ハイギョ
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![]() オーストラリアハイギョ
Neoceratodus forsteri | |||||||||||||||||||||||||||
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Lungfish | |||||||||||||||||||||||||||
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ハイギョ(
特徴 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/ca/Dolloi.jpg/220px-Dolloi.jpg)
空気 呼吸 と夏眠 - ハイギョは
他 の魚類 と同様 に鰓 (内 鰓 )を持 ち、さらに幼体 は両生類 と同様 に外 鰓 を持 つ[注 3]ものの、成長 に伴 って肺 が発達 し[注 4]、酸素 の取 り込 みの大半 を鰓 ではなく肺 に依存 するようになる[注 5]。数時間 ごとに息継 ぎで水面 に上 がる必要 があり、その際 に天敵 のハシビロコウやサンショクウミワシなどの魚 食 性 鳥類 に狙 われやすい。その一方 、呼吸 を水 に依存 しないため、乾期 に水 が干 れても次 の雨期 まで地中 で「夏眠 」と呼 ばれる休眠 状態 で過 ごすことができる[注 3]。なお夏眠 については、少 なくともペルム紀 の頃 には行 われていた[1]。
この
産卵 - オーストラリアハイギョが
水草 にばらばらに卵 を産 み付 けるのに対 し、その他 のハイギョでは雄 が巣 穴 の中 で卵 が孵化 するまで保護 する。ミナミアメリカハイギョの雄 は繁殖 期 の間 だけ腹 鰭 に細 かい突起 が密生 し、酸素 を放出 して胚 に供給 する[注 6]。 内 鼻孔 - ハイギョは
陸上 脊椎動物 と同様 に外 鼻孔 と内 鼻孔 を備 えている。正面 からは吻端に開口 する1対 の外 鼻孔 が観察 でき、口腔 内 に開口 している内 鼻孔 は見 えない。肺魚 類 と四足 類 は内 鼻孔 を持 つという共通 項 から内 鼻孔 類 とも呼 ばれた。 食 性 と消化 器官 - ハイギョの
歯 は板 状 で「歯 板 」と呼 ばれる。これは複数 の歯 と顎 の骨 の結合 したもので貝殻 も砕 く頑丈 なものである。獲物 をいったん咀嚼 を繰 り返 しながら口 から出 し唾液 とともに吸 い込 むという習性 を持 つ。現生 種 はカエル、タニシ、小 魚 、エビなどの動物 質 を中心 に捕食 するが、植物 質 も摂食 する。頑丈 な歯 板 は化石 に残 りやすいため、歯 板 のみで記載 されている絶滅 種 も多 い。ハイギョの食道 には多少 の膨大 部 はあるものの、発達 した胃 はない。このためにじっくりと咀嚼 を繰 り返 す。ポリプテルス類 、チョウザメ類 、軟骨 魚類 と同様 に、腸管 内面 に表面積 拡大 のための螺旋 弁 を持 つ。総 排出 腔は正中 に開口 せず、必 ず左右 の一方 に開口 する。糞 はある程度 溜 めた後 に、大 きな葉巻 型 の塊 として排泄 する。
系統 ・進化 [編集 ]
もともと
ハイギョには
分類 [編集 ]
現生 種 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/86/Queensland_Lungfish_%28Neoceratodus_forsteri%29.jpg/250px-Queensland_Lungfish_%28Neoceratodus_forsteri%29.jpg)
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/24/Lepidosiren_paradoxa_0.jpg/250px-Lepidosiren_paradoxa_0.jpg)
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f6/Marbled_lungfish_2.jpg/250px-Marbled_lungfish_2.jpg)
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Annectens.jpg/250px-Annectens.jpg)
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d3/Protopterus_dolloi_in_Aqua_Toto_Gifu.jpg/220px-Protopterus_dolloi_in_Aqua_Toto_Gifu.jpg)
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/21/East_African_lungfish.jpg/220px-East_African_lungfish.jpg)
- アフリカハイギョ
科 Protopteridae, African lungfish -
- プロトプテルス・アネクテンス[
注 7] Protopterus annectens (Owen, 1839) - West African lungfish - アフリカハイギョの
一種 。サブサハラ広域 に分布 し、アフリカ西部 と南東 部 でそれぞれ亜種 アネクテンス(P. a. annectens)と亜種 ブリエニー(P. a. brieni)とに分 けられる。全長 約 80cm。 - プロトプテルス・エチオピクス P. aethiopicus Heckel, 1851 - Marbled lungfish
