(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ジョン・ロックフェラー - Wikipedia コンテンツにスキップ

ジョン・ロックフェラー

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ジョン・ロックフェラー
John Rockefeller
1885年ねんに撮影さつえいされた写真しゃしん
生誕せいたん John Davison Rockefeller
(1839-07-08) 1839年ねん7月がつ8日にち
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく ニューヨーク州しゅうリッチフォード
死没しぼつ (1937-05-23) 1937年ねん5月23日にち（97歳さい没ぼつ）
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく フロリダ州しゅうオーモンド・ビーチ
墓地ぼち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく オハイオ州しゅうクリーブランド、Lake View Cemetery
北緯ほくい41度ど30分ふん40秒びょう 西経せいけい81度ど35分ふん28秒びょう / 北緯ほくい41.511度ど 西経せいけい81.591度ど / 41.511; -81.591
国籍こくせき アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
職業しょくぎょう スタンダード・オイル創業そうぎょう者しゃ、
シカゴ大学だいがくとロックフェラー大学だいがくの創設そうせつ
ロックフェラー財団ざいだん創設そうせつ
宗教しゅうきょう バプテスト教会きょうかい
配偶はいぐう者しゃ ローラ・スペルマン
テンプレートを表示ひょうじ

ジョン・デイヴィソン・ロックフェラー・シニア（John Davison Rockefeller, Sr、1839年ねん7月がつ8日にち - 1937年ねん5月23日にち）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの実業じつぎょう家か、慈善じぜん家か。石油せきゆ王おうと称となえられた。

1870年ねんにスタンダード・オイル社しゃを創業そうぎょうし、ピーク時じはアメリカの石油せきゆの90％をコントロールするなど[1]、同社どうしゃは石油せきゆ市場いちばを独占どくせんしてアメリカ初はつのトラストを結成けっせいした。1897年ねんに事実じじつ上じょう引退いんたいし、その後ごは現代げんだい的てきフィランソロピーの構造こうぞうを定義ていぎし、慈善じぜん活動かつどうに力ちからを入いれた[2]。その資産しさんはピーク時じには9億おくドルに上のぼり、国くにの経済けいざいの1.5％以上いじょうであった。物価ぶっかの変動へんどうを考慮こうりょすると史上しじょう最大さいだいの資産しさんを持もつ富豪ふごうとされている[3]。

慈善じぜん活動かつどうの現代げんだい的てきかつ体系たいけい的てきアプローチの構築こうちくに引退いんたい後ごの40年間ねんかん、資産しさんの大だい部分ぶぶんを使つかった。医療いりょう・教育きょういく・科学かがく研究けんきゅう促進そくしんなどを目的もくてきとした財団ざいだんを創設そうせつした[4]。彼かれが創設そうせつした財団ざいだんは医学いがく研究けんきゅうを推進すいしんし、鉤かぎ虫むし症しょうや黄熱病おうねつびょうの根絶こんぜつに貢献こうけんした。また、シカゴ大学だいがくとロックフェラー大学だいがくを創設そうせつした。

熱心ねっしんなバプテスト信者しんじゃであり、生涯しょうがいにわたって米国べいこくバプテスト同盟どうめいを支援しえんした。彼かれは酒さけとタバコを嗜たしなまなかった[5]。

前ぜん半生はんせい[編集へんしゅう]

リッチフォードの生家せいか

ニューヨーク州しゅうリッチフォード（英語えいご版ばん）で、ウィリアム・エーヴリー・ロックフェラー（英語えいご版ばん）（1810年ねん11月13日にち - 1906年ねん5月がつ11日にち）とその妻つまイライザ・デイヴィソン（1813年ねん9月がつ12日にち - 1889年ねん3月がつ28日にち）の6人にんの子供こどもの2番目ばんめとして生うまれた。長年ながねんに渡わたりフランス系けいの起源きげんを持もつとされてきたが、現在げんざいではロックフェラー家かが17世紀せいき初頭しょとうのドイツに始はじまったことが判明はんめいしている[6]。父ちちはかつて林業りんぎょうを営いとなんでいたが、巡回じゅんかいセールスマンとなり「植物しょくぶつの医師いし」(botanic physician) を名乗なのってエリキシールを売うり歩あるいた。近所きんじょの人々ひとびとはそんな珍めずらしいもの好すきの父ちちを "Big Bill" とか "Devil Bill" と呼よんだ[7]。旅たびに出でていることが多おおく、家いえには闖入ちんにゅう者しゃのように時折ときおり帰かえってくるだけだった。父ちちは生涯しょうがいに亘わたって真面目まじめに働はたらこうとせず、常つねに一山ひとやま当あてようと目論もくろんでいるような男おとこだった[8]。イライザは信心しんじん深ふかいバプテストであり、夫おっとが不在ふざいの間あいだ家庭かていを維持いじするため奮闘ふんとうした。夫おっとは頻繁ひんぱんに外そとに女おんなを作つくり、時ときには重婚じゅうこんしていたこともあるが耐たえ抜ぬいた[9]。自然しぜんに倹約けんやくが常つねとなり、息子むすこには「故意こいの浪費ろうひは悲惨ひさんな欠乏けつぼうを招まねく」と教おしえ込こんだ[10]。若わかきロックフェラーも家事かじを手伝てつだい、七面鳥しちめんちょうを育そだてて金かねを稼かせぎ、ジャガイモや飴あめを売うったり、近所きんじょに金かねを貸かすなどして家計かけいを助たすけた。「小皿こざらを大皿おおざらと交換こうかんしろ」という父ちちの助言じょげんに従したがい、彼かれは常つねに取引とりひきで有利ゆうりになることを心こころがけていた。父ちちは「チャンスがあれば息子むすこ達たちも騙だます。そうして奴やつらを敏感びんかんにしたい」と言いっていた[11]。

少年しょうねんのころ一家いっかでニューヨーク州しゅうモレイビアに引越ひっこし、1851年ねんにはさらに同どう州しゅうオウィーゴに引越ひっこしており、オウィーゴでは学校がっこうに通かよっている。1853年ねん、クリーブランド近郊きんこうのストロングスビルに移うつった。クリーブランド中央ちゅうおう高校こうこうで学まなび、商業しょうぎょう専門せんもん学校がっこうで10週間しゅうかんのビジネスコースを受講じゅこうし簿記ぼきを学まなんだ[12]。

父ちちの不在ふざいと頻繁ひんぱんな転居てんきょにもかかわらず、ロックフェラーは行儀ぎょうぎがよく、真面目まじめで、熱心ねっしんな少年しょうねんに育そだった。当時とうじを知しる人ひとは彼かれを、控ひかえ目めで真面目まじめで信心しんじん深ふかく几帳面きちょうめんで分別ふんべつがあったと評ひょうしている。議論ぎろんがうまく、正確せいかくに自分じぶんの考かんがえを表現ひょうげんできた。また音楽おんがく好すきで、将来しょうらいそれで身みを立たてたいという夢ゆめを持もっていた[13]。早はやくから算術さんじゅつと経理けいりの才能さいのうを発揮はっきした。

18歳さいのロックフェラー（1857年ねんごろ）

1855年ねん9月がつ、16歳さいのとき、製造せいぞう委託いたく会社かいしゃ Hewitt & Tuttle にて簿記ぼき助手じょしゅの職しょくを得えた。長時間ちょうじかん働はたらき、そのオフィスの仕事しごとの全すべてに精通せいつうするようになる[14]。特とくに輸送ゆそう費ひの計算けいさんに熟達じゅくたつし、そのことが後々あとあと大おおいに役立やくだった。最初さいしょの3カ月かげつ間あいだの給料きゅうりょうは50ドル（1日にちあたり50セント）だった[15]。当初とうしょから給料きゅうりょうの約やく6%を寄付きふしており、20歳さいのころには10%をバプテスト教会きょうかいに寄付きふしている[16]。

