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ドン・ジョヴァンニ

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試聴しちょう
ドン・ジョヴァンニ(全曲ぜんきょく
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮しきウィーン・フィルハーモニー管弦楽かんげんがくだんウィーン国立こくりつ歌劇かげきじょう合唱がっしょうだん当該とうがい指揮しきしゃ公式こうしきYouTubeチャンネル。
出演しゅつえんサミュエル・レイミー英語えいごばん(ジョヴァンニ) / フェルッチョ・フルラネット英語えいごばん(レポレロ) / アンナ・トモワ=シントウ(ドンナ・アンナ) / パータ・ブルチュラーゼ英語えいごばん騎士きしちょう) / キャスリーン・バトル(ツェルリーナ)

主要しゅようきょく主要しゅよう場面ばめんのインデックス

序曲じょきょく
カタログのうた「おをどうぞ」
「もうおかりですね」シャンパンのうた
「ぶってよマゼット」メヌエット
窓辺まどべでよ」薬屋くすりやうた
「そのわらいも今夜こんやかぎり」騎士きしちょうさま石像せきぞうさま
「このきょくはあまりにも有名ゆうめいだ」
「ドン・ジョヴァンニ、晩餐ばんさんまねかれたのでまいった」

ドン・ジョヴァンニ』(Il dissoluto punito, ossia il Don Giovanniばっせられた放蕩ほうとうしゃまたはドン・ジョヴァンニ), K.527)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト1787ねん作曲さっきょくしたオペラ・ブッファ(あるいはドラマ・ジョコーソ)である。

マックス・スレーフォークトドン・ジョバンニをえんじるフランシスコ・ダンドラーデ英語えいごばん1903ねん

概要がいよう

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邸宅ていたくベルトラムカ。ここで『ドン・ジョヴァンニ』をげた[1]

初演しょえんは、作曲さっきょく依頼いらいしたプラハのエステート劇場げきじょう(スタヴォフスケー劇場げきじょう)で同年どうねん10がつ29にちにモーツァルト自身じしん指揮しきおこなわれた。また、ウィーンでの初演しょえん1788ねん5月7にちであった。

フィガロの結婚けっこん』はウィーンではそれほど評判ひょうばんにならなかったが、プラハではだいヒットし、作曲さっきょくまねかれることになった。モーツァルトはまち人々ひとびと鼻歌はなうたにフィガロの一節いっせつうたうのにせっしておおいに感激かんげきし、父親ちちおやへの手紙てがみにその評判ひょうばんおくっている。その結果けっかよくシーズンのためにあたらしい作品さくひん依頼いらいされた結果けっかできたのがこの作品さくひんである。

初演しょえん先立さきだち、けの原稿げんこうってプラハにやってきたモーツァルトは、友人ゆうじんドゥシェク夫妻ふさい別荘べっそう滞在たいざいして最終さいしゅう仕上しあげをいそいだが、前夜ぜんやになっても序曲じょきょくだけは未完成みかんせいであった。かれ眠気ねむけさえるためにつまコンスタンツェはなしいたりものつくってもらったりしながらほぼ徹夜てつや総譜そうふげ、ようやくあさにはうつし草稿そうこうわたせたのだという。

台本だいほんは『フィガロ』につづロレンツォ・ダ・ポンテによった。ドン・ジョヴァンニはスペインの伝説でんせつ放蕩ほうとうしゃドン・ファン物語ものがたり主人公しゅじんこうである。もっともふる作品さくひんティルソ・デ・モリーナ1630ねん)といわれるが、ダ・ポンテはオペラするにあたり、どう時代じだいのベルターティの先行せんこうさく『ドン・ジョヴァンニまたはいしきゃく』(1787ねん)やモリエールの『ドン・ジュアン』(1665ねん)を参考さんこうにしたものとおもわれる。とくに、ドンナ・エルヴィーラはモリエールの創作そうさくおもわれ、この作品さくひんからの影響えいきょうあきらかである。

