江ごうの川かわ

江ごうの川かわ
浜原はまはらダム付近ふきん。
水系すいけい	一級いっきゅう水系すいけい 江ごうの川かわ
種別しゅべつ	一級いっきゅう河川かせん
延長えんちょう	194 km
流域りゅういき面積めんせき	3,900 km²
水源すいげん	阿佐山あさやま（広島ひろしま県けん）
水源すいげんの標高ひょうこう	1,218 m
河口かこう・合流ごうりゅう先さき	島根しまね県けん江津ごうつ市し
流域りゅういき	日本にっぽん 広島ひろしま県けん・島根しまね県けん

江ごうの川かわ（ごうのかわ）は、島根しまね県けんおよび広島ひろしま県けんを流ながれる一級いっきゅう水系すいけいの本流ほんりゅう。流りゅう路ろ延長えんちょう194km、流域りゅういき面積めんせき3,900km² 。全国ぜんこくランキングでは、延長えんちょうで12位い、面積めんせきで16位い。中国ちゅうごく地方ちほうにおいては最大さいだいの河川かせんであり、中国ちゅうごく地方ちほうの一いち級きゅう河川かせんの中なかで唯一ゆいいつ中国ちゅうごく山地さんちを貫流かんりゅうする先行せんこう河川かせん。

名称めいしょう・呼称こしょう

「ゴウノカワ」「ゴウガワ」「ゴウカワ」という名なの由来ゆらいは定さだかになっていない。

「ゴウ」とは、川かわ・川岸かわぎしという意味いみがあり、これに「江こう」「郷さと」の字じがあてられた。河口かこうの江津ごうつはゴウの津つ、つまり川かわの港みなとから名付なづけられたと言いわれている。漢字かんじでの「江津ごうつ」という地名ちめいは永和えいわ2年ねん（1376年ねん）にでてくるが、康かん保たもつ4年ねん（967年ねん）『延喜えんぎ式しき』では「ゴウ」という地名ちめいで出でてくる。

また広島ひろしま、特とくに三次みつぎ市し中心ちゅうしん部ぶより上流じょうりゅうは可愛川えのかわ（えのかわ）と言いわれていた。これは養老ようろう4年ねん（720年ねん）『日本書紀にほんしょき』に出でてくる名なである。この可愛かわいに大和やまと仮名がなの江えを用もちいて江ごうの川かわとしたとする話はなしもある。

最さい上流じょうりゅう部ぶである源流げんりゅうから山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち大朝おおあさまでは「大谷川おおたにがわ」と呼よばれる。

江ごうの川かわは、現代げんだいに至いたるまで流域りゅういき各地かくちで個別こべつの名なで呼よばれていた。

• 明治めいじ19年ねん（1886年ねん） : 内務省ないむしょう土木どぼく局きょく編へん『六ろく十じゅう五ご大川おおかわ流域りゅういき誌し』石見いわみ国こく（島根しまね）側がわが「郷ごう川がわ」、安芸あき国こく（広島ひろしま）側がわが「吉田川よしだがわ（あるいは可愛川えのかわ）」と記載きさい。
• 大正たいしょう8年ねん（1919年ねん） : （旧きゅう）河川かせん法ほうに則のっとり、広島ひろしま県けんがその管理かんり区間くかんを「郷ごう川がわ」とした。
• 大正たいしょう12年ねん（1923年ねん） : 逓信ていしん省しょう編へん『水力すいりょく調査ちょうさ書しょ』島根しまね側がわが「江川えがわ」、広島ひろしま側がわが「可愛川えのかわ」と記載きさい。
• 昭和しょうわ5年ねん（1930年ねん） : （旧きゅう）河川かせん法ほうに則のっとり、島根しまね県けんがその管理かんり区間くかんを「江川えがわ」とした。
• 昭和しょうわ41年ねん（1966年ねん） : （現げん）河川かせん法ほう制定せいていに伴ともない、一級いっきゅう河川かせん指定してい（国くにの管理かんり）の際さいに「江ごうの川かわ」に定さだめられた。

異名いみょうとして「中国ちゅうごく太郎たろう」がある。河川かせんを管理かんりする国土こくど交通省こうつうしょうによると、江ごうの川かわは中国地方ちゅうごくちほう最大さいだいの河川かせんであり太郎たろうは長男ちょうなん、あるいは最大さいだい・最長さいちょうの一番いちばんを意味いみすることから呼よばれるようになったとしている。江津ごうつ市しにある石見いわみ智さとし翠みどり館かん高等こうとう学校がっこうは旧きゅう校こう名めいを江ごうの川かわ高校こうこうといった。

流域りゅういき

広島ひろしま県けんの山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち阿佐あさ山さん（標高ひょうこう1,217m）に源みなもとを発はっし、北東ほくとうに進すすみ、三次みつぎ市し中心ちゅうしん部ぶで3つの支流しりゅうが3方ぽうから合流ごうりゅうする。そこから西進せいしんして島根しまね県けんに入はいり中国ちゅうごく山地さんち内うちを北きたに進すすみ、邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まちで大おおきく西南せいなんに進路しんろを変かえ江津ごうつ市しで日本海にほんかいに注そそぐ。

江ごうの川かわの全ぜん流域りゅういきは、東西とうざい方向ほうこうに約やく85km、南北なんぼく方向ほうこうに約やく60km 。一見いっけんすると楕円だえん形がたであるが神戸こうべ川がわ水系すいけいが中央ちゅうおう付近ふきんの北側きたがわから島根しまね県けん飯南いいなん町まち赤来あかぎ付近ふきんにまで約やく20kmほどくさび状じょうに食くい込こんでいることから、蝶ちょうが羽はねを広ひろげたような形状けいじょうに近ちかい。流りゅう路ろ延長えんちょうは約やく190kmであるが、源流げんりゅうから河口かこうまでの直線ちょくせん距離きょりでは約やく50km程度ていどである。流域りゅういき面積めんせきは島根しまね県けん側がわが1,260km²、広島ひろしま県けん側がわが2,640km²でほぼ1:2になる。以下いか、本流ほんりゅうおよび主要しゅような支流しりゅうにある市町村しちょうそんを上流じょうりゅう側がわから列挙れっきょする。

• 江ごうの川かわ - 広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち、同どう県けん安芸あき高田たかだ市し、同どう県けん三次みつぎ市し、島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん邑南町まち、同どう郡ぐん美郷みさと町まち、同どう郡ぐん川本かわもと町まち、同どう県けん江津ごうつ市し
  • 簸ひノ川かわ - 広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し
  • 馬洗川ばせんがわ - 広島ひろしま県けん世羅せら郡ぐん世羅せら町まち、同どう県けん三さん次じ市し
    • 上下川じょうげがわ - 広島ひろしま県けん府中ふちゅう市し、同どう県けん三さん次じ市し
    • 西城川さいじょうがわ - 広島ひろしま県けん庄原しょうばら市し、同どう県けん三さん次じ市し
  • 神野かみの瀬川せかわ - 広島ひろしま県けん庄原しょうばら市し、同どう県けん三さん次じ市し
  • 出羽川いずわがわ - 島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん邑南町まち
  • 塩谷川しおやがわ - 島根しまね県けん飯石いいし郡ぐん飯南いいなん町まち、同どう県けん美郷みさと町まち
  • 濁川にごりかわ - 島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん邑南町まち、同どう郡ぐん川本かわもと町まち
  • 八戸はちのへ川がわ - 島根しまね県けん邑南町まち、同どう県けん浜田はまだ市し、同どう県けん江津ごうつ市し
  • 都治川つじがわ - 島根しまね県けん大田おおた市し、同どう県けん江津ごうつ市し
• 他た、2次じ以下いかの支流しりゅうには広島ひろしま県けん神石じんせき郡ぐん神石じんせき高原たかはる町まち、同どう県けん東広島ひがしひろしま市し域いきを流ながれるものもある。

上流じょうりゅう

上うえ流域りゅういき風景ふうけい

広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち壬生みぶ。中央ちゅうおうの川かわが江ごうの川かわ。奥おくに写うつる中国ちゅうごく道どうの高架こうかの陰かげで、志路原川しじはらがわが合流ごうりゅうする。

広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し吉田よしだ町まち。中央ちゅうおうの川かわ。

阿佐山あさやまから南進なんしん、北広島きたひろしま町まち高野たかので東進とうしんする。北広島きたひろしま町まち大朝おおあさで田原たはら川がわ・大塚おおつか川がわが合流ごうりゅうした後のちそこから南東なんとうに進すすみ、北広島きたひろしま町まち壬生みぶで志路原川しじはらがわが合流ごうりゅう、土師はじダムで八千代やちよ湖こを形成けいせいする。ダムから流下りゅうかし、安芸あき高田たかだ市し吉田よしだ町まち長屋ながやで簸ひノ川かわが合流ごうりゅう、吉田よしだ町まち桂かつらで北東ほくとうへ進すすみ、甲田こうた町まち下小原しもおばらで戸島としま川がわが合流ごうりゅう、そのまま北東ほくとうへ進すすみ三さん次じ市し中心ちゅうしん部ぶで馬洗川ばせんがわが合流ごうりゅうする。そこから大おおきく西にしへ進路しんろを変かえ、神野かみの瀬川せかわが合流ごうりゅう、更さらに西進せいしんし江ごうの川かわ取水しゅすい堰せき（鳴瀬なるせ堰せき）に入はいる。

源流げんりゅうから江ごうの川かわ取水しゅすい堰せき付近ふきんまでにあたる。最さい上流じょうりゅう部ぶが大谷川おおたにがわ、また上うえ流域りゅういきは可愛川えのかわとも呼よばれている。河床かしょう勾配こうばいは1/500から1/900、丘陵きゅうりょう地ちや隆起りゅうき準じゅん平原へいげんの中なかを比較的ひかくてき緩ゆるやかに流ながれていく。

中流ちゅうりゅう

中ちゅう流域りゅういき風景ふうけい

広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し高宮たかみや町まち川根かわね付近ふきんから上流じょうりゅう側がわ。

島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち長藤おさふじ付近ふきんから下流かりゅう側がわ。

取水しゅすい堰せきから西進せいしんする。この区間くかんからは、川かわが安芸あき高田たかだ市しと三次みつぎ市しの市し境さかいになる。左岸さがん安芸あき高田たかだ市し高宮たかみや町まち船木ふなきで生田いくた川がわが合流ごうりゅう、左岸さがん安芸あき高田たかだ市し高宮たかみや町まち佐々部ささべ・右岸うがん三次みつぎ市し作木さくぎ町まち門田かどたで大おおきく北きたに進路しんろを変かえる。左岸さがん高宮たかみや町まち川根かわねで長瀬川ながせがわが合流ごうりゅう、左岸さがん高宮たかみや町まち川根かわね・右岸うがん三次みつぎ市し作木さくぎ町まち香淀こうよどで左岸さがん側がわが島根しまね県けんとの県境けんきょうを越こえ邑智おうち郡ぐん邑南町まちに入はいる。ここから左岸さがん側がわが島根しまね県けん、右岸うがん側がわが広島ひろしま県けんになり、川かわが県境けんきょうとなる。右岸うがん三次みつぎ市し作木さくぎ町まち下作木しもさくぎで作木川さくぎがわが同どう地区ちくで砂井谷川すないだにがわが合流ごうりゅう、左岸さがん邑南町まち下口羽しもくちばで出羽川いずわがわが合流ごうりゅうする。北進ほくしんし、左岸さがん邑南町まち宇都井うづい・右岸うがん作木さくぎ町まち伊賀和志いかわしで右岸うがん側がわが島根しまね県けんとの県境けんきょうを超こえ邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まちへ入はいる。川かわは町まち境さかいになるも、すぐ邑南町まち境さかいは西にしの内陸ないりく部ぶに移うつり、川面かわもは美郷みさと町内ちょうないになる。そのまま北進ほくしんを続つづけ、浜原はまはらダムで浜原貯水池はまはらちょすいちを形成けいせいする。