若わかいころ、10万まんドルを貯ためることと100歳さいまで生いきることが目標もくひょうだと語かたっていたという[17]。

1859年ねん、資本しほん金きん4,000ドルでモーリス・B・クラーク（英語えいご版ばん）と共ともに製造せいぞう委託いたく会社かいしゃを設立せつりつ。そこで着実ちゃくじつに利益りえきを上あげていった[18]。食料しょくりょう品ひんの卸売おろしうりからはじめ、1863年ねんには当時とうじクリーブランドの工業こうぎょう地域ちいきだった「ザ・フラッツ」に建設けんせつされる製油せいゆ所しょに投資とうしした。この製油せいゆ所しょを直接ちょくせつ所有しょゆうしていたのは Andrews, Clark & Company で、クラークとロックフェラーと化学かがく者しゃサミュエル・アンドリュース（英語えいご版ばん）とクラークの2人ふたりの兄弟きょうだいが創業そうぎょうした会社かいしゃである。石油せきゆ産業さんぎょうは揺籃ようらん期きだった。鯨油げいゆが大量たいりょうに使用しようするには高価こうかすぎるものとなり、安価あんかな燃料ねんりょうが必要ひつようとされていた時代じだいである[19]。

兄あにフランクが南北戦争なんぼくせんそうで従軍じゅうぐんしたころ、ロックフェラーは彼かれの事業じぎょうも引ひき継ついでいる。北部ほくぶの裕福ゆうふくな人々ひとびとが従軍じゅうぐんする代かわりに北きた軍ぐんに資金しきん提供ていきょうしたように、彼かれも北きた軍ぐんに資金しきん提供ていきょうした[20]。石油せきゆ産業さんぎょう史しに詳くわしいダニエル・ヤーギンが重要じゅうようだと指摘してきする出来事できごとが1865年ねん2月がつに起おこった。クラークと対立たいりつしたロックフェラーが持もち株かぶをクラークに売うり払はらってパートナーシップを解消かいしょうし、精油せいゆ事業じぎょう（彼かれの会社かいしゃが持もっていた精油せいゆ所しょは処理しょり能力のうりょくが1日にちに原油げんゆ500バレルであった。）を72,500ドルで買収ばいしゅうしたのである。その買かい取とった権利けんりを基もとに、化学かがく者しゃのアンドリュースとロックフェラー・アンド・アンドリュース社しゃを設立せつりつした。ロックフェラーも後のちに「その日ひ、私わたしの経歴けいれきが決定けっていした」と述のべている[21]。南北戦争なんぼくせんそう後ご、鉄道てつどうの成長せいちょうと石油せきゆに支ささえられ西部せいぶに向むかって開発かいはつが進展しんてん、ロックフェラーはよい位置いちにつけた。多額たがくの借金しゃっきんをし、利益りえきを再さい投資とうしし、市場いちばの変化へんかに迅速じんそくに対応たいおうしていった[22]。

結婚けっこんと家族かぞく[編集へんしゅう]

1864年ねん9月がつ8日にち、クリーヴランドで教師きょうしのローラ・セレスティア・スペルマン（英語えいご版ばん）（1839 - 1915）と結婚けっこんし、5人にんの子こを授さずかった。ベシー（1866 - 1906）、アリス（1869 - 1870）、アルタ（1871 - 1962）及およびイーディス（1872 - 1932）の4人にんの娘むすめと、末すえっ子この一人ひとり息子むすこジョン・ロックフェラー2世せい（1874 - 1960）である。後のちにロックフェラーは「彼女かのじょの決断けつだんは常つねに私わたしのそれより正ただしい。彼女かのじょの助言じょげんがなければ貧乏びんぼうなままだっただろう」と語かたっている[18]。

スタンダード・オイル[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「スタンダード・オイル」を参照さんしょう
1875年ねんごろの写真しゃしん

南北戦争なんぼくせんそうが終おわったころ、クリーブランドはピッツバーグ、フィラデルフィア、ニューヨーク、原油げんゆの大だい部分ぶぶんを産出さんしゅつしていたペンシルベニア州しゅうと共ともにアメリカの石油せきゆ精製せいせい拠点きょてんのひとつになっていた。1870年ねん6月がつ、ロックフェラーらはスタンダード・オイル・オブ・オハイオを結成けっせいし、オハイオ州しゅうで最もっとも高こう収益しゅうえきな製油せいゆ所しょとなっていった。スタンダード・オイルはアメリカ屈指くっしのガソリンやケロシンの生産せいさん量りょうを達成たっせいするまでに成長せいちょう。熾烈しれつな競争きょうそうにさらされていたペンシルバニア鉄道てつどう(PRR)に代表だいひょうされる鉄道てつどう事業じぎょう者しゃらは鉄道てつどう運賃うんちんを安定あんていに保たもつためカルテル結成けっせいを試こころみ、ペンシルベニアの主要しゅよう産油さんゆ拠点きょてん以外いがいのスタンダード・オイルなどの企業きぎょうと共謀きょうぼうしてサウス・インプルーブメント・カンパニー（英語えいご版ばん）を設立せつりつした[23]。カルテル参加さんか企業きぎょうは大量たいりょう荷に送おく人ひととして優遇ゆうぐうされ、製品せいひんの輸送ゆそう料金りょうきんは最大さいだい50%という値引ねびきを受うけ、競合きょうごう製品せいひんの出荷しゅっかにも割引わりびきが適用てきようされた[23]。その一環いっかんとして通常つうじょうの貨物かもつ輸送ゆそう料金りょうきんの大幅おおはばな値上ねあげが発表はっぴょうされる。独立どくりつ油井ゆせいオーナーらはこれに反発はんぱつし、ボイコットや破壊はかい行為こういなどが発生はっせいし、スタンダード・オイルの取引とりひきに関連かんれんする部分ぶぶんが明あかるみに出でることになった。ニューヨークの主要しゅような製油せいゆ所しょチャールズ・プラット・アンド・カンパニー（英語えいご版ばん）を経営けいえいするチャールズ・プラットとヘンリー・H・ロジャーズが、このカルテルへの反対はんたいの急先鋒きゅうせんぽうとなった。ロジャーズによって率ひきいられたニューヨークの精製せいせい業者ぎょうしゃ達たちは協会きょうかいを組織そしきし、1872年ねんの3月がつ中頃なかごろにチャールズ・プラット・アンド・カンパニーの代表だいひょうとして、ロジャーズを含ふくむ3名めいの委員いいんをオイル・シティ（英語えいご版ばん）の石油せきゆ業者ぎょうしゃ組合くみあいの顧問こもんに送おくり込こんだ。彼かれらは、ペンシルベニアの独立どくりつ石油せきゆ業者ぎょうしゃと共ともに、PRR及および他たの鉄道てつどう会社かいしゃからサウス・インプルーブメント・カンパニーとの疑うたがわしい取引とりひきを終了しゅうりょうすると約束やくそくする協定きょうていを取とり付つけた。結果けっかとして貨物かもつ輸送ゆそう運賃うんちんはこれまでどおりとなった[24]。

報道ほうどうで批難ひなんされたがそれにもめげず、ロックフェラーは競合きょうごうする製油せいゆ所しょの買収ばいしゅう、自社じしゃの経営けいえい効率こうりつの改善かいぜん、石油せきゆ輸送ゆそうの運賃うんちん値引ねびき強要きょうよう、ライバルの切きり崩くずし、秘密ひみつの取引とりひき、投資とうし資金しきんのプール、ライバルの買収ばいしゅうなどの手段しゅだんを駆使くしして事業じぎょうを強化きょうかしていった。1872年ねんにはわずか4カ月かげつでクリーブランドの競合きょうごう企業きぎょう26社しゃのうち22社しゃをスタンダード・オイルに吸収きゅうしゅう合併がっぺいし「クリーブランドの虐殺ぎゃくさつ」と呼よばれた[25]。かつて敵対てきたいしたプラットとロジャーズもスタンダード・オイルと競合きょうごうし続つづけるには限界げんかいがあり、1874年ねん、かつての強敵きょうてきの軍門ぐんもんに下くだる秘密ひみつ協定きょうていを取とり交かわし、彼かれらはロックフェラーのパートナーとなった。ロックフェラーは、協力きょうりょくと統合とうごうの計画けいかくを持もってチャールズ・プラットに接近せっきんした。プラットは、ロジャーズとロックフェラーの提案ていあんについて話はなし合あい、彼かれらは統合とうごうが利益りえきになると判断はんだんした。ロジャーズは条件じょうけんを文書ぶんしょ化かしたが、それはプラットと自分じぶんへの金融きんゆう的てき保証ほしょうと仕事しごとの保証ほしょうをその内容ないようとするものだった。ロックフェラーはロジャーズの申もうし出でを受うけ、チャールズ・プラット・アンド・カンパニー（アストラル・オイル（英語えいご版ばん）を含ふくむ）はロックフェラーの事業じぎょうに加くわわる重要じゅうような独立どくりつ製油せいゆ業者ぎょうしゃの一ひとつとなった。特とくにロジャーズはロックフェラーの片腕かたうでとして、スタンダード・オイル・トラストの結成けっせいに力ちからを発揮はっきすることになる。プラットの息子むすこ、チャールズ・ミラード・プラット(1858 - 1913)はスタンダード・オイルの重役じゅうやくに就任しゅうにんした。

