朝鮮ちょうせん特需とくじゅ

軍用ぐんよう機き（P-51）修理しゅうり。奥おくには南みなみアフリカ連邦れんぽう空軍くうぐん貸与たいよ機きの姿すがたも見みえる。

朝鮮ちょうせん特需とくじゅ（ちょうせんとくじゅ）は、朝鮮ちょうせん戦争せんそうに伴ともない、在ざい朝鮮ちょうせんアメリカ軍ぐん、在日ざいにちアメリカ軍ぐんから日本にっぽんに発注はっちゅうされた物資ぶっしやサービス需要じゅようを指さす。また、在日ざいにち国連こくれん軍ぐんや外国がいこく関係かんけい機関きかんによる間接かんせつ特需とくじゅという分類ぶんるいも存在そんざいする。朝鮮ちょうせん戦争せんそう勃発ぼっぱつ直後ちょくごの8月がつ25日にちには横浜よこはま市しに在日ざいにち兵站へいたん司令しれい部ぶが置おかれ、主おもに直接ちょくせつ調達ちょうたつ方式ほうしきにより大量たいりょうの物資ぶっしが買かい付つけられた。その額がくは1950年ねんから1952年ねんまでの3年間ねんかんに特需とくじゅとして10億おくドル、1955年ねんまでの間接かんせつ特需とくじゅとして36億おくドルと言いわれる。

なお、朝鮮ちょうせん特需とくじゅによって引ひき起おこされた好景気こうけいきは「特需とくじゅ景気けいき」、「朝鮮ちょうせん戦争せんそうブーム」、「朝鮮ちょうせん動乱どうらんブーム」、「ガチャマン景気けいき」、「糸いとヘン景気けいき」、「金かねヘン景気けいき」などと呼よばれた。

概要がいよう

戦争せんそう勃発ぼっぱつ直後ちょくごの1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）6月がつに米べい軍ぐんの在日ざいにち兵站へいたん司令しれい部ぶ（Japan Logistical Command）が設もうけられ、直接ちょくせつ調達ちょうたつ方式ほうしきにより大量たいりょうの物資ぶっしが買かい付つけられた。この在日ざいにち兵站へいたん司令しれい部ぶがアメリカ陸軍りくぐん第だい8軍ぐん司令しれい部ぶがある横浜よこはま市し（横浜よこはま税関ぜいかん本ほん庁舎ちょうしゃ）に併設へいせつされたことにより、横浜よこはま港こうが国連こくれん軍ぐんの兵站へいたん輸送ゆそうのための集積しゅうせき地ちとなり、国内外こくないがいからの兵員へいいんや軍事ぐんじ物資ぶっしの輸送ゆそう拠点きょてんとなった。

当初とうしょ調達ちょうたつされた物資ぶっしは、主おもに土嚢どのう用よう麻あさ袋ぶくろ、軍服ぐんぷく、軍用ぐんよう毛布もうふ、テントなどに使用しようされる繊維せんい製品せいひんであり、他たに、前線ぜんせんでの陣地じんち構築こうちくに必要ひつようとされる鋼管こうかん、針金はりがね、鉄条てつじょう網もうなどの各種かくしゅ鋼材こうざい、コンクリート材料ざいりょう（セメント、骨ほね材ざい（砂利じゃり・砂すな））など、そして各種かくしゅ食料しょくりょう品ひんと車両しゃりょう修理しゅうりであった。

兵器へいき生産せいさん

日本にっぽん企業きぎょうに対たいする兵器へいきや砲弾ほうだんなどの生産せいさん許可きょか（実質じっしつ的てきな命令めいれい）が下くだされたのは1952年ねん3月がつのGHQ覚書おぼえがきからとされる。車両しゃりょう修理しゅうり、航空機こうくうきの定期ていき修理しゅうり（IRAN）を、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん当時とうじに戦闘せんとう機きや戦車せんしゃを生産せいさんしていて、技術ぎじゅつ的てきノウハウがあった現在げんざいの三菱重工業みつびしじゅうこうぎょうやSUBARUに依頼いらいした。

経済けいざい的てき影響えいきょう

契約けいやく額がくは1950年ねんから1952年ねんまでの3年間ねんかんに特需とくじゅとして10億おくドル、1955年ねんまでの間接かんせつ特需とくじゅとして36億おくドルと言いわれる。