江ごうの川かわ取水しゅすい堰せきから浜原はまはらダム付近ふきんまでにあたる。大おおきく蛇行だこうしながら中国山地ちゅうごくさんち内ないを流ながれるいわゆる山地さんち流りゅうであり、河床かしょう勾配こうばいは1/300から1/600と上うえ流域りゅういきよりも急きゅう勾配こうばいになる。先行せんこう谷だにを形成けいせい、河岸かわぎし段丘だんきゅうとごく狭せまい谷たに底そこ平野へいやが発達はったつ、流りゅう路ろに岩いわ・巨石きょせきも露出ろしゅつし、両りょう岸きしは急峻きゅうしゅんな斜面しゃめんが迫せまる。所々しょしょにある狭せまい氾濫はんらん原ばらに集落しゅうらくが点在てんざいする。日本海にほんかいから季節風きせつふうが吹ふき込こむため、この中なか流域りゅういきのことを「江ごうの川かわ関門かんもん」と呼よばれる。

下流かりゅう

下しも流域りゅういき風景ふうけい

島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち明塚あかつか付近ふきんから上流じょうりゅう側がわ。

島根しまね県けん江津ごうつ市し金田かねだ町まち付近ふきんから河口かこう側がわ。

北進ほくしんしていた川かわは美郷みさと町まち中心ちゅうしん部ぶで大おおきく南西なんせいへ進路しんろを変かえる。川本かわもと町まちに入はいり、その中心ちゅうしん部ぶで三さん谷川たにがわが、川本かわもと町まち川下かわしもで木き谷川たにがわが合流ごうりゅうする。川本かわもと町まち因原いんばらで濁川にごりかわが合流ごうりゅうすると、西にしに進路しんろを変かえ、江津ごうつ市しに入はいる。江津ごうつ市し桜江さくらえ町まち川戸かわとで八戸はちのへ川がわが合流ごうりゅう、西北西せいほくせいに進路しんろを変かえ、江津ごうつ市し松川町下河戸まつかわちょうしもかわどで都治川つじがわが合流ごうりゅう、江津ごうつ市し渡津わたづ町まちで平野へいや部ぶに入はいり、そのまま日本海にほんかいに流ながれ込こむ。

浜原はまはらダムから河口かこうまでにあたる。河床かしょう勾配こうばいは1/900から1/6,000。石見高原いわみこうげんと呼よばれる隆起りゅうき準じゅん平原へいげんの中なかを進すすみ、中ちゅう流域りゅういきからの山地さんち流りゅうがしばらく続つづき、のち川幅かわはばは広ひろがり、蛇行だこうする河川かせんの中なかでわずかながら広ひろがる氾濫はんらん原ばらに集落しゅうらくが点在てんざいする。丘陵きゅうりょうを抜ぬけ出だした川かわはそのまま日本海にほんかいに注そそぐ。農地のうち・宅地たくち利用りようできる大おおきな沖積ちゅうせき平野へいやを作つくらなかったことから「無能むのうな川かわ（能のう無む川かわ）」とも呼よばれた。

自然しぜん

地形ちけい・地質ちしつ

江ごうの川かわの河川かせん形状けいじょうは、上流じょうりゅうと中なか・下流かりゅうで全まったく異ことなる。源流げんりゅうは中国ちゅうごく山地さんち内うち、上うえ流域りゅういきが中国山地ちゅうごくさんち南みなみの瀬戸内海せとないかい側がわにある台地だいち・盆地ぼんち内ない、中ちゅう流域りゅういきが中国ちゅうごく山地さんち内ない、下しも流域りゅういきが中国山地ちゅうごくさんち北きたの日本海にほんかい側がわにある台地だいち・平野へいやとなる。その流りゅう路ろは中国ちゅうごく山地さんちの造山つくりやま活動かつどう前まえに形成けいせいされた。

拡大かくだい Clip 流域りゅういき地形ちけい図ず

流域りゅういきの地形ちけいは、まず標高ひょうこう150m-200mの三さん次じを中心ちゅうしんとする丘陵きゅうりょう地ち（山麓さんろく平坦へいたん地ち）が形成けいせい、次つぎに標高ひょうこう400m-600mの隆起りゅうき準じゅん平原へいげん（吉備高原きびこうげん・世羅せら台地だいち・石見高原いわみこうげんなど）が形成けいせいされ、最後さいごに標高ひょうこう1,000m-1,300mの中国ちゅうごく脊梁せきりょう山脈さんみゃくが地殻ちかく変動へんどうによって形成けいせいされた。この新生代しんせいだい第だい三紀みきに起おきた山地さんちの造山つくりやま活動かつどうに対たいし、江ごうの川かわの下刻げこく侵食しんしょく力りょくのほうがそれを上回うわまわったためそのまま流ながれ路ろとして残のこり、結果けっか瀬戸内海せとないかい側がわから中国山地ちゅうごくさんちを断たち切きって日本海にほんかい側がわへ流ながれる水系すいけいが形成けいせいされた。のち新生代しんせいだい第だい四よん紀きに地殻ちかく変動へんどうによって相対そうたい的てきに落おち込こんだことで三次盆地みよしぼんちが形成けいせいされ、そこへ馬洗川ばせんがわ・西城川さいじょうがわ・神野かんの瀬川せかわなども集あつまってきたことで本流ほんりゅうと支流しりゅう合流ごうりゅう部ぶが形成けいせいされた。三さん次じ付近ふきんは開あけているが河口かこうの江津ごうつ付近ふきんは狭せまくその形状けいじょうから「ひょうたん型がた河川かせん」とも呼よばれている。

阿佐山あさやまの北側きたがわにある瑞穂みずほハイランド。中ちゅう流域りゅういきを流ながれる一いち次じ支流しりゅう八戸はちのへ川がわの源流げんりゅう付近ふきんにあたる。この阿佐山あさやまの南側みなみがわつまり反対はんたい側がわが江ごうの川かわの源流げんりゅう付近ふきんにあたる。

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主おもな分水嶺ぶんすいれい。赤あかが河川かせん争奪そうだつ地点ちてん。

一方いっぽう中国ちゅうごく山地さんち側がわから見みると、脊梁せきりょうが江ごうの川かわで分断ぶんだんされたことになる。中国ちゅうごく山地さんちの狭義きょうぎでは江ごうの川かわより東側ひがしがわを東ひがし中国山地ちゅうごくさんち、西側にしがわを西にし中国ちゅうごく山地さんちあるいは冠山山地かんむりやまさんちと呼称こしょうしている。

江ごうの川かわ本流ほんりゅう・支流しりゅうの源流げんりゅう点てんは、多おおくが中国ちゅうごく山地さんち内ないにある。例たとえば、阿佐山あさやまでは南側みなみがわに流ながれていくのが江ごうの川かわ本流ほんりゅう、北側きたがわに流ながれていくのが江ごうの川かわ一いち次じ支流しりゅう八戸はちのへ川がわ、西側にしがわに流ながれていくのが太田おおた川がわ水系すいけい滝山川たきやまがわになる。一方いっぽうで馬洗川ばせんがわなど流域りゅういき南側みなみがわでは山やまの頂上ちょうじょうではなくなだらかな地ちに源流げんりゅう点てんがある支流しりゅうが存在そんざいする。これは他たの水系すいけいとの分水嶺ぶんすいれいも同様どうようである。特徴とくちょう的てきなこととして、江ごうの川かわの後のちに形成けいせいされた他ほかの河川かせんに河川かせん争奪そうだつされたことで分水嶺ぶんすいれいとなった地点ちてんが複数ふくすう存在そんざいすることが挙あげられる。つまり、江ごうの川かわ流域りゅういきは当初とうしょより数すう万まん年ねんかけて小ちいさくなっていったことになる。こうした分水嶺ぶんすいれいの代表だいひょう例れいとしては、太田川おおたがわ水系すいけいによる争奪そうだつとして上根じょうこん峠とうげ・向原むかいのはる町まち周辺しゅうへん、斐伊川ひいかわ水系すいけいによるものとして王貫峠おうぬきだわ・三井野原みいのはら、芦田川あしたがわ水系すいけいによるものとして上下じょうげ町まち周辺しゅうへんがある。

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  3 島根しまね・広島ひろしま県けん道どう5号ごう上根じょうこん峠とうげ。標高ひょうこう268m。日本にっぽんにおける河川かせん争奪そうだつ地形ちけいの代表だいひょう例れい。
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  4 向原むかいのはる町まち泣なき別わかれ。標高ひょうこう190m。典型てんけい的てきな谷中たになか分水嶺ぶんすいれい。
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  7 三井野原みいのはら。標高ひょうこう730m。斐伊川ひいかわ水系すいけいとの分水嶺ぶんすいれい。
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  10 広島ひろしま県けん道どう23号ごう中山峠なかやまとうげ。標高ひょうこう610m。高こう梁川りょうせん水系すいけいとの分水嶺ぶんすいれい。

地質ちしつの基盤きばんは流ながれ紋もん岩がんが広ひろい範囲はんいで分布ぶんぷする。中国山地ちゅうごくさんち、つまり源流げんりゅう部ぶ・上うえ流域りゅういき支流しりゅう・中ちゅう流域りゅういきはこれに花崗岩かこうがんが貫入かんにゅうする。風化ふうかした花崗岩かこうがん内ないに含ふくまれる砂鉄さてつを用もちいて、かつて流域りゅういきの広ひろい範囲はんいでたたら製鉄せいてつが行おこなわれていた。上うえ流域りゅういきの三次盆地みよしぼんち周辺しゅうへんでは沖おき積層せきそうの備北層そう群ぐんが、上うえ流域りゅういき支流しりゅう馬洗川ばせんがわ流域りゅういきは吉舎きさ安山岩あんざんがんが広ひろく分布ぶんぷする。この備北層そう群ぐんからヒゲクジラの化石かせき（ショウバラクジラ）が発見はっけんされており、そこから新生代しんせいだい第だい三紀みき中新ちゅうしん世よごろ三さん次じ・庄原しょうばらつまり江えの川上かわかみ流域りゅういきは海うみの中なか（古瀬戸こせと内海うちうみ）であったと考かんがえられている。河口かこう部ぶは三さん群ぐん変成岩へんせいがんで形成けいせいされている。島根しまね県けんでは石いし州しゅう瓦かわらが生産せいさんされているが、その瓦かわら粘土ねんどの一ひとつである都野津つのづ層そうはこの流域りゅういきでは支流しりゅう部ぶで小規模しょうきぼに分布ぶんぷする。

気候きこう・水みず文ぶん

中国ちゅうごく地方ちほうの気候きこう区分くぶんは基本きほん的てきに中国山地ちゅうごくさんちで区分くぶんされ、北側きたがわが日本海にほんかい側がわ気候きこう・南側みなみがわが瀬戸内海せとないかい式しき気候きこう、そして中国ちゅうごく山地さんちが山岳さんがく気候きこうになる。ただ中国ちゅうごく山地さんちより南側みなみがわにあたる江こうの川上かわかみ流域りゅういきの大だい部分ぶぶんは内陸ないりく性せい気候きこうが現あらわれる。これに冬ふゆには日本海にほんかいから季節風きせつふうが流ながれ込こむため、その吹ふき込こみ口こうで江ごうの川かわ関門かんもんと呼よばれる中なか流域りゅういきは厳きびしい気象きしょうとなる。

平均へいきん年間ねんかん降水こうすい量りょうは、流域りゅういき平均へいきんで1,650mm。個別こべつで見みると島根しまね県けん側がわでは約やく2,000mm 。広島ひろしま県けん側がわでは江ごうの川かわと西城川さいじょうがわ流域りゅういきが約やく1,600mm、神野かみの瀬川せかわ流域りゅういきが約やく1,800mm、馬洗川ばせんがわ流域りゅういきが約やく1,500mm 。つまり島根しまねと比較ひかくして広島ひろしま側がわが少すくなく、更さらに広島ひろしまでも南みなみの瀬戸内海せとないかい側がわに近ちかいほど降水こうすい量りょうが少すくなくなる。