ロックフェラーは競争きょうそう相手あいてにまず自社じしゃの帳簿ちょうぼを見みせてどんな敵てきと戦たたかっていたのかをわからせ、それから正式せいしきな申もうし出でをした。それでも抵抗ていこうする相手あいては倒産とうさんに追おい込こみ、資産しさんを競売きょうばいで安やすく買かい叩たたいた。本人ほんにんは産業さんぎょう界かいの救助きゅうじょ者しゃ「慈悲じひの天使てんし」を自認じにんしており、弱者じゃくしゃを吸収きゅうしゅうすることで産業さんぎょう全体ぜんたいを強化きょうか・効率こうりつ化かし競争きょうそう力りょくを高たかめていると考かんがえていた[26]。スタンダード・オイルは水平すいへい方向ほうこうにも垂直すいちょく方向ほうこうにも成長せいちょうしていった。自前じまえのパイプライン、タンク車しゃ、宅配たくはい網もうを備そなえるようになっていった。製品せいひんが平均へいきん的てき家庭かていで入手にゅうしゅ可能かのうとなるよう原油げんゆ価格かかくを抑おさえ、必要ひつようとあれば競合きょうごう他社たしゃを締しめ出だすために原価げんか割われの価格かかくで製品せいひんを販売はんばいしている。タール、塗料とりょう、ワセリン、チューインガムの原料げんりょうなど、300以上いじょうの石油せきゆ製品せいひんを開発かいはつ。1870年代ねんだい末まつにはアメリカの石油せきゆの90%を精製せいせいするようになった[27]。このころ既すでにロックフェラーは富豪ふごうになっていた[28]。

スタンダード・オイルの株券かぶけん（1887年ねん）

1877年ねん、スタンダード・オイルは主要しゅよう輸送ゆそう業者ぎょうしゃだったペンシルバニア鉄道てつどうと対立たいりつ。原因げんいんは、新あらたな輸送ゆそう手段しゅだんとしてパイプライン輸送ゆそうを採用さいようし、その建設けんせつと取得しゅとくを開始かいししたためである[29]。ペンシルバニア鉄道てつどう側がわはスタンダード・オイルのこの動うごきを運輸うんゆ業ぎょうへの侵出しんしゅつと見みて反撃はんげきすることにし、製油せいゆ所しょやパイプラインの買収ばいしゅうと建設けんせつを進すすめる子会社こがいしゃを設立せつりつした[30]。スタンダード・オイル側がわもこれに応戦おうせんし、他たの鉄道てつどうに輸送ゆそうを切きり替かえ、貨物かもつ運賃うんちんを劇的げきてきに低減ていげんさせる価格かかく競争きょうそうを開始かいしし、労働ろうどう不安ふあんまで引ひき起おこした。結局けっきょくスタンダード・オイルの勝利しょうりとなり、ペンシルバニア鉄道てつどうは石油せきゆ関連かんれんの子会社こがいしゃをスタンダード・オイルに売却ばいきゃくした。しかしその戦たたかいの余波よはとして1879年ねん、ペンシルベニア州しゅう政府せいふはロックフェラーを石油せきゆ業界ぎょうかいを独占どくせんしたとして訴うったえ、他たの州しゅうも次々つぎつぎと同様どうようの訴うったえを起おこし、スタンダード・オイルの商しょう慣行かんこうが全国ぜんこく的てきな問題もんだいとなった[31]。

市場いちばの独占どくせん[編集へんしゅう]

スタンダード・オイルは徐々じょじょに水平すいへい統合とうごうを達成たっせいし、それによってアメリカでの石油せきゆの精製せいせいと販売はんばいをほぼ支配しはい下かにおさめた。灯油とうゆ市場いちばでは、古ふるい流通りゅうつうシステムを自前じまえの垂直すいちょくシステムに置おき換かえた。タンク車しゃで各地かくちに灯油とうゆを運はこび、タンクワゴンで小売こうりの顧客こきゃくに提供ていきょうした。それにより卸売おろしうりの既存きそんのネットワークを迂回うかいした[32]。灯油とうゆの品質ひんしつが向上こうじょうし価格かかくが下さがったにもかかわらず（同社どうしゃが解体かいたいされるまでに灯油とうゆの小売こうり価格かかくは80%も低下ていかした）、スタンダード・オイルの商しょう慣行かんこうは激はげしい議論ぎろんを巻まき起おこした。競争きょうそう相手あいてに対たいするスタンダード・オイルの最もっとも強力きょうりょくな武器ぶきは、低てい価格かかくと顧客こきゃくによって異ことなる価格かかく設定せってい、交通こうつう機関きかんによる秘密ひみつの輸送ゆそう費ひ割引わりびきだった[33]。ジャーナリストや政治せいじ家かが同社どうしゃの独占どくせん的てき手法しゅほうを攻撃こうげきし、反はんトラスト運動うんどうが盛もり上あがった。1880年ねんの New York World 紙かみは同社どうしゃを「これまで我わが国くにに根付ねついた、最もっとも残酷ざんこくで、厚あつかましく、無慈悲むじひな独占どくせん」と評ひょうした[34]。批判ひはんに対たいしてロックフェラーは「我々われわれのような大だい規模きぼなビジネスでは…我々われわれの知しらないところで行おこなわれることもある。我々われわれはそれらを知しったらすぐさま是正ぜせいする」と応おうじた[34]。

当時とうじ「法人ほうじん化かした企業きぎょうは、法人ほうじん格かくの付与ふよを行おこなった州しゅうの外そとでは資産しさんが所有しょゆうできない」という法的ほうてき障害しょうがいを抱かかえていた。そのため、ロックフェラーたちは各州かくしゅうに個別こべつに経営けいえいされる会社かいしゃを所有しょゆうしており、全体ぜんたいの管理かんりがやりにくい状態じょうたいだった。1882年ねん、ロックフェラーの顧問こもん弁護士べんごしだったサミュエル・ドッド（英語えいご版ばん）は、彼かれらの資産しさんを集中しゅうちゅう化かする革新かくしん的てきな企業きぎょう形態けいたいを考案こうあんし、スタンダード・オイル・トラストを誕生たんじょうさせた[35]。「トラスト」は企業きぎょう群ぐんの企業きぎょうであり、その巨大きょだいさと富とみは多おおくの注意ちゅういを惹ひきつけた。会社かいしゃ群ぐんの株式かぶしきを受託じゅたく者しゃに預託よたくし、株式かぶしきを共通きょうつう化か、その預託よたく者しゃによる理事りじ会かいを創設そうせつして巨大きょだいなグループにまとめたものである。このトラストではロックフェラーを含ふくむ9人にんの理事りじが41の企業きぎょうを経営けいえいした[35]。さらに、グループ経営けいえいを円滑えんかつにするために経営けいえい委員いいん会かいを設置せっちした。この経営けいえい委員いいん会かいが理事りじ会かいに代かわって、グループの実際じっさいの経営けいえいを行おこなった。この委員いいん会かいの下したには、輸送ゆそうやパイプラインなどを担当たんとうする専門せんもん委員いいん会かいがあった。一般いっぱん大衆たいしゅうと報道ほうどう機関きかんはこの新あたらしい法人ほうじん形態けいたいを怪あやしんだが、他たの企業きぎょうはこのアイデアに飛とびつき、それによってさらに世論せろんが燃もえ上あがった。スタンダード・オイルは無敵むてきな雰囲気ふんいきを漂ただよわせるようになり、競争きょうそう相手あいてや批判ひはん者しゃや政敵せいてきに対たいして常つねに優位ゆういに立たつようになった。世界せかい的てきにも最もっとも巨大きょだいで裕福ゆうふくで恐おそれられる企業きぎょうとなり、好景気こうけいきと不景気ふけいきの波なみにも影響えいきょうされずに一貫いっかんして利益りえきを生うみ出だすようになった[36]。

