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ハマユウ

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ハマユウ
ハマユウ
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperm
階級かいきゅうなし : たん子葉しようるい Monocots
: キジカクシ Asparagales
: ヒガンバナ Amaryllidaceae
ぞく : ハマオモトぞく Crinum
たね : ハマユウ C. asiaticum
学名がくめい
Crinum asiaticum L.
和名わみょう
ハマユウ、ハマオモト

ハマユウ浜木綿はまゆう学名がくめい: Crinum asiaticum)は、ヒガンバナ多年草たねんそう。(クロンキスト体系たいけいではユリ)。はな様子ようすは、コウゾなどの樹皮じゅひほそいてつくった繊維せんいからつくったぬのており、神道しんとう神事しんじもちいられるしろぬのゆう(ゆふ)ぶ。別名べつめいのハマオモトは、にくあつながオモト万年青おもと)にることから。

みずはけがあたりの場所ばしょこのみ、おも温暖おんだん海浜かいひんられる(海浜かいひん植物しょくぶつ)。みちばたや公園こうえんにわえられることもある。日本にっぽん自生じせいするのは亜種あしゅ C. a. var. japonicum (Baker)。宮崎みやざきけん県花けんかとなっている。

形態けいたい

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くさ姿すがたふと円柱えんちゅうじょうみきのようなもののうえから昆布こぶのような周囲しゅういひろがるたいす。このみきのようなものはしんくきではなく、肉質にくしつつつじょうかさなったものでにせくきばれ、ヒガンバナタマネギ鱗茎りんけいとほぼあいどうなものである。くきはこのにせくき基部きぶに、短縮たんしゅくした円盤えんばんがたのものがある。ヒガンバナなかでもヒガンバナぞくLycoris)にえんちかく、ヒガンバナとおなリコリンというアルカロイドを、とくにせくきおおふくみ、べると下痢げりもよおす。

花期かきなつで、あいだなかからふとくてまっすぐなくきうえばし、先端せんたん多数たすうはなかたちにつける。花序かじょははじめつとつつまれ、開花かいかにはこのつとしたれる。はなみじかさきにあってしろ細長ほそながい6まいはなち、花弁はなびら根本こんぽんほうたがいにせっしてつつじょう先端せんたんはバラバラにかえる。はな日没にちぼつ前後ぜんこうからつよ芳香ほうこうはっするようになり、大型おおがたスズメガが吸蜜におとずれて花粉かふん媒介ばいかいする。

種子しゅし

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受粉じゅふん成立せいりつすると、はなつつ融合ゆうごうした子房しぼう肥大ひだいしていびつ球形きゅうけい果実かじつとなり、じゅくすときれひらけしてまるコルクしつあつ種皮しゅひおおわれた種子しゅしすうとす。この種子しゅし海上かいじょうなんヶ月かげつきたまま漂流ひょうりゅうする能力のうりょくがあり、海流かいりゅうによって現在げんざい分布ぶんぷいきひろがったとかんがえられている。種子しゅしみずがなくても発芽はつがし、つくえうえなどに放置ほうちした状態じょうたい発芽はつがするのを観察かんさつできる。自然しぜん状態じょうたいでは海岸かいがん漂着ひょうちゃくしてからしおうえたいすな砂礫されきうえ発芽はつがし、あめって周囲しゅういみず供給きょうきゅうされたときにすみやかにばすものとかんがえられている。

分布ぶんぷ

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ひがしアジアからみなみアジアにかけて温暖おんだん地域ちいき分布ぶんぷする。日本にっぽんでは、房総半島ぼうそうはんとう南部なんぶ三浦半島みうらはんとう伊豆半島いずはんとう南岸なんがん渥美半島あつみはんとう紀伊きい半島はんとう南岸なんがん四国しこく太平洋たいへいようきし山口やまぐちけん南西なんせいがん九州きゅうしゅう沿岸えんがん壱岐いきなど、おも黒潮くろしお直面ちょくめんした沿岸えんがん砂丘さきゅう自生じせいしている。島根しまねけん知夫里島ちぶりじま海岸かいがんにも生息せいそく確認かくにんされている。ハマオモトは、黒潮くろしお影響えいきょうけて南方なんぽうから侵入しんにゅうする生物せいぶつ典型てんけいてき分布ぶんぷいきしめしているとかんがえられ、その分布ぶんぷ北限ほくげんとし平均へいきん気温きおん15℃の等温とうおんせんおよびとし最低さいてい気温きおん平均へいきん-3.5℃の等温とうおんせんとほぼ一致いっちする。小清水こしみず卓二たくじ1938ねんにこれをひとつの分布ぶんぷ境界きょうかいせんなし、ハマオモトせん(Crinum Line)とんだ[1]イネ害虫がいちゅう・サンカメイガの分布ぶんぷ北限ほくげんより提唱ていしょうされた分布ぶんぷ境界きょうかいせんである本州ほんしゅう南岸なんがんせんとし最低さいてい気温きおん平均へいきん-3.5℃の等温とうおんせんとほぼ合致がっちしており、ハマオモトせん本州ほんしゅう南岸なんがんせんはほぼ同一どういつのものとなされている。この、とし最低さいてい気温きおん平均へいきん-3.5℃の等温とうおんせん分布ぶんぷ北限ほくげんとする植物しょくぶつとしては、ナチシダイヌガシなどがられている。

市町村しちょうそんはな

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以下いか市町村しちょうそんはなまちはな指定していされている。

関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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中西なかにし弘樹ひろきちょ 『うみから植物しょくぶつ -黒潮くろしおはこんだはなたち-』(2008)

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Koshimizu T, On the “Crinum Line” 植物しょくぶつがく雑誌ざっし Vol.52 (1938) No.615 P135-139