モーツァルトは、この作品さくひんを「ドラマ・ジョコーソ」とんだ。ドラマが正調せいちょう悲劇ひげきあらわすのにたいしジョコーソは喜劇きげきてき意味いみであり、作曲さっきょくしゃがこの作品さくひん悲喜劇ひきげき両方りょうほう要素ようそめたと解釈かいしゃくする研究けんきゅうしゃもいる一方いっぽうたん喜劇きげき意味いみであるとする解釈かいしゃくもある。このような議論ぎろんしょうずる理由りゆうひとつは、だい2まく最後さいごかれたドン・ジョヴァンニの地獄じごくちにいた場面ばめん強烈きょうれつ音楽おんがくや、執拗しつようかれいかけるエルヴィーラの行動こうどう彼女かのじょあたえられた音楽おんがくに、通常つうじょうのオペラ・ブッファらしからぬ悲劇ひげきせいかんることができるからであろう。

ウィーンでの初演しょえんにあたり、当地とうち聴衆ちょうしゅうこのみや歌手かしゅ希望きぼうおうじて一部いちぶ改訂かいていして上演じょうえんしたが、今日きょうではプラハばんもとにしたうえで、ウィーンばん追加ついかされたナンバーのいくつかを追加ついかして上演じょうえんすることがおおい。

日本にっぽん初演しょえん1948ねん12月14にち東京とうきょう帝国ていこく劇場げきじょうにおける藤原ふじわら歌劇かげきだん公演こうえん藤原ふじわら義江よしえ宮本みやもと良平りょうへい石津いしづ憲一けんいち木下きのしたたもつほかのソロ、マンフレート・グルリット指揮しき東宝とうほう交響こうきょう楽団がくだんによって実現じつげんした[2]

演奏えんそう時間じかんだい1まく90ふんだい2まく80ふんで、合計ごうけいやく2あいだ50ふん

登場とうじょう人物じんぶつ

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ドン・ジョヴァンニ Don Giovanni(バリトン
ドン・ファン参照さんしょう
おんなたらしの貴族きぞく従者じゅうしゃのレポレッロの記録きろくによると、各国かっこくでおよそ2000にん、うちスペインですでに1003にん女性じょせい関係かんけいったという。老若ろうにゃく身分みぶん容姿ようしわぬ、自称じしょうあいはこしゅ」。けんうでもたち、騎士きし団長だんちょう決闘けっとうしてつほど。
レポレッロ Leporello(バス
ジョヴァンニの従者じゅうしゃ。ドン・ジョヴァンニにはついていけないとおもっているが、かねおどしでずるずるついていってしまっている。ドン・ジョヴァンニからても美人びじんつま妻帯さいたいしゃだが、ドン・ジョヴァンニの「おこぼれ」にあずかりたのしむこともあるようだ。ドン・ジョヴァンニとそっくりという設定せってい2人ふたりわるシーンがあるため)。
ドンナ・アンナ Donna Anna(ソプラノ
騎士きしちょうむすめでオッターヴィオの許嫁いいなずけ。ドン・ジョヴァンニに夜這よばいをかけられ、抵抗ていこうしたところにけつけた父親ちちおやころされる。
騎士きしだん管区かんくちょう Il Commendatore(バス)
アンナのちちむすめすくおうとしてジョヴァンニにころされるが、石像せきぞうとしてかれあらためるようせまる。
ドン・オッターヴィオ Don Ottavio(テノール
アンナの許婚きょこん復讐ふくしゅうわすれて結婚けっこんするようドンナ・アンナを説得せっとくしようとするが、たせない。
ドンナ・エルヴィーラ Donna Elvira(ソプラノ)
かつてジョヴァンニに誘惑ゆうわくされ、婚約こんやくするもそのてられたブルゴス女性じょせい始終しじゅうジョヴァンニをまわし、かれ改心かいしんさせようとこころみる。もと身分みぶんある女性じょせいだったようで、ドンナ・アンナたちも圧倒あっとうされるほど気品きひんあふれている。ドン・ジョヴァンニが食指しょくしうごかすほどうつくしい召使めしつかいれている。
ツェルリーナ Zerlina(イタリア発音はつおんではヅェルリーナ)(ソプラノ)
むらむすめでマゼットの新婦しんぷ田舎いなかむすめ似合にあわずコケティッシュでしたたかなむすめ結婚式けっこんしき最中さいちゅうにドン・ジョヴァンニに口説くどかれ、そのになる。
マゼット Masetto(バス)
農夫のうふ。ツェルリーナの新郎しんろう嫉妬しっとふかく、ツェルリーナの浮気うわき行動こうどうにやきもきするが、結局けっきょくのところ、しりかれている。むら若者わかもののリーダーてき存在そんざい

