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ヒガンバナ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒガンバナ
ヒガンバナ
リコリス、曼珠沙華まんじゅしゃげともばれ
日本にっぽんではあき彼岸ひがんころ花開はなひら
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperms
階級かいきゅうなし : たん子葉しようるい Monocots
: キジカクシ Asparagales
: ヒガンバナ Amaryllidaceae
: ヒガンバナ Amaryllidoideae
れん : ヒガンバナれん Lycorideae
ぞく : ヒガンバナぞく Lycoris
たね : ヒガンバナ L. radiata
学名がくめい
Lycoris radiata (L'Hér.) Herb. (1819)[1]
シノニム
和名わみょう
ヒガンバナ(彼岸花ひがんばな
英名えいめい
red spider lily
品種ひんしゅ変種へんしゅ

ヒガンバナ彼岸花ひがんばな石蒜ひがんばな学名がくめいLycoris radiata (L'Hér.) Herb., 1819 : [2])は、ヒガンバナ[注釈ちゅうしゃく 1]ヒガンバナぞく多年草たねんそうである。別名べつめい曼珠沙華まんじゅしゃげ(マンジュシャゲ)、カミソリバナトウロウバナスイセンアマリリスなど[3]学名がくめいからリコリス・ラジアータともばれる。

原産地げんさんち中国ちゅうごく大陸たいりくであり、日本にっぽんにおいてはまえ帰化きか植物しょくぶつ分類ぶんるいされる[4]分布ぶんぷ日本にっぽん全国ぜんこくである[4][注釈ちゅうしゃく 2]あき彼岸ひがん(9がつ)のころに、花茎かけいさきつよかえったあざやかなあかはなかせ、あきわりにびて翌年よくねん初夏しょかれるという、多年草たねんそうとしては特殊とくしゅ性質せいしつっている[4]地下ちか鱗茎りんけい球根きゅうこん)につよ毒性どくせいゆうする有毒ゆうどく植物しょくぶつであるが、かつて救荒作物きゅうこうさくもつとして鱗茎りんけいのデンプンをどくきしてべられていた[4]

名前なまえ

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彼岸花ひがんばな曼珠沙華まんじゅしゃげ

学名がくめいぞくめい Lycoris(リコリス)は、ギリシャ神話しんわ女神めがみうみせいであるネレイド1人ひとりであるリュコーリアス英語えいごばん (Lycorias) からとられ、たね小名しょうみょう radiata (ラジアータ)は「放射状ほうしゃじょう」の意味いみで、はな完全かんぜんひらいたとき放射状ほうしゃじょうおおきくひろがっている様子ようすにちなむ[5]英語えいごでは、レッドスパイダーリリー (Red spider lily)、スパイダーリリー (Spider lily) などのはなめいがある[6]

彼岸花ひがんばな(ヒガンバナ)のあき彼岸ひがんころ突然とつぜん花茎かけいばしてあざやかな紅色こうしょくはな開花かいかすること由来ゆらいする[7][8]べつせつには、これをべたのちは「彼岸ひがん)」しかない、というせつる。

別名べつめい曼珠沙華まんじゅしゃげ(マンジュシャゲ)はうたにもうたわれたことでもられ[9]梵語ぼんご(サンスクリット)で「あかはな[10]先立さきだってあかはなかせる」という意味いみから名付なづけられたとわれている[7]。サンスクリット manjusaka のおとうつしであり、『法華経ほけきょう』などの仏典ぶってん由来ゆらいする。また、法華経ほけきょう序品じょぼんでは、釈迦しゃか法華経ほけきょうかれたさいに、これをしゅくしててんからったはなよんはな)の1つが曼珠沙華まんじゅしゃげであり[10]はな姿すがた不明ふめいだが「あかだんはな」のかんやくなどから、いろあか想定そうていされている。したがって、よんはな曼陀羅華まんだらげ同様どうよう法華経ほけきょう曼珠沙華まんじゅしゃげ天上てんじょうはなという意味いみもある。