三さん次じ霧きり。

中国ちゅうごく地方ちほう唯一ゆいいつの中国ちゅうごく山地さんちを貫流かんりゅうする河川かせんであることから、島根しまね県けん側がわの川かわが全すべて日本海にほんかいに流ながれるのに対たいして、広島ひろしま県けん側がわではほぼ瀬戸内せとうち海かいであるが唯一ゆいいつ江ごうの川かわ水系すいけいのみ日本海にほんかいに流ながれる。うち一いち次じ支流しりゅう長瀬川ながせがわ流域りゅういきのみ、上流じょうりゅうが島根しまね県けんで下流かりゅうが広島ひろしま県けんで江ごうの川かわに合流ごうりゅうする。

上うえ流域りゅういきの支流しりゅうは三次盆地みよしぼんちに集あつまる求心きゅうしん型がたで、中なかでも馬洗川ばせんがわ・西城川さいじょうがわ・神野かみの瀬川せかわは江ごうの川かわ上流じょうりゅうとほぼ同どう規模きぼである特徴とくちょうがある。こうしたことから、合流ごうりゅう地点ちてんの流量りゅうりょうは河口かこう地点ちてんでの流量りゅうりょうのほぼ半分はんぶんに達たっする。四方しほうを山々やまやまに囲かこまれ本流ほんりゅう・支流しりゅうが合流ごうりゅうする三次盆地みよしぼんちは秋あきから春はるにかけて大だい規模きぼな霧きりが発生はっせいしやすい（霧きりの海うみ (三次みつぎ市し)）。

一方いっぽうで中なか・下しも流域りゅういきの支流しりゅうは、先行せんこう性せいの本流ほんりゅうに比較的ひかくてき短みじかい流りゅう路ろの支流しりゅうが流ながれ込こむ羽はね状じょう型がたである。本流ほんりゅうの中なか・下流かりゅうは狭隘きょうあいで両りょう岸きしまで山やまが迫せまり、合流ごうりゅう部ぶも含ふくめて大おおきな扇状地せんじょうち・平野へいやは存在そんざいしていないため水みずの逃にげ場ばが無なくそのまま流ながれ込こむことから、洪水こうずい時じでは水位すいいが10m以上いじょう上昇じょうしょうする。

以下いか2017年度ねんどの国くに管理かんり区間くかんにおける水質すいしつ現況げんきょうを示しめす。経年けいねん変化へんかで見みると、河川かせんに関かんしては影響えいきょうする人口じんこう産業さんぎょう密集みっしゅう地域ちいきがないため水質すいしつの急激きゅうげきな悪化あっかはない。一方いっぽうで湖沼こしょう（ダム）は富とみ栄養えいようの状態じょうたいにある。

2017年度ねんど主要しゅよう河川かせんの水質すいしつ汚濁おだくに係かかる環境かんきょう基準きじゅんとBOD値ね (mg/l) 。

河川かせん	観測かんそく地点ちてん	類型るいけい	BOD	観測かんそく地点ちてん	類型るいけい	BOD	観測かんそく地点ちてん	類型るいけい	BOD
江ごうの川かわ（代表だいひょう値ち）	三さん国こく橋きょう	A	1.0	-
江ごうの川かわ上流じょうりゅう	吉田よしだ	A	1.0	栗屋くりや	A	0.9	尾関おぜき山やま	A	1.0
江ごうの川かわ中流ちゅうりゅう	川本かわもと大橋おおはし	A	0.6	川本かわもと大橋おおはし	A	0.6	-
江ごうの川かわ下流かりゅう	桜江さくらえ大橋おおはし	A	0.6	川平かわひら	A	0.7	江川えがわ橋きょう	A	0.6
馬洗川ばせんがわ	南畑敷みなみはたじき	A	1.1	-
西城川さいじょうがわ	三さん次じ	A	0.9	-
神野かみの瀬川せかわ	神野かみの瀬川せかわ	A	0.9	-

2017年度ねんど湖沼こしょうの環境かんきょう基準きじゅんとCOD値ね (mg/l) 。

河川かせん	観測かんそく地点ちてん	類型るいけい	COD
江ごうの川かわ	土師はじダムサイト	A	3.6
上下川じょうげがわ	灰塚はいつかダムサイト	A	3.6

動植物どうしょくぶつ

純じゅん淡水魚たんすいぎょではカワムツ・オイカワが代表だいひょう種しゅ。回遊かいゆう魚ぎょでは全ぜん流域りゅういきでアユが生息せいそくしており、上流じょうりゅうでは陸封りくふうのもの、中流ちゅうりゅうでは尺せき鮎あゆと呼よばれる大型おおがたのものがいる。またサケ、ウナギやサクラマスも確認かくにんされている。下流かりゅうの汽水域すいいきではスズキ・クロダイ・ボラなどが確認かくにんされている。

流域りゅういきの植生しょくせいはほぼ二に次じ林りんである。中国ちゅうごく山地さんちおよびその北側きたがわ、つまり島根しまね県けん全域ぜんいきと広島ひろしま県けん備北地方ちほうにかけての広ひろい範囲はんいでコナラ林はやしが分布ぶんぷする。一方いっぽうでその南側みなみがわの低地ていちになる吉備高原きびこうげん面めんではクリ・コナラなどの落広葉樹こうようじゅを含ふくむアカマツ林はやしが広ひろく分布ぶんぷする。上流じょうりゅう部ぶ支流しりゅうの源流げんりゅう付近ふきん、備北地方ちほうの中国ちゅうごく脊梁せきりょう山脈さんみゃく付近ふきんはミズナラ林はやしが多おおい。自然しぜん植生しょくせいは、上うえ流域りゅういき北部ほくぶ高地こうちに分布ぶんぷするブナ林はやし、上うえ流域りゅういき低地ていちの社しゃ叢くさむらにわずかに残のこるシラカシ林はやし、中なか・下しも流域りゅういきのところどころでシラカシ林りんが残のこっている。また中なか・下しも流域りゅういきの広ひろい範囲はんいの河岸かわぎしに水害すいがい防備ぼうび林りんとして竹林ちくりんが植うえられている。

鳥類ちょうるいは流域りゅういきによって異ことなる。下した流域りゅういきが河原かわらや海岸かいがんを生息せいそくの場ばとする種たね、中ちゅう流域りゅういきが山地さんち内ないであるため林はやしを生息せいそくの場ばとする種たね、上うえ流域りゅういきは中ちゅう流域りゅういきとほぼ同おなじ構成こうせいであるが川かわに沿そって農地のうちが広ひろがるため林はやしに強つよ依存いぞんする種たねは少すくなくなる。

2003年ねん・2008年ねん・2013年ねんに行おこなわれた河川かせん水辺みずべの国勢調査こくせいちょうさにおいて確認かくにんされた、種しゅの保存法ほぞんほう（希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつ種しゅ）・文化財ぶんかざい保護ほご法ほう、環境省かんきょうしょう・島根しまね県けん・広島ひろしま県けんの各かくレッドリストに登録とうろくされている特定とくてい種しゅの数かずは以下いかの通とおり。

• 魚類ぎょるい：25種しゅ
• 底そこ生せい動物どうぶつ：29種しゅ
• 哺乳類ほにゅうるい：4種しゅ
• 鳥類ちょうるい：34種しゅ

• 両生類りょうせいるい/爬虫類はちゅうるい：16種しゅ
• 昆虫こんちゅう類るい：59種しゅ
• 植物しょくぶつ：59種しゅ

うち希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつ種しゅとしては、コウライアイサ・オオタカ・クマタカ・ハヤブサ、オオサンショウウオが確認かくにんされている。一方いっぽうで、上流じょうりゅう・下流かりゅうの一部いちぶでは河床かしょうの撹拌かくはん不足ふそくによる環境かんきょう劣化れっかが確認かくにんされており、上うえ流域りゅういきの広ひろい範囲はんいで要注意ようちゅうい外来がいらい種しゅのオオカナダモが生息せいそくし、ダム湖こなどではオオクチバスなど外来がいらい種しゅが繁殖はんしょくしている。

• 
  コウライアイサ
• 
  オオタカ
• 
  クマタカ
• 
  ハヤブサ
• 
  オオサンショウウオ

景勝けいしょう

流域りゅういきの地形ちけいは、大おおきく分わけて脊梁せきりょう山脈さんみゃく/高原こうげん面めん/平坦へいたん地ちが階段かいだん状じょうに形状けいじょうされている。江ごうの川かわ支流しりゅうの中なかにはこの段差だんさした地点ちてんで数すう千せん年ねんもの歳月さいげつをかけ滝たきや渓谷けいこくを作つくり出だした。以下いか、代表だいひょう的てきなものを列挙れっきょする。

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• 岩瀧いわたき寺てらの滝たき 1
• 権現瀧ごんげんたき 2
• 千丈せんじょう渓けい 3
• 観音滝かんのんだき 4
• 竜頭りゅうずヶ滝たき 5
• 明神みょうじん岩がん 6
• 赤あか馬ば滝たき 8
• 蟠わだかま龍峡りゅうきょう 9
• 大だい槙谷まきだに 10
• 旭あさひ峡かい 11

• 小掛こかけ峡かい 12
• 神かみ之の瀬せ峡かい 13
• 砂すなが淵ふち 14
• 那智なちの滝たき 16
• 手洗てあらい滝たき 17
• 品しなの滝たき 18
• 日野ひの滝たき 19
• 鳴滝なるたき 20
• 雄滝おだき・雌滝めだき 21

• 
  断だん魚ぎょ渓けい 7
• 
  常つね清滝きよたき 15

古ふるくから河川かせん舟運しゅううん・漁業ぎょぎょうが盛さかんであった江ごうの川かわ流域りゅういきでは、良好りょうこうな漁場ぎょじょう、あるいは航行こうこうに危険きけんのある箇所かしょとして淵ふち・瀬せに名ながつけられている。これらは人々ひとびとの信仰しんこうの対象たいしょうであったり、伝説でんせつが作つくられたり、景勝けいしょうとして観光かんこう名所めいしょとなった。本流ほんりゅう中ちゅう流域りゅういきには厳島いつくしま神社じんじゃ（美郷みさと町まち明神みょうじん岩がん）・金比羅こんぴら社しゃ（美郷みさと町まち荷に越えつの瀬せ）と水みずあるいは舟ふねの神かみを祀まつる神社じんじゃがある。本流ほんりゅう上流じょうりゅう（安芸あき高田たかだ市し釜かまヶ淵ふち）と本流ほんりゅう下流かりゅう（江津ごうつ市しスイジンサン）には別々べつべつの猿猴えんこうにまつわる伝説でんせつがある。

流域りゅういきの様子ようすを頼よりゆき杏あんず坪つぼが詩しに残のこしている。

藝げい薇ぜんまい四よん十じゅう八はち川かわ流りゅう 合作がっさく一江通石州 兩りょう岸がん劔つるぎ鋩千嶂碧 斷腸だんちょう未必みひつ待まち猿ざる愁 — 頼よりゆき杏あんず坪つぼ『江河こうが』、

中村なかむら憲吉けんきちは新聞しんぶんのコラムの中なかでこう表現ひょうげんしている。

山陽さんよう、山陰さんいん両道りょうどうの河川かせんは殆ほとんど何いずれもが中国ちゅうごく山脈さんみゃくを分水嶺ぶんすいれいとして、瀬戸内海せとないかいと日本海にほんかいとに注そそいでゐるのにひとり両道りょうどう第だい一いちの長流ちょうりゅう江ごうの川かわのみは、その源みなもとを山陽さんよう道どうに発はっし且かつその流りゅう程ほどの半はんはこれを通過つうかしながら、下したは遠とおく山陰やまかげに入はいり日本海にほんかいに流ながれ去ざつてゐる。備後びんごの北部ほくぶが安芸あき国こくと境さかいを接せっし、それに雲くも石せき二に州しゅうの国境こっきょうが相あい迫せまらうとするところに広こう袤方約やく二に里さとのいはゆる三次盆地みよしぼんちがひらけてゐて、江ごうの川かわ五ご十じゅう余あまり里さとの水源すいげんの大だい部分ぶぶんは、ここに会かいする吉田よしだ、馬洗もうらい、西城さいじょう、神瀬かみぜの四よん大川おおかわによつて涵養かんようされるのである。しかも江ごうの川かわが石いし州しゅうに入にゅうつて流ながれる廿五里ついへいじは、全然ぜんぜん大だい谿谷けいこく中ちゅうの流りゅう程ほどであるから、河川かせんとしての灌田牧水ぼくすいの用ようは、この上流じょうりゅう地域ちいきで尽つくされてゐるわけである。従したがえつて自余じよは古ふるくから舟ふね楫かじの便びんを日本海にほんかいへ通つうじてゐるほかは春はる北風きたかぜの潮風しおかぜをこの奥地おくちに迎むかえへ、秋あきにこの閑郷の錦にしき葉はを日本海にほんかいの波なみへ送おくるに過すぎない。ただ季き節ぶしが夏なつに向こうふときにはこの河かわの支流しりゅうといふ支流しりゅうにはその細ほそ渓けいに至いたるまで河口かこうから無数むすうの香魚こうぎょが遡さかのぼつてその清きよし躯むくろを岩瀬いわせに躍おどらし、この河かわ一帯いったいの地ちに活かつ境さかいが俄にわかにひらかれる。 — 中村なかむら憲吉けんきち、『大阪おおさか朝日新聞あさひしんぶん』1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）8月がつ3日にち付づけ

