ダメージコントロール (英語 えいご : damage control )とは、物理 ぶつり 的 てき な攻撃 こうげき ・衝撃 しょうげき を受 う けた際 さい に、そのダメージや被害 ひがい を必要 ひつよう 最小限 さいしょうげん に留 と める「事後 じご 処置 しょち 」を指 さ す。通称 つうしょう 「ダメコン 」などと呼 よ ばれる。自動車 じどうしゃ 分野 ぶんや 、医療 いりょう 分野 ぶんや 、格闘技 かくとうぎ などのスポーツ、軍事 ぐんじ 分野 ぶんや などで使 つか われる。
2発 はつ のエグゾセ を被弾 ひだん し、煙 けむり を上 あ げながら傾斜 けいしゃ する「スターク 」。艦橋 かんきょう ・CICなど枢要 すうよう 区画 くかく を焼損 しょうそん し、ミサイル弾 だん 庫 こ にも火 ひ が迫 せま ったが、適切 てきせつ な応急 おうきゅう 対処 たいしょ により鎮火 ちんか に成功 せいこう した。
軍事 ぐんじ 分野 ぶんや におけるダメージコントロール(英語 えいご : Damage control )は、特 とく に火災 かさい ・衝突 しょうとつ ・座礁 ざしょう あるいは爆発 ばくはつ 等 ひとし が発生 はっせい した艦船 かんせん において、水密 すいみつ ・気密 きみつ を保 たも ち、予備 よび 浮力 ふりょく と復原力 ふくげんりょく を維持 いじ し、可燃 かねん 物 ぶつ を除去 じょきょ ・火災 かさい を鎮火 ちんか させ、ガス煙 けむり を排除 はいじょ 、非 ひ 常用 じょうよう の各 かく 装置 そうち を準備 じゅんび 、被害 ひがい の拡大 かくだい を食 く い止 と め、負傷 ふしょう 者 しゃ を処置 しょち し、さらに故障 こしょう を復旧 ふっきゅう ・所要 しょよう の動力 どうりょく 等 とう を供給 きょうきゅう することである。
一般 いっぱん 的 てき に装甲 そうこう を強化 きょうか するといった被害 ひがい 自体 じたい を受 う けないようにする行為 こうい は「ダメージコントロール」の分野 ぶんや には含 ふく まれず、あくまで被害 ひがい を受 う けた場合 ばあい にその被害 ひがい 局限 きょくげん の対策 たいさく を指 さ す。
艦艇 かんてい の火災 かさい は、応急 おうきゅう 対策 たいさく 上 じょう 、下記 かき の3種類 しゅるい に分 わ けられる。
A火災 かさい - 一般 いっぱん 火災 かさい
B火災 かさい - 油 あぶら 火災 かさい
C火災 かさい - 電気 でんき 火災 かさい
これらのうち、一般 いっぱん 火災 かさい に対 たい しては通常 つうじょう の海水 かいすい による消火 しょうか 対応 たいおう が可能 かのう であるが、油 あぶら ・電気 でんき 火災 かさい に対 たい しては原則 げんそく 的 てき に海水 かいすい の使用 しよう が不可 ふか である(万能 ばんのう ノズルを使 つか えば油 あぶら 火災 かさい には対応 たいおう 可能 かのう )ため、化学 かがく 消火 しょうか 装置 そうち による対応 たいおう が必要 ひつよう となる。
海水 かいすい 消火 しょうか 管 かん 装置 そうち (Fire main system )は、消火 しょうか 液 えき として海水 かいすい を使用 しよう する装置 そうち である。海水 かいすい は、船底 ふなそこ の海水 かいすい 吸入 きゅうにゅう 箱 ばこ (sea chest)から吸 す い上 あ げられて消火 しょうか 海水 かいすい 管 かん に通 つう 水 すい されたのち、上方 かみがた の消火 しょうか 主管 しゅかん に導 みちび かれる。これらの循環 じゅんかん は、機械 きかい 室 しつ などに分散 ぶんさん 配置 はいち されている消火 しょうか 海水 かいすい ポンプ を動力 どうりょく としている。