また、『万葉集まんようしゅう』にえる「いちしのはな」を彼岸花ひがんばなとするせつる(「みちのべのいちはなの灼しかひとみなりぬこいつまは」、11・2480)。食用しょくよう一般いっぱんてきには危険きけんだが、どくいて常食じょうしょくとする場合ばあいもあることから、悲願ひがんはなという解釈かいしゃくられる。

日本にっぽんではかく地方ちほうのみでつうじた異名いみょう派生はせいし、別名べつめい地方ちほうめい方言ほうげんすうひゃくから1000しゅ以上いじょうあるとわれている[11][12]葬式そうしきはな(そうしきばな)[11]はかはな(はかばな)[11]死人しにんはな(しびとばな)[6]地獄じごくはな(じごくばな)[6]幽霊ゆうれいはな(ゆうれいばな)[6]火事かじはな(かじばな)[11]へびはな(へびのはな)、剃刀かみそりはな(かみそりばな)[6]きつねはな(きつねばな)[6]はな(すてごばな)[6]灯籠とうろうはな(とうろうばな)、天蓋てんがいはな[6]などがそのれいで、不吉ふきつ別名べつめいおおられる[10]。それにくわえ、開花かいかはな同時どうじられないため、はなず(はみずはなみず)の別称べっしょうゆうする[13][10]

分布ぶんぷ生育せいいく

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水田すいでんのあぜみち群生ぐんせいするヒガンバナ

中国ちゅうごく大陸たいりく原産げんさん[14][8]日本にっぽん列島れっとうでは北海道ほっかいどうから南西諸島なんせいしょとうまでられる。土手どて堤防ていぼう、あぜ、道端みちばた墓地ぼち線路せんろさいなど、人手ひとではいっている場所ばしょ生育せいいくしている[9][6]とくに、田畑たはたえん沿ってれつをなすときには花時はなどき見事みごと景観けいかんをなす。湿しめった場所ばしょこのみ、ときみずあらわれて球根きゅうこん露出ろしゅつするのがられる。なお、山間さんかん森林しんりんないでもられる場合ばあいがあるが、これはむしろそのような場所ばしょがかつては人里ひとざと里山さとやま)であった可能かのうせいしめす。仏教ぶっきょう由来ゆらいするはなであり、原種げんしゅ彼岸ひがんの9がつごろいたため、かつては墓地ぼち寺院じいんなどの周辺しゅうへんうえ栽されている場合ばあいおおかった。また、その植生しょくせいからモグラなどのがいじゅう対策たいさくとして、あぜうえ栽される場合ばあいもあった[11]

日本にっぽん列島れっとうには中国ちゅうごく大陸たいりくから有史ゆうし以前いぜん渡来とらいしたとかんがえられており、現在げんざいでは各地かくち野生やせいしている[8]。その経緯けいいについては、稲作いなさく伝来でんらいとも鱗茎りんけい混入こんにゅうしてきてひろまったとわれるが、モグラやネズミなどをけるために有毒ゆうどく鱗茎りんけいをあえてみ、あぜ土手どてえたと推測すいそくする意見いけんもある[15]。また、鱗茎りんけい石蒜ひがんばなともいい、適切てきせつもちいればくすりになるほか、のりりょうとしてもちいたり、みずさらして有毒ゆうどく成分せいぶんアルカロイド除去じょきょすることで救荒きゅうこうしょくとしたりする[3]。これの澱粉でんぷん栃木とちぎけんなどでは「ヒガンバナもち」などをつくる。

日本にっぽん列島れっとう繁殖はんしょくしているヒガンバナは、染色せんしょくたい基本きほんすうの3ばいあるさんばいたいであり、正常せいじょうたまご細胞さいぼうせい細胞さいぼうつくられないため、いわゆる「たねし」になってしまい、一般いっぱん種子しゅしでは子孫しそんのこせない[16]みのりせいである。種子しゅし植物しょくぶつ同様どうよう方法ほうほうでは、みずか生育せいいくひろげるじゅつたないため、ひと一切いっさいはいらないような場所ばしょに、突然とつぜんそだつことがない植物しょくぶつである[17]