当時とうじ、日米にちべい行政ぎょうせい協定きょうていにより米べい軍ぐんに供給きょうきゅうする日本にっぽんの物品ぶっぴん税ぜい、揮発きはつ油ゆ税ぜいは免除めんじょされていた ため、取引とりひき自体じたいからの間接かんせつ税ぜい収入しゅうにゅうは得えられなかった。しかし、特需とくじゅの恩恵おんけいを受うけた各種かくしゅ産業さんぎょうの業績ぎょうせきが好転こうてんしたことで、最終さいしゅう的てきに税収ぜいしゅうも伸のびた。例たとえば1951年ねんの法人ほうじん税ぜい上位じょうい10位いすべてが、膨大ぼうだいな土嚢どのう、軍服ぐんぷく、天幕てんまくを受注じゅちゅうした繊維せんい業種ぎょうしゅであった。発注はっちゅうを受うけた企業きぎょうや関連かんれん企業きぎょうは、敗戦はいせんによって中断ちゅうだんされていた最新さいしん技術ぎじゅつを入手にゅうしゅできたほか、アメリカ式しきの大量たいりょう生産せいさん技術ぎじゅつを学まなぶ機会きかいを得えることが出来でき、戦前せんぜんの人海じんかい戦術せんじゅつ的てきな生産せいさん方式ほうしきから脱却だっきゃくし、再ふたたび産業さんぎょう立国りっこくになる上じょうで重要じゅうような技術ぎじゅつとノウハウを手てに入いれた。それまでの日本にっぽんの工場こうじょう生産せいさんにおいては品質ひんしつ管理かんり的てき手法しゅほうが取とり入いれられておらず、短時間たんじかんにどれだけ多おおく生産せいさんするかということが重視じゅうしされたため、不ふ良品りょうひんがそのまま出荷しゅっかされるということは珍めずらしいことではなかった。太平洋戦争たいへいようせんそう末期まっきには工程こうてい管理かんりという思想しそうは一部いちぶでは取とり入いれられつつあったがそれも不十分ふじゅうぶんなものであり、工員こういん個人こじんの技術ぎじゅつ力りょくにより製品せいひんの品質ひんしつが左右さゆうされる状態じょうたいは戦後せんごもそのままであった。そのような状況じょうきょうで命いのちを左右さゆうする軍ぐん用品ようひんの製造せいぞうをすることは認みとめられるはずもなく、直接ちょくせつ日本にっぽんの各かく工場こうじょうへアメリカの技術ぎじゅつ者しゃが出向でむいて品質ひんしつ管理かんりや工程こうてい管理かんりの指導しどうを行おこなった。これにより効率こうりつ的てきな量産りょうさんが行おこなわれるようになった。また、三菱重工みつびしじゅうこうや小松製作所こまつせいさくしょなどの国内こくない主要しゅよう軍事ぐんじ（防衛ぼうえい）産業さんぎょうは、朝鮮ちょうせん特需とくじゅと1950年ねんに発足ほっそくした警察けいさつ予備よび隊たいに供与きょうよされた車輌しゃりょう（M4A3E8中ちゅう戦車せんしゃ、M24軽けい戦車せんしゃなど）の保守ほしゅ整備せいびや修理しゅうりを請うけ負おい、米国べいこくの製造せいぞう技術ぎじゅつ等とうを吸収きゅうしゅうし、戦後せんご空白くうはく期きの技術ぎじゅつの遅おくれを取とり戻もどしつつ、後のちに、ST（61式しき戦車せんしゃ）などを製造せいぞうした。そういう意味いみでは日本にっぽんの産業さんぎょう界かいの工場こうじょう生産せいさんにおいては大だい転換期てんかんきであり、戦後せんごの高度こうど経済けいざい成長せいちょうの礎いしずえとなったとも言いえる。