- アフリカハイギョの
一種 。アフリカ熱帯 亜熱帯 域 に分布 し、ナイル川 流域 に基 亜種 のエチオピクス(P. a. aethiopicus)、コンゴ川 流域 に2亜種 コンギクス(P. a. congicus)とメスメケルシー(P. a. mesmaekersi)が報告 されている。全長 約 1.5-2m。ひも状 の対 鰭 を持 つ。 - ヴィクトリア
湖 ではかつて大量 に水揚 げされていたが、ナイルパーチの移入 と増加 により、他 の固有 種 と共 に生息 数 やサイズの低下 が起 きた。 - プロトプテルス・アンフィビウス P. amphibius (W. K. H. Peters, 1844) - East African lungfish
- アフリカハイギョの
一種 。東 アフリカに分布 する、全長 約 44.3~60cmの最小 のハイギョ。胴 が短 い。他 のアフリカハイギョと同様 に対 鰭 はひも状 だが、胸 鰭 後方 の放射 が発達 している。外 鰓 は成体 でも痕跡 が残 る。 - プロトプテルス・ドロイ P. dolloi Boulenger, 1900 - Slender lungfish or Spotted lungfish
- アフリカハイギョの
一種 。コンゴ川 、オゴウェ川 流域 に分布 する。全長 は1m以上 で、プロトプテルスでは最 も胴 が細長 い。ひも状 の対 鰭 を持 つ。ベルギー領 コンゴで発見 され、肺魚 研究 で知 られたルイ・ドロー(en)(イグアノドンの二 足 直立 型 の復元 や進化 不可 逆 の法則 で著名 )にちなんで命名 された。
- プロトプテルス・アネクテンス[
絶滅 種 [編集 ]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/76/Dipterus_valenciennesi.jpg/250px-Dipterus_valenciennesi.jpg)
- ディアボレピス Diabolepis (en)
中国 雲南 省 の前期 デボン紀 の地層 から産出 し、最古 の肺魚 とされる。- ウラノロフス Uranolophus (en)
- アメリカワイオミング
州 の前期 デボン紀 の地層 から発見 。最古 級 の肺魚 。 - ディプテルス Dipterus (en)
- デボン
紀 の地層 から産出 。化石 肺魚 の中 では最 も早 くに記載 された種 (1828年 )。記載 者 の一人 セジウィックはデボン紀 を命名 した。 - グリフォグナトゥス Griphognathus (en)
- 吻が
前方 に伸 びた独特 の形態 を持 つ種 。デボン紀 。 - スカウメナキア Scaumenacia (en)
- カナダケベック
州 の、現在 世界 遺産 に登録 されているミグアシャ国立 公園 内 のデボン紀 の地層 から発見 された種 。発達 した背鰭 が特徴 。 - ケラトドゥス(セラトーダス) Ceratodus (en)
- アガシーが
記載 。中生代 に世界 各地 で繁栄 したグループで、18種 以上 が知 られる[注 1]。後 に酷似 した現生 種 のオーストラリアハイギョが発見 され、話題 となった。
飼育 [編集 ]
入手 法 (2009年 現在 )- アフリカハイギョ、ミナミアメリカハイギョ -
熱帯魚 店 などで数 千 円 から数 万 円 で購入 できる。 - オーストラリアハイギョ -
絶滅 危惧 種 であるため、野生 個体 はワシントン条約 により、商 取引 が制限 されている。2002年 からは合法 的 な養殖 個体 が輸入 されており、数 十 万 円 で取引 されている。
- アフリカハイギョ、ミナミアメリカハイギョ -
管理 - ヒーター -
冬季 はヒーターで25℃から30℃程度 を維持 する必要 がある。 水槽 -泳 ぎ以外 (歩行 ・捕食 ・呼吸 など)の観察 であれば体長 の1.5倍 程度 で足 りる。水面 を完全 に塞 ぐと溺死 の危険 がある。ただしフタがないと跳 んで逃 げる。穴 を掘 る習性 があるため、水草 は流木 や石 などに固定 するか、根 のないものにする。オーストラリアハイギョ以外 は単独 飼育 を基本 とするが、レピドシレンは闘争 心 が薄 いので複数 飼育 も可能 とされる。餌 -本来 は生 きた水生 動物 を捕食 するが、飼育 下 では生 き餌 のほか肉食 魚 用 飼料 でも飼育 される。噛 み砕 いた餌 を吐 いては再 び吸 い込 むことを繰 り返 すので、水質 が悪化 しやすい[6]。繁殖 -海外 では研究 ・商業 目的 で増殖 が行 なわれているが、日本 国内 では行 なわれていない。完全 に輸入 に頼 っているのが現状 である。しかし、国内 で繁殖 に挑戦 している個人 や組織 も存在 する。
- ヒーター -
脚注 [編集 ]
注釈 [編集 ]
- ^ a b Marshall, 1966 には、
肺魚 55属 122種 (当時 )の一覧 が載 る。 - ^ Cloutier and Ahlberg, 1996 によれば64
属 280種 (当時 )、ただし約 125種 は歯 板 のみである。デボン紀 は85種 以上 、三 畳 紀 は45種 以上 である。 - ^ a b ネオケラトドゥスを
除 く。 - ^ オーストラリアハイギョは1
室 、アフリカハイギョ、ミナミアメリカハイギョでは2室 が発達 。 - ^
依存 度 に関 しては、内 鰓 、肺 の前後 での二酸化炭素 と酸素 の分 圧 変化 を調査 したSzidonら,1969 に詳 しい。 - ^ 1932