海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい の護衛 ごえい 艦 かん の場合 ばあい 、通例 つうれい 、消火 しょうか 主管 しゅかん は第 だい 2甲板 かんぱん (応急 おうきゅう 甲板 かんぱん )上 じょう に配置 はいち されており、艦 かん が被害 ひがい を受 う けた場合 ばあい の防御 ぼうぎょ を考慮 こうりょ して、なるべく舷側 げんそく を避 さ けて船体 せんたい 中心 ちゅうしん に寄 よ せて配管 はいかん される。また損傷 そんしょう 時 じ に機能 きのう の損失 そんしつ を最低限 さいていげん に抑 おさ えるため、大型 おおがた 護衛 ごえい 艦 かん の場合 ばあい は艦 かん の中央 ちゅうおう 部 ぶ 前後 ぜんこう で消火 しょうか 主管 しゅかん を左右 さゆう に分 わ けるリングメイン方式 ほうしき を採用 さいよう しており、前後 ぜんご 2区分 くぶん 以上 いじょう と左右 さゆう 舷 ふなばた 2区分 くぶん 以上 いじょう で、計 けい 4区分 くぶん 以上 いじょう に分割 ぶんかつ される。このほか、片 かた 舷 ふなばた 分 ぶん は導 しるべ 設 しつらえ する甲板 かんぱん を変 か える場合 ばあい もある。
消火 しょうか 主管 しゅかん からは、各 かく 水防 すいぼう 区画 くかく 内 ない で枝 えだ 管 かん を導 みちびけ 設 しつらえ し、消火栓 しょうかせん が設 もう けられている。消火栓 しょうかせん 同士 どうし の距離 きょり は15メートル長 ちょう のホース2本 ほん で接続 せつぞく できる範囲 はんい 内 ない とされているが、これは、仮 かり に損傷 そんしょう によって艦内 かんない 1区画 くかく 内 ない で消火 しょうか 主管 しゅかん が使用 しよう 不能 ふのう になった場合 ばあい 、当該 とうがい 区画 くかく の消火栓 しょうかせん を、他 た 区画 くかく の消火 しょうか 主管 しゅかん に属 ぞく する消火栓 しょうかせん とホースによって接続 せつぞく し、仕切 じきり 弁 べん を閉鎖 へいさ することで、損傷 そんしょう 箇所 かしょ を迂回 うかい して海水 かいすい を導 みちび くことで、海水 かいすい の循環 じゅんかん を極力 きょくりょく 維持 いじ するための措置 そち である。また入渠 にゅうきょ 中 ちゅう は消火 しょうか 海水 かいすい ポンプが停止 ていし されることから、1甲板 かんぱん 上 じょう の消火栓 しょうかせん と陸上 りくじょう の消火栓 しょうかせん をホースで接続 せつぞく することで艦内 かんない 火災 かさい に備 そな えている。
この消火栓 しょうかせん には、消火 しょうか 管内 かんない の海藻 かいそう 類 るい による出力 しゅつりょく 低下 ていか を防 ふせ ぐため、濾 こ し器 き (strainer)が設 もう けられている。ここに消火 しょうか ホースを接続 せつぞく して、ホース先端 せんたん のノズルから放水 ほうすい を行 おこな うことができる。ノズルとしては万能 ばんのう ノズルが広 ひろ く用 もち いられているが、これはハンドルの位置 いち によって、通常 つうじょう の直射 ちょくしゃ 放水 ほうすい のほかに水 みず 霧 きり としての噴霧 ふんむ 放水 ほうすい も実施 じっし でき、これによって油 あぶら 火災 かさい への対応 たいおう を可能 かのう としている。また火災 かさい 箇所 かしょ から離 はな れた場所 ばしょ から放水 ほうすい できるよう、ノズル先端 せんたん にアプリケータを取 と り付 つ けることもできる。アプリケータは先端 せんたん が60度 ど または90度 ど に曲 ま がっており、全長 ぜんちょう は4フィート(1.2 m)、10フィート(3.0 m)、14フィート(4.3 m)の3種類 しゅるい がある。
