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2003年ねん1月がつ1日にち). 2023年ねん4月がつ3日にち閲覧えつらん。
^ “The Sundarbans” (英語えいご). UNESCO World Heritage Centre. 2023年ねん5月がつ1日にち閲覧えつらん。
^ Sundarbans forest threatened by heedless industrialisation says UN expert, urges Bangladesh govt to take action Firstpost 2018.8.1

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