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ベリカード

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ベリカード（英語えいご: Verification Cardの日本にっぽん式しき省略しょうりゃく）は、無線むせん局きょくの通信つうしん（放送ほうそう局きょくの放送ほうそう）を受信じゅしんしたと証明しょうめいする書類しょるいである。受信じゅしん確かく認証にんしょう。

概要がいよう[編集へんしゅう]

各かく放送ほうそう局きょくによって趣向しゅこうを凝こらしたカード（ほとんどは局きょくキャラクターのイラストや放送ほうそう局きょく社屋しゃおく、スタジオ、主しゅ調整ちょうせい室しつ、送信そうしん所しょなどの写真しゃしん）が発行はっこうされており、その収集しゅうしゅうも一ひとつの楽たのしみとなる。番組ばんぐみ宣伝せんでんはがきを流用りゅうようしたものやデータのみのものもある。カードではなく、文書ぶんしょの形かたちを取とった確かく認証にんしょうを発行はっこうしている局きょくもあり、こちらは特とくにベリレター（英語えいご: Verification Letter）と呼よばれる。法令ほうれい上うえに発行はっこうが義務付ぎむづけられたものではないが、自社じしゃの電波でんぱがどこまで届とどいているかの指標しひょうになるため、一種いっしゅのサービスとして発送はっそうが行おこなわれる。

放送ほうそう局きょく以外いがいでも、海岸かいがん局きょく、アマチュア無線むせん局きょく、路側ろそく放送ほうそう・船舶せんぱく気象きしょう通報つうほう・マーチス・VOLMET放送ほうそうなどの特別とくべつ業務ぎょうむの局きょく、WWV・JJYなどの標準ひょうじゅん周波しゅうは数すう報ほう時局じきょく（標準ひょうじゅん周波しゅうは数すう局きょく）、ディファレンシャルGPS・NDB・VOR（無線むせん標識ひょうしき局きょくまたは無線むせん航行こうこう陸上りくじょう局きょく）などはベリカードを発行はっこうする。

アマチュア無線むせんでやりとりされるQSLカードからの慣習かんしゅうで「TNX FR UR QSL（Thanks For Your QSL）」と略語りゃくごが書かかれたものが多おおい。近年きんねんは「QSL」の代かわりに「RPT」（Reportの意い）も使つかわれる。

受信じゅしん報告ほうこく書しょ[編集へんしゅう]

ベリカードを得えるには、受信じゅしんした放送ほうそうがその放送ほうそう局きょくのものであることを明確めいかくに確認かくにんできる受信じゅしん報告ほうこく書しょをその放送ほうそう局きょくに送付そうふしなければならない。これは「技術ぎじゅつ的てきな報告ほうこく書しょ」であり、一般いっぱん的てきな「番組ばんぐみに対たいする意見いけん・感想かんそう文ぶん」とは異ことなることに留意りゅういする。送付そうふ先さきは放送ほうそう局きょくの場合ばあい、送信そうしんを担当たんとうしている部署ぶしょ（例れいとして文化放送ぶんかほうそうの場合ばあいは「技師ぎし長ちょう室しつ」）であること（ラジオ・テレビ兼営けんえい局きょくでは基本きほん的てきに同どう一部いちぶ署しょで受うけ付つけているが、北海道放送ほっかいどうほうそう、朝日放送あさひほうそう、九州朝日放送きゅうしゅうあさひほうそうなど受付うけつけ部署ぶしょが異ことなるところもある。）が多おおいが毎日放送まいにちほうそうなどのように視聴しちょう者しゃセンターが受付うけつけ部署ぶしょになっているところもある。

書式しょしき[編集へんしゅう]

特とくにないが、簡単かんたんに発行はっこうしない放送ほうそう局きょくもあり、少すくなくとも以下いかの内容ないようが明記めいきされている必要ひつようがある。日本にっぽん国外こくがいの放送ほうそう局きょくに提出ていしゅつする場合ばあい、それぞれ放送ほうそう局きょくの使用しよう言語げんごにより作成さくせいするのが望のぞましいが、それが難むずかしい場合ばあいは英語えいごで問題もんだいない。