ただし、中国ちゅうごく大陸たいりくには種子しゅし繁殖はんしょく可能かのう遺伝いでんてき多様たようなヒガンバナの2ばいたい自生じせいし、それらが3ばいからだすることで、いくつかのタイプのヒガンバナが存在そんざいする。このため、「中国ちゅうごく突然とつぜんまれた3ばいたいのヒガンバナが日本にっぽんまれた」と推察すいさつされている[16]

特徴とくちょう

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ぜんくさ有毒ゆうどく多年生たねんせい球根きゅうこんつく植物しょくぶつである[9]地下ちかにはタマネギのようなぶりの鱗茎りんけいがあり、たまごじょう球形きゅうけい外皮がいひくろく、下方かほうにややふとくてしろひげゆうする[7][9]

花期かきあき彼岸ひがんのころ(9がつ中旬ちゅうじゅん)で、土中どちゅう花芽かが温度おんど変化へんかだけをかんじてぶし[10]よりもさき地上ちじょうから花茎かけいし、かたち花序かじょな6べんはな放射状ほうしゃじょう輪状りんじょう)にすうつけて[9][8]。その姿すがた独特どくとくで、たかさ30 - 60センチメートル (cm) [6]えだふし花茎かけい地上ちじょう突出とっしゅつし、その先端せんたんつとつつまれた花序かじょが1つだけく。つとれると5 - 7前後ぜんこうはなかお[18]はなみじかがあってよこいてひらき、全体ぜんたいとしてはすべてのはなせいじょうそときにならぶ。はなみちは5 - 15 cm ほどある[8]。1つのはなには、はなへん花弁はなびら)が6つき[18]ながさ40ミリメートル (mm)、はばやく5 mmと細長ほそながく、おおきくかえ[8]しべは6ほんしべが1ほんあり、ともにはながいなが[9]。ヒガンバナのつぼみは5がつ中頃なかごろには鱗茎りんけいなかつくられ、くとも地下ちか鱗茎りんけいたくわえた栄養分えいようぶん使つかって花茎かけいばし、地上ちじょうからかおしてから1週間しゅうかんほどではなかすことができる[19]

さんばいたい場合ばあい種子しゅしができず、はな花茎かけいくなると(10がつごろ)たばになって[7][9][8]扁平へんぺい線形せんけい濃緑こみどりしょく光沢こうたくがあり、ちゅうみゃく裏側うらがわしろっぽい[9][8]晩秋ばんしゅうには、鱗茎りんけい1個いっこからながさ30 - 50 cm のほそロゼットじょうすうまいしてみどりたもったままふゆし、ほかの植物しょくぶつしげりだす初夏しょか(4 - 6がつごろ)にはらして地上ちじょうえなくなる[7][9][13]

日本にっぽん列島れっとうのヒガンバナは種子しゅしつくらない、自然しぜんなかまれた3ばいたい植物しょくぶつ代表だいひょうてきしゅである[16]。ただし、ごくまれに種子しゅしができる場合ばあいがあるともわれている[20]発芽はつが能力のうりょくい。日本にっぽん列島れっとうの3ばいたいのヒガンバナは種子しゅしができないわりに、なか球根きゅうこん旺盛おうせいぶんたまして繁殖はんしょくしてきたため、遺伝いでんてきにはどういち遺伝子いでんしゆうし、おな地域ちいき個体こたい開花かいかはなおおきさやいろ草丈くさたけがほぼおなじようにそろうのは、クローンであるためである[16]

突然変異とつぜんへんいしゅ自然しぜん交雑こうざつしゅ

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通常つうじょうよくられる日本にっぽん在来ざいらいの、赤色あかいろしゅのヒガンバナに、まれ色素しきそ形成けいせい異常いじょうしらみがかった個体こたい[注釈ちゅうしゃく 3]られることがあるが、これは夏場なつばにグリホサートざいなどの除草じょそうざい後遺症こういしょうであると最近さいきんかんがえられている。また、日本にっぽんの3ばいたいのヒガンバナのなかから、じょう変異へんい個体こたい(スポート・ミュータント)として、ピンク色ぴんくいろはなかせる桃色ももいろのヒガンバナ、くろ赤色あかいろのヒガンバナ、八重咲やえざき彼岸花ひがんばななどの安定あんていした園芸えんげい個体こたい選抜せんばつされて、存在そんざいする。日本にっぽん在来ざいらいの、赤色あかいろしゅのヒガンバナは、さんばいたい(3n = 33)のためにみのりせいである。

