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ビタミンB12欠乏症けつぼうしょう

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ビタミンB12欠乏症けつぼうしょう
シアノコバラミン
概要がいよう
診療しんりょう 神経しんけいがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 E53.8
ICD-9-CM 266.2
DiseasesDB 13905
MedlinePlus 000574
Patient UK ビタミンB12欠乏症けつぼうしょう

ビタミンB12 欠乏症けつぼうしょう(ビタミンびーじゅうにけつぼうしょう)、またはていコバラミンしょう(ていコバラミンけっしょう)は、ちゅうシアノコバラミン(ビタミンB12濃度のうどひくいことをいう[1]

解説かいせつ

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ビタミンB12血液けつえきレベルが、200pg/mL(145pmo/L)を下回したまわ場合ばあいにビタミンB12欠乏症けつぼうしょうしめす。欠乏けつぼう主要しゅよう原因げんいんは3つに分類ぶんるいされる[2]

  1. 吸収きゅうしゅう障害しょうがい吸収きゅうしゅうりょく低下ていか
  2. 摂取せっしゅ減少げんしょう不適切ふてきせつ食事しょくじ
  3. 利用りよう障害しょうがい

成人せいじん診断しんだんは、ビタミンB12 血液けつえきレベルの正常せいじょう下限かげん(200〜350pg/mL [145〜260pmol/L])以下いか。またメチルマロンさんレベルがたかひと>0.4micromol/L)も欠乏症けつぼうしょう診断しんだんされる。しかし、メチルマロンさん上昇じょうしょうは、マロンさん上昇じょうしょうともな場合ばあい見落みおとされがちな[9]代謝たいしゃ異常いじょうマロンおよびメチルマロンさん尿にょう合併症がっぺいしょう(CMAMMA)をしめすこともある[10]

欠乏症けつぼうしょう診断しんだんされた場合ばあいは、サプリメントにより経口けいこう投与とうよ(もしくは注射ちゅうしゃ)で簡単かんたん治療ちりょうできる[11]唾液だえき胃液いえきにより吸収きゅうしゅうすすめられる。菜食さいしょく主義しゅぎにんには欠乏けつぼう予防よぼうのためにサプリメント補給ほきゅう推奨すいしょうされる[12]健康けんこうひと過剰かじょうビタミンB12 摂取せっしゅによるがいはない[12]場合ばあいによっては根本こんぽんてき原因げんいん改善かいぜんなおることがある[13]根本こんぽんてき原因げんいん改善かいぜんなおらないその場合ばあい継続けいぞくてきなサプリメントの摂取せっしゅ必要ひつようとする[14]。60さい発症はっしょうやく6%、60さい以上いじょう発症はっしょうやく20%である。アフリカアジアでは発症はっしょうりつが80%をうえまわる地域ちいきもある[4]

症状しょうじょう

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欠乏けつぼう進行しんこうすると貧血ひんけつ症状しょうじょうこすことがあるが、欠乏けつぼう軽度けいど場合ばあいあらわれない。脾腫およびきもしゅだいしょうじる。まれしたえん

消化しょうかかん症状しょうじょう食欲しょくよく不振ふしん便秘べんぴ、および限局げんきょくせいとぼしい腹痛はらいた

神経症しんけいしょうじょうは、思考しこうりょく低下ていかうつびょう興奮こうふん情緒じょうちょ不安定ふあんてい(イライラ)などの性格せいかく変化へんかがある。 しび反射はんしゃ変化へんか味覚みかくしょうがいしん機能きのう低下ていか生殖せいしょくりつ低下ていかなどがある[4]子供こどもにみられる症状しょうじょう成長せいちょう障害しょうがい発達はったつ障害しょうがい運動うんどう障害しょうがいなどがある[12]早期そうき治療ちりょうされなかった場合ばあい生涯しょうがいてき症状しょうじょう障害しょうがいになりえる[15]

小児しょうに場合ばあいのう発達はったつ障害しょうがい成長せいちょう障害しょうがい[16]

治療ちりょう

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ビタミンB12製剤せいざい皮下ひか注射ちゅうしゃ経口けいこう投与とうよ