通常 つうじょう 、消火栓 しょうかせん の近 ちか くにホース掛 かけ (またはホース籠 かご )が設 もう けられ、15メートル長 ちょう のホース2本 ほん を連結 れんけつ して収容 しゅうよう している。片方 かたがた のホースは平時 へいじ から消火栓 しょうかせん に接続 せつぞく されている。近 ちか くの隔壁 かくへき にはアプリケータもかけられていることが多 おお い。また数カ所 すうかしょ には可 か 搬式の消火 しょうか ポンプが設置 せっち されているが、これは艦内 かんない の消火 しょうか 海水 かいすい ポンプが機能 きのう 低下 ていか /喪失 そうしつ した場合 ばあい のバックアップとして用 もち いられるほか、内火艇 ないかてい に搭載 とうさい して他 た の火災 かさい などにも用 もち いることができる。可 か 搬式消火 しょうか ポンプを用 もち いて艦 かん 外 がい から海水 かいすい を取水 しゅすい する場合 ばあい に備 そな えて、アプリケータとともに消火 しょうか 用 よう 蛇管 じゃかん も隔壁 かくへき に備 そな えられているが、海水 かいすい 中 ちゅう の異物 いぶつ を吸入 きゅうにゅう しないよう、こちらも濾 こ し器 き を備 そな えている。
また海水 かいすい 消火 しょうか 管 かん 装置 そうち から分岐 ぶんき して、弾 たま 庫 こ 散水 さんすい 管 かん 装置 そうち も設 もう けられる。これは艦 かん の弾 たま 火薬 かやく 格納 かくのう 区画 くかく に散水 さんすい ノズルを設置 せっち して、爆発 ばくはつ や誘爆 ゆうばく を防 ふせ ぐため散水 さんすい を行 おこな うものである。また甲板 かんぱん 上 じょう には、汚染 おせん 物 ぶつ 除去 じょきょ のための甲板 かんぱん 散水 さんすい 管 かん 装置 そうち や赤外線 せきがいせん 遮蔽 しゃへい のための赤外線 せきがいせん 対策 たいさく 散水 さんすい 管 かん 装置 そうち も設 もう けられているが、これも海水 かいすい 消火 しょうか 管 かん 装置 そうち からの配管 はいかん を受 う けている。海水 かいすい 消火 しょうか 管 かん 装置 そうち からの海水 かいすい は、他 ほか にも乗員 じょういん の汚染 おせん 除去 じょきょ や、さらには主 しゅ 錨 いかり ・錨鎖 びょうさ の洗浄 せんじょう など様々 さまざま に用 もち いられる。
直射 ちょくしゃ モードの万能 ばんのう ノズル。ハンドルは手前 てまえ に倒 たお されている。
噴霧 ふんむ モードの万能 ばんのう ノズル。ハンドルは直立 ちょくりつ 位置 いち にある。
隔壁 かくへき に掛 か けられたアプリケータと消火 しょうか 用 よう 蛇管 じゃかん
化学 かがく 消火 しょうか 装置 そうち (Chemical fire system )は、消火 しょうか 液 えき として消火 しょうか 薬剤 やくざい を使用 しよう する装置 そうち である。護衛 ごえい 艦 かん の場合 ばあい には下記 かき のようなものがある。
TAS(Twin Agent System)
TAU(Twin Agent Unit)
泡沫 うたかた 発生 はっせい 器 き (Foam Fire Extinguisher)
ハロンガス消火 しょうか 装置 そうち (Halon-gas fire system)
ハンガー上 じょう には赤 あか いターレットノズルが配置 はいち されている(「いそゆき 」)
