ノルマンディー

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ノルマンディーの地図ちず

ノルマンディーフランス語ふらんすご: Normandie英語えいご: Normandyノルマン: Nourmaundie)は、イギリス海峡かいきょうのぞフランス北西ほくせい地方ちほうで、王政おうせい時代じだいしゅうである。今日きょうでは地理ちりてき文化ぶんかてき意味合いみあいもつ。ノルマンディノルマンジーとも表記ひょうきされる。

ノルマンディー地域ちいきけん総称そうしょうである一方いっぽうガーンジーとうジャージーとう代官だいかんから構成こうせいされるノルマンディーおおやけりょうは、ノルマンディーこう称号しょうごうグレートブリテン君主くんしゅ宗主そうしゅけんにある。

由来ゆらい[編集へんしゅう]

ノルマンディーとは、Normandの名称めいしょう接尾せつびの-ieが付加ふかされたものである。Normandとはフランクのnortman、またはノースのnordmaðrよりきており、どちらも「きた人間にんげん」を意味いみする[1]。9世紀せいきわりからNortmannusという中世ちゅうせいラテン語らてんご名称めいしょう使つかわれたと証明しょうめいされている[2]。したがってノルマンディーとは「きた人間にんげん土地とち」(pays des hommes du Nord)を意味いみする。

歴史れきし[編集へんしゅう]

フランス革命かくめいどき1790ねんに5つのけん分割ぶんかつされた。だいよん共和きょうわせいした1956ねん西部せいぶの3けんカルヴァドスけんマンシュけんオルヌけん)をわせてバス=ノルマンディー地域ちいきけん東部とうぶの2けんウールけんセーヌ=マリティームけん)をわせてオート=ノルマンディー地域ちいきけん設置せっちされた。

2016ねん1がつ1にち地域ちいきけん再編さいへんによって2つの地域ちいきけん合併がっぺいノルマンディー地域ちいきけんとなった。

だい世界せかい大戦たいせん末期まっき連合れんごうぐんによるノルマンディー上陸じょうりく作戦さくせん舞台ぶたいとなった場所ばしょとして有名ゆうめいである。

地理ちり[編集へんしゅう]

域内いきない面積めんせきやく3まん平方へいほうキロメートル、人口じんこうは332まんにん (2013ねん) 。イギリス海峡かいきょうコタンタン半島はんとう先端せんたんにはラ・アーグさい処理しょり工場こうじょうが、西側にしがわモン・サン=ミシェルがある。シェルブールル・アーヴルなどの都市としがある。パリから直行ちょっこうバスで4–5あいだ

文化ぶんか[編集へんしゅう]

シードル(りんごしゅサイダー)の名産めいさんである。ノルマンディーの代表だいひょうてきうたに「マ・ノルマンディー」(わたしのノルマンディー)がある。

しょく文化ぶんか[編集へんしゅう]

農業のうぎょう豊富ほうふ海産物かいさんぶつ畜産ちくさんぎょうからられる食材しょくざいわせた料理りょうり特徴とくちょう温暖おんだん気候きこうにより牧草ぼくそう生育せいいく有利ゆうり土地とちがらから酪農らくのう地帯ちたいとして有名ゆうめいで、フランス国内こくない牛肉ぎゅうにくおよび酪農らくのう製品せいひんのおよそ25%はこの地方ちほう生産せいさんされる。うみがあることから魚介ぎょかいるいした平目ひらめなどのさかなからカニ、かいなどもおお漁獲ぎょかくされる。ル貝るがい帆立貝ほたてがいなどの養殖ようしょくおこなわれている。かわにおいてはアローササケなどもれる。農業のうぎょう分野ぶんやでは、フルーツはリンゴがとくにられるが、ようナシおお生産せいさんされている。野菜やさいAOC認定にんていけているクレアンス英語えいごばんにおけるニンジンや、ほかにもカブ、ジャガイモ、マッシュルームなど[3]。また、やせた土地とちのために小麦こむぎがよくそだたないためソバ栽培さいばいしていた[4]

これらを加工かこうしたものとしてつぎのような飲料いんりょう食品しょくひんがある。ノルマンディーはフランスのいち地方ちほうながらワインはられていないものの、リンゴを原料げんりょうとしたさけ、すなわちシードルやカルヴァドス有名ゆうめい。AOC のカマンベール・ド・ノルマンディをはじめとした各種かくしゅチーズも生産せいさんされている。グランドキュイジーヌ世界せかいではノルマンディふう ( - à la normande) という表現ひょうげんがある。この地方ちほう影響えいきょうけた料理りょうりや、バターやなまクリーム、リンゴ、シードル、かい甲殻こうかくるいなどを使つかった料理りょうりをさす表現ひょうげんとしてもちいられる[3]。ソバを使つかったガレットられる[4]

ノルマンディーのしょく文化ぶんかれい

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Albert Dauzat, Jean Dubois, Henri Mitterand, Nouveau Dictionnaire étymologique et historique, Librairie Larousse, 1971, p. 497.
  2. ^ Charles du Fresne, sieur du Cange, Glossarium.
  3. ^ a b とう段落だんらくここまでは右記うきによる。にちふつ料理りょうり協会きょうかい へん『フランス しょく事典じてん普及ふきゅうばん)』株式会社かぶしきがいしゃ白水しろみずしゃ、2007ねん、460-462ぺーじISBN 978-4-560-09202-6 
  4. ^ a b 並木なみきあさ輝子てるこフランスの郷土きょうど料理りょうり : ツール・ド・グルメ小学しょうがくかん〈Shotor travel〉、2003ねん、52-53ぺーじhttps://ci.nii.ac.jp/ncid/BA65497225 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]