みのりせいがある中国ちゅうごく原種げんしゅのヒガンバナは、最近さいきん分類ぶんるいでは 以前いぜん学名がくめいコヒガンバナ (Lycoris radiata (L'Hér.) Herb. var. pumila Grey, 1938) とされていたが、これをはいし、最近さいきん分類ぶんるいでは、整理せいりされて中国ちゅうごくの2ばいたい植物しょくぶつぐん染色せんしょくたいが(2n = 22)も、日本にっぽん国内こくないの3ばいたい植物しょくぶつぐん(3n = 33)も学名がくめいは (Lycoris radiata (L'Hér.) Herb., 1819) としてまとめられた。染色せんしょくたいが(2n = 22)の2ばいたいみのりせいがあり、たねとの交配こうはいによって多様たよう園芸えんげい品種ひんしゅ作出さくしゅつされるベースに使用しようされている。花色はないろ深紅しんくしょくあか紫色むらさきいろなどの個体こたい[8]

World Checklist of Selected Plant Families: Royal Botanic Gardens, Kew

英国えいこく王立おうりつ植物しょくぶつえんキュー・植物しょくぶつチェックリスト  01/20, 2024. 閲覧えつらん

https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:77282948-1

もっと有名ゆうめいなヒガンバナベースの園芸えんげい植物しょくぶつは、シロバナマンジュシャゲがある。

シロバナマンジュシャゲ (リコリス・× アルビフロラ)  自然しぜん交雑こうざつしゅ

Lycoris × albiflora Koidz., 1924


シロバナマンジュシャゲ 交配こうはいしき = ショウキズイセン (2ばいたい) × ヒガンバナ (3ばいたい)

ショウキズイセン(黄色おうしょくはな) : Lycoris traubii Hayward, 1957

ヒガンバナ(赤色あかいろはな) : Lycoris radiata (L'Hér.) Herb., 1819


有毒ゆうどくせい

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ヒガンバナは有毒ゆうどく植物しょくぶつとしてられており、とく鱗茎りんけいには作用さようはげしいアルカロイドやく1パーミルふくんでいる[7]含有がんゆうされるアルカロイドとしては、リコリン (Lycorine), 50パーセントであるが、それ以外いがいにも、ガランタミン (Galanthamine), セキサニン (Sekisanine), ホモリコリン (Homolycorine), などをふく[7]。リコリンの語源ごげんはヒガンバナぞく学名がくめい「リコリス」に由来ゆらい[11]経口けいこう摂取せっしゅすると流涎りゅうぜん(よだれ)や腹痛はらいたともな下痢げりこし、重症じゅうしょう中毒ちゅうどく場合ばあいには中枢ちゅうすう神経しんけい麻痺まひこしてくるしみ[7][21]いた場合ばあいもある。

日本にっぽん列島れっとうでは水田すいでんあぜ墓地ぼちおおられ、人為じんいてきえられたとかんがえられている。その目的もくてきは、あぜ場合ばあいネズミモグラむしなど、水田すいでんあなつくってみずれをこさせるなど、水田すいでんらす動物どうぶつがその鱗茎りんけいどくきらってけるようにするためとされる。墓地ぼち場合ばあい虫除むしよおよび土葬どそうのち死体したい動物どうぶつによってらされるのをふせぐためとされる[注釈ちゅうしゃく 4]。モグラは肉食にくしょくゆえにヒガンバナとは無縁むえんという見解けんかいもあるが、エサのミミズがヒガンバナをきらって土中どちゅうまないため、このくさちかくにはモグラがないともいう。