  • 受信じゅしん者しゃの住所じゅうしょ・氏名しめい：放送ほうそう内容ないように関かんする感想かんそう・意見いけんとの関係かんけいで必要ひつようがあれば、年齢ねんれい、職業しょくぎょう、性別せいべつも記載きさいするとよい。
  • 受信じゅしん地ち：緯度いど・経度けいど（世界せかい測地そくち系けい）で記載きさいするのがよいが、例たとえば日本にっぽん国内こくないで日本にっぽん国内こくないの放送ほうそう局きょくの電波でんぱを受信じゅしんした場合ばあいには都道府県とどうふけん市町村しちょうそん字じ番地ばんちによってもよい。この場合ばあい、何なん番ばん何なん号ごうまで詳細しょうさいに記載きさいする。）
  • 受信じゅしん日時にちじ：日本にっぽん国内こくない局きょくの場合ばあいは日本にっぽん標準時ひょうじゅんじ（JST）でよいが、国外こくがい局きょくの場合ばあいには協定きょうてい世界せかい時じ（UTC）により記載きさいする（JSTとUTCでの日付ひづけの違ちがいに注意ちゅういする。）
  • 受信じゅしんした電波でんぱの型式けいしき・周波数しゅうはすう：確認かくにんできれば送信そうしん所しょ名なも記載きさいするとよい。
  • 受信じゅしん設備せつび：使用しよう受信じゅしん機き・受信じゅしんアンテナの種類しゅるい・利得りとく・地上ちじょう高だかなど。ポケットラジオのアンテナは「内蔵ないぞうバーアンテナ使用しよう」又または「フェライトバーアンテナ」とする。）受信じゅしん設備せつびはできるだけ詳細しょうさいなほうがよい。
  • 受信じゅしん状態じょうたい：後述こうじゅつのSINPOコードを用もちいるものが通例つうれいだが、電界でんかい強度きょうどが記載きさいできればよりよい。
  • 放送ほうそう内容ないよう：言語げんご及および受信じゅしん時間じかん中ちゅうの時刻じこく毎ごとの番組ばんぐみ内容ないようの概略がいりゃく。例外れいがいもあるが、内容ないようが確認かくにんできるものであればよく、特とくに放送ほうそう局きょくを識別しきべつするコールサインは放送ほうそうされた時刻じこくを明記めいきするのがよい。）
  • 放送ほうそう内容ないように関かんする感想かんそう・意見いけん：技術ぎじゅつ文書ぶんしょであることから、簡略かんりゃくなものでよい。別途べっと番組ばんぐみ制作せいさく担当たんとう者しゃ宛あてとして詳くわしく書かいたものを同封どうふうするのもよい。

これに受信じゅしん確かく認証にんしょうの発行はっこうを依頼いらいする旨むねの文面ぶんめん（「本ほん報告ほうこくが貴き局きょくの放送ほうそう内容ないようと相違そういなければお手数てすうながら受信じゅしん確かく認証にんしょうの発行はっこうをお願ねがいします」の一文いちぶん）と送付そうふ先さきを明記めいきする。

ベリカードの大おおきさは各局かくきょくでまちまちであることから、返信へんしん用よう封筒ふうとうに切手きってを貼付ちょうふして同封どうふうすることはしない。日本にっぽん国内こくない宛あての場合ばあいは返信へんしん用よう切手きって（ベリカードのみでなく、番組ばんぐみ表ひょうやロゴ入いりの宣伝せんでん用ようステッカーなどをあわせ送付そうふする放送ほうそう局きょくもあるので不足ふそくのないようにする。ベリカードのみ希望きぼうの場合ばあいにはその旨むね明記めいきして63円えん、封書ふうしょでベリカードのみ希望きぼうの場合ばあいにはその旨むね明記めいきして84円えん、番組ばんぐみ表ひょう等とうを併あわせて希望きぼうする場合ばあいには、その旨むね明記めいきして94円えんまたは140円えん程度ていどの切手きってを同封どうふうする）を、国外こくがい宛あての場合ばあいはIRC（国際こくさい返信へんしん切手きって券けん）を同封どうふうする。また、返信へんしん先さきを書かいたシールも同封どうふうするとよい。その他た、放送ほうそう局きょくから指定していされた事項じこうがあればそれに従したがうのは当然とうぜんである。

SINPOコード[編集へんしゅう]