TASは、一般 いっぱん ・油 あぶら 火災 かさい 用 よう の水 みず 成 なり 膜 まく 泡 あわ 消火 しょうか と、油 あぶら ・電気 でんき 火災 かさい 用 よう の粉末 ふんまつ 薬剤 やくざい 消火 しょうか を同時 どうじ に行 おこな うことができるもので、ヘリコプター搭載 とうさい 艦 かん において、機械 きかい 室 しつ やハンガー、ヘリコプター甲板 かんぱん に配置 はいち される。水 みず 成 なり 膜 まく 泡 あわ 消火 しょうか では、放出 ほうしゅつ 区画 くかく 付近 ふきん に配置 はいち された比例 ひれい 混合 こんごう 器 き において泡 あわ 消火 しょうか 薬剤 やくざい と海水 かいすい を混合 こんごう して使用 しよう する。放出 ほうしゅつ は、リール式 しき のハンドノズルのほか、ハンガー上 じょう に設置 せっち されたターレットノズル、ハンガー内 ない の天井 てんじょう 部 ぶ に設置 せっち されたスプリンクラーヘッドによって行 おこな われる。一方 いっぽう 、粉末 ふんまつ 薬剤 やくざい 消火 しょうか では、薬剤 やくざい の放出 ほうしゅつ はハンガー内 ない の天井 てんじょう 部 ぶ に設置 せっち されたスプリンクラーヘッドとリール式 しき のホース付 づけ ノズルによって行 おこな われる。このため、ハンガー天井 てんじょう には水 みず 成 なり 膜 まく 泡 あわ 消火 しょうか と粉末 ふんまつ 薬剤 やくざい 消火 しょうか の2系統 けいとう のスプリンクラーヘッドが別々 べつべつ に設置 せっち されている。
TAUは、いわばTASを小型 こがた 化 か して可 か 搬式にしたものであり、一般 いっぱん ・油 あぶら ・電気 でんき 火災 かさい のいずれにも対応 たいおう できる。泡 あわ 薬剤 やくざい 容器 ようき と混合 こんごう 器 き 、粉末 ふんまつ 薬剤 やくざい 容器 ようき と加圧 かあつ 用 よう 窒素 ちっそ ガスタンク、ホースとハンドノズルを台車 だいしゃ に設置 せっち しており、水 みず 成 なり 膜 まく 泡 あわ 消火 しょうか を行 おこな う場合 ばあい は海水 かいすい 消火 しょうか 管 かん 装置 そうち の消火栓 しょうかせん と混合 こんごう 器 き をホースで接続 せつぞく して、その海水 かいすい を使用 しよう する。通常 つうじょう 、応急 おうきゅう 員 いん 待機 たいき 所 しょ に配置 はいち されており、必要 ひつよう に応 おう じて機動 きどう 的 てき に運用 うんよう される。
泡沫 うたかた 発生 はっせい 器 き は一般 いっぱん ・油 あぶら 火災 かさい 用 よう であり、TAU消火 しょうか 装置 そうち の水 みず 成 なり 膜 まく 泡 あわ 消火 しょうか 装置 そうち を簡易 かんい 化 か したものであるが、大 だい 重量 じゅうりょう で艦内 かんない 運搬 うんぱん は不便 ふべん であるので、基本 きほん 的 てき には火災 かさい 現場 げんば までホースを接続 せつぞく して泡 あわ を放出 ほうしゅつ して使用 しよう する。15メートル長 ちょう のホース2本 ほん まで接続 せつぞく 可能 かのう である。
ハロン1301(ブロモトリフルオロメタン)ガス による消火 しょうか 装置 そうち であり、一般 いっぱん ・油 あぶら ・電気 でんき 火災 かさい のいずれにも対応 たいおう できる。航空 こうくう 動力 どうりょく 室 しつ 、発電 はつでん 機 き 室 しつ 、ポンプ室 しつ 、塗料 とりょう ・油脂 ゆし 倉庫 そうこ に設置 せっち されており、ハロンガスが人 ひと に対 たい して有害 ゆうがい であることから、火災 かさい 区画 くかく から人 ひと を待避 たいひ させて扉 とびら ・ハッチを閉 し めて密閉 みっぺい した上 うえ で使用 しよう する。ただし機械 きかい への悪影響 あくえいきょう がないため、消火 しょうか 後 ご 、区画 くかく 内 ない にあって焼損 しょうそん していない機械 きかい は点検 てんけん なしでただちに使用 しよう できるというメリットがある。