源流げんりゅう付近ふきんが西にし中国山地ちゅうごくさんち国定こくてい公園こうえん、上うえ流域りゅういき支流しりゅうの西城川さいじょうがわ源流げんりゅう付近ふきんの吾妻山あづまやまから道後山どうごやま一帯いったいが比婆ひば道後どうご帝釈たいしゃく国定こくてい公園こうえん、江ごうの川かわ本ほん流下りゅうか流域りゅういきの三瓶山さんべさん周辺しゅうへんが大山おおやま隠岐おき国立こくりつ公園こうえん三瓶山さんべさん地域ちいき。上うえ流域りゅういき支流しりゅうの神野かみの瀬川せかわ流域りゅういきが神かみ之の瀬せ峡かい県立けんりつ自然しぜん公園こうえん（広島ひろしま）、本流ほんりゅう中ちゅう流域りゅういきの県境けんきょうから下流かりゅう側がわが江ごうの川かわ水系すいけい県立けんりつ自然しぜん公園こうえん（島根しまね）、下しも流域りゅういきの景勝けいしょうが千丈せんじょう渓けい県立けんりつ自然しぜん公園こうえん（島根しまね）、断だん魚ぎょ渓けい・観音滝かんのんだき県立けんりつ自然しぜん公園こうえん（島根しまね）に指定していされている。

沿革えんかく

オロチと神楽かぐら

石見いわみ神楽かぐら『大蛇おろち』。

江ごうの川かわは広島ひろしま県けん側がわでは可愛川えのかわと呼よばれる。これは『日本書紀にほんしょき』のヤマタノオロチ伝説でんせつに出でてくる名なである。

一いち書しょ曰 是ぜ時じ 素す戔鳴尊みこと 下した到いた於安藝げい国こく可愛かあい之の川上かわかみ也 彼處あそこ有ゆう神かみ 名めい曰脚あし摩ま手しゅ摩ま 其妻名めい曰稻田宮たみや主しゅ簀す狹せま之これ八箇はっか耳みみ 此神正ただし在ざい姙身 夫妻ふさい共ども愁 乃告素もと戔鳴尊みこと曰 我わが生なま兒じ雖多 毎ごと生せい輙有八岐大蛇來呑 不ふ得とく一存いちぞん 今こん吾われ且産 恐こわ亦また見み呑 是ぜ以哀傷きず 素もと戔鳴尊みこと乃教之の曰 汝なんじ 可か以衆菓釀酒しゅ八はち甕う 吾われ當爲とうい汝なんじ殺ころせ蛇へび 二神隨教設酒 至いたり産さん時じ 必彼大蛇おろち 當とう戸と將はた呑兒焉

— 日本書紀にほんしょき , 第だい八はち段だん一いち書しょ（二に）

また『日本書紀にほんしょき』第だい八はち段だん一いち書しょには出雲いずもの簸ひ之これ川がわの記載きさいがあり、これは島根しまね県けん出雲いずも地方ちほうを流ながれる斐伊川ひいかわであるとされる。ただ同おなじ名めいの川かわが安芸あき高田たかだ市内しないを流ながれる江ごうの川かわ一いち次じ支流しりゅうにも存在そんざいし、その上流じょうりゅうにはヤマタノオロチにまつわる伝承でんしょうが残のこっている。

ヤマタノオロチ伝説でんせつは『古事記こじき』にも出でてくる話はなしであるが、日本書紀にほんしょきとは異ことなり可愛川えのかわの名なは出でてこない。この話はなしの解釈かいしゃくについては諸説しょせつあるが出雲いずも地方ちほうでは、ヤマタノオロチは洪水こうずいで暴あばれる斐伊川ひいかわ本流ほんりゅう支流しりゅうを表あらわしスサノオ（素もと戔嗚尊みこと）はその治水ちすいに尽力じんりょくした神かみという説せつ、あるいはヤマタノオロチの腹はらの中うちから天てん叢雲むらくも剣けんを取とり出だす描写びょうしゃが古代こだいの製鉄せいてつを意味いみしているとする説せつ、がある。

江ごうの川かわ流域りゅういきの島根しまね県けん・広島ひろしま県けんの広ひろい範囲はんいでこのオロチ伝説でんせつを題材だいざいの一ひとつとする神楽かぐらの文化ぶんかが残のこっている。大おおきく区分くぶんすると、本流ほんりゅうの中なか・下しも流域りゅういきつまり島根しまね県けん側がわでは石見いわみ神楽かぐら、本流ほんりゅう上じょう流域りゅういきは芸北げいほく神楽かぐら、上うえ流域りゅういきの支流しりゅうでは備後びんご神楽かぐらと呼よばれている。これらの神楽かぐらは出雲いずも流りゅうの採と物もの神楽かぐらにルーツを持もち、たたら製鉄せいてつが盛さかんになったことで人々ひとびとが移動いどう・交流こうりゅうしていく中なかで、出雲いずもの佐陀さだ神しん能のうが石見いわみに伝つたわって近世きんせい以前いぜんに石見いわみ神楽かぐらとして定着ていちゃく、そこから近世きんせいに安芸あき国こく北部ほくぶに伝つたわって芸北げいほく神楽かぐらとなったという。うち大だい元もと神楽かぐらと比婆ひば荒神こうじん神楽かぐらが国くにの重要じゅうよう無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざい。

舟運しゅううんとたたら

江ごうの川かわは豊富ほうふな流量りゅうりょうに比較的ひかくてき緩ゆるやかな勾配こうばい、中ちゅう流域りゅういきが中国ちゅうごく山地さんちを断たち切きって流ながれる先行せんこう河川かせん、上うえ流域りゅういきは三次盆地みよしぼんちを中心ちゅうしんに放射状ほうしゃじょうに伸のびる本流ほんりゅう・支流しりゅう、という特徴とくちょうから、舟ふねで日本海にほんかい側がわから中国山地ちゅうごくさんちの広ひろい範囲はんいさらに陸路りくろを組くみ合あわせると瀬戸内海せとないかい側がわへ行いくことができたため、全ぜん流域りゅういきで河川かせん舟運しゅううんが発達はったつしていた。近代きんだい初期しょきまで中国ちゅうごく山地さんちの主要しゅよう産業さんぎょうの一ひとつにはたたら製鉄せいてつがあり、舟運しゅううんの中心ちゅうしんは鉄てつ・木材もくざい・穀類こくるいであった。

古代こだい/中世ちゅうせい

三次盆地みよしぼんち内ないにある矢谷やたに墳丘ふんきゅう墓ぼから、弥生やよい時代じだい後期こうきには山陰さんいん（日本海にほんかい側がわ）と山陽さんよう（瀬戸内海せとないかい側がわ）の間あいだで人々ひとびとが交流こうりゅうしていたと考かんがえられている。舟運しゅううんは古ふるくから行おこなわれていたと言いわれている。ただ先史せんし時代じだいの遺跡いせきや郡家こおげなどの位置いちから、古代こだいまで舟運しゅううんはごく狭せまい範囲はんいであくまで陸上りくじょう輸送ゆそうの延長えんちょう上じょうで行おこなわれていたと推定すいていされている。川舟かわぶねが用もちいられたとする最古さいこの記録きろくは天てん慶けい8年ねん（945年ねん）のことで、邑南町まち菅原すがわら神社じんじゃの由緒ゆいしょに残のこっている。

この流域りゅういきでのたたら製鉄せいてつはその遺跡いせきから古墳こふん時代じだい6世紀せいき後半こうはんから備後びんごに、中世ちゅうせい11世紀せいきから16世紀せいきごろ石見いわみ・安芸あきに伝播でんぱしたという。特とくに中世ちゅうせい荘園しょうえんが開発かいはつ・発達はったつしていくと、中国ちゅうごく山地さんち側がわでは鉄てつを租税そぜいとして納おさめたことから、鉄てつ生産せいさんが伸のびていったとされている。そして中世ちゅうせい後期こうきには上うえ流域りゅういきと河口かこうを結むすぶ舟運しゅううんが存在そんざいしていたことが古記こき録ろくでわかっており、江ごうの川かわに面めんした山上さんじょう、特とくに舟運しゅううんの要地ようちにいくつも城しろが構築こうちくされている。そうした城しろでは戦国せんごく時代じだい、吉田よしだ郡ぐん山城やましろの戦たたかいなどの戦たたかいの舞台ぶたいとなった。

• 
  広島ひろしま県立けんりつみよし風土記ふどきの丘おかに復元ふくげんされた古墳こふん時代じだい後期こうきの製鉄せいてつ遺跡いせき。
• 
  岩脇いわわき古墳こふんからの展望てんぼう。木々きぎの向むこう側がわが江ごうの川かわ。
• 
  吉田よしだ郡ぐん山城やましろからの展望てんぼう。上部じょうぶを流ながれるのが江ごうの川かわ。

近世きんせい

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主おもな川かわ港こうと周辺しゅうへん

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美郷みさと町まち粕淵かすぶち。江戸えど期きは天領てんりょうで、江ごうの川かわ舟運しゅううんと石見いわみ銀山ぎんざん街道かいどう（左上ひだりうえから右みぎ下か方向ほうこう）の交点こうてんにあたる。

一般いっぱんに高瀬舟たかせぶねによる舟運しゅううんは江戸えど時代じだいに発達はったつしたと言いわれているがこの流域りゅういきでは少すこし事情じじょうが異ことなる。まず上うえ流域りゅういきの安芸あき・備後びんごは大だい部分ぶぶんが広島ひろしま藩はんあるいはその支ささえ藩はんにあたる三さん次じ藩はんの領地りょうち、上下じょうげ周辺しゅうへんのみ天領てんりょうであった。舟運しゅううんは津留つる規制きせいによって広島ひろしま藩はん（三さん次じ藩はん）領内りょうないに限かぎられていた。一方いっぽう、中ちゅう下か流域りゅういきの石見いわみには幕府ばくふ直轄ちょっかつの大森おおもり銀山ぎんざんがあったことから、江ごうの川かわ北側きたがわは天領てんりょうであった。沿岸えんがんには銀山ぎんざんからの荷に抜ぬけ・抜ぬけ売うりを取とり締しまる口くち番所ばんしょ（川舟かわぶね番所ばんしょ）が数箇所すうかしょ置おかれ、番所ばんしょでの通行つうこうは運上うんじょう金きんを支払しはらう必要ひつようがあった。逆ぎゃくに江ごうの川かわ南側みなみがわはほぼ浜田はまだ藩はん領りょうで、他たは河口かこうにある川かわ港こうであり西にし廻まわり海運かいうんの港みなとであった郷田ごうだ（現げん・江津本町ごうつほんまち）のみ長ながらく天領てんりょう、他た津和野つわの藩はん領りょうの飛地とびちがあった。こうしたことから江戸えど時代じだいでは全ぜん流域りゅういきにわたる舟運しゅううんは途絶とぜつしていた。

