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BCL

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短波たんぱ放送ほうそうラジオ受信じゅしん中国ちゅうごくDEGENしゃせい

BCL(ビーシーエル 英語えいご: Broadcast Listening / Listeners)とは、放送ほうそうとく短波たんぱによるラジオ国際こくさい放送ほうそう)を受信じゅしんしてたのしむ趣味しゅみ[1]

概要がいよう

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BCL(Broadcast Listening)とは、広義こうぎでは「放送ほうそう聴取ちょうしゅしてたのしむ趣味しゅみ自体じたい」を、狭義きょうぎでは「おも短波たんぱ使つかっておこなわれる海外かいがいからのラジオの放送ほうそう受信じゅしんすること」を意味いみする。

1970年代ねんだい1980年代ねんだい日本にっぽんでは、小学生しょうがくせい中学生ちゅうがくせい高校生こうこうせいなどの青少年せいしょうねんそうあいだで、海外かいがいのラジオによる短波たんぱ放送ほうそう受信じゅしん聴取ちょうしゅ)する趣味しゅみである「BCLブーム」がこった。

BCLを対象たいしょうに、放送ほうそうきょくベリカード受信じゅしんかく認証にんしょう)を発行はっこうしているれいおおい。この場合ばあい受信じゅしんしゃ放送ほうそうきょくに、受信じゅしんした放送ほうそうきょくめい受信じゅしん年月日ねんがっぴ受信じゅしん時間じかん時刻じこく受信じゅしんした周波数しゅうはすう受信じゅしん状態じょうたい評価ひょうかSINPOコードによることがおおい)、受信じゅしん使用しようした受信じゅしんアンテナ状況じょうきょう受信じゅしん確認かくにんできる放送ほうそう番組ばんぐみ内容ないよう概略がいりゃくおよび感想かんそう、といった内容ないよう記述きじゅつした受信じゅしん報告ほうこくしょおくると、放送ほうそうきょくはベリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)を返送へんそうする。ベリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)を収集しゅうしゅう趣味しゅみとするひともいる。

欧米おうべいでは「SWL(Shortwave listening)」あるいは「DX」「DXing」(Distant X=遠距離えんきょり無線むせん通信つうしん)としょうされる趣味しゅみ該当がいとうする。日本にっぽんでは「SWL」はおもに、趣味しゅみとしてアマチュア無線むせん業務ぎょうむ無線むせん通信つうしん受信じゅしんすることおよびひと[注釈ちゅうしゃく 1]を、「DX」「DXing」はおもにアマチュア無線むせんでの遠距離えんきょり通信つうしんをそれぞれ場合ばあいがある。なお、アマチュア無線むせん人々ひとびとにもQSLカード交信こうしん証明しょうめいしょ)というBCLのベリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)に仕組しくみがある。

日本にっぽんでの経緯けいい

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1940年代ねんだいにはアメリカボイス・オブ・アメリカ(VOA)や、ソビエト連邦れんぽう現在げんざいロシア)のモスクワ放送ほうそう現在げんざいロシアのこえ)のように、太平洋戦争たいへいようせんそうなかから日本語にほんご放送ほうそう実施じっししていたラジオ放送ほうそうきょくもあった。おおくの国々くにぐにからの日本語にほんご放送ほうそう戦後せんご開始かいしされた。戦時せんじちゅう日本にっぽんでは、ストレート受信じゅしん主流しゅりゅう時代じだいであったが、高性能こうせいのう受信じゅしんであるオールウェーブ短波たんぱ受信じゅしん所持しょじ規制きせいされていた。もし、発覚はっかくした場合ばあいスパイ容疑ようぎなどで特別とくべつ高等こうとう警察けいさつ特高警察とっこうけいさつ)に連行れんこうされてきびしい刑罰けいばつける可能かのうせいもあった。1941ねん12月8にち太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせんから1945ねん8がつ15にち日本にっぽん敗戦はいせんまで短波たんぱ放送ほうそう受信じゅしん禁止きんしアマチュア無線むせん禁止きんしされていた。戦時せんじちゅうは、外務省がいむしょう情報じょうほうであった放送ほうそう受信じゅしん機関きかんラヂオプレス短波たんぱ放送ほうそう受信じゅしん許可きょかされていた。戦後せんごになり短波たんぱ放送ほうそう受信じゅしん禁止きんし解除かいじょされて、真空しんくうかんによるスーパーヘテロダイン受信じゅしんなどのメーカーせいラジオだけではなく、アメリカ進駐軍しんちゅうぐん放出ほうしゅつひんなどの電子でんし部品ぶひんもちいた電子でんし工作こうさくオーディオ機器きき)マニアなどによる自作じさくラジオ製作せいさくさかんになり東京とうきょう秋葉原あきはばら名古屋なごや大須おおす大阪おおさか日本橋にほんばし電気でんきがい形成けいせいされた。