艦船 かんせん の設計 せっけい にあたっては一定 いってい の安全 あんぜん 率 りつ が見込 みこ まれており、浸水 しんすい があってもある程度 ていど までなら沈没 ちんぼつ を避 さ けることができるよう配慮 はいりょ されている。特 とく に軍艦 ぐんかん の場合 ばあい は、過酷 かこく な戦闘 せんとう に耐 た えて各種 かくしゅ の被害 ひがい に対 たい しても十分 じゅうぶん な抗 こう 堪 こらえ 性 せい を保持 ほじ できる区画 くかく 配置 はいち と強固 きょうこ な船体 せんたい 構造 こうぞう が要求 ようきゅう される。現代 げんだい の護衛 ごえい 艦 かん の場合 ばあい 、DE級 きゅう の小型 こがた 艦 かん では2区画 くかく グループ、DD以上 いじょう の大型 おおがた 艦 かん では3区画 くかく グループまで、あるいは破 やぶ 口 くち の長 なが さが水線 すいせん 長 ちょう の15%までと定 さだ めるのが一般 いっぱん 的 てき とされている。また浸水 しんすい 時 じ に耐 た えられる限度 げんど として、限界 げんかい 線 せん (boundary line)が設定 せってい されている。アメリカ海軍 かいぐん の場合 ばあい 、限界 げんかい 線 せん は隔壁 かくへき 甲板 かんぱん 舷側 げんそく 点 てん から76mm下 か としているが、これは商船 しょうせん の数値 すうち と同 おな じである。
水線 すいせん 下 か に損傷 そんしょう を受 う けると、特 とく に中小 ちゅうしょう 艦艇 かんてい の場合 ばあい は、復原力 ふくげんりょく や予備 よび 浮力 ふりょく 、船体 せんたい 強度 きょうど の低下 ていか によって沈没 ちんぼつ に至 いた ることが多 おお い。損傷 そんしょう 区画 くかく 位置 いち によっては、浸水 しんすい 量 りょう が増大 ぞうだい すると横 よこ /縦 たて 傾斜 けいしゃ を起 お こして、艦 かん の転覆 てんぷく に繋 つな がることもある。このため、浸水 しんすい 区画 くかく から排水 はいすい する一方 いっぽう 、対 たい 側 がわ の区画 くかく にあえて注水 ちゅうすい することで復原力 ふくげんりょく を保 たも つこともある。
船体 せんたい に破 やぶ 孔 あな やクラックが生 しょう じた場合 ばあい 、特 とく に浸水 しんすい の原因 げんいん となるならば、早急 そうきゅう な遮 さえぎ 防 ぼう が必要 ひつよう となる。完全 かんぜん な防水 ぼうすい 閉鎖 へいさ ができなくとも、排水 はいすい ポンプやエダクターとあわせて浸水 しんすい 量 りょう を減少 げんしょう させることで、艦 かん の復原 ふくげん 性 せい ・浮力 ふりょく 維持 いじ には有用 ゆうよう である。艦内 かんない から遮 さえぎ 防 ぼう 作業 さぎょう を行 おこな う場合 ばあい 、破 やぶ 孔 あな に毛布 もうふ ・マットや箱 はこ パッチを当 あ てて、その上 うえ から当 あ て板 ばん を当 あ てる。その近 ちか くで、ロンジビームなどを活用 かつよう して縦 たて 方向 ほうこう の支柱 しちゅう を立 た てて、当 あ て板 ばん との間 あいだ に梁 はり 支柱 しちゅう を突 つ っ張 ぱ ることで、水圧 すいあつ に対抗 たいこう するのである。これらの支柱 しちゅう としては、艦内 かんない に備 そな えられた木製 もくせい の角材 かくざい が使用 しよう され、その場 ば で必要 ひつよう な長 なが さに切 き り出 だ して用 もち いられる。また可能 かのう な場合 ばあい は、艦 かん 外 がい から箱 はこ パッチをあてることで、水圧 すいあつ によって密着 みっちゃく させることも行 おこな われる。このほか、特 とく にクラックの場合 ばあい は、艦 かん が航行 こうこう するとともに割 わ れが伝播 でんぱ して拡大 かくだい するので、小 ちい さなクラックに対 たい しては傷 きず の両 りょう 端 はし にあえてドリルで穴 あな を開 あ ける(クラック・アレスタあるいはストップ・ホール)ことで進行 しんこう をストップさせることもある。