出典しゅってん

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  1. ^ Herrmann, Wolfgang (2011). Vitamins in the prevention of human diseases. Berlin: Walter de Gruyter. p. 245. ISBN 9783110214482. https://books.google.it/books?id=b9ahvNjPFO8C&pg=PA245 
  2. ^ ビタミンB12 メルクマニュアル
  3. ^ 内壁ないへきから分泌ぶんぴつされる。小腸しょうちょうでビタミンB12結合けつごうする。
  4. ^ a b c d Hunt, A; Harrington, D; Robinson, S (4 September 2014). “Vitamin B12 deficiency.”. BMJ (Clinical research ed.) 349: g5226. doi:10.1136/bmj.g5226. PMID 25189324. 
  5. ^ ビタミンB12食物しょくもつから遊離ゆうりさせ、唾液だえき胃液いえきちゅうのRタンパク質たんぱくしつ結合けつごうさせる。
  6. ^ 小腸しょうちょうアルカリ性あるかりせい環境かんきょうで、Rタンパク質たんぱくしつ結合けつごうしていたビタミンB12が膵酵もとにより遊離ゆうりされ、内因ないいんとの結合けつごうおこなわれる。そのふく合体がったい回腸かいちょう吸収きゅうしゅうされる。
  7. ^ 芥川あくたがわ香奈かな, 細野ほその茂春しげはる, 長野ながの伸彦のぶひこ ほか、「ぜん摘術母体ぼたいから出生しゅっしょう完全かんぜん母乳ぼにゅう栄養えいようによりビタミンB12欠乏けつぼうせい貧血ひんけつていした1れい」『日本にっぽん産婦人科さんふじんか新生児しんせいじ血液けつえき学会がっかい』 21(1), "S-55"-"S-56", 2011-06-01, NAID 10029378127
  8. ^ 馬場ばば美子よしこほか、「臨床りんしょう研究けんきゅう症例しょうれい報告ほうこく 精神せいしん発達はったつ遅延ちえんともない,食物しょくもつアレルギーにたいする動物どうぶつせい食品しょくひん回避かいひによりビタミンB12欠乏けつぼうせいだいたませい貧血ひんけつきたした12さい男児だんじ」『小児科しょうにか臨床りんしょう』 65(1), 67-74, 2012-01, NAID 40019087688
  9. ^ NIH Intramural Sequencing Center Group; Sloan, Jennifer L; Johnston, Jennifer J; Manoli, Irini; Chandler, Randy J; Krause, Caitlin; Carrillo-Carrasco, Nuria; Chandrasekaran, Suma D et al. (2011-09). “Exome sequencing identifies ACSF3 as a cause of combined malonic and methylmalonic aciduria” (英語えいご). Nature Genetics 43 (9): 883–886. doi:10.1038/ng.908. ISSN 1061-4036. PMC 3163731. PMID 21841779. http://www.nature.com/articles/ng.908. 
  10. ^ de Sain-van der VeldenMonique G. M.; van der HamMaria; JansJudith J.; VisserGepke; PrinsenHubertus C. M. T.; Verhoeven-DuifNanda M.; van GassenKoen L. I.; van HasseltPeter M. ちょ、MoravaEva; BaumgartnerMatthias へんA New Approach for Fast Metabolic Diagnostics in CMAMMA』 30かん、Springer Berlin Heidelberg、2016ねん、15–22ぺーじdoi:10.1007/8904_2016_531ISBN 978-3-662-53680-3PMC 5110436PMID 26915364http://link.springer.com/10.1007/8904_2016_531 
  11. ^ Vidal-Alaball, J; Butler, CC; Cannings-John, R; Goringe, A; Hood, K; McCaddon, A; McDowell, I; Papaioannou, A (20 July 2005). “Oral vitamin B12 versus intramuscular vitamin B12 for vitamin B12 deficiency.”. The Cochrane database of systematic reviews (3): CD004655. doi:10.1002/14651858.CD004655.pub2. PMID 16034940. 
  12. ^ a b c Dietary Supplement Fact Sheet: Vitamin B12 — Health Professional Fact Sheet”. National Institutes of Health: Office of Dietary Supplements (2016ねん2がつ11にち). 2016ねん7がつ15にち閲覧えつらん
  13. ^ Wardlaw, Graeme J. Hankey, Joanna M. (2008). Clinical neurology. London: Manson. p. 466. ISBN 9781840765182. https://books.google.it/books?id=Q8q7E6EJr7IC&pg=PA466 
  14. ^ Schwartz, William (2012). The 5-minute pediatric consult (6th ed.). Philadelphia: Wolters Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins. p. 535. ISBN 9781451116564. https://books.google.it/books?id=v7pbSFfMHCoC&pg=PA535 
  15. ^ Lachner, C; Steinle, NI; Regenold, WT (2012). “The neuropsychiatry of vitamin B12 deficiency in elderly patients.”. The Journal of neuropsychiatry and clinical neurosciences 24 (1): 5–15. doi:10.1176/appi.neuropsych.11020052. PMID 22450609. 
  16. ^ 鎌田かまた彩子あやこ, 大日方おびなたかおる, 鈴木すずき光幸みつゆき ほか, 「吸収きゅうしゅう障害しょうがい関与かんよかんがえられた乳児にゅうじ発症はっしょうのビタミンB12 欠乏けつぼうせいきょあかだませい貧血ひんけつ女児じょじれい」『じゅん天堂てんどう医学いがく』 58かん 3ごう 2012ねん p.256-260, doi:10.14789/pjmj.58.256

参考さんこう文献ぶんけん

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さらに
  • Pacholok, Sally M.; Stuart, Jeffrey J. (2011). Could It Be B12?: An Epidemic of Misdiagnoses. Fresno, CA: Linden Publishing. ISBN 978-1-61035-065-5 
  • Hooper, M. (2012). Pernicious Anaemia: The Forgotten Disease - the causes and consequences of Vitamin B12 Deficiency. London: Hammersmith Press. ISBN 978-1-78161-004-6