アメリカ国内こくないに2万まんの油井ゆせい、4千せんマイルのパイプライン、5千せん台だいのタンク車しゃ、10万まん人にん以上いじょうの従業じゅうぎょう員いんを抱かかえる巨大きょだい帝国ていこくとなった[36]。石油せきゆ精製せいせいの世界せかいシェアは絶頂ぜっちょう期きに90%に達たっしたが、その後ご徐々じょじょに80%にまで低下ていかしていった[37]。トラストを結成けっせいし敵てきがいなくなったにもかかわらず、1880年代ねんだいのスタンダード・オイルは世界せかいの石油せきゆ市場いちばを支配しはいする絶頂ぜっちょう期きから衰退すいたいしはじめた。ロックフェラーは世界中せかいじゅうの石油せきゆ精製せいせいを支配しはいする夢ゆめをあきらめ、後のちに「我々われわれが実際じっさいに石油せきゆ産業さんぎょうを完全かんぜんに支配しはいしていたら、世論せろんがそれに反発はんぱつしていただろうということに気付きづいた」と認みとめている[37]。海外かいがいの競合きょうごう企業きぎょう設立せつりつや海外かいがいでの油田ゆでん発見はっけんにより、スタンダード・オイルの優位ゆういが徐々じょじょに崩くずれていった。1880年代ねんだい初はじめ、ロックフェラーは最もっとも重要じゅうような革新かくしんを生うみ出だした。すなわち、原油げんゆ価格かかくを直接ちょくせつ操作そうさするのではなく、市場いちばの状況じょうきょうに合あわせて石油せきゆの保管ほかん料りょうを操作そうさすることで間接かんせつ的てきに制御せいぎょするようにしたのである。さらにパイプライン内ないの石油せきゆに対たいして証明しょうめい書しょを発行はっこう。この証明しょうめい書しょは投機とうき家かによる売買ばいばい対象たいしょうとなり、事実じじつ上じょうの石油せきゆ先物さきもの市場いちばが形成けいせいされ、石油せきゆ価格かかくがそこで決定けっていされるようになった。1882年ねん後半こうはん、石油せきゆ先物さきもの取引とりひきを容易よういにするため、マンハッタンに National Petroleum Exchange が創設そうせつされた[38]。

1880年代ねんだい、世界せかいの原油げんゆの85%はペンシルベニア産さんだったが、ロシアやアジアの油田ゆでんからの石油せきゆが世界せかい市場いちばに出回でまわり始はじめた[39]。ロベルト・ノーベル（英語えいご版ばん）は埋蔵まいぞう量りょうの豊富ほうふなロシアの油田ゆでんに石油せきゆ精製せいせい会社かいしゃを作つくり、パイプラインやタンカーも備そなえるようになっていった。パリのロスチャイルド家かも石油せきゆ事業じぎょうへの投資とうしに乗のり出だした[40]。さらにビルマやジャワでも油田ゆでんが発見はっけんされた。さらに白熱はくねつ電球でんきゅうが発明はつめいされ、照明しょうめい目的もくてきで灯油とうゆを燃もやすことが減へっていった。スタンダード・オイルはそれでも状況じょうきょうに適応てきおうすべくヨーロッパに進出しんしゅつし、アメリカでは天然てんねんガスの生産せいさんを手てがけ、自動車じどうしゃ向むけにそれまで使つかい道みちがほとんどなかったガソリンを増産ぞうさんした[41]。

スタンダード・オイルはニューヨークに本社ほんしゃを移転いてんし、ロックフェラーはニューヨーク実業じつぎょう界かいの中心ちゅうしん人物じんぶつとなった。1884年ねん、ウィリアム・ヘンリー・ヴァンダービルトなど富豪ふごうが多おおく住すむ54番ばん街がいに自宅じたくを構かまえる。街まちを歩あるけば慈善じぜん活動かつどうを嘆願たんがんする者ものが常つねに群むらがり、生命せいめいの危険きけんもあったが、毎日まいにちオフィスまで列車れっしゃで通とおった[42]。1887年ねん議会ぎかいは州しゅう際ぎわ通商つうしょう委員いいん会かいを創設そうせつし、鉄道てつどう貨物かもつ運賃うんちんの統一とういつを強制きょうせいしたが、そのころにはスタンダード・オイルの石油せきゆ輸送ゆそうの中心ちゅうしんはパイプラインになっていた[43]。さらに1890年ねんにシャーマン法ほうが成立せいりつしてスタンダード・オイルへの大おおきな脅威きょういとなり、最終さいしゅう的てきにスタンダード・オイル・トラストが解体かいたいされる主しゅ要因よういんとなった[44]。特とくにオハイオ州しゅうは反はんトラスト法ほうの適用てきようを厳きびしく実施じっしし、スタンダード・オイル・オブ・オハイオは1892年ねんにトラストから分離ぶんりされることになり、トラスト解体かいたいの端緒たんしょとなった[44]。しかし、1889年ねんにニュージャージー州しゅうで州しゅう内ないの法人ほうじんが他たの法人ほうじんの株式かぶしきの所有しょゆうを認みとめる法律ほうりつが成立せいりつしたため、この法律ほうりつを使つかい再さい編成へんせいが可能かのうとなった。それはトラストを解体かいたいし、ニュージャージー・スタンダード・オイル社しゃに全米ぜんべいにある系列けいれつ会社かいしゃの株式かぶしきの全部ぜんぶ又または大だい部分ぶぶんを所有しょゆうさせ、合法ごうほう的てきな持株もちかぶ会社かいしゃにすることであった。この再さい編成へんせいの結果けっか、全国ぜんこく規模きぼの事業じぎょう展開てんかいが可能かのうになる上うえ、トラストに対たいする攻撃こうげきに対たいしての緊急きんきゅう避難ひなん口こうとなった。

1890年代ねんだいに入はいると鉄てつ鉱山こうざんと鉄鉱てっこう石せきの輸送ゆそうに事業じぎょうを拡大かくだいし、鉄鋼てっこう王おうアンドリュー・カーネギーと衝突しょうとつするようになり、新聞しんぶんなどで彼かれらの対立たいりつがよく報道ほうどうされるようになった[45]。また、ペンシルベニアの原油げんゆ産出さんしゅつ量りょうが減少げんしょうしてきたため、オハイオ、インディアナ、ウェストバージニアの原油げんゆ生産せいさん拠点きょてんを買かい漁あさり始はじめた[46]。この急激きゅうげきな事業じぎょう拡大かくだいの時期じきに、ロックフェラーは引退いんたいを考かんがえ始はじめている。トラストの日常にちじょうの経営けいえいはジョン・ダスティン・アーチボルド（英語えいご版ばん）に任まかせ、ニューヨーク市しの北きたに新あらたな邸宅ていたくを購入こうにゅうし、自転車じてんしゃやゴルフなどに興きょうじる悠々自適ゆうゆうじてきな生活せいかつを送おくるようになった[47]。

産業さんぎょう界かいの王おうロックフェラー（1901年ねん、Puck誌しに掲載けいさいされた風刺ふうし画が）

大統領だいとうりょうに昇格しょうかくしたセオドア・ルーズベルトはシャーマン法ほう違反いはん訴訟そしょうをいくつも起おこし、議会ぎかいから改革かいかく案あんを引ひき出だした。1901年ねん、カーネギーの鉄鋼てっこう関連かんれん資産しさんを引ひき継ついだUSスチールの実権じっけんを、ジョン・モルガンが握にぎるようになり、スタンダード・オイルの鉄てつ関連かんれん事業じぎょうもUSスチールに売却ばいきゃくされた。この取引とりひきを仲介ちゅうかいしたのはヘンリー・クレイ・フリック（英語えいご版ばん）で、スタンダード・オイルの鉄てつ関連かんれん事業じぎょうとUSスチールの株式かぶしきを交換こうかんし、ロックフェラーとその息子むすこがUSスチールの取締役とりしまりやくに就任しゅうにんしている。1902年ねん、63歳さいで正式せいしきに引退いんたいしたとき、投資とうしにより5800万まんドル以上いじょうを得えた[48]。