海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい の場合 ばあい 、第 だい 3分隊 ぶんたい (機関 きかん 科 か )内 ない に応急 おうきゅう 長 ちょう および応急 おうきゅう 士 し が配置 はいち されており、応急 おうきゅう 作業 さぎょう の指揮 しき にあたる。専 せん 門 もん の要員 よういん としては応急 おうきゅう 工作 こうさく 員 いん がいる[ 6] 。しかし、最初 さいしょ の損傷 そんしょう によって応急 おうきゅう 要員 よういん が全滅 ぜんめつ し、残 のこ った乗員 じょういん が応急 おうきゅう 対策 たいさく に不慣 ふな れであったために艦 かん の喪失 そうしつ につながった例 れい も少 すく なくなかったことから、現在 げんざい では全 ぜん 乗員 じょういん が応急 おうきゅう 対策 たいさく の訓練 くんれん を受 う けるようになっている。また応急 おうきゅう 要員 よういん が全滅 ぜんめつ することを避 さ けるため、自衛 じえい 艦 かん の場合 ばあい は応急 おうきゅう 員 いん 待機 たいき 所 しょ を艦 かん の前 まえ ・中 なか ・後部 こうぶ の2・3ヶ所 かしょ に分散 ぶんさん 配置 はいち している。現在 げんざい の護衛 ごえい 艦 かん では遮 さえぎ 浪 なみ 甲板 かんぱん 型 がた かそれに準 じゅん じた船型 せんけい を採用 さいよう しており、2層 そう の全通 ぜんつう 甲板 かんぱん (あるいはほぼ全通 ぜんつう した甲板 かんぱん )を有 ゆう するが、このうち下 した 側 がわ の第 だい 2甲板 かんぱん が応急 おうきゅう 甲板 かんぱん として位置付 いちづ けられており、応急 おうきゅう 対策 たいさく の首座 しゅざ となる。上記 じょうき の応急 おうきゅう 員 いん 待機 たいき 所 しょ や、作業 さぎょう を統括 とうかつ する応急 おうきゅう 指揮 しき 所 しょ もこの甲板 かんぱん に設 もう けられている。また1980年代 ねんだい 以降 いこう に建造 けんぞう された護衛 ごえい 艦 かん では、応急 おうきゅう 指揮 しき 所 しょ に応急 おうきゅう 監視 かんし 制御 せいぎょ 盤 ばん を搭載 とうさい している。これは主要 しゅよう 区画 くかく の火災 かさい の早期 そうき 発見 はっけん や各種 かくしゅ タンクの監視 かんし 、補 ほ 機 き 類 るい の作動 さどう ・運転 うんてん 状 じょう 況 きょう を1個 いっこ のコンソールに統合 とうごう したものである。
呼吸 こきゅう 用 よう 保護 ほご 具 ぐ としては、1930年代 ねんだい 以降 いこう 、循環 じゅんかん 式 しき 呼吸 こきゅう 装置 そうち である酸素 さんそ 呼吸 こきゅう 器 き (OBA )が広 ひろ く用 もち いられてきた。これは超 ちょう 酸化 さんか カリウム によって二酸化炭素 にさんかたんそ を吸収 きゅうしゅう するとともに酸素 さんそ を供給 きょうきゅう するものであるが、逆 ぎゃく に酸素 さんそ 供給 きょうきゅう 過多 かた に陥 おちい る場合 ばあい があるなどの欠点 けってん があったことから、アメリカ海軍 かいぐん では、2001年 ねん より空気 くうき タンクを用 もち いる自給 じきゅう 式 しき 呼吸 こきゅう 器 き (SCBA )への更新 こうしん に着手 ちゃくしゅ した[ 7] 。また海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい でも、あきづき型 がた 護衛 ごえい 艦 かん よりSCBAに移行 いこう している。