舟ふねで穀類こくるい・銑鉄せんてつ・鋼はがね・苧からむし・紙し・楮こうぞ・木材もくざいなどが運はこばれた。特とくに製鉄せいてつ業ぎょうにおいては、原料げんりょうの砂鉄さてつ・精錬せいれんに用もちいる燃料ねんりょうの薪炭しんたん・生産せいさんされた銑ずく・鋼はがねなど舟運しゅううんが用もちいられた。更さらに銀山ぎんざんでも灰吹はいふき法ほうによる精錬せいれんが行おこなわれていたため大量たいりょうの燃料ねんりょうを必要ひつようとしたことから、舟運しゅううんでの薪炭しんたん運搬うんぱんは銀山ぎんざん運営うんえいも支ささえていたことになる。なお精錬せいれんでできた銀地ぎんじ金きんは陸路りくろ（石見いわみ銀山ぎんざん街道かいどう）で運はこばれたが、『マイペディア』には江ごうの川かわは石見いわみ銀山ぎんざんの輸送ゆそう路ろでもあったとの記載きさいがある。これら特産とくさん品ひんの生産せいさん・流通りゅうつうは流域りゅういき経済けいざいを支ささえ、特とくに江こうの川中かわなか下か流域りゅういきの石見いわみ国こくは農地のうち開発かいはつできる平地ひらちが狭せまいため、特産とくさん品ひんの流通りゅうつうによって得えた利益りえきで外そとから米こめを買かい人口じんこうを支ささえていた。

鉄てつ穴あな流ながし・天秤てんびん鞴の発明はつめい、高殿たかどのたたらという企業きぎょう的てき手法しゅほうの導入どうにゅうによって鉄てつ生産せいさん量りょうは更さらに増大ぞうだいした。ただ上流じょうりゅうで行おこなわれた鉄てつ穴あな流ながしは大量たいりょうの土砂どしゃを下流かりゅうに流ながした。中ちゅう下か流域りゅういきに位置いちする邑南町まちの中心ちゅうしん部ぶは矢上やがみ盆地ぼんち（於保知ち盆地ぼんち）内ないにあるが、その中央ちゅうおうを流ながれる川かわは鉄てつ穴あな流ながしによる土砂どしゃ流出りゅうしゅつで常つねに濁にごっていたことから濁川にごりかわ（江ごうの川かわ一いち次じ支流しりゅう）と呼よばれるようになったという。鉄てつ穴あな流ながしによる土砂どしゃ被害ひがいを受うけた下流かりゅう側がわと加害かがい者しゃである上流じょうりゅう側がわとの間あいだでの住民じゅうみん訴訟そしょう「濁水だくすい紛争ふんそう」は中国地方ちゅうごくちほう各地かくちであり、この流域りゅういきでは本流ほんりゅうや支流しりゅう西城川さいじょうがわなどで起おこっている。以下いか広島ひろしま藩はん内ないでの紛争ふんそう例れいを示しめす。

• 寛永かんえい10年ねん（1633年ねん）、安芸あき国こく高田たかだ郡ぐんが可愛川えのかわ（江ごうの川かわ）上流じょうりゅうの山県やまがた郡ぐんでの鉄てつ穴あな流ながしの停止ていしを求もとめたが、広島ひろしま藩はんは収益しゅうえきを優先ゆうせんしてこれを退しりぞけ、かわりに浚渫しゅんせつを命めいじた。
• 天保てんぽう4年ねん（1833年ねん）、安芸あき国こく恵めぐみ蘇そ郡ぐんで比和川ひわがわ（江ごうの川かわ二に次じ支流しりゅう）上流じょうりゅうでの鉄てつ穴あな流ながしの停止ていしを求もとめ、結果けっか稲作いなさくに支障ししょうを与あたえないよう鉄てつ穴あな流ながしの期間きかんが取とり決きめられた。

• 
  邑南町まち矢上やかみ盆地ぼんち。周辺しゅうへんの山やまは鉄てつ穴あな流ながしによって元もとの形かたちを残のこしていない。
• 
  庄原しょうばら市し比和ひわ川がわの支流しりゅうにある三河内みかわち盆地ぼんち。鉄てつ穴あな流ながし跡あとを水田すいでん化かしたもの。
• 
  江ごうの川かわ河口かこう西側にしがわにあたる都野津つのづ砂丘さきゅう。中世ちゅうせいまでこの砂丘さきゅうは存在そんざいせず海岸かいがん線せんはより内陸ないりく側がわにあったが、近世きんせいに鉄てつ穴あな流ながしの排出はいしゅつ土砂どしゃを用もちいて海岸かいがん部ぶを埋うめ立たて新田しんでん開発かいはつしていった結果けっか、現在げんざいの海岸かいがん線せんとなった。

近代きんだい

拡大かくだい

Clip

三さん次じ本通ほんどおり。かつての三さん次じ中心ちゅうしん部ぶであり、この道みちは出雲いずも街道かいどう/石見いわみ銀山ぎんざん街道かいどう。

旧きゅう・郷田ごうだ、現げん・江津本町ごうつほんまち。この道みちは旧きゅう山陰さんいん道どう。赤あかい瓦かわらが石いし州しゅう瓦かわら。

かつて存在そんざいした江川えがわ飛行船ひこうせん。

明治めいじ時代じだいに入はいり、舟運しゅううんそしてたたら製鉄せいてつは最盛さいせい期きを迎むかえる。廃はい藩はんにより津留つる規制きせいが解とかれ、舟ふねは自由じゆうに行いき来きすることができ上流じょうりゅうから河口かこうまでつながることになる。鉄てつは幕末ばくまつの動乱どうらんの中なかで需要じゅようが増ふえ、その後ごも増ふえ続つづけ明治めいじ20年代ねんだい頃ごろに最盛さいせい期きを迎むかえた。これは江ごうの川かわ流域りゅういきだけでなく中国ちゅうごく地方ちほう全体ぜんたいのことで、幕末ばくまつから明治めいじ中期ちゅうき時点じてんで日本にっぽんの鉄てつ生産せいさん量りょうの90%を中国ちゅうごく山地やまち産さんの鉄てつが占しめていた。

明治めいじ20年代ねんだい、支流しりゅう馬洗川ばせんがわ・西城川さいじょうがわ・八戸はちのへ川がわにあった船着場ふなつきばを含ふくめると流域りゅういきには49箇所かしょの船着場ふなつきばがあった。最さい上流じょうりゅうは土師はじ（現げん安芸あき高田たかだ市し）にあり、荷物にもつ取扱とりあつかい高だか順じゅんでは郷田ごうだ川端かわばた（現げん江津ごうつ市し）・粕淵かすぶち（現げん美郷みさと町まち）・吉田よしだ浜はま（現げん安芸あき高田たかだ市し）・三さん次じ五ご日にち市し（現げん三次みつぎ市し）・川本かわもと今津いまづ（現げん川本かわもと町まち）などが多おおく取とり扱あつかっていた。江津ごうつから三さん次じの間あいだを下くだりは2日にち・上のぼりは5日にち要ようし、上のぼりは風ふうがあるときは帆ほを張はってないときは沿岸えんがんの船頭せんどう道どうからロープで舟ふねを引ひいたという。かつて江こうの川中かわなか流域りゅういき石見いわみ国こく側がわで生産せいさんされた鉄てつ製品せいひんは河口かこうの郷田ごうだにのみ運はこばれていたが、このころになると三さん次じ-吉田よしだと江ごうの川かわ上流じょうりゅう（可愛川えのかわ）へ舟ふねで運はこばれ陸路りくろあるいは太田おおた川がわ水運すいうんで広島ひろしまにも運はこばれていった。舟荷ふなには江戸えど時代じだいとほぼ同おなじ内容ないようのものに加くわえて、銅どうも運はこばれた。これは大森おおもり銀山ぎんざんは休山やすみやまとなったが、しばらくすると銅どうが産出さんしゅつされたため、これも河口かこうまで運はこばれていた。

ただ、安価あんかな洋よう鉄てつの輸入ゆにゅうさらに製鉄せいてつの近代きんだい化かによって明治めいじ20年代ねんだい後半こうはんからたたら製鉄せいてつは斜陽化しゃようかしていった。

明治めいじ後期こうきには浜原はまはらと江津ごうつを結むすぶ定期ていき船せんが登場とうじょう、大正たいしょう期きには江川えがわ飛行船ひこうせんが登場とうじょうした。これは後うしろにプロペラを付つけた船ふねで、江津ごうつ-粕淵かすぶちの間あいだを1日にち2往復おうふくしていた。ただ舟運しゅううんも大正たいしょう10年ねん（1921年ねん）発電はつでんを目的もくてきとする鳴滝なるたき堰堤えんていが建設けんせつされると、航路こうろが分断ぶんだんされたことにより急速きゅうそくに衰退すいたいしていった。更さらに同おなじ頃ごろには道路どうろ網もうの整備せいびが進すすみ始はじめ、川かわに沿そって三江線さんこうせん整備せいびが進すすみ昭和しょうわ12年ねん（1937年ねん）江津ごうつ-浜原はまはら間あいだが完成かんせいしたことにより、舟運しゅううんは完全かんぜんに途絶とだえた。

流域りゅういき産業さんぎょう

江ごうの川かわと並なみ走そうしていた三江線さんこうせん。2018年ねんに廃はい線せんとなった。

流域りゅういきの土地とち利用りようは、約やく92%が山林さんりん、約やく7%が農地のうち、約やく1%が宅地たくちになる。主おもな産業さんぎょうは農林のうりん業ぎょうであるが零細れいさいが多おおい。中国山地ちゅうごくさんち周辺しゅうへんではかつて農閑期のうかんきにたたら製鉄せいてつが行おこなわれていたが、その衰退すいたいにより職しょくを求もとめて他た地域ちいきに移動いどうした結果けっか、過疎かそ化かが始はじまったという。流域りゅういきの近年きんねんでの人口じんこう減少げんしょう率りつは全国ぜんこく平均へいきんを大おおきく上回うわまわり、少子しょうし高齢こうれい化かが進すすんでいる。

全ぜん流域りゅういきにわたり漁場ぎょじょうが点在てんざいしている。うちアユ漁りょうが6割わりから7割わりを占しめる。流域りゅういきにおける漁撈ぎょろうの始はじまりはいつ頃ころか不明ふめい。三さん次じ鵜飼うかいには戦国せんごく時代じだい末期まっきから始はじまったとする伝承でんしょうが残のこる。古ふるくは好こう漁場ぎょじょうで局所きょくしょ的てきに行おこなわれていたが、船頭せんどうのほうが賃金ちんぎんが高たかかったため舟運しゅううんを生業せいぎょうとしていたものが多おおく、全域ぜんいきで本格ほんかく的てきに漁撈ぎょろうが行おこなわれだしたのは舟運しゅううんが衰退すいたいし始はじめた明治めいじ時代じだい後半こうはんからあった。日本にっぽんの河川かせん三さん大だい漁労ぎょろう文化ぶんかと言いわれ「江ごうの川かわ流域りゅういきの漁撈ぎょろう用具ようぐ附ふ漁場ぎょじょう関係かんけい資料しりょう」として国くにの重要じゅうよう有形ゆうけい民俗みんぞく文化財ぶんかざいに指定していされている。現在げんざい資源しげん維持いじ目的もくてきで稚魚ちぎょの放流ほうりゅうや人工じんこう孵化ふかも行おこなわれている反面はんめん、水辺みずべ環境かんきょうの変化へんか・過疎かそ化かに伴ともなう漁師りょうしの減少げんしょう・食しょく習慣しゅうかんの変化へんかなどの要因よういんにより年々ねんねん漁獲ぎょかく高だかは減少げんしょうしている。

上うえ流域りゅういきの三さん次じ・庄原しょうばら付近ふきんは比較的ひかくてき商しょう工業こうぎょう地ちとして発達はったつしている。

河口かこうの江津ごうつ市しは石見いわみ臨海りんかい工業こうぎょう地帯ちたいの中心ちゅうしんであり、パルプ・窯業ようぎょう瓦かわらの生産せいさんが行おこなわれている。パルプは朝鮮ちょうせん特需とくじゅの際さいに需要じゅようが増大ぞうだいしたため、江ごうの川かわの豊富ほうふな水量すいりょう・中国ちゅうごく山地さんちに生育せいいくする豊富ほうふな木材もくざいを原料げんりょうとして昭和しょうわ26年ねん（1951年ねん）から生産せいさんが始はじまった。瓦かわらは石いし州しゅう瓦かわらと呼よばれているもので、日本にっぽんの瓦かわら生産せいさんの12%を占しめ三さん州しゅう瓦かわらに次つぐ生産せいさん量りょうを誇ほこる。