1970年代ねんだい中頃なかごろから1980年代ねんだいはじめのBCLブーム

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ソニーICF-5900“スカイセンサー”

1970年代ねんだい1980年代ねんだい日本にっぽんでは、おも小学生しょうがくせい中学生ちゅうがくせい高校生こうこうせいあいだ海外かいがい短波たんぱ放送ほうそう受信じゅしん聴取ちょうしゅ)することが流行りゅうこうはじめ、おおくの家電かでんメーカーから短波たんぱラジオ受信じゅしん発売はつばいされるようになった。いわゆる「BCLブーム」が社会しゃかい現象げんしょうし、おおくの小学生しょうがくせい中学生ちゅうがくせい高校生こうこうせい製品せいひんカタログに夢中むちゅうになり、すこしでもやすくBCLラジオを入手にゅうしゅしようと郊外こうがいスーパーマーケット家電かでん量販りょうはんてんのみならず、安売やすう電気でんきてんおお東京とうきょう秋葉原あきはばら名古屋なごや大須おおす大阪おおさか日本橋にほんばしなどの電気でんきがいあつまった。

1974ねん1がつ放送ほうそう開始かいしされた日本短波放送にほんたんぱほうそう(ラジオたんぱ)現在げんざい日経にっけいラジオしゃ(ラジオNIKKEI)のBCL番組ばんぐみハロージーガム」(三菱電機みつびしでんき提供ていきょう)は、もともとのねらいは日本短波放送にほんたんぱほうそう(ラジオたんぱ)の聴取ちょうしゅしゃそう拡大かくだいであったが予想よそう以上いじょう人気にんきあつめた。家電かでんメーカー各社かくしゃきそって高性能こうせいのう短波たんぱラジオを製造せいぞう販売はんばいするようになった。ソニースカイセンサーICF-5800・ICF-5900・ICF-6800、ナショナル現在げんざいのパナソニック)の“クーガ2200”RF-2200・プロシード2600・2800・4800、東芝とうしばの“トライX”RP-2000Fといった高性能こうせいのうマルチバンドラジオ[注釈ちゅうしゃく 2]である。これらのなかにはダイヤルからの受信じゅしん周波数しゅうはすうりが可能かのうなものもあり、最終さいしゅうてきにはディジタルディスプレイによって数値すうちちょくみが可能かのうなところまで高機能こうきのうした。とくに、ソニーとナショナル(現在げんざいのパナソニック)は人気にんき二分にぶんし、ソニーが提供ていきょうするBCL番組ばんぐみBCLジョッキー」(TBSラジオ)とナショナル(現在げんざいのパナソニック)が提供ていきょうする「BCLワールドタムタム」(日本短波放送にほんたんぱほうそう)もあった。