軍艦 ぐんかん などの「ダメージコントロール」については、米 べい 西 にし 戦争 せんそう や日 にち 清 しん 戦争 せんそう の頃 ころ から艦艇 かんてい などの被害 ひがい を軽減 けいげん する方法 ほうほう として知 し られていた。
現在 げんざい 、この分野 ぶんや においては、太平洋戦争 たいへいようせんそう 中 なか に大 だい 規模 きぼ な海戦 かいせん を経験 けいけん したアメリカ海軍 かいぐん や大日本帝国 だいにっぽんていこく 海軍 かいぐん の頃 ころ の戦 せん 訓 くん を取 と り入 い れた海上 かいじょう 自衛隊 じえいたい のノウハウ は、世界 せかい でも類 るい を見 み ないものになっている。一方 いっぽう 、日米 にちべい の艦艇 かんてい と比 くら べると、それらの経験 けいけん が比較的 ひかくてき 少 すく ないヨーロッパ 諸国 しょこく やロシア の艦艇 かんてい は、被害 ひがい 対策 たいさく に対 たい する意識 いしき の違 ちが いが表 あらわ れているのが分 わ かる。ヨーロッパ諸国 しょこく やロシアの艦艇 かんてい は居住 きょじゅう 区 く などの居住 きょじゅう 性 せい が良 よ い一方 いっぽう で、現在 げんざい でも可燃 かねん 性 せい のある材質 ざいしつ を使用 しよう していたり、延焼 えんしょう を食 く い止 と める構造 こうぞう が弱 よわ かったり、被弾 ひだん すると危険 きけん な箇所 かしょ に士官 しかん 室 しつ が配置 はいち されていたりする。近年 きんねん 、増強 ぞうきょう 著 いちじる しい中国 ちゅうごく 人民 じんみん 解放 かいほう 軍 ぐん 海軍 かいぐん の艦船 かんせん も、ダメージコントロールのノウハウにおいてはNATO 基準 きじゅん と比較 ひかく しても開 ひら きがあるという[ 10] 。
こういったものは実戦 じっせん を経験 けいけん して初 はじ めて得 え られるノウハウでもあるため、訓練 くんれん 等 とう で補 おぎな うのは難 むずか しい。1982年 ねん のフォークランド紛争 ふんそう においてエグゾセ 空 そら 対 たい 艦 かん ミサイル の攻撃 こうげき を受 う けたイギリス海軍 かいぐん の42型 がた 駆逐 くちく 艦 かん 「シェフィールド 」は、機関 きかん 部 ぶ がシフト配置 はいち でなくパラレル配置 はいち になっていたうえにアルミニウム合金 ごうきん 製 せい の隔壁 かくへき や仕切 じきり 弁 べん が融解 ゆうかい したため、機械 きかい 室 しつ が容易 ようい に延焼 えんしょう してしまった。消防 しょうぼう ポンプを起動 きどう できなかったうえに可 か 搬式ポンプも能力 のうりょく 不足 ふそく で消火 しょうか 主管 しゅかん が機能 きのう せず、火災 かさい 範囲 はんい は艦内 かんない の約 やく 2 ⁄3 に達 たっ し、艦 かん 自身 じしん の消火 しょうか 活動 かつどう はほとんど遂行 すいこう 不能 ふのう となってしまった。艦 かん は放棄 ほうき され、数日 すうじつ 後 ご の曳航 えいこう 中 ちゅう に荒天 こうてん に遭遇 そうぐう 、沈没 ちんぼつ している。この事件 じけん について、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の著名 ちょめい な海軍 かいぐん 史家 しか であるノーマン・フリードマン は、「現代 げんだい の精緻 せいち な軍艦 ぐんかん は対 たい 艦 かん ミサイルに耐 た えられないという誤解 ごかい が蔓延 まんえん したが、20年 ねん にわたる冒険 ぼうけん 的 てき なコスト削減 さくげん のツケがとうとう回 まわ ってきたというのが実態 じったい である」と評 ひょう している。