しかしその一方いっぽうで市民しみん生活せいかつが戦争せんそうで潤うるおったわけではなかった。確たしかに朝鮮ちょうせん戦争せんそうによって日本にっぽんは4億おく3000万まんドルの貿易ぼうえき外がい受うけ取とり超過ちょうかを得えた（1951年度ねんど）。しかし特需とくじゅを除のぞくと貿易ぼうえき外がい経常けいじょう取引とりひきは2億おくドルの支払しはらい超過ちょうか、貿易ぼうえきを含ふくめた経常けいじょう取引とりひきで4億おく8000万まんドルの支払しはらい超過ちょうかになっていた。なぜにそれほどの莫大ばくだいな赤字あかじを抱かかえたかと言いえば、戦前せんぜん戦中せんちゅうにおいて行おこなわれた朝鮮ちょうせん、満州まんしゅうなどからの安価あんかな輸入ゆにゅうがGHQによる対たい中ちゅう貿易ぼうえき禁止きんし令れいで閉塞へいそくされたために「アメリカから資源しげんを買かい、アメリカのために生産せいさんし、アメリカのい値いねで売うる」状況じょうきょうに陥おちいっていたからである。

さてこれらの特需とくじゅなんでありますが、朝鮮ちょうせん特需とくじゅ、これはつまり朝鮮ちょうせんのための軍需ぐんじゅ資材しざいなんでありますが、これが現在げんざい二に・四よん億おくドル、日本にっぽんの金かねにして九きゅう百ひゃく億おく円えんかに上うえつておりまして、これは関連かんれん産業さんぎょうは非常ひじょうな好景気こうけいきになつたのでありますが、併し現在げんざいむしろ欠かけ之のインフレというような形かたちになつて来きておりまして、例たとえば物もの調法ちょうほう、現げんに問題もんだいになつております物もの調法ちょうほうの統制とうせい下かにおきますところの銑鉄せんてつとか、ニツケル、苛性かせいソーダ等とうの物価ぶっかが上うえつております。加かうるに中日ちゅうにち貿易ぼうえき、我わが党とうの最もっとも主張しゅちょうしております中日ちゅうにち貿易ぼうえきを禁止きんしいたしましたために、中国ちゅうごくから買かえば一いちトン十じゅう二にドルで買かえるものをアメリカからわざわざ二に十じゅう五ごドルで買かいつておる。粘ねば結むすぶ炭ずみを中国ちゅうごくから買かえば十じゅう六ろくドルで買かえるものを二に十じゅう八はちドルで、塩しおを中国ちゅうごくから買かえば八はちドルで買かえるものを二に三さんドルでわざわざアメリカから買かいつておる。こういうような国くにの政治せいじの結果けっか、非常ひじょうに日本にっぽんの経済けいざいが疲弊ひへいしておる — 10 - 参まいり - 経済けいざい安定あんてい委員いいん会かい - 10号ごう 昭和しょうわ26年ねん03月がつ29日にち 兼けん岩いわ傳一でんいち（共産党きょうさんとう）

…事実じじつまた八幡はちまん製鉄せいてつ所しょのようなところでも、実際じっさい生産せいさん能力のうりょくを超過ちょうかし、そうして非常ひじょうに臨時りんじの注文ちゅうもんであり、納期のうきがやかましいし、値段ねだんも引合ひきあわないというようなことで、非常ひじょうに首くびをひねつているというような、今いままでの案あん例れいもあるのであります — 10 - 衆しゅう - 通商つうしょう産業さんぎょう委員いいん会かい - 25号ごう 昭和しょうわ26年ねん05月がつ14日にち 風早かざはや八はち十じゅう二に

この年としの対たい日にち援助えんじょの総額そうがくが2億おくドルであるから、日本にっぽんの経済けいざいは朝鮮ちょうせん特需とくじゅで回復かいふくするどころか、朝鮮ちょうせんの兵站へいたん線せんを支ささえるために国内こくないの物資ぶっしの流通りゅうつうを統制とうせいしてまで軍需ぐんじゅ生産せいさんに追おい込こまれたのである。このような状況じょうきょうで輸出ゆしゅつが伸のびるはずもなく、産業さんぎょうはますます特需とくじゅに依存いぞんの度合どあいを深ふかめ、やがては日本にっぽんそのものが戦争せんそうを前提ぜんていとした産業さんぎょう構造こうぞうに「特とく化か」する危険きけんさえあった。