楽器がっき編成へんせい

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あらすじ

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序曲じょきょく冒頭ぼうとう部分ぶぶん総譜そうふ

序曲じょきょくはわずかいちばんかれたが(1~2にちかかったというせつもある)、円熟えんじゅくしたきょく仕上しあがっており、演奏えんそうかい独立どくりつして演奏えんそうされることもしばしばである。騎士きしちょう亡霊ぼうれい場面ばめんじょ軽快けいかいなアレグロからなるソナタ形式けいしき。なお、この序曲じょきょくははっきりした終結しゅうけつたず、そのままオペラの導入どうにゅうきょくにつながるので、モーツァルト自身じしんが、演奏えんそうかいよう華々はなばなしい終結しゅうけつべつ作曲さっきょくしている。

だい1まく

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まくひらく。時間じかんがた場面ばめんセビーリャ市内しない騎士きしちょう邸宅ていたくまえで、従者じゅうしゃレポレッロはこんな主人しゅじんつかえる仕事しごとはいやだとぼやいている。ドン・ジョヴァンニは騎士きしちょうむすめであるドンナ・アンナの部屋へやしのんだが、彼女かのじょさわがれげようとした。そこへ騎士きしちょう登場とうじょうし、ジョヴァンニにりかかるがぎゃくころされる。アンナは悲嘆ひたんれ、許嫁いいなずけのオッターヴィオに復讐ふくしゅうたしてほしいともとめる。

騎士きしちょうたくからのがれたジョヴァンニがレポレッロをつけたところで、むかしてたおんなのドンナ・エルヴィーラにつかってしまう。しかしジョヴァンニはそのをレポレッロにまかせてる。のこされたレポレッロはエルヴィーラに「旦那だんなかされたのはあんただけじゃないよ。イタリアでは640にん、ドイツでは231にん、しかしここスペインではなんと1003にんだ。」と有名ゆうめいな「恋人こいびとのカタログのうた」をうたってなぐさめたつもりになっている。あきれてエルヴィーラはる。

場面ばめんわり、マゼットとツェルリーナの新郎しんろう新婦しんぷむら若者わかものとともに登場とうじょうし、結婚けっこんよろこびをうたっているところにジョヴァンニがあらわれる。早速さっそく新婦しんぷツェルリーナにをつけたかれは、彼女かのじょにんきりになろうとして、みな自宅じたく招待しょうたいしてよろこばせる。かれがツェルリーナをみずからエスコートしようとするので、マゼットはこばむが、ツェルリーナ自身じしん大丈夫だいじょうぶだとい、ジョヴァンニがけんをちらつかせるので、マゼットは「わかりましたよ旦那だんな」としぶしぶき、ツェルリーナに皮肉ひにくってる。おもわぬ展開てんかいはんべその彼女かのじょ早速さっそくジョヴァンニが口説くどく「おをどうぞ」のデュオ。ツェルリーナはあっけなくかれられて屋敷やしきかおうとするが、そこにふたたあらわれたエルヴィーラが、ジョヴァンニの本性ほんしょう警告けいこくして彼女かのじょをジョヴァンニからのがす。