BCLブームがこるまで、日本にっぽんには同人どうじんてきなもの(JSWCこと日本にっぽん短波たんぱクラブ、KDXCこと関東かんとうDXersサークル、NDXCこと名古屋なごやDXersサークルなど)以外いがいにBCLせんもん書籍しょせき雑誌ざっしかったが、ブームとともに月刊げっかんラジオの製作せいさく」(電波でんぱ新聞しんぶんしゃ)がBCL関係かんけい記事きじ次第しだい充実じゅうじつさせていった。1975ねん12月には別冊べっさつとして『BCLマニュアル』(山田やまだこうへん)を刊行かんこう、すぐに品切しなぎれとなりばんかさねた。以後いご、BCLブームに便乗びんじょうして関連かんれん書籍しょせき出版しゅっぱん相次あいついだ。また、1976ねん1がつには月刊げっかん短波たんぱ」(日本にっぽんBCL連盟れんめい発行はっこう1983ねん休刊きゅうかん)が創刊そうかんされ、おおくの購読こうどくしゃ獲得かくとくした。日本にっぽんBCL連盟れんめいは1980ねん1がつに『DX年鑑ねんかん』を刊行かんこうし、本格ほんかくてきなマニアの要望ようぼうこたえた。さらに、放送ほうそうきょく放送ほうそう開始かいしまえながインターバル・シグナル(IS)を収録しゅうろくしたレコードカセットテープ発売はつばいされた。また、趣味しゅみこうじて、自分じぶん電波でんぱしたいという中学生ちゅうがくせい高校生こうこうせいなどが、アマチュア無線むせん技士ぎし資格しかく取得しゅとくしてアマチュア無線むせん増加ぞうかにもつながった。

なお、「ラジオの製作せいさく」は1999ねん4がつ月刊げっかんでの発行はっこう休止きゅうしどう7がつから季刊きかんムック形式けいしき発行はっこうすると予告よこくしていたが、そのいちさつのちは2020ねん9がつに「ラジオの製作せいさく2020ねん10がつごう創刊そうかん65周年しゅうねん記念きねん特大とくだいごう」とだいしたムックほん発売はつばいし、その事実じじつじょうさい休刊きゅうかん状態じょうたいになっている。現在げんざいBCLの情報じょうほう定期ていきてき掲載けいさいしているものとしては「ラジオライフさんさいブックス)」のみで、どう雑誌ざっしでは、2006ねんからそこからの派生はせい雑誌ざっし(ムック)として、「ラジオマニア」を年刊ねんかん出版しゅっぱん2010ねん以後いご国内こくない放送ほうそう左記さきおな題名だいめい国外こくがい放送ほうそうについては「BCLライフ」(2008・2009ねんはこれの前身ぜんしんとして「ふたたはじめるBCL(2008・09年度ねんどばん)」を発行はっこう2020ねんからはより技術ぎじゅつてき内容ないよう重視じゅうしした「ラジオ受信じゅしんバイブル」に改題かいだい)とだいして刊行かんこうしている[2]