しかしながら日本にっぽんの経済けいざいの現状げんじょうは、先さきほどの輸入ゆにゅう引取ひきとり資金しきんの問題もんだい、輸出ゆしゅつ滞貨たいかの問題もんだい、さらに朝鮮ちょうせん特需とくじゅの中止ちゅうしあるいはキヤンセル等とうの問題もんだいによつて、恐慌きょうこう寸前すんぜんにあるということすら、われわれは考かんがえられるのであります — 10 - 衆しゅう - 大蔵おおくら委員いいん会かい - 63号ごう 昭和しょうわ26年ねん08月がつ01日にち　深澤ふかさわ　義守よしもり（共産党きょうさんとう）

…結局けっきょく大阪おおさか、兵庫ひょうご、岡山おかやまを中心ちゅうしんとする阪神はんしん地区ちくの産業さんぎょうは、特需とくじゅ産業さんぎょうを除のぞいて、全般ぜんぱん的てきには朝鮮ちょうせん動乱どうらんによる好影響こうえいきょうということもさほどではなく、従したがえつて只今ただいまのところこれが失業しつぎょう問題もんだいの解決かいけつに寄与きよするなどということからは程遠ほどとおいという感かんじをもつた次第しだいであります。つまり、各かく企業きぎょうとも、今後こんごの経済けいざいの見通みとおしに対たいする不安ふあん感かんから、成なるだけ雇傭こようを差さし控ひかえておるようで、朝鮮ちょうせん特需とくじゅに対たいしても、これを雇傭こよう量りょうの増加ぞうかによらず、専もっぱら労働ろうどう生産せいさん性せいの向上こうじょうで賄まかなうという方向ほうこうをとつておるようで… — 12 - 参まいり - 労働ろうどう委員いいん会かい - 2号ごう 昭和しょうわ26年ねん11月02日にち 原はら虎一とらいち（社会党しゃかいとう）

一時いちじ我わが国くにの産業さんぎょう界かいに活かつを入いれるに役立やくだちました朝鮮ちょうせん特需とくじゅというようなものは決けっして長ながきに亘わたるものではなく（中略ちゅうりゃく）今いまこそ今後こんごの貿易ぼうえき対策たいさくを最もっとも真劍しんけんに考かんがえねばならん時ときだと痛感つうかんするのであります。この意味いみにおきまして、貿易ぼうえき問題もんだいを担当たんとうされる通産つうさん大臣だいじんとして、我わが国くにに対たいするこの各国かっこくの態度たいどを柔やわらげ、先まずガツト加入かにゅう、又また各国かっこくの最惠国さいけいこく待遇たいぐうを獲得かくとくするためには、どういう具体ぐたい的てきな策さくを考かんがえておられるか — 12 - 参まいり - 平和へいわ条約じょうやく及および日米にちべい安全あんぜん保ほ… - 14号ごう 昭和しょうわ26年ねん11月09日にち　加藤かとう正人まさと

これは統制とうせいははずされたけれども、事実じじつにおいては非常ひじょうにさんたんたる状態じょうたいである。もう六ろく千せんカロリー以上いじょうの石炭せきたんが全部ぜんぶ朝鮮ちょうせん特需とくじゅとして、作戦さくせん命令めいれいでもつて向むこうに持もつて行いかれる。天然てんねん資源しげん局きょくにお願ねがいしてもどうにもならぬ。そうして石炭せきたん局長きょくちょう自身じしん認みとめているように、ボタ山やまがどんどんつぶされている。そうして七なな割わりもボタをまぜたような租悪炭ずみが市中しちゅうに出でまわつている — 13 - 衆しゅう - 内閣ないかく委員いいん会かい - 8号ごう 昭和しょうわ27年ねん03月がつ25日にち 今野こんの武雄たけお（共産党きょうさんとう）