受信じゅしん状態じょうたいは、一般いっぱんにSINPOコードと呼よばれる5桁けたの数字すうじを用もちいて表あらわす。

詳細しょうさいは「SINPOコード」を参照さんしょう

RSTコード[編集へんしゅう]

海岸かいがん局きょく・アマチュア局きょく・無線むせん標識ひょうしき局きょく・無線むせん航行こうこう陸上りくじょう局きょくへの受信じゅしん状態じょうたいの記載きさいは、RSTコードと呼よばれる3桁けたの数字すうじによる。

詳細しょうさいは「RSTコード」を参照さんしょう

PFCカード[編集へんしゅう]

Prepared Form Cardの略りゃくである。 ベリカードを発行はっこうしていない局きょくに、局きょく名めい、受信じゅしん日び時じ、電波でんぱ型式けいしき、周波数しゅうはすうなど必要ひつよう最低限さいていげんのデータをあらかじめ記入きにゅうしたカードを送付そうふし、担当たんとう部署ぶしょの押印おういんまたはサインにより内容ないようを確認かくにんしてもらい、ベリカードに代かえるものである。

発行はっこう状じょう況きょう[編集へんしゅう]

NHKでは、放送ほうそう法ほう第だい15条じょうに、国内こくない基幹きかん放送ほうそう（国内こくない放送ほうそうである基幹きかん放送ほうそう）、国際こくさい放送ほうそう（NHKワールド・ラジオ日本にっぽん）、協会きょうかい国際こくさい衛星えいせい放送ほうそう（NHKワールドTV）を実施じっしするものとしているが、これらの報告ほうこくには原則げんそくとして発行はっこうしていない。

民間みんかん放送ほうそう局きょくでは、AM放送ほうそう、短波たんぱ放送ほうそう、超ちょう短波たんぱ放送ほうそう（FM放送ほうそう、コミュニティ放送ほうそうが含ふくまれる。）、テレビジョン放送ほうそう（地上波ちじょうは・衛星えいせい波は）とも、放送ほうそう局きょく毎ごとにより事情じじょうが異ことなる。

ラジオ・テレビ兼営けんえい局きょくでは、テレビの場合ばあい、その使用しようする電波でんぱの性質せいしつから放送ほうそう区域くいき内うちで受信じゅしんできることは当然とうぜんのことであるという見解けんかいから発行はっこうしない放送ほうそう局きょくがある。

  • 静岡放送しずおかほうそう・RKB毎日まいにち放送ほうそうではラジオのみ発行はっこうしている。テレビについては発行はっこうしていないという旨むねの文書ぶんしょが送付そうふされる。

地上波ちじょうはでは発行はっこうしても衛星えいせい波はでは発行はっこうしない局きょくがある。

  • TBS（TBSニュースバード・TBSチャンネル）は、2005年ねん時点じてんではC-TBSオリジナルのベリカードを発行はっこうしていたが、現在げんざいは発行はっこうしていない。
  • 日本にほんテレビは、CS放送ほうそう日にっテレG+および日にっテレNEWS24では原則げんそくとして発行はっこうしないが、BSデジタル放送ほうそうによる地ちデジ難なん視し対策たいさく衛星えいせい放送ほうそうでは地上波ちじょうは放送ほうそうと同おなじベリカードを発行はっこうする（報告ほうこく者しゃはホワイトリスト指定してい世帯せたいの有無うむおよびスクランブル解除かいじょの有無うむを問とわない）。
  • フジテレビは、原則げんそくとして地上波ちじょうはを受信じゅしんした報告ほうこくに限かぎり発行はっこうするため、CS放送ほうそうフジテレビワンツーネクストおよびBSデジタル放送ほうそうによる地ちデジ難なん視し対策たいさく衛星えいせい放送ほうそうには発行はっこうしないが、「お便たよりをお寄よせいただいた記念きねん」として特例とくれいで発行はっこうすることがある。
  • テレビ朝日てれびあさひは、CS放送ほうそうテレ朝てれあさチャンネルおよびBSデジタル放送ほうそうによる地ちデジ難なん視し対策たいさく衛星えいせい放送ほうそうでも地上波ちじょうは放送ほうそうと同おなじベリカードを発行はっこうする（報告ほうこく者しゃはホワイトリスト指定してい世帯せたいの有無うむおよびスクランブル解除かいじょの有無うむは問とわない。）。
  • スカイ・Aは、朝日放送あさひほうそう（地上波ちじょうはテレビ・ラジオ共通きょうつう）のベリカードをそのまま発行はっこうしていた（現在げんざいの対応たいおう状じょう況きょうは不明ふめい）。