BCLの醍醐味だいごみ

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欧米おうべいにおけるBCLは大人おとな趣味しゅみであるが、1970年代ねんだい~1980年代ねんだい日本にっぽんの「BCLブーム」で主役しゅやく小学生しょうがくせい中学生ちゅうがくせい高校生こうこうせいなどの若年じゃくねんそうであった。とく多彩たさいなデザインのベリカード収集しゅうしゅう魅力みりょく若年じゃくねんそうけた。しかしBCLブーム最中さいちゅうの1976ねん郵便ゆうびん料金りょうきん大幅おおはば値上ねあげがあって(封書ふうしょ定形ていけい20えん→50えんなど)若年じゃくねんそうにとっては受信じゅしん報告ほうこくしょ郵送ゆうそうだい経済けいざい負担ふたんおおきくなり、また外国がいこく放送ほうそうもそれをたのしめるだけの語学ごがくりょくがなければベリカード収集しゅうしゅう継続けいぞくてき目標もくひょうくなってしまい、これらの事情じじょうでBCLブームが下火したびになる原因げんいんともなった[3]。BCLブーム終了しゅうりょう1990ねん時点じてん日本にっぽんでは、小学生しょうがくせい中学生ちゅうがくせい高校生こうこうせいテレビゲームパソコンなどに関心かんしんうつっていた。また、きょくはじまっていたFM放送ほうそう[注釈ちゅうしゃく 3]などにながれ、1990年代ねんだい以降いこうの、日本にっぽんのBCLの中心ちゅうしんそう社会しゃかいじんになっていた[3]。だが1995ねん阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい2011ねん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいこう臨時りんじ災害さいがい放送ほうそうきょく開局かいきょくともなってラジオ有用ゆうようせい見直みなおされ、また2014ねんワイドFMほん放送ほうそう開始かいし事実じじつじょう全国ぜんこく規模きぼしんきょく開局かいきょくラッシュ」となり[注釈ちゅうしゃく 4]、さらに2019ねん以降いこう新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう流行りゅうこう自宅じたくとうでのテレワーク推進すいしん機運きうんって、世界せかいてきにBCLは大人おとな趣味しゅみとして(かつての小学生しょうがくせい中学生ちゅうがくせいなどが成人せいじんになり、ふたたびBCLを再開さいかいしたそうふくめ)根強ねづよ人気にんきたもっている。国際こくさい放送ほうそう各局かくきょく番組ばんぐみ担当たんとうしゃによれば、日本にっぽんでは2000ねん以降いこう、いわゆる「復活ふっかつぐみ」とわれる50さいだい〜60さいだい参入さんにゅうにより、BCL人口じんこうふたたえはじめている。

ちんきょく受信じゅしんへの挑戦ちょうせん

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BCLの対象たいしょうとなるのは国際こくさい放送ほうそうきょくばかりでなく、遠隔えんかくにある県域けんいき放送ほうそうきょく、または近隣きんりんにおいても微弱びじゃく出力しゅつりょく電力でんりょく運用うんようされている放送ほうそうきょくなどが対象たいしょうとなる。夜間やかんにしか受信じゅしんができない国内外こくないがい中波ちゅうはきょく夏季かきなど特定とくてい時期じき突発とっぱつてき異常いじょう伝搬でんぱんEスポ)でしか受信じゅしんができない国内外こくないがいFMきょく[注釈ちゅうしゃく 5]受信じゅしん対象たいしょうとなっている。難易なんいたか受信じゅしんおこなうためには、こう利得りとくアンテナ使用しよう受信じゅしん工夫くふうなど無線むせん技術ぎじゅつ研究けんきゅう必要ひつようであり、くわえて電離層でんりそうなどのコンディションを推測すいそくするための自然しぜん科学かがくけい幅広はばひろ知識ちしき、わずかなチャンスをのがさないための根気こんきつよさも必要ひつようとされる。

BCLはアマチュア無線むせんおなじく、無線むせん通信つうしん技術ぎじゅつ向上こうじょう発展はってん寄与きよしてきたことをわすれることはできない。すなわち受信じゅしん報告ほうこく無線むせん通信つうしん黎明れいめいより電波でんぱ伝搬でんぱんのしくみの解明かいめい、また受信じゅしん技術ぎじゅつのみならず送信そうしん技術ぎじゅつ向上こうじょうにも寄与きよつづけてきた。放送ほうそうきょくがわ[4]各地かくちのリスナーからけた受信じゅしん報告ほうこく集計しゅうけい分析ぶんせきすることによって、きょく中波ちゅうは放送ほうそうアンテナの理論りろんてき特性とくせい実証じっしょうしている事例じれいもある[4]