しかし、スタンダード・オイルに対たいする批判ひはんや訴訟そしょうは依然いぜんとして多おおく、特とくに1904年ねんのイーダ・ターベルによる『スタンダード・オイルの歴史れきし The History of the Standard Oil Company』出版しゅっぱん後ごにはその攻撃こうげきの声こえは高たかまった。その本ほんでは、同社どうしゃのスパイ活動かつどう、価格かかく操作そうさ、強引ごういんなマーケティング戦術せんじゅつ、訴訟そしょう回避かいひの戦術せんじゅつなどを暴露ばくろしている[49]。ターベルはその反響はんきょうの大おおきさに驚おどろいた。彼女かのじょの父ちちはサウス・インプルーブメント・カンパニーの件けんで石油せきゆ事業じぎょうから撤退てったいしたという経歴けいれきを持もっていた。

ロックフェラーはターベルについて公おおやけには「その思おもい違ちがいをしている女性じょせいについて言いうことは何なにもない」と発言はつげん[49]。一方いっぽうで彼かれと会社かいしゃのイメージを改善かいぜんするキャンペーンを開始かいしした。長年ながねん、報道ほうどう機関きかんには沈黙ちんもくを保たもつという方針ほうしんだったが、「資本しほん家かと労働ろうどう者しゃはどちらも荒々あらあらしい力ちからを持もっており、何なんらかの制限せいげんを加くわえる知的ちてきな立法りっぽうが必要ひつようである」というようなコメントを発はっするようになった[50]。

1908年ねんには回想かいそう録ろくを出版しゅっぱんしている。批評ひひょう家かはその回想かいそう録ろくがきれいに取とり繕つくろわれたもので、「事業じぎょう成功せいこうの潜在せんざい的てきな必須ひっすの要因よういんは、高度こうどな取引とりひきについての法律ほうりつに従したがうことだ」などという文言もんごんはロックフェラーのビジネスの実態じったいとはかけ離はなれているとした[50]。

ロックフェラーは1911年ねんまで名目めいもく上じょうの社長しゃちょうの肩書かたがきを保たもち、持もち株かぶも保持ほじしていた。ついに1911年ねん5月15日にちにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく最高裁判所さいこうさいばんしょは、スタンダード・オイル（64%の市場いちば占有せんゆう率りつを保持ほじした）がシャーマン法ほうに違反いはんしているとの判決はんけつを下くだした。その時点じてんで同社どうしゃは石油せきゆ精製せいせい市場いちばの70%を占しめていたが、アメリカでの原油げんゆ供給きょうきゅう量りょうの14%しか握にぎっていなかった[51]。最高裁さいこうさいはトラストが不法ふほうに市場いちばを独占どくせんしているとして解体かいたい命令めいれいを下くだし、同社どうしゃはおよそ37の新しん会社かいしゃに分割ぶんかつされた。現在げんざいのコノコフィリップスの一部いちぶとなったコノコ、BPの一部いちぶとなったアモコ、エクソンモービルの一部いちぶとなったエッソとモービル、シェブロン、ペンゾイルといった石油せきゆ企業きぎょうは、旧きゅうスタンダード・オイルが前身ぜんしんになっている[52]。

解体かいたいされた時点じてんでロックフェラーはスタンダード・オイルの25%以上いじょうの株式かぶしきを所有しょゆうしていた[53]。彼かれも含ふくめ株主かぶぬしは分離ぶんり後ごの各社かくしゃの株式かぶしきを元々もともとの株式かぶしきの割合わりあいの分ぶんだけ得えている。ロックフェラーの石油せきゆ業界ぎょうかいへの影響えいきょう力りょくは減退げんたいしたが、その後ご10年間ねんかんで各社かくしゃの株式かぶしきから多大ただいな利益りえきを得えている。それらの会社かいしゃの価値かちの合計ごうけいは解体かいたい前まえの5倍ばいに膨ふくれ上あがり、ロックフェラーの個人こじん資産しさんは9億おくドルに膨ふくれ上あがった[51]。

慈善じぜん活動かつどう[編集へんしゅう]

ロックフェラーは若わかいころから教会きょうかいに収入しゅうにゅうの10%を寄付きふしていた（十じゅう分ぶんの一いち税ぜい）[54]。その教会きょうかいは後のちに米国べいこくバプテスト同盟どうめいに加入かにゅうし、南北戦争なんぼくせんそう後ごの南部なんぶでの解放かいほう奴隷どれい支援しえん運動うんどうを推進すいしんすることになった。ロックフェラーが裕福ゆうふくになるに連つれて寄付きふも増ふえ、主おもに教育きょういくや公衆こうしゅう衛生えいせい目的もくてきだが、基礎きそ科学かがくや芸術げいじゅつ目的もくてきでも寄付きふを行おこなった。1891年ねん以降いこうは Frederick Taylor Gates[55] というバプテストの牧師ぼくしが寄付きふ先さきを助言じょげんし[56]、1897年ねん以降いこうは息子むすこも助言じょげんした。

Efficiency Movement の信奉しんぽう者しゃであり、「非ひ効率こうりつな学校がっこう、場所ばしょが悪わるい学校がっこう、不要ふような学校がっこうを助たすけるのは無駄むだである…全国ぜんこく的てきな高等こうとう教育きょういくシステム増強ぞうきょうのための浅あさはかな教育きょういくプロジェクトで金かねを浪費ろうひするくらいなら、もっと適切てきせつな我々われわれのニーズにあった金かねの使つかい道みちがあったはずだ」と主張しゅちょうしていた[57]。

彼かれと助言じょげん者しゃは条件じょうけん付つきの寄付きふを考案こうあん。その条件じょうけんとは、寄付きふ者しゃが個人こじん的てきに気遣きづかっている人々ひとびとのなるべく大勢おおぜいに影響えいきょうするような組織そしきを根付ねつかせることで、そうできたならさらに注意深ちゅういぶかくその組織そしきを観察かんさつしてさらなる協力きょうりょくをすることになるかもしれない、というものだった[58]。

1884年ねん、アトランタにアフリカ系けいアメリカ人じん女性じょせいを対象たいしょうとする大学だいがく創設そうせつのための資金しきんを提供ていきょう。ロックフェラーの親戚しんせきで南北戦争なんぼくせんそう以前いぜんから奴隷どれい制度せいど廃止はいし運動うんどうに熱心ねっしんだった人ひとの名なを冠かんしてスペルマン大学だいがく（英語えいご版ばん）が創設そうせつされた[59]。スペルマン大学だいがくの現存げんそんする最古さいこの建物たてものはロックフェラー・ホールと呼よばれている[60]。デニソン大学だいがく[61]をはじめとするバプテスト系けいの大学だいがくにも多額たがくの寄付きふをしている。

シカゴ大学だいがくは元々もともとはバプテスト系けいの小ちいさな大学だいがくとして存在そんざいしていたが財政難ざいせいなんで1886年ねんに閉鎖へいさされた。ロックフェラーが8000万まんドルを寄付きふしたことで、新しん学長がくちょうウィリアム・レイニー・ハーパー（英語えいご版ばん）の下したで1890年ねんに世界せかい的てきな大学だいがくとして再さい出発しゅっぱつした[62]。

ロックフェラーの資金しきん提供ていきょうで1903年ねんに創設そうせつされた一般いっぱん教育きょういく委員いいん会かい（英語えいご版ばん）[63]は、アメリカ全土ぜんどの様々さまざまなレベルの教育きょういく促進そくしんのための組織そしきである[64]。歴史れきし的てきにはバプテストとの関かかわりが強つよく、特とくに南部なんぶの黒人こくじん教育きょういくに熱心ねっしんだった[64]。また、イェール大学だいがく、ハーバード大学だいがく、コロンビア大学ころんびあだいがく、ブラウン大学だいがく、ウェルズリー大学だいがく、ヴァッサー大学だいがくといった東部とうぶの以前いぜんからある大学だいがくにも財政ざいせい支援しえんをしている。教育きょういくそのものの研究けんきゅうはカーネギー教育きょういく振興しんこう財団ざいだんが行おこなっており、同どう財団ざいだんはアメリカでの医学いがく教育きょういくに革新かくしんをもたらした。