J-WAVEが行おこなっていたインターネットラジオのBrandnew Jは、J-WAVEが独自どくじのポストカードにより発行はっこうしていた。

放送ほうそう局きょく以外いがいでもベリカードを発行はっこうする無線むせん局きょくはあるが、通信つうしんであることから、通信つうしんの秘密ひみつに関かんする守秘しゅひ義務ぎむに係かかるものについては受信じゅしんを確認かくにんしない、ベリカードを発行はっこうしないことがある。

  • 前述ぜんじゅつの特別とくべつ業務ぎょうむの局きょくは、電波でんぱ法令ほうれい上じょうの同どう報ほう通信つうしんをするものであるが、聴取ちょうしゅ者しゃにとっては事実じじつ上じょうの放送ほうそうであり、事業じぎょう者しゃのウェブサイトでも放送ほうそうとして紹介しょうかいしているものもある。
  • 標準ひょうじゅん周波しゅうは数すう局きょくは、標準ひょうじゅん周波数しゅうはすう業務ぎょうむを行おこなう無線むせん局きょくで、一般人いっぱんじんに受信じゅしんされることを目的もくてきとしている。
  • 無線むせん標識ひょうしき局きょく・無線むせん航行こうこう陸上りくじょう局きょくは、船舶せんぱく・航空機こうくうきの受信じゅしん設備せつびで受信じゅしんされることにより方位ほうい・距離きょり情報じょうほうを提供ていきょうするもので、特定とくていの相手あいてに対たいする情報じょうほうを送信そうしんするものではない。
  • 海岸かいがん局きょくは、特定とくていの船舶せんぱくとの通信つうしんを行おこなうのが主しゅたる業務ぎょうむであり、電報でんぽうを取とり扱あつかうこともある。CQ呼出よびだしや試験しけん電波でんぱの発射はっしゃなど特定とくていの相手あいてとの通信つうしんではないものに限かぎり、受信じゅしん報告ほうこくをすべきものである。
  • アマチュア局きょくの場合ばあい、報告ほうこく書しょに受信じゅしん内容ないようを記入きにゅうしても問題もんだいはない。ただし、無線むせん通信つうしんの国際こくさい的てきな秘密ひみつ保持ほじの大だい原則げんそく、すなわち「何人なんにんも」法律ほうりつに別段べつだんの定さだめのある場合ばあいを除のぞく他ほか、「特定とくていの相手方あいてがた」に対たいして行おこなわれる無線むせん通信つうしんを傍受ぼうじゅし、その「存在そんざい」もしくは「内容ないよう」を漏もらし、又またはこれを「窃用」してはならない。はアマチュア局きょくについても厳格げんかくに適用てきようされるものであることから、当該とうがいアマチュア局きょくの識別しきべつ信号しんごう、試験しけん電波でんぱの発射はっしゃなどに限かぎり、受信じゅしん確かく認証にんしょうの発行はっこうを依頼いらいすべきものである。アマチュア局きょくの場合ばあい、暗くら語ご使用しよう禁止きんし、普通ふつう語ごでの通信つうしんであることから、よく勘違かんちがいされ、安易あんいに考かんがえられることが多おおいが、具体ぐたい的てきな受信じゅしん内容ないようを記入きにゅうした受信じゅしん報告ほうこく書しょは「絶対ぜったいの秘密ひみつ文書ぶんしょ」であり、その写うつしなどを第三者だいさんしゃに開示かいじすることなどは、無線むせん通信つうしんの「存在そんざい」と「内容ないよう」の漏ろうえい、さらには「窃用」の不法ふほう行為こういとなり、摘発てきはつ、処罰しょばつの対象たいしょうとなる。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ “ラジオ放送ほうそうエリア | MRO北陸放送ほくりくほうそう”. www.mro.co.jp. 2022年ねん8月がつ18日にち閲覧えつらん。
  2. ^ “FAQ”. FM FUJI TOKYO78.6 KOFU83.0. 2022年ねん8月がつ18日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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