たのしみの変遷へんせん

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DX'er(DX受信じゅしんたのしむBCLのこと)には、無線むせん技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつや、根気こんきつよ最良さいりょうのコンディションをつこと、僻地へきちとうキャンプして、最良さいりょうとなる受信じゅしん環境かんきょうをつくり(ペディションとう)高度こうど受信じゅしんをおこなうことなどを、ベリカードの収集しゅうしゅうよりも優先ゆうせんするひとがいる。また、1970年代ねんだいから1980年代ねんだいにかけて流行りゅうこうしたBCLブームをなつかしむ50さいだいから60さいだい経済けいざいてき余裕よゆうてきた中高年ちゅうこうねん世代せだいによる、懐古かいこむかしなつかしむ)趣味しゅみてき受信じゅしん収集しゅうしゅう、あるいは特定とくていくにたいする興味きょうみ関心かんしんにより、そのくに放送ほうそうくといったひともおり、幅広はばひろたのしみかたがあるのが特徴とくちょうである。

BCLをたのしむために必要ひつよう技術ぎじゅつやノウハウのおおくは2020ねん現在げんざいほんなどの出版しゅっぱんがほとんどい(あってもさんさいブックス発行はっこう専門せんもん程度ていど)ことから、おも個人こじん試行錯誤しこうさくご経験けいけんによって獲得かくとくされるものがおおくなっている。このことは趣味しゅみとしてのBCLに奥行おくゆきをあたえるファクター(要因よういん)である一方いっぽうで、初心者しょしんしゃがBCLにしたしむための障害しょうがいともなっている。しかし今日きょうではそれぞれのサブテーマごとインターネットうえブログとうでこれらのノウハウとう公開こうかい共有きょうゆうされることにより、従来じゅうらいのBCL書籍しょせきたしていた機能きのうが、よこ複数ふくすうのサブテーマごと連携れんけいし、錯綜さくそうするひとつのバーチャルコミュニティーによりたされるようになっており、そういった記事きじ検索けんさくせんきょくにもた“もうひとつのBCL”という側面そくめんていしている。

日本にっぽんでの1970年代ねんだい~1980年代ねんだいのBCLのたのしみかた主流しゅりゅうは、個人こじんによるベリカードの収集しゅうしゅうであったが、21世紀せいきのBCLはブログなどを中心ちゅうしん受信じゅしん記録きろく交換こうかんしたり、通信つうしん技術ぎじゅつやペディションをりあげる、すなわち趣味しゅみつうじての人間にんげんてき交流こうりゅうたのしむというめんおおきくなっている。

べリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう

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べリカード(受信じゅしんかく認証にんしょうともいう。)は、無線むせんきょく通信つうしん放送ほうそうきょく放送ほうそう)を受信じゅしんしたと証明しょうめいする書類しょるいである。 受信じゅしんした放送ほうそうきょくてに、ラジオの受信じゅしん状態じょうたいSINPOコード)、受信じゅしん時間じかん周波数しゅうはすう、ラジオ受信じゅしんのメーカー機種きしゅ放送ほうそう内容ないよう感想かんそう要望ようぼうやリクエストきょくなどを「受信じゅしん報告ほうこくしょ」として記載きさいして郵便ゆうびん手紙てがみ)やEいーメール放送ほうそうきょくおくると受信じゅしんした証明しょうめいとしてべリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)が発行はっこうされる。

べリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)は、はがきサイズで、表面ひょうめんは、こくごとの特徴とくちょうしており、そのくに文化ぶんか象徴しょうちょうするような世界せかい遺産いさん歴史れきしてき建築けんちくぶつ綺麗きれい景色けしき民族みんぞく衣装いしょうなどの写真しゃしんやイラストが採用さいようされていることがおおい。裏面りめんは「受信じゅしんかく認証にんしょう」になっている。BCLを趣味しゅみとする人々ひとびとは、べリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)の収集しゅうしゅうたのしみのひとつとする。

アマチュア無線むせん趣味しゅみとする人々ひとびとにも、QSLカード交信こうしん証明しょうめいしょ)というBCLのべリカード(受信じゅしんかく認証にんしょう)に仕組しくみがある。

BCLの情報じょうほう

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このBCLブームの時代じだいには、情報じょうほう数多かずおお発売はつばいされた。代表だいひょうてきなものとして以下いかがあった[5]