開発かいはつ

洪水こうずいと治水ちすい

江ごうの川かわは、有史ゆうし以来いらい洪水こうずいに見舞みまわれてきたと言いわれている。流域りゅういきにおける最古さいこの洪水こうずい記録きろくは天福てんぷく元年がんねん（1233年ねん）のことで川本かわもと町まち弓ゆみヶ峯みね八幡宮はちまんぐうの縁起えんぎにある。江戸えど時代じだいの記録きろくを集計しゅうけいすると、2・3年ねんに一いち度ど洪水こうずいに見舞みまわれていたという。記録きろくによれば、1620年ねんから1945年ねんの325年間ねんかんで洪水こうずいは133回かいあった。ただその対応たいおうは現代げんだいに入はいるまで局地きょくち的てきな改修かいしゅうにとどまっていた。

近代きんだいにおいては1893年ねん（明治めいじ26年ねん）、1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）、1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）にも大だい水害すいがいが起おきている。終戦しゅうせん直後ちょくごの1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）9月がつ枕崎まくらざき台風たいふうでは、流域りゅういきで死者ししゃ・行方ゆくえ不明ふめい者しゃ2,091人にん、家屋かおく全ぜん・半壊はんかいおよび流出りゅうしゅつ8,183戸こ、床上ゆかうえ・床下ゆかした浸水しんすい68,536戸この大だい災害さいがいとなった（国土こくど交通省こうつうしょう公表こうひょう）。その対応たいおうとして、1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）上じょう流域りゅういきで建設省けんせつしょう（現げん国土こくど交通省こうつうしょう）直轄ちょっかつ改修かいしゅう事業じぎょうが始はじまり、1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）「江ごうの川かわ水系すいけい工事こうじ実施じっし基本きほん計画けいかく」が策定さくていされた。この計画けいかくの中枢ちゅうすうをなしたのが土師はじダムの建設けんせつであった。

その改修かいしゅうが進すすめられていた最中さいちゅう、1972年ねんの「昭和しょうわ47年ねん7月がつ豪雨ごうう」で流域りゅういきで死者ししゃ・行方ゆくえ不明ふめい者しゃ28人にん、家屋かおく、家屋かおく全ぜん・半壊はんかいおよび流出りゅうしゅつ3,960戸こ、床上ゆかうえ・床下ゆかした浸水しんすい14,063戸こ、多数たすうの橋梁きょうりょうが流出りゅうしゅつするなど、昭和しょうわ20年ねん洪水こうずいを上回うわまわりかつて経験けいけんしたことのないような被害ひがいを出だした（国土こくど交通省こうつうしょう公表こうひょう）。これを受うけて基本きほん計画けいかくが改定かいていされ、上うえ流域りゅういきでは激はげしい反対はんたい運動うんどうの最中さいちゅうにあった灰塚はいつかダムがこれを機きに建設けんせつに向むけて動うごき出だし、中ちゅう下か流域りゅういきでは土地とち利用りよう一いち体型たいけい水すい防災ぼうさい事業じぎょうが全国ぜんこくに先駆さきがけて推進すいしんされた。

2007年ねん（平成へいせい19年ねん）河川かせん法ほう改正かいせいに伴ともない「江ごうの川かわ水系すいけい河川かせん整備せいび基本きほん計画けいかく」が策定さくてい、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）その後ご30年間ねんかんの計画けいかくになる「江ごうの川かわ水系すいけい河川かせん整備せいび計画けいかく」が策定さくていされた。

2018年ねん（平成へいせい30年ねん）の「西日本にしにほん豪雨ごうう」による災害さいがいに続つづき、2020年ねん（令れい和わ2年ねん）7月がつの「令れい和わ2年ねん7月がつ豪雨ごうう」では河口かこうから上流じょうりゅう90kmにかけて63箇所かしょで増水ぞうすいに伴ともなう浸水しんすい被害ひがいが発生はっせいした。被災ひさい面積めんせき318.4ha、被災ひさい家屋かおく126戸こ。支流しりゅうの神野かみの瀬川せかわや西城川さいじょうがわでも被害ひがいが発生はっせいした。これらの災害さいがいを受うけて住民じゅうみん説明せつめい会かいでは「国くにや県けんの河川かせん整備せいびには限界げんかいがある」との説明せつめいが行おこなわれ、従来じゅうらいの土木どぼく工事こうじに加くわえて江津ごうつ市しと美郷みさと町まちでは住民じゅうみんの集団しゅうだん移転いてんも検討けんとうされるようになった。国土こくど交通こうつう省しょうではバックウォーター現象げんしょうによる浸水しんすい被害ひがいを防ふせぐため、2021年ねんから部分ぶぶん的てきに河かわ道どうを掘削くっさくして流量りゅうりょうを高たかめる工事こうじを始はじめる。

2021年ねん（令れい和わ3年ねん）8月がつ14日にちの集中しゅうちゅう豪雨ごうう（令れい和わ3年ねん8月がつの大雨おおあめ）では江津ごうつ市し桜江さくらえ町まち地内じないの左岸さがん、美郷みさと町まち地内じないの右岸うがん、三次みつぎ市し粟屋あわや町まち市場いちば地区ちくの左岸さがん、同町どうちょう米丸よねまる地区ちくの左岸さがんから氾濫はんらんが生しょうじた。

古ふるくからの治水ちすい対策たいさくが現代げんだいまで続つづいている。ただ2016年ねん時点じてんで上うえ流域りゅういきに比くらべて中なか・下しも流域りゅういきの治水ちすい対策たいさくが遅おくれている傾向けいこうにある。これは洪水こうずい時じの水位すいいが高たかくなるため高たかい堤防ていぼうが必要ひつようとなり、その整備せいびに時間じかんがかかるためである。以下いか流域りゅういきにおける特徴とくちょう的てきな治水ちすい対策たいさくを示しめす。

水害すいがい防備ぼうび林りん

左ひだりが水害すいがい防備ぼうび林りんでその向むこう側がわが江ごうの川かわ。

中ちゅう下か流域りゅういきの河岸かわぎしに現在げんざいも多おおくある竹林ちくりんは、治水ちすい目的もくてきで意図いと的てきに植うえられた水害すいがい防備ぼうび林りんというものである。

これは、奈良なら時代じだいから平安へいあん時代じだいに現在げんざいの江津ごうつ市し桜江さくらえ町まち甘南備かんなび寺てらを訪おとずれた弘法大師こうぼうだいしの教おしえで植うえていったという。別べつ説せつでは、同どう時代じだいに朝廷ちょうていから江ごうの川かわの統治とうちを命めいじられた伊勢いせ山田やまだの笹ささ畑はたけ某ぼうという人物じんぶつが山田やまだ二郎じろう国久くにひさとともに植うえていったともいう。江戸えど時代じだいにおいても浜田はまだ藩はんが増殖ぞうしょくを奨励しょうれいしている。

竹たけの繁殖はんしょく力りょくに加くわえて、中ちゅう下か流域りゅういきでは堤防ていぼう未み整備せいび区間くかんが多おおいため現在げんざいでも多おおく残のこる。一部いちぶでは荒廃こうはいが進すすみ水防すいぼう機能きのうが低下ていかしていることから、そして歴史れきし的てきに存在そんざい価値かちがあることから保全ほぜん管理かんりが進すすめられている。

2010年ねん島根しまね県けん江津ごうつ市しと同どう県けん邑智おうち郡ぐん川本かわもと町まちの境さかい付近ふきん。石見高原いわみこうげん内ないにあたる。

[全ぜん画面がめん表示ひょうじ]

下した（南みなみ）から左ひだり（西にし）へ江ごうの川かわが流ながれる。右みぎ（東ひがし）から馬洗川ばせんがわ、その途中とちゅう上じょう（北きた）から合流ごうりゅうするのが西城川さいじょうがわ。左上ひだりうえが神野かみの瀬川せかわ。この地図ちずの左端ひだりはし付近ふきんが三次盆地みよしぼんちの境目さかいめになる。

三次盆地みよしぼんちの合流ごうりゅう部ぶ

三次盆地みよしぼんちでは複数ふくすうの支流しりゅうが合流ごうりゅうするため、それぞれの上流じょうりゅうで大雨おおあめが降ふると洪水こうずいが起おこりやすい特徴とくちょうがあった。その治水ちすい対策たいさくとして16世紀せいき末まつから堤防ていぼう工事こうじが行おこなわれだしたという。

江戸えど初期しょき、上うえ流域りゅういきは広島ひろしま藩はん支ささえ藩はんの三さん次じ藩はんが統治とうちした。寛永かんえい9年ねん（1632年ねん）初代しょだい藩主はんしゅ浅野あさの長治ながはるは三さん次じ藩はん館かんを置おき、総曲輪そうがわとして藩はん館かんを囲かこむように約やく2kmにわたり堤防ていぼうを整備せいびした。現在げんざい西城川さいじょうがわ沿ぞい三次みつぎ市し旭あさひ町まちで、旭あさひ堤つつみとしてモニュメント化かされて残のこっている。

現代げんだいに入はいり護岸ごがん整備せいびおよび河かわ道どう改修かいしゅうなど対策たいさくは進すすんだが、今度こんどは内水うすい氾濫はんらんが起おこるようになったためそれに対応たいおうする排水はいすい施設しせつも整備せいびされている。

土地とち利用りよう一いち体型たいけい水すい防災ぼうさい事業じぎょう

中ちゅう下か流域りゅういきには、狭隘きょうあいな土地とちに家屋かおくが点在てんざいする集落しゅうらくがいくつもある。そのような地ちで、通常つうじょうタイプの堤防ていぼうで治水ちすいするとなると規模きぼが大おおきくなり宅地たくちや田畑たはたを潰つぶしてしまうことになる。そこで、宅地たくちごと盛土もりつち嵩上かさあげした上うえで堤防ていぼうを築きずくことで集落しゅうらくを維持いじする土地とち利用りよう一いち体型たいけい水すい防災ぼうさい事業じぎょうが行おこなわれるようになった。

江ごうの川かわ流域りゅういきでは全国ぜんこくに先駆さきがけて行おこなわれており、明治めいじ20年代ねんだい川本かわもと町まちにおいて民間みんかん主導しゅどうで田畑たはたを地上じあげして新あたらしい住宅じゅうたく地ちとした記録きろくが残のこる。現行げんこうの事業じぎょうは1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）現在げんざいの川本かわもと町まち下か三島みしま地区ちくで始はじまり、本格ほんかく的てきに進すすめられたのは「昭和しょうわ47年ねん7月がつ豪雨ごうう」によって壊滅かいめつ的てきな被害ひがいを受うけて以降いこうのことになる。

• 美郷みさと町まち吾郷あごうの例れい
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  1976年ねん。
• 
  2010年ねん。嵩上かさあげ後ご、宅造たくぞうと道路どうろ整備せいびが行おこなわれている。
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  2018年ねん。向むこう側がわが嵩上かさあげ時じに作つくられた護岸ごがん。

利水りすい

利水りすい状況じょうきょう（2014年ねん4月がつ末まつ時点じてん）

項目こうもく	区分くぶん	件数けんすう	最大さいだい取水しゅすい量りょう (m3/s)	備考びこう
農業のうぎょう用水ようすい	法ほう	333	15.012	灌漑かんがい用水ようすい 約やく12,600 ha 島根しまね県けん 約やく02,100 ha 広島ひろしま県けん 約やく10,500 ha
	慣	2,888	-
工業こうぎょう用水ようすい	法ほう	3	2.438	分水ぶんすい0.615m3/s含ふくまず
上水道じょうすいどう用水ようすい	法ほう	30	0.669	分水ぶんすい2.316m3/s含ふくまず
	慣	3	0.005
その他た	法ほう	21	0.517	-
	慣	1	-
発電はつでん用水ようすい	法ほう	24	最大さいだい 324.094 常時じょうじ 67.080	内うち最大さいだい22.0m3/s分水ぶんすい