鱗茎りんけいデンプン[14]鱗茎りんけいふくまれる有毒ゆうどく成分せいぶんの リコリン (Lycorine) は水溶すいようせいであり、すりつぶしてみず長時間ちょうじかんさらせば無害むがい可能かのうであるため、食用しょくようとされてきた[10]。しかし、毒性どくせいつよいため、どの程度ていどさらせば無毒むどくして安全あんぜんべられるのかについての定説ていせつ見当みあたらない[11]ふる時代じだい飢饉ききんさいえをすくってきたすくいかつえ植物しょくぶつとして、食料しょくりょうとするために各地かくちえられたとかんがえられている[11][18][10]だい世界せかい大戦たいせんちゅうなどの戦時せんじ非常時ひじょうじにおいて食用しょくようとされ、春先はるさき採取さいしゅされたこともある[注釈ちゅうしゃく 5][22]

はなわったあきから春先はるさきにかけてはだけになり、その姿すがた食用しょくようニラノビルアサツキているため、あやましょくした中毒ちゅうどく事故じここっているので注意ちゅうい必要ひつようである[21][23]

鱗茎りんけい石蒜ひがんばな(せきさん)という生薬きぐすりであり、かんめいにもなっている[9]はじめたころ鱗茎りんけいげ、ひげのぞいて水洗みずあらいしたものであり、往年おうねん製薬せいやく原料げんりょうもちいられた[7]民間みんかんでは外用がいようやくとしての利用りようほうられ、肋膜炎ろくまくえん腹膜炎ふくまくえん腎臓じんぞうびょうなどの水腫すいしゅに、球根きゅうこんをすりろしてトウゴマ別名べつめい:ヒマ)を一緒いっしょにすりばちくだいてすりぜ、両足りょうあしうらいちめんぬのなどにりつけて湿布しっぷし、包帯ほうたいいておくと、利尿りにょう作用さようによってむくみることに役立やくだつとされる[7][9]。ただし、利尿りにょう去痰きょたん作用さようゆうするものの有毒ゆうどくであるため、素人しろうと民間みんかん療法りょうほうとして利用りようするのは危険きけんである。どく成分せいぶんひとつであるガランタミンは、アルツハイマーびょう治療ちりょうやくとして利用りようされている。

その

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季語きご
俳句はいくにおいて「彼岸花ひがんばな」や「曼殊沙華まんじゅしゃげ」は、あき季語きごとされる[24]
花言葉はなことば
ヒガンバナの花言葉はなことばを「情熱じょうねつ[6]独立どくりつ[6]再会さいかい[6]「あきらめ」[6]かなしいおも[25]旅情りょじょう[8]とする文献ぶんけんがある。
迷信めいしん
はなかたちさかほのおのようにえるため、「いえってかえると火事かじになる[11]」や「曼珠沙華まんじゅしゃげるといえ火事かじになる」とわれること[10]。その理由りゆうは、有毒ゆうどく植物しょくぶつであることから、子供こどもがヒガンバナにさわるのをいましめるためのいいつたえだとかんがえられている[11]
アレロパシー
ヒガンバナに含有がんゆうされるリコリンは、アレロパシー作用さようゆうし、植物しょくぶつ成長せいちょう阻害そがいする。
県花けんか
台湾たいわんれんけんにおいて、県花けんかとしてさだめられている。

日本にっぽんにおけるヒガンバナの名所めいしょ

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きんえんしゅ

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ショウキズイセン鍾馗しょうき水仙すいせんLycoris traubii W.Hayw.[2]
ヒガンバナに別種べっしゅで、はばひろてんなどにちがいが存在そんざいする。またこのたね結実けつじつする。
シロバナマンジュシャゲLycoris ×albiflora Koidz.[2]
ヒガンバナのいろちがいのようなしろはなかせる。花弁はなびらがさほどかえらず、やや黄色きいろみをびる。もやや幅広はばひろい。一説いっせつには、中国ちゅうごくのショウキズイセンと、種子しゅしつくたねのヒガンバナの雑種ざっしゅであるともわれている[29]。しかし、あかはなかせるヒガンバナは種子しゅしつくらないということならば交雑こうざつしてできたという説明せつめい矛盾むじゅんするため、あかはなかせるヒガンバナが突然変異とつぜんへんいこし、白色はくしょくのヒガンバナがまれた可能かのうせいもあるとするせつられる[30]