ラジオライフとその派生はせい3、ラジオ番組ばんぐみひょうのぞ雑誌ざっし現在げんざいきゅう廃刊はいかんちゅう

とくに、「入門にゅうもんBCLブック・BCLデータブック」は山田やまだこうみずからのBCL研究けんきゅう集大成しゅうたいせいとして、初心者しょしんしゃにもたのしめるようにちょ監修かんしゅう担当たんとうし、放送ほうそうきょく紹介しょうかい受信じゅしん・アンテナの機種きしゅ紹介しょうかい製品せいひんえらかた受信じゅしん報告ほうこく作成さくせいほうなどを網羅もうらしたガイドブックとしてベストセラーになった。

BCLラジオ

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ナショナルRF-2200“クーガ2200”

BCLラジオとはBCLのために使用しようする高性能こうせいのうなラジオを総称そうしょうしたものである。

国外こくがい放送ほうそうきょく遠距離えんきょりきょく受信じゅしんするためには、一般いっぱんのラジオ受信じゅしんとはことなる性能せいのうゆうする高性能こうせいのう受信じゅしん(=BCLラジオ)が必要ひつようである。たとえば受信じゅしん周波数しゅうはすう広範囲こうはんいであることや、受信じゅしん感度かんどたかいもの、隣接りんせつ周波数しゅうはすう信号しんごう分離ぶんりする選択せんたくするどいもの、外部がいぶアンテナ端子たんしゆうするもの、受信じゅしん周波数しゅうはすうれるものなどである。受信じゅしんようラジオや録音ろくおんなどをけた受信じゅしん部屋へやをアマチュア無線むせん愛好あいこうにならい「シャック」とぶ。

1970年代ねんだいのBCLブームにはおおくの家庭かていよう電機でんきメーカーからBCLよう工夫くふうらした高性能こうせいのうラジオが発売はつばいされた。その、ブームの下火したびとともにBCLラジオを販売はんばいする家電かでんメーカーはすくなくなり、2000年代ねんだい以降いこうは、高性能こうせいのうラジオの発売はつばいつづける日本にっぽん電器でんきメーカーはソニー松下まつした(パナソニック)の2しゃのみになった。2006ねん現在げんざい日本にっぽん国内こくないでは松下まつした(パナソニック)は高性能こうせいのうラジオを製造せいぞうしていない(2008ねんにラジオ単体たんたい製品せいひん自体じたい製造せいぞう販売はんばいしているのが、ソニーパナソニックのみとなっている)。その、2017ねん復活ふっかつしたaiwaからも小型こがたでモノラルスピーカとステレオスピーカ搭載とうさいの2機種きしゅあらたに発売はつばいされた。

BCLラジオの収集しゅうしゅうコレクション)については、BCL本来ほんらい目的もくてきとはことなる。しかしBCLを趣味しゅみとするものすくなからず所有しょゆうするラジオにたいして相応そうおう愛情あいじょうっており、「受信じゅしんたのしむ」から「受信じゅしん自体じたいたのしむ」へと発展はってんして、すうだいのラジオを所有しょゆう収集しゅうしゅうすることがある。2008ねん以降いこう日本にっぽんふたたびBCLブームがきている背景はいけいには、インターネットオークションによるBCLラジオの流通りゅうつうさかんにおこなわれていることが一因いちいんとしてげられる。中古ちゅうこではあるが1970年代ねんだい当時とうじ高性能こうせいのう機能きのうなラジオが入手にゅうしゅでき[注釈ちゅうしゃく 6]当時とうじカタログ店頭てんとうあこがれるだけで購入こうにゅうすることが出来できなかったラジオを、大人おとなになった時点じてんあらためて入手にゅうしゅしてBCLを再開さいかいするというひとおおい。