一方 いっぽう 、タンカー戦争 せんそう 中 なか の1987年 ねん に発生 はっせい した米 べい 艦 かん 「スターク」被弾 ひだん 事件 じけん では、やはりオリバー・ハザード・ペリー級 きゅう ミサイルフリゲート がコスト低減 ていげん を重視 じゅうし した設計 せっけい であったことがダメコン活動 かつどう に悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼしたとされているが、被弾 ひだん によって多 おお くの死傷 ししょう 者 しゃ を出 だ しつつも、生 い き残 のこ った乗員 じょういん のダメコン能力 のうりょく の高 たか さに加 くわ えて、僚艦 りょうかん からの支援 しえん を受 う けられたことで、艦 かん を救 すく うことができた。
重症 じゅうしょう 外傷 がいしょう で外傷 がいしょう 死 し の3徴 ちょう (代謝 たいしゃ 性 せい アシドーシス 、血液 けつえき 凝固 ぎょうこ 障害 しょうがい 、低 てい 体温 たいおん )が切迫 せっぱく した場合 ばあい に大 だい 規模 きぼ な根治 こんじ 的 てき 手術 しゅじゅつ の侵 おかせ 襲 かさね が加 くわ わると、患者 かんじゃ にとって致死 ちし 的 てき となりかねない場合 ばあい がある。この場合 ばあい 、まず呼吸 こきゅう と循環 じゅんかん に関 かか わる損傷 そんしょう の治療 ちりょう を最 さい 優先 ゆうせん とし、それ以外 いがい の損傷 そんしょう 部分 ぶぶん は根治 こんじ 手術 しゅじゅつ 可能 かのう な容態 ようだい に回復 かいふく してから二 に 期 き 的 てき に再 さい 手術 しゅじゅつ とすることがある。この場合 ばあい の初回 しょかい 手術 しゅじゅつ はダメージコントロール手術 しゅじゅつ として、開 ひらき 胸 むね ・開腹 かいふく 術 じゅつ では、ガーゼ圧迫 あっぱく 留置 りゅうち (パッキング)や単純 たんじゅん 結紮 けっさつ など止血 しけつ と汚染 おせん 回避 かいひ に徹 てっ した簡易 かんい 術 じゅつ 式 しき が選択 せんたく される。
腹腔 ふくこう 内 ない 圧 あつ が高 たか く閉腹困難 こんなん である場合 ばあい 、輸液用 よう のフィルムバッグによる閉腹(silo closure)も検討 けんとう される。多 おお くの三 さん 次 じ 救急 きゅうきゅう 医療 いりょう 機関 きかん では、ダメージコントロールの思想 しそう を駆使 くし して、多発 たはつ 外傷 がいしょう 患者 かんじゃ の救命 きゅうめい に全力 ぜんりょく を尽 つ くしている。
ダメージCTRL(damage control)はプロレス団体 だんたい WWE 内 うち のユニット、日本 にっぽん の女子 じょし 団体 だんたい スターダム 出身 しゅっしん 、参戦 さんせん 選手 せんしゅ を中心 ちゅうしん に結成 けっせい 。普段 ふだん の試合 しあい の勝率 しょうりつ は高 たか いがPLEというビッグマッチになると勝率 しょうりつ が極端 きょくたん に下 さ がり、特 とく に過去 かこ のレッスルマニア では一 いち 度 ど も勝 か った事 こと が無 な い。
ヘアケア製品 せいひん - 頭髪 とうはつ の劣化 れっか を防 ふせ いだり、ある程度 ていど の補修 ほしゅう 機能 きのう がある製品 せいひん を、ダメージコントロールと称 しょう して販売 はんばい される事 こと がある。
減 げん 災 わざわい - 災害 さいがい 時 じ 発生 はっせい した被害 ひがい を最小 さいしょう 化 か するための(ソフト・ハード両面 りょうめん での)取 と り組 く みや考 かんが え方 かた 。
エキスパンションジョイント - 橋 はし や建物 たてもの にかかる地震 じしん や熱 ねつ ひずみ などの応力 おうりょく を逃 のが す仕組 しく み