今日きょうはついてないな」とぼやくジョヴァンニのまえに、騎士きしちょうかたきへの復讐ふくしゅうちかっているオッターヴィオとアンナが登場とうじょうする。しかしアンナは今朝けさしのんで父親ちちおやころしたものまえのジョヴァンニだとはづいていない。ジョヴァンニは適当てきとうにごまかしてそのるが、かれわかぎわのひとことをいて、アンナはジョヴァンニが今朝けさおとこだったとづく。オッターヴィオはまだ半信半疑はんしんはんぎである。ここで許嫁いいなずけのアンナをなぐさめるアリアをうたうが、これはウィーン初演しょえんのための追加ついかナンバーである。

場面ばめんわってジョヴァンニの屋敷やしきかれ招待客しょうたいきゃくさけ料理りょうりい、「みな元気げんきさけめ、おれはそのあいだにカタログの名前なまえやすのだ」という「シャンパンのうた」を豪快ごうかいうたう。

ふたたびマゼットとツェルリーナが登場とうじょう。マゼットは新婦しんぷツェルリーナが軽薄けいはく浮気うわきしゃだとおこっている。しかし新婦しんぷは「ぶってよわたしのマゼット」と下手へた機嫌きげんるので、単純たんじゅんなマゼットはすぐに機嫌きげんなおす。

そこにエルヴィーラ、アンナ、オッターヴィオが、ジョヴァンニのつみあばくため、仮面かめんをつけてやってきて、祝宴しゅくえんまぎむ。みんなでダンスをしているとジョヴァンニはツェルリーナを別室べっしつれてく。おそわれて悲鳴ひめいをあげる彼女かのじょ。それをきっかけに3にん仮面かめんすてて、ジョヴァンニを告発こくはつする。かれは、レポレッロを、ツェルリーナをおそった犯人はんにん仕立したててごまかそうとするが、もはやだれもだまされない。ジョヴァンニは窮地きゅうちおちいるが、だい混乱こんらんうちすきをみてレポレッロとともし、だい1のまくりる。

だい2まく

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夕方ゆうがた。レポレッロが主人しゅじんにぼやいている。「もうこんな仕事しごとはいやだ、おひまをもらいたい」というのだが、最終さいしゅうてきにはかね慰留いりゅうされてしまう。さて今夜こんやのジョヴァンニはエルヴィーラの女中じょちゅうねらっており、女中じょちゅうちかづくためにレポレッロと衣服いふくえる。ちょうどそのとき、エルヴィーラがいえ窓辺まどべあらわれたので、ジョヴァンニはレポレッロをエルヴィーラのいえまえたせて自分じぶんのふりをさせ、自分じぶんかくれたところから、いかにも反省はんせいしたようなうそをつく。エルヴィーラは、ジョヴァンニが自分じぶんへのあいもどしてくれたものとしんじきって、ジョヴァンニにふんしたレポレッロにされる。一方いっぽう、レポレッロにふんしたジョヴァンニは、エルヴィーラの部屋へやまどもとで、女中じょちゅうのためにセレナードをうたう(「窓辺まどべでよ」)。

そこにマゼットがむらわかしゅとともに登場とうじょうする。みな棍棒こんぼうじゅうち、これからジョヴァンニをころすのだという。これをいたジョヴァンニは、レポレッロのりをしてみなをあちこちに分散ぶんさんさせ、自分じぶんとマゼットだけになると、けんみねでマゼットをえてる。

やめがるマゼットのもとにツェルリーナがやってきて、「そんないたみはこのわたしなおしてあげるわ」といってなぐさめ、マゼットのをとって自分じぶんむねてる。すっかりそのになっていたみもわすれた新郎しんろうと、いそいそとそのる。