日本にっぽんのインターネットオークションでは、程度ていどいBCLラジオは発売はつばい当時とうじとほぼおな価格かかく、もしくはそれ以上いじょう高値たかね取引とりひきされている。ソニーのスカイセンサーや、ナショナル(パナソニック)のクーガとう販売はんばい出荷しゅっかすうおおいためオークションの出品しゅっぴんすうおおく、価格かかくもそれほどたかくはならないが、希少きしょうせいのあるラジオは相当そうとう高値たかねでコレクターに取引とりひきされている。たとえばソニーのCRF-1は長波ちょうはいきから受信じゅしんできる「業務ぎょうむよう」であり流通りゅうつうりょうすくないため、すこ程度ていどわるくても10まんえんなかばから20まんえんちか値段ねだん取引とりひきされることがおおい。

日本にっぽんにおいてソニー以外いがいのBCLラジオが入手にゅうしゅ困難こんなんになっている2013ねんでは、中国ちゅうごくせい安価あんか短波たんぱラジオ家電かでん量販りょうはんてんディスカウントストアやインターネットの通信つうしん販売はんばいなどで販売はんばいされている。

BCLラジオのブランド

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日本にっぽん

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日本にっぽん国内こくない短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいしているメーカー
日本にっぽん国内こくない広帯域こうたいいき受信じゅしん(ワイドバンドレシーバー)や通信つうしんよう受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいしているメーカー
過去かこ日本にっぽん国内こくない短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいしていたメーカー
  • パナソニックきゅう松下電器産業まつしたでんきさんぎょう) - クーガ、プロシード。2021ねん現在げんざい短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • 三菱電機みつびしでんき - ジーガム。2021ねん現在げんざい短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • 日立製作所ひたちせいさくしょ - サージラム。2021ねん現在げんざい短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • 三洋電機さんようでんき(2009ねんにパナソニックの完全かんぜん子会社こがいしゃとなった。) - パルサー。2021ねん現在げんざい短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • 日本無線にほんむせん(JRC) - 業務ぎょうむよう無線むせん製造せいぞう販売はんばいしている。2017ねん広帯域こうたいいき受信じゅしん(ワイドバンドレシーバー)や通信つうしんよう受信じゅしんやアマチュア無線むせん機器きき製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • JVCケンウッド - 「KENWOOD(ケンウッド)」のブランドでアマチュア無線むせん機器きき製造せいぞう販売はんばいしている。2021ねん現在げんざいは、広帯域こうたいいき受信じゅしん(ワイドバンドレシーバー)や通信つうしんよう受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
    • 日本にほんビクター(2007ねんにケンウッドと合併がっぺいしてJVCケンウッドになった。) - FR-6600。2021ねん現在げんざい短波たんぱラジオ受信じゅしん製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • ユピテル (企業きぎょう) - 2021ねん現在げんざい広帯域こうたいいき受信じゅしん(ワイドバンドレシーバー)の製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。
  • 北陽ほくよう無線むせん工業こうぎょう - RISING。かつては欧米おうべい輸出ゆしゅつよう短波たんぱラジオを製造せいぞう販売はんばいしていた。2021ねん現在げんざい短波たんぱラジオの製造せいぞう販売はんばいからは撤退てったいした。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

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通信つうしんよう受信じゅしん広帯域こうたいいき受信じゅしん)の製造せいぞう販売はんばいメーカー

中国ちゅうごく

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  • DEGENとく劲)
  • TECSUNとくせい
  • Kchibo
  • REDSUN
  • ZHIWHIS
  • Rajisan(日本にっぽん輸入ゆにゅうもとあかりでん工業こうぎょう
  • Electro Brand(日本にっぽん輸入ゆにゅうもと丸善まるぜん無線むせん
  • Super Reader(日本にっぽん輸入ゆにゅうもと丸善まるぜん無線むせん