土師はじダム湖畔こはんにある咽のど声ごえ忠左衛門ちゅうざえもん顕彰けんしょう碑ひ

分水ぶんすい

「土師はじダム#利水りすい」を参照さんしょう

広島ひろしま都市とし圏けんや安芸あき郡ぐん島とうへの水みず需要じゅように対応たいおうするため、土師はじダムから南みなみの太田おおた川がわ水系すいけいに分水ぶんすいされている。

農業のうぎょう

流域りゅういきにおける農業のうぎょう用水ようすいの開発かいはつは戦国せんごく時代じだい末期まっきから江戸えど時代じだい前期ぜんきに始はじまった。安芸あき高田たかだ市し八千代やちよ町まち土師はじには咽のど声ごえ忠左衛門ちゅうざえもんが、江津ごうつ市し桜江さくらえ町まち今田こんだには百姓ひゃくしょう小平こだいら次じが、井堰いせきを作つくり上あげた伝承でんしょうが残のこる。

工業こうぎょう

河口かこうの江津ごうつ市しにある工業こうぎょう地帯ちたいへの供給きょうきゅうが中心ちゅうしんとなる。島根しまね県営けんえいとしては八戸はちのへダムを水源すいげんとして江津ごうつ地域ちいき拠点きょてん工業こうぎょう団地だんちへ供給きょうきゅうする水道すいどうが運営うんえいされている。

上水じょうすい

上流じょうりゅうの庄原しょうばら市し・三次みつぎ市し、下流かりゅうの江津ごうつ市しを中心ちゅうしんに上水道じょうすいどうが整備せいびされている他た、簡易かんい上水道じょうすいどうが整備せいびされている。

発電はつでん

豊富ほうふな水量すいりょうを生いかして水力すいりょく発電はつでん用ようの取水しゅすい施設しせつが作つくられ始はじめたのは大正たいしょう時代じだいから昭和しょうわ時代じだいにかけてのことになる。現代げんだいに入はいり初はつの中国電力ちゅうごくでんりょくによる事業じぎょう第だい一いち号ごうとなったのが浜原はまはらダムである。2015年ねん時点じてんで、流域りゅういきで28箇所かしょの発電はつでん所しょで総そう最大さいだい出力しゅつりょく約やく14万まんkwの電力でんりょくが供給きょうきゅうされている。

親水しんすい

江津ごうつ市し水みずふれあい公園こうえん水すいの国くに。

土師はじダムのダム湖みずうみでもある八千代やちよ湖こ。1994年ねんアジア競技きょうぎ大会たいかいのカヌー会場かいじょうとして用もちいられた。

舟運しゅううんや三さん次じ鵜飼うかいなどの漁労ぎょろう、山辺やまべ神宮じんぐうホーランエーなどの祭まつり、と江ごうの川かわ流域りゅういきは古ふるくから人ひとと密接みっせつに関かかわってきた。そうした中なかで、流域りゅういきには散策さんさく・水遊みずあそび・水辺みずべ学習がくしゅう・レクリエーションなどが行おこなえる親水しんすい施設しせつが整備せいびされている。特とくにカヌーの里さとおおち、江ごうの川かわカヌー公園こうえんさくぎ、八千代やちよ湖こ、とカヌーが体験たいけんできる水域すいいきがいくつかある。なお、親水しんすい施設しせつのいくつかは沿川にある小学校しょうがっこうの環境かんきょう・体験たいけん学習がくしゅうの場ばとして用もちいられている。

以下いか、国土こくど交通省こうつうしょうが公表こうひょうする2017年ねん新あたらしい河川かせん水質すいしつ管理かんり指標しひょうにおける評価ひょうか、2009年ねん川かわの通信つうしん簿ぼにおける評価ひょうかを示しめす。

本流ほんりゅう	一いち次じ支流しりゅう	二に次じ支流しりゅう	地点ちてん名めい	新しん水質すいしつ指標しひょう			通信つうしん簿ぼ （5段階だんかい評価ひょうか）
				人ひとと河川かせんの 豊ゆたかなふれあい	豊ゆたかな生態せいたい系けい	利用りようしやすい 水質すいしつ
江ごうの川かわ			桂かつら水辺みずべの楽らく校こう	B	B	-	3
江ごうの川かわ			カヌー公園こうえんさくぎ	-			4
江ごうの川かわ			長藤おさふじ	C	A	-	-
江ごうの川かわ			木路原きろはら護岸ごがん	-			3
江ごうの川かわ			三島みしま	A	B	-	-
江ごうの川かわ			サケのふるさと公園こうえん	-			3
江ごうの川かわ			川戸かわど	B	A	-	-
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ		八はち次じ水辺みずべの楽らく校こう	B	B	-	-
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ		十日市とおかいち親水しんすい公園こうえん	-			3
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ		稲荷町いなりちょうグラウンド	-			3
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	西城川さいじょうがわ	旭あさひ堤つつみ	-			3

施設しせつ

主おもなダム・堰せき。高たかさはメートル、総そう貯水ちょすい容量ようりょうは1,000立方りっぽうメートル。着色ちゃくしょく欄らんは施工しこう中ちゅう。

本流ほんりゅう	一いち次じ支流しりゅう	二に次じ支流しりゅう	三さん次じ支流しりゅう	河川かせん施設しせつ	型式けいしき	高たかさ	総そう貯水ちょすい容量ようりょう	事業じぎょう者しゃ	完成かんせい年ねん	備考びこう
江ごうの川かわ				土師はじダム	重力じゅうりょく	50.0	47,300	広島ひろしま県けん	1973	ダム湖みずうみ百ひゃく選せん
江ごうの川かわ				入江いりえ床ゆか止とめ	堰せき	-	-		1976
江ごうの川かわ				常友つねとも頭首とうしゅ工こう	堰せき	-	-		1957
江ごうの川かわ				高樋たかえ堰せき	堰せき	-	-		1952
江ごうの川かわ				鳴瀬なるせ堰せき	堰せき	-	-		1923
江ごうの川かわ				浜原はまはらダム	重力じゅうりょく	19.0	11,200	中国電力ちゅうごくでんりょく	1953
江ごうの川かわ	生田川いけだがわ	若わか幡川はたがわ		香こう六ろくダム	アース	22.5	286	広島ひろしま県けん	1965
江ごうの川かわ	簸ひノ川かわ	梶屋かじや谷川たにがわ		大和やまと池ち	アース	15.0	152	簸川ひかわ土地とち改良かいりょう区く	2004
江ごうの川かわ	板木いたぎ川がわ	今出いまで原川はらがわ		板木はんぎ溜池ためいけ	アース	33.0	302	広島ひろしま県けん	1983
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ			八はち次じ頭首とうしゅ工こう	堰せき	-	-		1967
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	芋面川いもづらがわ		廻神めぐりかみ溜池ためいけ	アース	18.6	144	中国ちゅうごく四国しこく農政のうせい局きょく	1959
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	上下川じょうげがわ		灰塚はいつかダム	重力じゅうりょく	50.0	52,100	中国ちゅうごく地方ちほう整備せいび局きょく	2006
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	国兼くにかね川がわ		国兼池くにかねいけ	アース	16.4	1,060	中国ちゅうごく四国しこく農政のうせい局きょく	1953
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	戸張とはり川がわ	長田川おさだがわ	直ちょく助じょ溜池ためいけ	アース	16.0	106		1956
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	黒渕くろぶち川がわ		目め谷たにダム	ロックフィル	49.7	1,308	中国ちゅうごく四国しこく農政のうせい局きょく	1986
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	西城川さいじょうがわ	大戸川おおどかわ	庄原しょうばらダム	重力じゅうりょく	42.0	701	広島ひろしま県けん	2015
江ごうの川かわ	馬洗川ばせんがわ	西城川さいじょうがわ	川北かわきた川がわ	扇谷おうぎや池いけ	アース	17.5	295	中国ちゅうごく四国しこく農政のうせい局きょく	1953
江ごうの川かわ	神野かみの瀬川せかわ			沓くつヶ原げんダム	重力じゅうりょく	19.5	750	中国電力ちゅうごくでんりょく	1941
江ごうの川かわ	神野かみの瀬川せかわ			高暮こうぼダム	重力じゅうりょく	69.4	39,658	中国電力ちゅうごくでんりょく	1944	近代きんだい土木どぼく遺産いさん
江ごうの川かわ	神野かみの瀬川せかわ			中三原なかみはら井堰いせき	堰せき	-	-		1952
江ごうの川かわ	八戸はちのへ川がわ			八戸はちのへダム	重力じゅうりょく	72.0	26,800	島根しまね県けん	1976
江ごうの川かわ	都治川つじがわ			波積はづみダム	重力じゅうりょく	54.0	4,010	島根しまね県けん

• 
  土師はじ
• 
  鳴瀬なるせ
• 
  浜原はまはら
• 
  灰塚はいつか
• 
  沓くつヶ原ばら
• 
  高暮こうぼ
• 
  八戸はちのへ

主要しゅような水力すいりょく発電はつでん所しょ。出力しゅつりょく単位たんいはkW。

河川かせん	発電はつでん所しょ	認可にんか出力しゅつりょく	常時じょうじ出力しゅつりょく	発電はつでん形式けいしき	発電はつでん方式ほうしき	取水しゅすい元もと	事業じぎょう者しゃ	運転うんてん開始かいし年ねん	備考びこう
江ごうの川かわ	明塚あかつか	25,000	2,100	ダム水路すいろ式しき	調整ちょうせい池ち式しき	浜原はまはらダム	中国電力ちゅうごくでんりょく	1953
江ごうの川かわ 生田川いけだがわ	新しん熊見くまみ	23,300	2,300	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	江ごうの川かわ取水しゅすい	中国電力ちゅうごくでんりょく	1996
西城川さいじょうがわ	落合おちあい	4,600	520	ダム水路すいろ式しき	調整ちょうせい池ち式しき	六ろくの原げん調整ちょうせい池ち	中国電力ちゅうごくでんりょく	1964
神野かみの瀬川せかわ	神野かみの瀬せ	20,000	6,200	ダム水路すいろ式しき	調整ちょうせい池ち式しき	高暮こうぼダム	中国電力ちゅうごくでんりょく	1950
神野かみの瀬川せかわ	高野たかの	140	82	ダム式しき	流込ながしこみ式しき	高暮こうぼダム	中国電力ちゅうごくでんりょく	2013
神野かみの瀬川せかわ	君田きみた	9,620	4,770	ダム水路すいろ式しき	調整ちょうせい池ち式しき	沓くつヶ原げんダム	中国電力ちゅうごくでんりょく	1941
神野かみの瀬川せかわ 萩はぎ川がわ	森原もりはら	7,200	3,160	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	萩はぎ川がわ取水しゅすい	中国電力ちゅうごくでんりょく	1952
布野ふの川がわ	布野ふの	220	43	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	布野ふの取水しゅすい	中国電力ちゅうごくでんりょく	1995
出羽川いずわがわ	出羽川いずわがわ	670	490	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	伏谷ふしや取水しゅすい	中国電力ちゅうごくでんりょく	1979
早水川はやみがわ	粕淵かすぶち第だい一いち	160	61	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	久保くぼ取水しゅすい	中国電力ちゅうごくでんりょく	1953
早水川はやみがわ 久ひさ部ぶ川かわ	粕淵かすぶち第だい二に	1,200	350	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	早水川はやみがわ取水しゅすい	中国電力ちゅうごくでんりょく	1927
家古屋川かこやがわ	勝地しょうち	770	0	水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	-	島根しまね県けん企業きぎょう局きょく	2000
八戸はちのへ川がわ	八戸はちのへ川がわ第だい一いち	6,300	570	ダム水路すいろ式しき	流込ながしこみ式しき	八戸はちのへダム	島根しまね県けん企業きぎょう局きょく	1982
八戸はちのへ川がわ	八戸はちのへ川がわ第だい二に	2,500	270	ダム式しき	貯水池ちょすいち式しき	八戸はちのへダム	島根しまね県けん企業きぎょう局きょく	1976
八戸はちのへ川がわ	八戸はちのへ川がわ第だい三さん	240	159	ダム式しき	貯水池ちょすいち式しき	八戸はちのへダム	島根しまね県けん企業きぎょう局きょく	2000