ヒガンバナを題名だいめいとした作品さくひん

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はなあざやかさ、毒性どくせい連想れんそうさせる名前なまえなどから、様々さまざま創作そうさくぶつ題名だいめい使つかわれている。

楽曲がっきょく

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映画えいが、ゲーム、小説しょうせつ漫画まんが、アニメ

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ APG体系たいけいによる分類ぶんるいクロンキスト体系たいけいではユリ
  2. ^ とく近畿きんき地方ちほう中国ちゅうごく地方ちほうおお分布ぶんぷしている[4]
  3. ^ シロバナマンジュシャゲは別種べっしゅである。
  4. ^ かつてはおおくが土葬どそうであり、墓穴ぼけつ棺桶かんおけめ、うえからをかぶせた。これをキツネなどの動物どうぶつかえしてねぐらとするなど、らされる場合ばあいがあった。
  5. ^ 日本にほんテレビの『ところさんのがテン』(2005ねん9がつ25にち放送ほうそう)では、戦中せんちゅう当時とうじのレシピを使用しようして食用しょくよう実験じっけんおこなった。ただし、これは万全ばんぜん準備じゅんび専門せんもんによる指導しどうのもとでおこなわれた実験じっけんである。実際じっさい同様どうようのことをおこなった場合ばあいどくきの時間じかん不充分ふじゅうぶんであったり、長期間ちょうきかん摂取せっしゅによって有毒ゆうどく成分せいぶん体内たいない蓄積ちくせきしたりすると、中毒ちゅうどくこす危険きけんせいがある。
  6. ^ あかはなではあるが、地元じもと彼岸ひがん=のイメージをきらい、あえて曼珠沙華まんじゅしゃげぶ。

出典しゅってん

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  1. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Lycoris radiata (L'Hér.) Herb. ヒガンバナ(標準ひょうじゅん”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2023ねん3がつ25にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c 米倉よねくら浩司こうじ; 梶田かじたただし (2003-). “「BG Plants 和名わみょう-学名がくめいインデックス」(YList)”. 2012ねん6がつ15にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん10がつ4にち閲覧えつらん
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  4. ^ a b c d e 川名かわな瑞希みき<研究けんきゅうノート>彼岸花ひがんばなにみる生活せいかつ世界せかい : 命名めいめい名称めいしょう分布ぶんぷから」『常民じょうみん文化ぶんかだい41ごう成城大学せいじょうだいがく常民じょうみん文化ぶんか研究けんきゅうかい、2018ねん3がつ、11-25ぺーじISSN 0388-8908NAID 120006462906 
  5. ^ 田中たなかおさむ 2007, p. 118.
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  30. ^ 田中たなかおさむ 2007, pp. 122–123.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 佐竹さたけよし輔ほか へん日本にっぽん野生やせい植物しょくぶつ 草本そうほん1(たん子葉しようるい)』平凡社へいぼんしゃ、1982ねん1がつ 

関連かんれん項目こうもく

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  • くさ一覧いちらん
  • 水田すいでん雑草ざっそう
  • 有毒ゆうどく植物しょくぶつ
  • 帰化きか植物しょくぶつ
  • リコリス
  • シャガ ヒガンバナ同様どうようさんばいたいであり国内こくないぜん個体こたい同一どういつ遺伝子いでんし保有ほゆうしているとされている。またふみぜん帰化きか植物しょくぶつというてんでもヒガンバナとの共通きょうつう要素ようそられる
  • ヤブカンゾウ これもさんばいたいでありぜん個体こたいどういち遺伝子いでんしっているとされており、ふみぜん帰化きか植物しょくぶつとされているてんでヒガンバナとの共通きょうつうてんられる植物しょくぶつである

外部がいぶリンク

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