一方いっぽう、エルヴィーラとおもわぬデートをする羽目はめになったレポレッロは、なにとかごまかして彼女かのじょからはなれようとするものの、うんわるくアンナとオッターヴィオにくわしてしまう。げようとすると、マゼットとツェルリーナにもはちわせしまう。かれがジョヴァンニだとおもっている4にんかれころそうとするが、エルヴィーラがあらわれてジョヴァンニのために命乞いのちごいをする。4にんは、ジョヴァンニをうらんでいたはずのエルヴィーラがかれ命乞いのちごいをすることにおどろくが、ジョヴァンニ(じつはレポレッロ)のことをゆるそうとはしない。いのち危険きけんかんじたレポレッロはついに正体しょうたい白状はくじょうし、一同いちどうあきれる。レポレッロは平謝ひらあやまりしつつすきをみてす。

オッターヴィオは恋人こいびとのアンナをなぐさめるアリアをうたうが、ウィーン初演しょえんばんではこれはカットされた(わりがだい1のアリア)。つづいてウィーンばん追加ついかナンバーで、ツェルリーナがレポレッロをらえてひどいわせる二重唱にじゅうしょうと、エルヴィーラのアリア(ジョヴァンニの裏切うらぎりへのうらみと、かれわすれられない自分じぶん本心ほんしんとの矛盾むじゅんしんみだ内容ないよう)があるが、前者ぜんしゃ通常つうじょう省略しょうりゃくされる。

真夜中まよなかの2墓場はかばでレポレッロとったジョヴァンニにたいし、騎士きしちょう石像せきぞう突如とつじょくちく。おそれおののくレポレッロと対照たいしょうてきに、ジョヴァンニはじゃれに石像せきぞう晩餐ばんさん招待しょうたいするとし、石像せきぞうはそれを承諾しょうだくする。

オッターヴィオはアンナに結婚けっこんせまるが、アンナは父親ちちおやくなったすぐなのでいま適当てきとう時期じきではないという。オッターヴィオは非礼ひれいびるが、これはアンナにオッターヴィオの真実しんじつあい誠実せいじつさを確信かくしんさせアンナのアリアへとつながる。

音楽おんがく音声おんせい外部がいぶリンク
晩餐ばんさん場面ばめん引用いんようされている楽曲がっきょく
ソレル作曲さっきょく"Una Cosa Rara"より"O Quanto Un Si Bel Giubilo" - ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ英語えいごばん合唱がっしょう)とジョルディ・サヴァール指揮しきル・コンセール・デ・ナシオン英語えいごばん演奏えんそうThe Orchard Enterprises提供ていきょうのYouTubeアートトラック。
サルティ作曲さっきょく"Fra i due litiganti il terzo gode"より"Come un agnello" - ロベルト・スカルトリーティ(Roberto Scaltriti、バリトン)とクリストフ・ルセ指揮しきレ・タラン・リリク演奏えんそうUniversal Music Group提供ていきょうのYouTubeアートトラック。
モーツァルト作曲さっきょくフィガロの結婚けっこん』より『もうぶまいぞこの蝶々ちょうちょう - ヘルマン・プライ(バリトン)とカール・ベーム指揮しきベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽かんげんがくだん、Universal Music Group提供ていきょうのYouTubeアートトラック。

ジョヴァンニは早速さっそく屋敷やしき食事しょくじ支度したくはじめる。楽士がくし流行りゅうこう音楽おんがく演奏えんそうしている。ビセンテ・マルティーン・イ・ソレルの『椿事ちんじ("Una cosa rara")』やジュゼッペ・サルティの『2人ふたりあらそえば3にんとくをする(とんび油揚あぶらあげ漁夫ぎょふ、"Fra i due litiganti il terzo gode")』といったほか作曲さっきょくのオペラの一節いっせつつづいて、モーツァルト自身じしんの『フィガロの結婚けっこんちゅうのアリア「もうぶまいぞこの蝶々ちょうちょう」が演奏えんそうされると、レポレッロが「これは有名ゆうめいなやつだ」とコメントして観客かんきゃくわらわせる。前年ぜんねんヒットしたこの作品さくひんたくした、作曲さっきょくしゃからプラハの聴衆ちょうしゅうへのサービスである。