年 、Cunninghamらが確認 。これを疑問 視 するFoxonとの議論 は、1933年 6-8月 のNature誌上 で展開 されている。 - ^ プロトプテルス・アンネクテンスとも
書 かれる。
出典 [編集 ]
- ^ A middle Permian (Roadian) lungfish aestivation burrow from the Rio do Rasto Formation (Paraná Basin, Brazil) and associated U-Pb dating (Heitor Francischini:2018)
- ^ Fooled by Nature - Lungfish - YouTube Animal Planet
- ^
松井 正文 「脊椎動物 の多様 性 と系統 」、松井 正文 編 『バイオディバーシティ・シリーズ 7脊椎動物 の多様 性 と系統 』岩槻 邦男 ・馬渡 峻 輔監修 、裳 華 房 、2006年 、2-43頁 。 - ^ John Dawes「
肉 鰭 類 」、中 坊 徹 次 監訳 、甲斐 嘉晃 ・亀甲 武志 ・中山 耕 至 訳 『知 られざる動物 の世界 2原始 的 な魚 のなかま』、朝倉書店 、2011年 、26-35頁 。 - ^
矢野 衛 「肉 鰭 綱 」「魚類 分類 表 」、松井 正文 編 『バイオディバーシティ・シリーズ 7脊椎動物 の多様 性 と系統 』岩槻 邦男 ・馬渡 峻 輔監修 、裳 華 房 、2006年 、219-221, 338-340頁 。 - ^
大 図鑑 2005, p. 450, 「肺魚 」.
参考 文献 [編集 ]
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- Natterer, Johann (1837). “Lepidosiren Paradoxa, eine neue Gattung der fischähnlichen Reptilien”. Annalen des Wiener Museums der Naturgeschichte (Wien) ii: 165.
- Owen, Richard (1839). “Descriotion of the Lepidosiren annectens”. The Transactions of the Linnean Society of London (London: Richard and John E. Taylor) XVIII: 237-361.
- Peters, Wilhelm (1844). “Lepidosiren annectens verwandten, mit Lungen and Kiemen zugleich versehenen Fisch aus den Sümpfen von Quellimane in Afrika”. Monatsbericht der Akad. der Wissensch. zu Berlin (Berlin).
- Poll, Max (1861). “Revision systématique et raciation géographique des Protopteridae de l'Afrique centrale”. Musee Royal de l’Afrque –Tervuren, Belgique Annales - serie in-8° -Sciences Zoologiques (Bruxelles) 103: 3-51.
- Marshall, Charles (1966). “A List of Fossile and Extent Dipnoans”. Journal of Morphology (New York: Alan R. Lissm Inc.) supplement (1): 15-23.
- Szidon, Jan (1969). “Heart and Circulation of the African Lungfish”. Circulation Research (American Heart Association) XXV.
- Günther, Albert (1871). “Description of Ceratodus: a genus of ganoid fishes, recently discovered in rivers of Queensland, Australia”. Philos. Trans. R. Soc. Lond. (London: Taylor and Francis) 2 (161): 511-572.
- Cloutier, Richard; Ahlberg, Per Erik (1996). “Morphology, Characters, and the Interrelationships of Basal Sarcopterygians”. Interrelationships of Fishes (Academic Press): 450-454.
- 『
増補 改訂 熱帯魚 決定 版 大 図鑑 』世界文化社 、2005年 4月 1日 。ISBN 4-418-05901-6。
関連 項目 [編集 ]
- シーラカンス - ハイギョと
同 じ肉 鰭 類 の魚 。 - ポリプテルス -
現生 種 では条 鰭 類 の最古 の系統 とされ、ハイギョとも複数 の共通 形質 を持 つ。 生 きている化石 - ダーウィンがハイギョを指 して用 いた表現 。- ゲノム - ハイギョのゲノムサイズ(C
値 )は動物 界 で最大 。高等 な哺乳類 よりも高 く、C値 パラドクスと呼 ばれる。