1953年ねんには輸出ゆしゅつ額がく12億おく7000万まんドルに対たいし輸入ゆにゅう24億おく1000万まんドル、実じつに11億おく7000万まんドルの輸入ゆにゅう超過ちょうかに陥おちいっており、7億おくドルからの特需とくじゅ関連かんれん収入しゅうにゅうとは日本にっぽんに「戦争せんそうに適てきした産業さんぎょう構造こうぞう」への適応てきおうを強しいるもので、各種かくしゅ物資ぶっしがなお統制とうせい下かにあることを考慮こうりょすれば準じゅん戦時せんじ下かとも言いえるものであった。日本にっぽんはGATTへの加入かにゅうなどによる自由じゆう貿易ぼうえき体制たいせいへの復帰ふっきで生存せいぞんの道みちを探さぐろうとしていたが、1948年ねんに加盟かめいした西にしドイツと異ことなりイギリスを筆頭ひっとうとした強烈きょうれつな反対はんたいに直面ちょくめんしていた。日本にっぽんが「不ふ況きょう」を脱だっしたとされるのは1954年ねん12月の神武じんむ景気けいきからで、朝鮮ちょうせん戦争せんそうは日本にっぽんの復興ふっこうに必かならずしもプラスであったとは言いえず、日本にっぽんの発展はってんには地域ちいきの安定あんていに基もとづく自由じゆう貿易ぼうえきが不可欠ふかけつであることを考かんがえ合あわせるならば、むしろ阻害そがい要因よういんでさえあった。

政治せいじ的てき背景はいけい

当時とうじの日本にっぽんはアメリカ式しき編制へんせいによる陸軍りくぐん4個こ師団しだんを筆頭ひっとうとする占領せんりょう軍ぐん経費けいひを「終戦しゅうせん処理しょり費ひ」として負担ふたんしており、初期しょきには一般いっぱん会計かいけいの50パーセントにも及およんでいた。1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）までの占領せんりょう総そう経費けいひは47億おくドルとも言いわれ、各種かくしゅ朝鮮ちょうせん特需とくじゅによる売上うりあげの総額そうがくに匹敵ひってきする。朝鮮ちょうせん特需とくじゅの47億おくドルがいわば「総そう売うり上あげ」としての額がくであるならば、税ぜい支出ししゅつとしての47億おくドルは「純益じゅんえき」から支払しはらったに等ひとしい。ドッジ・ラインによる緊縮きんしゅく財政ざいせい下かにおいても経費けいひの上限じょうげんは15パーセントを妥当だとうとするという考かんがえがGHQ顧問こもんより出だされていたが、容いれられることはなかった。東西とうざい冷戦れいせんが深刻しんこく化かし講和こうわ条約じょうやくが迫せまる中なかで、独立どくりつ後ごの日本にっぽんがこのような占領せんりょう国こくであることを理由りゆうとする経費けいひを負担ふたんするはずもなく、アメリカが日本にっぽんの防衛ぼうえいを丸抱まるがかえできるわけもない以上いじょう、アメリカの同盟どうめい国こくとして冷戦れいせんに参加さんかできる工業こうぎょう国こくとしての経済けいざい成長せいちょうを促うながす占領せんりょう政策せいさくの転換てんかんが行おこなわれた。当時とうじのアメリカが日本にっぽんの復興ふっこうを支援しえんしたのは親切心しんせつしんからではなく、有利子ゆうりしの借款しゃっかんの返済へんさいや駐留ちゅうりゅう経費けいひの負担ふたんが可能かのうな経済けいざい力りょくを身みに付つけ反共はんきょうの砦とりでとして独ひとり立だちさせるためであるとされる。戦前せんぜんのアメリカ政府せいふは共産きょうさん主義しゅぎを過小かしょう評価ひょうかし、戦前せんぜんの日本にっぽんの行動こうどうを理解りかいせずに国共こっきょう合作がっさくした中華民国ちゅうかみんこくのプロパガンダのイメージで中国ちゅうごく大陸たいりくの状況じょうきょうを誤解ごかいしていた。そのため、中国ちゅうごく大陸たいりくの共産きょうさん主義しゅぎを抑おさえ込こんでいた大日本帝国だいにっぽんていこくを失うしなったことで、戦後せんごに中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの成立せいりつ・北朝鮮きたちょうせんの侵略しんりゃくを招まねき、当初とうしょ主導しゅどう権けんを握にぎっていた農業のうぎょう国こく化かを目指めざす反日はんにち色しょくの強つよい民政みんせい局きょくも影響えいきょう力りょくを失うしなった。

関連かんれん項目こうもく

• 朝鮮ちょうせん戦争せんそう
• 朝鮮ちょうせん戦争せんそう休戦きゅうせん協定きょうてい
• スターリン暴落ぼうらく
• 戦後せんご復興ふっこう期き
• 戦後せんご混乱こんらん期き
• インフレーション
• バブル経済けいざい