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  明塚あかつか
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  赤あか名めい（JA雲南うんなん）
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  都賀つが（JA島根しまねおおち）

交通こうつう

かつて上下じょうげ流域りゅういきの交流こうりゅうには舟ふねが用もちいられていたが、三江線さんこうせんの開通かいつうや道路どうろ網もう整備せいびにより衰退すいたいした。その三江線さんこうせんも、過疎かそ化かによる利用りよう者しゃ減少げんしょうや豪雨ごうう災害さいがいからの復旧ふっきゅう費用ひようなどの理由りゆうにより2018年ねん廃止はいしとなった。

渡河とかも同様どうようで、1950年代ねんだいに渡わたし舟ぶねから橋梁きょうりょうへと代かわっていった。その中なかで、1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）7月がつ17日にちには、桜江さくらえ町まち谷住郷たにじゅうごうで渡わたし船ぶねが転覆てんぷくして高校生こうこうせい3人にんが溺死できしする事故じこも発生はっせいした。中ちゅう流域りゅういきでは特とくに1972年ねんの「昭和しょうわ47年ねん7月がつ豪雨ごうう」で流出りゅうしゅつしたものが多おおく、それ以降いこうに架かけ替かえられた橋はしが現在げんざい用もちいられている。旧きゅう三江線さんこうせんの橋はしには軌道きどうに歩道ほどうを併設へいせつした第だい一いち江川えがわ橋梁きょうりょう、軌道きどうと歩道ほどうの2重じゅうトラス橋きょうの第だい三さん江川えがわ橋梁きょうりょうも存在そんざいするが、廃はい線せんに伴ともない現在げんざい立たち入いり禁止きんしとなっている。

主要しゅよう道どうにおける橋梁きょうりょう。緑色みどりいろ欄らんは有料ゆうりょう・高速こうそく道路どうろ。

橋梁きょうりょう	供用きょうよう道路どうろ	供用きょうよう年ねん	左岸さがん所在地しょざいち	右岸うがん所在地しょざいち	備考びこう
亀尻かめしり橋きょう	広島ひろしま県けん道どう312号ごう	1981	広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち大朝おおあさ	同左どうさ
大朝おおあさ大橋おおはし	島根しまね・広島ひろしま県けん道どう5号ごう		広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち大朝おおあさ	同左どうさ
江ごうの川かわ橋きょう	浜田はまだ自動車じどうしゃ道どう	1991	広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち大朝おおあさ	同左どうさ
新庄中しんじょうなか橋きょう	国道こくどう261号ごう		広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち新庄しんじょう	同左どうさ
関せき明あきら橋きょう	広島ひろしま県けん道どう311号ごう	1956	広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち新庄しんじょう	同左どうさ
田た福利ふくり橋きょう	広島ひろしま県けん道どう311号ごう	1927	広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち岩戸いわと	北広島きたひろしま町まち新庄しんじょう
川戸かわと大橋おおはし	国道こくどう433号ごう	1995	広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち川戸かわと	同左どうさ
野の賀が橋きょう	広島ひろしま県けん道どう69号ごう		広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち惣森そうもり	同左どうさ
阿戸あと橋きょう	島根しまね・広島ひろしま県けん道どう5号ごう		広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち川東かわひがし	北広島きたひろしま町まち壬生みぶ
壬生みぶ橋きょう	中国自動車道ちゅうごくじどうしゃどう		広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち川東かわひがし	北広島きたひろしま町まち壬生みぶ
川井かわい大橋おおはし	島根しまね・広島ひろしま県けん道どう5号ごう	1973	広島ひろしま県けん山県やまがた郡ぐん北広島きたひろしま町まち川井かわい	安芸あき高田たかだ市し八千代やちよ町まち土師はじ
新しん可愛川えのかわ橋きょう	国道こくどう54号ごう		広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し吉田よしだ町まち長屋ながや	吉田よしだ町まち上入江かみいりえ
岩いわの城しろ橋きょう	広島ひろしま県けん道どう29号ごう		広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し吉田よしだ町まち吉田よしだ	吉よし田町たまち国司くにじ
吉田よしだ大橋おおはし	広島ひろしま県けん道どう212号ごう	1974	広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し甲田こうた町まち下小原しもおばら	同左どうさ
智徳ちとく橋きょう	広島ひろしま県けん道どう52号ごう	1979	広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し甲田こうた町まち上甲立かみこうたち	甲田こうた町まち高田原たかたばら
川地かわち大橋おおはし	広島ひろしま県けん道どう63号ごう		広島ひろしま県けん三次みつぎ市し秋あき町まち	三次みつぎ市し上志和地かみしわち町まち
錦にしき橋きょう	国道こくどう54号ごう	1966	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し秋あき町まち	三次みつぎ市し下志和地しもしわち町まち
江ごうの川かわ第だい三さん橋きょう	中国自動車道ちゅうごくじどうしゃどう	1979	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し青河あおが町まち
江ごうの川かわ第だい二に橋きょう	中国自動車道ちゅうごくじどうしゃどう	1979	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し青河あおが町まち
第だい二に吉田川よしだがわ橋梁きょうりょう	芸備線げいびせん	1915	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し青河あおが町まち
江ごうの川かわ第だい一いち橋きょう	中国自動車道ちゅうごくじどうしゃどう	1979	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し西酒屋にしさかや町まち
第だい一いち吉田川よしだがわ橋梁きょうりょう	芸備線げいびせん	1915	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し十日市とおかいち町まち
三さん次じ大橋おおはし	国道こくどう54号ごう	1968	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し十日市とおかいち町まち
寿ことぶき橋きょう	国道こくどう183号ごう	1968	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し十日市西とおかいちにし6丁目ちょうめ
祝しゅく橋きょう	広島ひろしま・島根しまね県けん道どう112号ごう	1921	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し三次みつぎ町まち	近代きんだい土木どぼく遺産いさん
第だい一いち可愛川えのかわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1955	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し三次みつぎ町まち
尾関おぜき大橋おおはし	国道こくどう54号ごう	1975	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し粟屋あわや町まち	三次みつぎ市し三次みつぎ町まち
式しき敷じき大橋おおはし	国道こくどう433号ごう	1974	広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し高宮たかみや町まち佐々部ささべ	三次みつぎ市し作木さくぎ町まち香淀こうよど
第だい二に可愛川えのかわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1963	広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し高宮たかみや町まち佐々部ささべ	三次みつぎ市し作木さくぎ町まち門田かどた
第だい三さん可愛川えのかわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1963	広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市し高宮たかみや町まち川根かわね	三次みつぎ市し作木さくぎ町まち香淀こうよど
両国橋りょうごくばし	広島ひろしま・島根しまね県けん道どう4号ごう	1976	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん邑南町まち下口羽しもくちば	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し作木さくぎ町まち大津おおつ
第だい四よん江川えがわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1975	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん邑南町まち下口羽しもくちば	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し作木さくぎ町まち伊賀和志いかわし
第だい三さん江川えがわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1975	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん邑南町まち宇都井うづい	広島ひろしま県けん三次みつぎ市し作木さくぎ町まち伊賀和志いかわし
第だい二に江川えがわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1975	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち都賀西つがにし	美郷みさと町まち上野うえの
都賀つが大橋おおはし	島根しまね県けん道どう55号ごう	1978	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち都賀西つがにし	美郷みさと町まち都賀本郷つがほんごう
都賀行つがゆき橋きょう	島根しまね県けん道どう296号ごう	1973	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち都賀行つがゆき	美郷みさと町まち長藤おさふじ
第だい一いち江川えがわ橋梁きょうりょう	三江線さんこうせん	1973	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち野井のい	美郷みさと町まち粕淵かすぶち
吾郷あごう大橋おおはし	島根しまね県けん道どう40号ごう	1954	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん美郷みさと町まち簗瀬やなせ	美郷みさと町まち吾郷あごう
川本かわもと東大とうだい橋きょう	島根しまね県けん道どう31号ごう	1968	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん川本かわもと町まち川本かわもと	川本かわもと町まち久座仁くざに
川本かわもと大橋おおはし	島根しまね県けん道どう40号ごう	1961	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん川本かわもと町まち川本かわもと	川本かわもと町まち谷戸たんど
川下かわしも橋きょう	国道こくどう261号ごう	1989	島根しまね県けん邑智おうち郡ぐん川本かわもと町まち因原いんばら	川本かわもと町まち川下かわしも
桜江さくらえ大橋おおはし	島根しまね県けん道どう41号ごう	1977	島根しまね県けん江津ごうつ市し桜江さくらえ町まち川戸かわと	桜江さくらえ町まち谷住郷たにじゅうごう
松川まつかわ橋きょう	島根しまね県けん道どう221号ごう	1957	島根しまね県けん江津ごうつ市し川平町南川上かわひらちょうみなみかわのぼり	松川町長良まつかわちょうながら
新しん江川えがわ橋きょう	国道こくどう9号ごう江津ごうつ道路どうろ	1992	島根しまね県けん江津ごうつ市し江津ごうつ町まち	渡津わたづ町まち	土木どぼく学会がっかい田中たなか賞しょう
郷ごう川がわ橋梁きょうりょう	山陰本線さんいんほんせん	1920	島根しまね県けん江津ごうつ市し江津ごうつ町まち	渡津わたづ町まち
江川えがわ橋きょう	国道こくどう9号ごう	1950	島根しまね県けん江津ごうつ市し江津ごうつ町まち	渡津わたづ町まち

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  祝しゅく橋きょう
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  式しき敷じき大橋おおはし
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  三さん国こく橋きょう
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  吾郷あごう大橋おおはし
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  栗原くりはら橋きょう
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  鹿賀かが大橋おおはし
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  新しん江川えがわ橋きょう
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  郷ごう川がわ橋梁きょうりょうと江川えがわ橋きょう

参考さんこう資料しりょう

• 江ごうの川かわ - 国土こくど交通省こうつうしょう河川かせん局きょく
  • “江ごうの川かわ水系すいけい河川かせん整備せいび計画けいかく” (PDF). 国土こくど交通こうつう省しょう. 2019年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。
• 河川かせん整備せいび基本きほん方針ほうしん・河川かせん整備せいび計画けいかくの策定さくてい状じょう況きょう - 島根しまね県けん
• 江ごうの川かわ本川ほんかわブロック河川かせん整備せいび計画けいかくの目標もくひょうに関かんする事項じこう - 広島ひろしま県けん
• “江ごうの川かわなんでも辞典じてん” (PDF). 国交こっこう省しょう三さん次じ河川かせん国道こくどう事務所じむしょ. 2019年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。
• 建設省けんせつしょう浜田はまだ工事こうじ事務所じむしょ30年ねんのあゆみ - 国交こっこう省しょう浜田はまだ河川かせん国道こくどう事務所じむしょ
• 増田ますだ浩ひろし太ふとし、阿部あべ賢治けんじ、幸村ゆきむら康子やすこ、上山うえやま晶子あきこ、渡辺わたなべ正巳まさみ「田渕たぶち遺跡いせき」、国交こっこう省しょう浜田はまだ河川かせん国道こくどう事務所じむしょ , 島根しまね県けん教育きょういく委員いいん会かい、2018年ねん6月がつ29日にち、doi:10.24484/sitereports.22723、2019年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。 

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの一いち級きゅう河川かせん一覧いちらん

外部がいぶリンク

• 国土こくど交通省こうつうしょう 中国地方ちゅうごくちほう整備せいび局きょく 三さん次じ河川かせん国道こくどう事務所じむしょ
• 国土こくど交通省こうつうしょう 中国地方ちゅうごくちほう整備せいび局きょく 浜田はまだ河川かせん国道こくどう事務所じむしょ
• 江川えがわ漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあい