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セミトレーラー

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
トレーラーのヘッド部分ぶぶん(写真しゃしんひだり)

セミトレーラー(semi-trailer)は、ぜん車軸しゃじくのないトレーラー(荷台にだいしゃ)である。トレーラーヘッド(トラクタ)のカプラ連結れんけつし、おも貨物かもつせて走行そうこうする。日本にっぽんではもっと一般いっぱんてきなトレーラーであり、あらゆる用途ようと牽引けんいん自動車じどうしゃ#用途ようと積荷つみにによる分類ぶんるい参照さんしょう)に使つかわれる。縦列じゅうれつ駐車ちゅうしゃ後退こうたい可能かのう現在げんざい日本にっぽんでは、路線ろせんバス一部いちぶられる、はなしを前提ぜんていとしない永久えいきゅう連結れんけつ構造こうぞう車両しゃりょう連接れんせつバス)については、牽引けんいん車両しゃりょうではなく、単一たんいつしゃ分類ぶんるいされている。

トラクタをはなすことができるため、フェリーこうおくではトレーラーのみをむことで、ながさでわる運賃うんちん運転うんてんしゅ拘束こうそく時間じかん人件じんけん)をおさえることができる。

トラクタが連結れんけつされて運転うんてんされることを前提ぜんていとした構造こうぞうになっており、トラクタ単体たんたいには積載せきさいスペースがなく、トレーラー単体たんたいには前輪ぜんりんがないため、連結れんけつにはどちらも運搬うんぱんしゃとしての役割やくわりたさない(車載しゃさいしゃなどで一部いちぶ、トラクタに積載せきさいできる車輌しゃりょうるが、連結れんけつにのみ積載せきさいゆるされている)。車両しゃりょうそう重量じゅうりょうさいどおじくおうじ、トラクタは25トンまで、トレーラは28トンまでとする必要ひつようがあり(海上かいじょうコンテナ積載せきさいしゃなどの特認とくにんのぞく)、トラクタがわにかかる重量じゅうりょう根拠こんきょとなるだい五輪ごりん荷重かじゅう表示ひょうじ義務付ぎむづけられている。

トレーラーのブレーキには一般いっぱんてき空気くうきブレーキもちいられる。車軸しゃじくかずは、積載せきさい重量じゅうりょう車輪しゃりん車軸しゃじく、サスペンションの許容きょよう負荷ふか容量ようりょう関係かんけい決定けっていする。車両しゃりょうそう重量じゅうりょう60トン場合ばあいは3じくおおく、それ以上いじょう場合ばあいは4じく以上いじょうになることがおおい。用途ようとによっては車軸しゃじくがステアする構造こうぞうになる。トレーラーにはほう規制きせいによりABS装備そうび義務ぎむづけられている。また、1998ねん平成へいせい10ねん)からはじまった中期ちゅうきブレーキ規制きせいによりたいフェード性能せいのう以前いぜんより強化きょうかされている。

連結れんけつ構造こうぞう[編集へんしゅう]

連結れんけつ装置そうちだい五輪ごりん

トラクタがわ連結れんけつ一般いっぱんにカプラで、トレーラがわはキングピンである。

シングルス - トラクタ+セミトレーラー[編集へんしゅう]

日本にっぽん公道こうどうにおけるセミトレーラーは、法令ほうれい道路どうろほう道路どうろ運送うんそう車両しゃりょうほう道路どうろ交通こうつうほうじょう1りょうまでの牽引けんいんしかみとめられていない。きわめて特殊とくしゅ公共こうきょう福祉ふくしみとめられる場合ばあい地方ちほう公共こうきょう団体だんたいなどが設置せっちする風力ふうりょく発電はつでんようポールなど)には、警察けいさつ国土こくど交通省こうつうしょう整備せいびきょくどう運輸うんゆきょく協議きょうぎみとめられる場合ばあいもある。

ダブルス - トラクタ+セミトレーラー+フルトレーラー[編集へんしゅう]

欧米おうべい豪州ごうしゅうではロードトレインともばれる。そののとおりトレーラーを2じゅうれん牽引けんいんする形態けいたい日本にっぽん国内こくないでは宇部うべ伊佐いさ専用せんよう道路どうろのみで1981ねん昭和しょうわ56ねん)から運用うんようされている。

トリプルス - トラクタ+セミトレーラー+フルトレーラー+フルトレーラー[編集へんしゅう]

ダブルスにたいし、トレーラーをもう1りょうつないだ形態けいたい上記じょうきのダブルスと同様どうように、宇部うべ伊佐いさ専用せんよう道路どうろ1985ねん昭和しょうわ60ねん)から運用うんようされている。

欧米おうべい豪州ごうしゅうではダブルスやトリプルスがみとめられているが、日本にっぽんではシングルスしかみとめられておらず、公道こうどうでの試験しけん運行うんこうおこなわれるも、橋梁きょうりょう許容きょよう重量じゅうりょう交差点こうさてんみぎ左折させつ通過つうか時間じかんなど、おも地上ちじょうインフラがわ制限せいげん実用じつようにはいたらなかった。2010年代ねんだいからは貨物かもつ輸送ゆそうりょう増加ぞうか人手ひとで不足ふそく物流ぶつりゅう危機きき)の対策たいさくとして、車両しゃりょうちょうを25 mまで緩和かんわすることで10 tトラック2だいぶん貨物かもつ運搬うんぱん可能かのうとなる『ダブル連結れんけつトラック』の社会しゃかい実験じっけんおこなわれている[1]

種類しゅるい[編集へんしゅう]

2003ねん平成へいせい15ねん)10がつよりはじまった『分割ぶんかつ可能かのう貨物かもつ運搬うんぱん車両しゃりょう許可きょか限度げんど重量じゅうりょうげ』(バラせき緩和かんわりゃくしてバラなる)により、下記かきとお特例とくれい8種類しゅるいとして区分くぶんされる。

スタンションがたトレーラー

スタンションがた[編集へんしゅう]

おも鋼材こうざい原木げんぼくコンクリート製品せいひんなどの運搬うんぱん使つかわれる。フラットトレーラーをベースに前方ぜんぽうぜんタテ、側面そくめんにはまったかずのスタンション、ワイヤーフックを設置せっちする。最大さいだい積載せきさいりょう重心じゅうしんたかさによってそのたかさやスタンションのかずまってくる。

あおりがた[編集へんしゅう]

チャンネルしゃともぶ。おおきくけて、かたばく前提ぜんていにしたものと、かたばく前提ぜんていにしないものがある。

かたばく前提ぜんていにしたものは、おも雑貨ざっかかわらなどの運搬うんぱん使つかわれる。荷台にだい前方ぜんぽう鳥居とりい側面そくめん後方こうほうにはあおりちゅうばしらワイヤーフック設置せっちする。かたばく前提ぜんていにしないものは、おもスクラップ運搬うんぱん使つかわれる。荷台にだいの4ぽうかくパイプを段々だんだんげるか、こう張力ちょうりょく鋼板こうはん使用しようしてはこじょうにする。

側面そくめんこうめんにあおりがいたひらトレーラー

船底ふなそこがた[編集へんしゅう]

フラットトレーラーをベースに、積荷つみに安定あんていするように荷台にだい中央ちゅうおう船底ふなそこじょうくぼませたもの。コイルなどの円筒えんとうじょう荷物にもつ運搬うんぱん使つかわれる。

コンテナがた[編集へんしゅう]

おも海上かいじょうコンテナ運搬うんぱん使つかわれる。コンテナを固定こていするためにシャーシフレームの四隅よすみツイストロック装置そうち装備そうびしている。海上かいじょうコンテナの輸送ゆそうでは20 ftコンテナ専用せんよう短尺たんざくしゃと、40 ftコンテナようちょうしゃくしゃがある。後者こうしゃなかには、20 ftコンテナ1みも可能かのうとしたものもある。車軸しゃじくが1じく・2じく・3じくの3種類しゅるいがそれぞれに存在そんざいし、通常つうじょう1じくしゃそらせきコンテナようとなる。近年きんねんではフル積載せきさい(30,480 kgまで)対応たいおうの3じくシャーシの普及ふきゅう目立めだつ。

バンがた[編集へんしゅう]

もっと基本きほんてきはこがた仕様しようのトレーラ。おおきくけて、側面そくめんおおきくうえ方向ほうこうひらくウイングタイプと、後部こうぶ側面そくめんとびらのあるバンがたかれる。

冷凍れいとう冷蔵れいぞう仕様しようのトレーラーは後者こうしゃ形態けいたいおおい。なかには、海上かいじょうコンテナトレーラを改造かいぞうしてバントレーラとして使用しようするれいもある。

タンクがた[編集へんしゅう]

液体えきたいはこぶのに使つかわれる、いわゆるタンクローリーと、こなつぶたい運搬うんぱん使つかわれる バルクしゃ(ジェットパックしゃともばれることもあるが、これは極東開発工業きょくとうかいはつこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ商標しょうひょうである)とばれるタイプがある。

自動車じどうしゃ運搬うんぱんがた[編集へんしゅう]

自動車じどうしゃ運搬うんぱん使つかわれる。いわゆる車載しゃさい専用せんようのセミトレーラー。1だいでもおおはこべるよう、トラクタがわにも積載せきさいできるようつくられたキャブ通称つうしょうかめトラクタ」で牽引けんいんされるものもある。このかめトラクタにはだい5りん荷重におもとあわせて最大さいだい積載せきさいりょう設定せっていされ、牽引けんいんされるトレーラーには、通常つうじょうのセミトレーラーにはされない自動車じどうしゃ重量じゅうりょうぜい課税かぜいされる。

ほろがた[編集へんしゅう]

アオリづけひらボデーしゃをベースに、骨組ほねぐづけほろをかぶせたタイプ。あめゆきによるれをふせぐことが可能かのう

アコーディオンのよう前後ぜんご伸縮しんしゅく可能かのうである。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]