台湾たいわん

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日本にっぽんのDX/BCLクラブ・サークル

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 電波でんぱめぐくにぐに』 久保田くぼたひろしみなみ(ちょ) コロナしゃ 1991ねん出版しゅっぱんISBN 4-339-07663-5
  • 世界せかいこう - 短波たんぱ放送ほうそうたのしみかた赤林あかばやしりゅうひとし(ちょ) コロナしゃ 1993ねん出版しゅっぱんISBN 4-339-07670-8
  • 簡単かんたんBCL入門にゅうもん 世界せかい放送ほうそう受信じゅしんせよ!』 紺野こんのあつし(ちょ)・工藤くどう和穂かずほ(ちょ) CQ出版しゅっぱん 2007ねん出版しゅっぱんISBN 4-789-81326-6
  • 決定けっていばん!BCL受信じゅしんバイブル』 ラジオライフ編集へんしゅう(ちょ) さんさいブックス 2018ねん出版しゅっぱんISBN 4-866-73051-X
  • れいばんBCLマニュアル』 山田やまだこう(原著げんちょ) 電子でんし工作こうさくマガジン編集へんしゅうへん(ちょ) 電波でんぱ新聞しんぶんしゃ 2019ねん出版しゅっぱん雑誌ざっしコード 06390

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 電波でんぱほうだい59じょうでいう傍受ぼうじゅとみなされることがある。
  2. ^ 中波ちゅうは、FM、NSBがふくまれる3.9~12MHzのほか13MHzをえる周波数しゅうはすう受信じゅしん出来できたため、このばれる。
  3. ^ J-WAVEFM802代表だいひょうされる“地域ちいきだいのFM民放みんぽうきょく”が開局かいきょくして話題わだいとなっていた時期じきたる。「平成へいせいしんきょく」の項目こうもく参照さんしょう
  4. ^ AMきょく発行はっこうでワイドFM周波数しゅうはすう追記ついきされたベリカードがあらためて収集しゅうしゅう対象たいしょうとなるが、試験しけん放送ほうそう開始かいし時点じてんから伝播でんぱ実地じっち確認かくにんとして受信じゅしん報告ほうこくけていた。
  5. ^ テレビ受信じゅしんはデジタル放送ほうそう導入どうにゅうにより「県域けんいき設定せってい」が必要ひつようとなり、圏外けんがい放送ほうそう受信じゅしん報告ほうこくはベリカード発行はっこう対象たいしょうがいとなる場合ばあいがある。
  6. ^ 一部いちぶ機種きしゅではワイドFM対応たいおうさい調整ちょうせいされたものも売買ばいばいされている。

出典しゅってん

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  1. ^ 井川いかわ充雄みつおBCLブームの盛衰せいすい : 戦後せんご日本にっぽんにおける海外かいがい短波たんぱ放送ほうそうのリスナー」『応用おうよう社会しゃかいがく研究けんきゅうだい58かん立教大学りっきょうだいがく、2016ねん3がつ、17-27ぺーじdoi:10.14992/00012017ISSN 03876756 
  2. ^ さんさいブックス・ラジオ・BCL
  3. ^ a b 「BBC 日本語にほんご放送ほうそう来年らいねん3がつ廃止はいし」『朝日新聞あさひしんぶん』1990ねん8がつ24にちづけ東京とうきょう夕刊ゆうかん、3ぺーじ
  4. ^ a b 薮田やぶた英雄ひでお, 近藤こんどう寿志ひさし, 平田ひらたこうやすし受信じゅしん報告ほうこくにみるラジオおやきょく移転いてん夜間やかん聴取ちょうしゅエリアの変化へんか」『映像えいぞう情報じょうほうメディア学会がっかい技術ぎじゅつ報告ほうこくだい28かんだい13ごう映像えいぞう情報じょうほうメディア学会がっかい、2004ねん2がつ、1-3ぺーじISSN 13426893NAID 10012835266 
  5. ^ 入門にゅうもんBCLブック」をはじめとするBCL関連かんれん書籍しょせき雑誌ざっし買取かいとりはぜひ当店とうてんへ!三日月みかづきどう

関連かんれん項目こうもく

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