ロックフェラーと息子むすこ（1915年ねん）

個人こじん的てきにはホメオパシーの信奉しんぽう者しゃだったが、Gatesの助言じょげんもあって医学いがく研究けんきゅうに多大ただいな貢献こうけんをした。1901年ねん、ニューヨークにロックフェラー医学いがく研究所けんきゅうじょを創設そうせつ[63]。同どう研究所けんきゅうじょは1965年ねんにロックフェラー大学だいがくとなり、医学いがく以外いがいも扱あつかうようになった[65]。ロックフェラー大学だいがくの関係かんけい者しゃから23人にんのノーベル賞しょう受賞じゅしょう者しゃが出でている[66]。1909年ねん、ロックフェラー衛生えいせい委員いいん会かいを創設そうせつ[63]。同どう委員いいん会かいはアメリカ南部なんぶの農村のうそん地帯ちたいで長年ながねん問題もんだいとなっていた鉤かぎ虫むし症しょうの根絶こんぜつに貢献こうけんした[67]。先述せんじゅつの一般いっぱん教育きょういく委員いいん会かいは、1910年ねんに公表こうひょうされた Flexner Report の勧告かんこくに強つよく影響えいきょうされ、出資しゅっし先さきががらりと変化へんかした。

1913年ねん、ロックフェラー財団ざいだんを創設そうせつ[68]。1915年ねんに廃止はいしされた衛生えいせい委員いいん会かいの後のちを引ひき継つぎつつ、対象たいしょう範囲はんいを広ひろげた[63][69]。この財団ざいだんに2億おく5000万まんドル近ちかくを与あたえており[59]、公衆こうしゅう衛生えいせい、医学いがく教育きょういく、芸術げいじゅつなどを主おもな寄付きふ対象たいしょうとした。同どう財団ざいだんは、ジョンズ・ホプキンス大学だいがくにアメリカ初はつの公衆こうしゅう衛生えいせい大学院だいがくいん（現在げんざいのブルームバーグ公衆こうしゅう衛生えいせい大学院だいがくいん）を創設そうせつする資金しきんを提供ていきょうした[63][70]。また、中国ちゅうごくに北京ぺきん協和きょうわ医学いがく院いん（英語えいご版ばん）を建設けんせつした[61]。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん時ときは戦時せんじ救護きゅうご活動かつどうを支援しえんし[71]、労使ろうし関係かんけいを研究けんきゅうする部門ぶもんを創設そうせつして後のちにカナダ首相しゅしょうとなるウィリアム・ライアン・マッケンジー・キングをディレクターとして雇やとった[72]。1920年代ねんだいには、鉤かぎ虫ちゅう根絶こんぜつキャンペーンを展開てんかいした。このキャンペーンでは政治せいじ家かや医療いりょう関係かんけい者しゃを使つかい、政治せいじと科学かがくの両面りょうめんからキャンペーンを展開てんかいした[73]。

肖像しょうぞう画が（ジョン・シンガー・サージェント画が、1917年ねん）

ロックフェラーの4番目ばんめの大おおきな慈善じぜん事業じぎょうとして、1918年ねんにローラ・スペルマン・ロックフェラー記念きねん財団ざいだんを創設そうせつ[74]。主おもに社会しゃかい研究けんきゅうに資金しきん提供ていきょうした。後のちにロックフェラー財団ざいだんに吸収きゅうしゅうされた。ロックフェラーは総額そうがく5億おく5000万まんドルを寄付きふしている。

1925年ねんには、関東大震災かんとうだいしんさいで被災ひさいした東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく図書館としょかんの復興ふっこう資金しきんとして400万まん円えんを寄付きふした[75]。当初とうしょ、大学だいがくは図書としょの購入こうにゅう費ひとして200万まん円えんを要望ようぼうしていたが、ロックフェラー側がわが耐震たいしん耐火たいかの建物たてものも必要ひつようであるとして倍額ばいがくの寄付きふを行おこなったものである[76]。

晩年ばんねんのロックフェラーは、どこへ行いっても大人おとなには10セント硬貨こうか、子こどもには5セント硬貨こうかをあげることで知しられるようになった。ふざけて、ハーベイ・ファイアストーンのような富豪ふごうにも硬貨こうかを与あたえた[77]。

死しと遺産いさん[編集へんしゅう]

レイクビュー墓地ぼちにあるロックフェラー家かの記念きねん碑ひ（オベリスク）

1937年ねん5月がつ23日にち、98歳さいの誕生たんじょう日びの2カ月かげつ前まえに、フロリダ州しゅうオーモンド・ビーチ（英語えいご版ばん）の自宅じたく The Casements にて動脈どうみゃく硬化こうかが元もとで亡なくなった[78]。オハイオ州しゅうクリーブランドのレイクビュー墓地ぼちに埋葬まいそうされた。しかしながらその時とき、巨額きょがくの財産ざいさんのごくわずかしか持もっていなかった。

ロックフェラーは自みずからの一族いちぞくに莫大ばくだいな生前せいぜん贈与ぞうよを行おこない、とりわけ息子むすこのジョン・D・ロックフェラー・ジュニアには多おおくを与あたえた。結果けっか、一族いちぞくは20世紀せいきのアメリカで最もっとも豊ゆたかで最もっとも影響えいきょう力りょくを持もつ一家いっかとなった。ロックフェラーの孫まごデイヴィッド・ロックフェラーはチェース・マンハッタン銀行ぎんこう（現在げんざいはJPモルガン・チェースの一部いちぶ）のCEOを20年間ねんかん務つとめた。同おなじくロックフェラーの孫まごネルソン・ロックフェラーは、ジェラルド・フォード大統領だいとうりょうの下したで副ふく大統領だいとうりょうに就任しゅうにんし、もう一人ひとりの孫まごウィンスロップ・ロックフェラーはアーカンソー州しゅう知事ちじに就任しゅうにんした。彼かれの曾孫そうそんジョン・ロックフェラー4世せいは、現在げんざい民主党みんしゅとうのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく上院じょういん議員ぎいんであり、かつてはウェストバージニア州しゅう知事ちじを務つとめていた。

生涯しょうがいを表現ひょうげんした詩し[編集へんしゅう]

86歳さいのとき自分じぶんの生涯しょうがいを次つぎのような詩しで表現ひょうげんした[79]。

「

I was early taught to work as well as play,
My life has been one long, happy holiday;
Full of work and full of play-
I dropped the worry on the way-
And God was good to me everyday.

」

後世こうせいの評価ひょうか[編集へんしゅう]

ロックフェラーは石油せきゆ業界ぎょうかいで長ながく活躍かつやくし、その後ごは慈善じぜん活動かつどうで長ながく活躍かつやくした。そのため彼かれのイメージはそれらの融合ゆうごうしたものとなり、同どう時代じだいの人々ひとびとからは様々さまざまな見方みかたをされた。例たとえば彼かれと競合きょうごうした人々ひとびとの中なかには破産はさんに追おい込こまれた者ものがいる一方いっぽう、スタンダード・オイルの株式かぶしきを対価たいかとして得えた者ものもいれば、一部いちぶには同社どうしゃの重役じゅうやくになり裕福ゆうふくになった者ものもいる。また政治せいじ家かや作家さっかには、ロックフェラーと良好りょうこうな関係かんけいを築きずいた者ものもいるし、ロックフェラーに代表だいひょうされる「泥棒どろぼう男爵だんしゃく」と戦たたかうことを選えらんだ者ものもいる。

伝記でんき作家さっかアラン・ネヴィンス（英語えいご版ばん）はロックフェラーの敵てきへの答こたえとして次つぎのようにまとめた。

「 スタンダード・オイルが巨額きょがくの富とみを追求ついきゅうしたのは貧困ひんこんゆえではない。それは一瞬いっしゅんで得えられたものではなく、多おおくの資本しほん家かが避さけるようなリスクの高たかい分野ぶんやで四半世紀しはんせいきに亘わたって果敢かかんに挑いどんだ成果せいかであり、アメリカの産業さんぎょう界かいでこれほど聡明そうめいかつ卓見たっけんな計画けいかくは他たに類るいを見みない。1894年ねん時点じてんの石油せきゆ業界ぎょうかいは、同どう時期じきの鉄鋼てっこう業界ぎょうかい、金融きんゆう業界ぎょうかい、鉄道てつどう業界ぎょうかいより規模きぼが小ちいさかった。しかし、スタンダード・オイルは他者たしゃの資産しさんを活用かつようして富とみを得えたとする主張しゅちょうがよく見みられる。ロックフェラーが一貫いっかんして他社たしゃの買収ばいしゅうにおいて公正こうせいに資産しさんを評価ひょうかしたという証拠しょうこは豊富ほうふに存在そんざいする。ある歴史れきし家かはロックフェラーがカーネギーよりも人道的じんどうてきだったと主張しゅちょうしている。彼かれの蓄財ちくざいが当時とうじとしては最もっとも汚よごれていないとする論ろんも存在そんざいする。[80] 」

伝記でんき作家さっかロン・チャーナウ（英語えいご版ばん）はロックフェラーについて次つぎのように記しるしている。

「 彼かれの問題もんだい、そしてなぜ彼かれが相反あいはんする反応はんのうを引ひき起おこし続つづけるかは、彼かれの良よい面めんはとことん良よく、悪わるい面めんはそれと同おなじくらい悪わるかったためである。史上しじょうこれほど矛盾むじゅんした人物じんぶつは他たにいない。[81] 」

ロックフェラーは単たんにその蓄たくわえた資産しさんの大おおきさでも記憶きおくされている。1902年ねんのアメリカのGDPは240億おくドルだったが、同年どうねんのロックフェラーの資産しさんは約やく2億おくドルに達たっしていた[82]。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん直前ちょくぜんにはガソリンの年間ねんかん販売はんばい額がくが9億おくドルに達たっし、金融きんゆう・運輸うんゆ・鉱業こうぎょうなどの産業さんぎょうにも投資とうしし、アメリカの経済けいざい成長せいちょうと共ともに彼かれの資産しさんも増ふえ続つづけた。ニューヨーク・タイムズ紙かみの死亡しぼう記事きじには「ロックフェラー氏しが引退いんたいした時点じてんでスタンダード・オイルや他たの投資とうしから蓄積ちくせきした資産しさんは9億おくドルと推定すいていされていた。これは個人こじんが自身じしんの努力どりょくで蓄積ちくせきしたものとしては史上しじょう最大さいだいの富とみであった」とある[83]。

ヨーロッパで人気にんきのあるディズニーキャラクターのジョン・D・ロッカーダックは、ロックフェラーの慈善じぜん事業じぎょうに因ちなんで命名めいめいされた。ロッカーダックは、通とおりにいる人達ひとたちに光ひかる新あたらしい硬貨こうかを分わけ与あたえる習慣しゅうかんを持もっている。