晩餐ばんさんはじまり、ジョヴァンニは旺盛おうせい食欲しょくよくしめしてレポレッロにあきれられる(この部分ぶぶんはイ・ソレルの上記じょうききょく一部いちぶからの引用いんよう)。つまみいしたレポレッロをジョヴァンニがからかっているところにエルヴィーラが登場とうじょうし、かたえるべきだと忠告ちゅうこくする。ジョヴァンニがまともに相手あいてをしないので、エルヴィラはあきらめてろうとするが、玄関げんかん突然とつぜん悲鳴ひめいげてべつ出口でぐちからる。何事なにごとかとったレポレッロもやはり悲鳴ひめいげてもどってくる。約束やくそくどおりに騎士きしちょう石像せきぞうがやってきたのである。石像せきぞうはジョヴァンニのつかまえ、「あらためよ、かたえろ」とせまる。

ひだり:モリス・ロビンソン英語えいごばんとデヴィッド・ピットシンガー(2011ねん

ジョヴァンニは恐怖きょうふにおののきながらもかたくなにこれを拒否きょひする。問答もんどうのち、「もう時間切じかんぎれだ」といって石像せきぞう姿すがたすと地獄じごくひらき、ジョヴァンニは地獄じごくきずりまれる。

そこへエルヴィーラ、アンナ、オッターヴィオにマゼットとツェルリーナが登場とうじょうする。レポレッロの説明せつめいき、一同いちどうかれ地獄じごくちたことをる。以下いかプラハばんでは、アンナは父親ちちおやのためにもう1ねんふくしたいといい、オッターヴィオも同意どういする。エルヴィーラはあいするジョヴァンニのために修道院しゅうどういん余生よせいおくるという。マゼットとツェルリーナはいえにもどってようやくいて新婚しんこん生活せいかつはじめようとする。レポレッロはもっといい主人しゅじんつけようという(ウィーンばんではこれらの部分ぶぶんがカットされている)。一同いちどう悪漢あっかんのなれのてはこのようになるとうたい、まくりる。

ドン・ジョヴァンニの楽曲がっきょくによる作品さくひん

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ プラハの邸宅ていたくベルトラムカ”. Czech Republic Land of Stories. CzechTourism. 2017ねん3がつ8にち閲覧えつらん
  2. ^ 公演こうえん情報じょうほう - 昭和音楽大学しょうわおんがくだいがくオペラ研究所けんきゅうじょ オペラ情報じょうほうセンター

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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  • コジ・ファン・トゥッテ
  • ふえ
  • エツィオ・ピンツァ - イタリア出身しゅっしんバス歌手かしゅだいいちだいりょう大戦たいせんあいだにおいてドン・ジョヴァンニやく人気にんきはくした。
  • チェーザレ・シエピ - イタリア出身しゅっしんのバス歌手かしゅ。1950年代ねんだい・60年代ねんだいにおける理想りそうてきなドン・ジョヴァンニ歌手かしゅとされた。
  • 福山ふくやま庸治ようじ - 1991ねんに「モーツァルトぼつ200ねん御免ごめん連載れんさい」とだいし、歌劇かげき「ドン・ジョヴァンニ」を舞台ぶたい日本にっぽん時代じだい江戸えど時代じだいうつし、登場とうじょう人物じんぶつ性別せいべつ変更へんこうするひとしてSFふうにコミカライズした。
  • セーレン・キェルケゴール - 「ドン・ジョヴァンニ」に注目ちゅうもくし、著書ちょしょあれか、これか』においておおくをいて言及げんきゅうしている。
  • シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』 - 中盤ちゅうばん、ホームズが「ばくだんがある」と推理すいりしてパリのオペラ突入とつにゅうしたとき、そこで上演じょうえんされていた。フィナーレの地獄じごくちの場面ばめんと、オペラではないべつ場所ばしょ爆破ばくは事件じけんきる様子ようすが、交互こうごうつされている。

外部がいぶリンク

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