LIFE誌しが1999年ねんに選えらんだ「この1000年ねんで最もっとも重要じゅうような功績こうせきを残のこした世界せかいの人物じんぶつ100人にん」に選えらばれている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ "The Richest Americans". Fortune (CNN). RetrievedMarch 25, 2016.
  2. ^ “John D. and Standard Oil”. Bowling Green State University. 2008年ねん5月がつ4日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2008年ねん5月がつ13日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “Top 10 Richest Men Of All Time”. AskMen.com. 2007年ねん5月がつ29日にち閲覧えつらん。
  4. ^ Fosdick 1989.
  5. ^ John D. Rockefeller, by Albro Martin, Encyclopedia Americana 1999 Vol. 23
  6. ^ Rockefeller hatte Neuwieder Wurzeln 2010年ねん11月19日にち付づけライン新聞しんぶん
  7. ^ Chernow 1998, p. 11.
  8. ^ Chernow 1998, p. 6.
  9. ^ Chernow 1998, p. 43.
  10. ^ Segall 2001, p. 14.
  11. ^ Segall 2001, pp. 15–16.
  12. ^ Ellen Greenman Coffey, Nancy Shuker, John D. Rockefeller, empire builder (Silver Burdett, 1989), pg. 18, 30
  13. ^ Chernow 1998, p. 40.
  14. ^ Chernow 1998, p. 46.
  15. ^ Chernow 1998, p. 47.
  16. ^ Chernow 1998, p. 50.
  17. ^ Stevens, Mark (2008). Rich is a Religion: Breaking the Timeless Code to Wealth. John Wiley & Sons. p. 135. ISBN 978-0-470-25287-1 
  18. ^ a b Segall 2001, p. 25.
  19. ^ Chernow 1998, pp. 73–74.
  20. ^ Segall 2001, p. 28.
  21. ^ Segall 2001, p. 32.
  22. ^ Segall 2001, pp. 32, 35.
  23. ^ a b Segall 2001, p. 42.
  24. ^ Segall 2001, p. 43.
  25. ^ Segall 2001, p. 44.
  26. ^ Segall 2001, p. 46.
  27. ^ Segall 2001, pp. 48–49.
  28. ^ Segall 2001, p. 52.
  29. ^ Chernow 1998, p. 171.
  30. ^ Segall 2001, p. 57.
  31. ^ Segall 2001, p. 58.
  32. ^ Chernow 1998, p. 253.
  33. ^ Chernow 1998, p. 258.
  34. ^ a b Segall 2001, p. 60.
  35. ^ a b Segall 2001, p. 61.
  36. ^ a b Chernow 1998, p. 249.
  37. ^ a b Segall 2001, p. 67.
  38. ^ Chernow 1998, p. 259.
  39. ^ Chernow 1998, p. 242.
  40. ^ Chernow 1998, p. 246.
  41. ^ Segall 2001, p. 68.
  42. ^ Segall 2001, pp. 62–63.
  43. ^ Rockefeller 1984, p. 48.
  44. ^ a b Segall 2001, p. 69.
  45. ^ Segall 2001, p. 77.
  46. ^ Chernow 1998, p. 287.
  47. ^ Segall 2001, pp. 79–80.
  48. ^ Segall 2001, p. 84.
  49. ^ a b Segall 2001, p. 89.
  50. ^ a b Segall 2001, p. 91.
  51. ^ a b Segall 2001, p. 93.
  52. ^ Segall 2001, p. 112.
  53. ^ Chernow 1998, p. 333.
  54. ^ Ordway, Cristopher (2009). Reveal the Rockefeller Within!. Dog Ear Publishing. p. 107. ISBN 978-1-59858-904-7 
  55. ^ Coon, Horace (1990). Money to burn: great American foundations and their money. Transaction Publishers. p. 27. ISBN 0-88738-334-3 
  56. ^ Creager, Angela (2002). The life of a virus: tobacco mosaïc virus as an experimental model, 1930-1965. The University of Chichago Press. p. 42. ISBN 0-226-12025-2 
  57. ^ Rockefeller 1984, p. 69.
  58. ^ Rockefeller 1984, p. 183.
  59. ^ a b Weir, Robert (2007). Class in America: Q-Z. Greenwood Press. p. 713. ISBN 978-0-313-34245-5 
  60. ^ Miller-Bernal, Leslie (2006). Challenged by coeducation: women's colleges since the 1960s. Vanderbilt University Press. p. 235. ISBN 0-8265-1542-8 
  61. ^ a b Fosdick 1989, pp. 5, 88.
  62. ^ Dobell, Byron (1985). A Sense of history: the best writing from the pages of American heritage. American Heritage Press. p. 457. ISBN 0-8281-1175-8 
  63. ^ a b c d e Brison, Jeffrey David (2005). Rockefeller, Carnegie, and Canada: American philanthropy and the arts and the arts and letters in Canada. McGill-Queen's University Press. pp. 27, 31, 62. ISBN 0-7735-2868-7 
  64. ^ a b Jones-Wilson, Faustine Childress (1996). Encyclopedia of African-American education. Greenwood Press. p. 184. ISBN 0-313-28931-X 
  65. ^ Unger, Harlow (2007). Encyclopedia of American Education: A to E. Infobase Publishing. p. 949. ISBN 0-8160-6887-9 
  66. ^ Beaver, Robyn (2008). KlingStubbins: palimpsest. Images Publishin Group. p. 334. ISBN 978-1-86470-295-8 
  67. ^ Hotez, Peter (2008). Forgotten people, forgotten diseases: the neglected tropical diseases and their impact on global health and development. ASM Press. p. 20. ISBN 978-1-55581-440-3 
  68. ^ Klein 2005, p. 143.
  69. ^ Sealander, Judith (1997). Private wealth & public life: foundation philanthropy and the reshaping of American soclial policy from the Progressive Era to the New Deal. The Johns Hopkins University Press. p. 58. ISBN 0-8018-5460-1 
  70. ^ Freeman, A. W. (July 1922). The Rotarian. p. 20 
  71. ^ Schneider, William Howard (1922). Rockefeller philanthropy and modern biomedicine: international initiatives from World War I to Cold War. Indiana University Press. p. 11. ISBN 0-253-34151-5 
  72. ^ Prewitt, Kenneth; Mettei Dogan, Steven Heydmann, Stefan Toepler (2006). The legitimacy of philanthropic foundations: United States and European perspectives. Russel Sage Foundation. p. 68. ISBN 0-87154-696-5 
  73. ^ Birn, Anne-Emanuelle; Armando Solorzano (1999). “Public health policy paradoxes: science and politics in the Rockefeller Foundation's hookworm campaign in Mexico in the 1920s.”. Social Science & Medicine 49 (9): 1197–1213. 
  74. ^ “Laura Spelman Rockefeller Memorial Foundation”. Famento, Inc.. 2011年ねん10月がつ6日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2011年ねん4月がつ21日にち閲覧えつらん。
  75. ^ 「図書館としょかんにロックフェラーが四よん百ひゃく万まん円えん寄付きふ」『東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん』1925年ねん1月がつ16日にち（大正たいしょうニュース事典じてん編纂へんさん委員いいん会かい 『大正たいしょうニュース事典じてん第だい7巻かん 大正たいしょう14年ねん-大正たいしょう15年ねん』本編ほんぺんp.497 毎日まいにちコミュニケーションズ刊かん 1994年ねん）
  76. ^ 「寄附きふ金額きんがくは東大とうだいの申もうし出での倍額ばいがく」『大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん』1925年ねん1月がつ19日にち（大正たいしょうニュース事典じてん編纂へんさん委員いいん会かい 『大正たいしょうニュース事典じてん第だい7巻かん 大正たいしょう14年ねん-大正たいしょう15年ねん』本編ほんぺんpp.497-498 毎日まいにちコミュニケーションズ刊かん 1994年ねん）
  77. ^ Chernow 1998, pp. 613–14.
  78. ^ “The Richest Man In History: Rockefeller is Born”. Evancarmichael.com. 2010年ねん9月がつ11日にち閲覧えつらん。
  79. ^ “Microsoft Word - lee.doc” (PDF). 2010年ねん9月がつ11日にち閲覧えつらん。
  80. ^ Latham 1949, p. 104.
  81. ^ Chernow 1998.
  82. ^ “U.S. Gdp”. Measuring Worth. 2010年ねん9月がつ11日にち閲覧えつらん。
  83. ^ “John D. Rockefeller and the Magnificent Bribe | Strike-The-Root: A Journal Of Liberty”. Strike-The-Root (2003年ねん7月がつ8日にち). 2010年ねん9月がつ11日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Bringhurst, Bruce. Antitrust
  • Chernow, Ron (1998), Titan: The Life of John D. Rockefeller, Sr., Random House, ISBN 978-0-679-75703-0 
  • Collier, Peter, and David Horowitz. The Rockefellers: An American Dynasty. New York: Holt, Rinehart and Winston, 1976.
  • Ernst, Joseph W., editor. "Dear Father"/"Dear Son:" Correspondence of John D. Rockefeller and John D. Rockefeller, Jr. New York: Fordham University Press, with the Rockefeller Archive Center, 1994.
  • Folsom, Jr., Burton W. The Myth of the Robber Barons. New York: Young America, 2003.
  • Fosdick, Raymond Blaine (1989), The Story of the Rockefeller Foundation, New York: Transaction Publishers, ISBN 0-88738-248-7 
  • Gates, Frederick Taylor. Chapters in My Life. New York: The Free Press, 1977.
  • Giddens, Paul H. Standard Oil Company (Companies and men). New York: Ayer Co. Publishing, 1976.
  • Goulder, Grace. John D. Rockefeller: The Cleveland Years. Western Reserve Historical Society, 1972.
  • Harr, John Ensor, and Peter J. Johnson. The Rockefeller Century: Three Generations of America's Greatest Family. New York: Charles Scribner's Sons, 1988.
  • Harr, John Ensor, and Peter J. Johnson. The Rockefeller Conscience: An American Family in Public and in Private. New York: Charles Scribner's Sons, 1992.
  • Hawke, David Freeman. John D: The Founding Father of the Rockefellers. New York: Harper and Row, 1980.
  • Hidy, Ralph W. and Muriel E. Hidy. History of Standard Oil Company (New Jersey : Pioneering in Big Business). New York: Ayer Co. Publishing, Reprint, 1987.
  • Jonas, Gerald. The Circuit Riders: Rockefeller Money and the Rise of Modern Science. New York: W.W. Norton and Co., 1989.
  • Josephson, Matthew. The Robber Barons. London: Harcourt, 1962.
  • Kert, Bernice. Abby Aldrich Rockefeller: The Woman in the Family. New York: Random House, 1993.
  • Klein, Henry (2005), Dynastic America and Those Who Own It, Cosimo, ISBN 1-59605-671-1  初版しょはんは1921年ねん
  • Knowlton, Evelyn H. and George S. Gibb. History of Standard Oil Company: Resurgent Years 1956.
  • Latham, Earl ed. (1949), John D. Rockefeller: Robber Baron or Industrial Statesman? 
  • Manchester, William. A Rockefeller Family Portrait: From John D. to Nelson. New York: Little, Brown, 1958.
  • Morris, Charles R. The Tycoons: How Andrew Carnegie, John D. Rockefeller, Jay Gould, and J. P. Morgan Invented the American Supereconomy . New York: Owl Books, Reprint, 2006.
  • Nevins, Allan. John D. Rockefeller: The Heroic Age of American Enterprise. 2 vols. New York: Charles Scribner's Sons, 1940.
  • Nevins, Allan. Study in Power: John D. Rockefeller, Industrialist and Philanthropist. 2 vols. New York: Charles Scribner's Sons, 1953.
  • Pyle, Tom, as told to Beth Day. Pocantico: Fifty Years on the Rockefeller Domain. New York: Duell, Sloan and Pierce, 1964.
  • Roberts, Ann Rockefeller. The Rockefeller Family Home: Kykuit. New York: Abbeville Publishing Group, 1998.
  • Rockefeller, John D. (1984), Random Reminiscences of Men and Events, New York: Sleepy Hollow Press and Rockefeller Archive Center  初版しょはんは1909年ねん
  • Rose, Kenneth W. and Stapleton, Darwin H. "Toward a "Universal Heritage": Education and the Development of Rockefeller Philanthropy, 1884; 1913 " Teachers College Record" 1992/93(3): 536–555. ISSN.
  • Sampson, Anthony. The Seven Sisters: The Great Oil Companies and the World They Made. Hodder & Stoughton., 1975.
  • Segall, Grant (2001), John D. Rockefeller: Anointed With Oil, Oxford University Press, ISBN 978-0-19-512147-6, https://books.google.co.jp/books?id=HGsoQKfXs90C&pg=PA24&redir_esc=y&hl=ja 
  • Smith, Sharon. Rockefeller Family Fables Counterpunch May 8, 2008
  • Stasz, Clarice. The Rockefeller Women: Dynasty of Piety, Privacy, and Service. St. Martins Press, 1995.
  • Tarbell, Ida M. The History of the Standard Oil Company 2 vols, Gloucester, Mass: Peter Smith, 1963. [1904].
  • Williamson, Harold F. and Arnold R. Daum. The American Petroleum Industry: The Age of Illumination,, 1959; also vol 2, American Petroleum Industry: The Age of Energy, 1964.
  • Yergin, Daniel. The Prize: The Epic Quest for Oil, Money, and Power. New York: Simon & Schuster, 1991.
  • Public Diary of John D. Rockefeller, now found in the Cleveland Western Historical Society

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

ウィキメディア・コモンズには、ジョン・ロックフェラーに関連かんれんするカテゴリがあります。
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ジョン・ロックフェラー&oldid=96684777」から取得しゅとく