通信つうしん販売はんばい

通信つうしん販売はんばい（つうしんはんばい、英語えいご：Mail order（メールオーダー）、Home shopping（ホームショッピング））とは、通信つうしんで注文ちゅうもんを受うけ、郵便ゆうびんや宅配たくはい便びんでその注文ちゅうもんした商品しょうひんを引ひき渡わたす販売はんばい方法ほうほうである。顧客こきゃくはまったく商品しょうひんの実物じつぶつを見みないで注文ちゅうもんする。通販つうはん（つうはん）と略称りゃくしょうされる。

近年きんねんのインターネット端末たんまつの普及ふきゅうにともない、「通信つうしん販売はんばい」「通販つうはん」といえば、ウェブサイトによるもの（オンラインショッピング）を指さすことがある。

→詳細しょうさいは「電子でんし商取引しょうとりひき」および「ECサイト」を参照さんしょう

概要がいよう

日本にっぽんにおける通信つうしん販売はんばいの定義ていぎ・種類しゅるい

通信つうしん販売はんばい業ぎょうを規制きせいする、特定とくてい商しょう取引とりひきに関かんする法律ほうりつ（特定とくてい商しょう取引とりひき法ほう、旧きゅう訪問ほうもん販売はんばい法ほう）での通信つうしん販売はんばいの定義ていぎは

販売はんばい業者ぎょうしゃ又または役務えきむ提供ていきょう事業じぎょう者しゃが郵便ゆうびん等ひとし（郵便ゆうびん、電話でんわ、フアクシミリ、電報でんぽう、郵便ゆうびん振替ふりかえ、銀行ぎんこう振込ふりこみなど）により
売買ばいばい契約けいやく又または役務えきむ提供ていきょう契約けいやくの申込もうしこみを受うけて行おこなう商品しょうひん若もしくは指定してい権利けんりの販売はんばいまたは役務えきむの提供ていきょうとなっている。

なお、一般いっぱん的てきな意味いみの通信つうしん販売はんばいにおいて、事業じぎょう者しゃ・消費しょうひ者しゃ双方そうほうが用もちいる媒体ばいたいは以下いかのとおりとなる。

• テレビ・ラジオの既存きそん局きょく、あるいはCSやケーブルテレビなどに設置せっちされた専門せんもんチャンネル（例れい：QVCジャパン、ジャパネットたかた、はぴねすくらぶ）
  • CM、テレビショッピング、ラジオショッピング、インフォマーシャル
• カタログ（例れい：通販生活つうはんせいかつ、ディノス、ニッセン）
  • フリーマガジンとして街頭がいとうや建物たてもの内ないに設置せっちされるほか、ダイレクトメールで個人こじんや会社かいしゃに届とどけられ、回覧かいらんされる。また、購入こうにゅうした商品しょうひんに同どう梱こりされて届とどけられるものや、雑誌ざっしとして書店しょてんで売うられているものもある。
• はがき、リーフレット、ブックレット
  • 街頭がいとうで配布はいふされるものや、ダイレクトメール等とうで届とどけられるものもある。
• 新聞しんぶんの広告こうこく・折込おりこみチラシ、各種かくしゅ雑誌ざっしの広告こうこく・記事きじ
• インターネットのウェブサイト（例れい：Amazon、楽天らくてん市場いちば、ZOZOTOWN）
  • ECサイト、電子でんし商店しょうてん街がい
    • 場合ばあいによってはインターネットオークションも広義こうぎの通信つうしん販売はんばいに含ふくまれる。（例れい：Yahoo!オークション、メルカリ、フリル）

支払しはらい方法ほうほう

代金だいきんの支払しはらいのタイミングには、先払さきばらいと後払あとばらいがある。先払さきばらい（前払まえばらい）は、消費しょうひ者しゃが注文ちゅうもんにあわせて代金だいきんを支払しはらい、販売はんばい業者ぎょうしゃが支払しはらいを確認かくにん後ご商品しょうひんを発送はっそうする順序じゅんじょである。後払あとばらいは、販売はんばい業者ぎょうしゃが注文ちゅうもんにあわせて商品しょうひんを発送はっそうし、消費しょうひ者しゃが商品しょうひん到着とうちゃくを確認かくにん後ご代金だいきんを支払しはらう順序じゅんじょである。

先払さきばらい(前払まえばらい)の場合ばあい、現金げんきんで決済けっさいするときは、注文ちゅうもん時じに金融きんゆう機関きかんやコンビニエンスストアを通つうじて販売はんばい業者ぎょうしゃの口座こうざへ送金そうきんする方法ほうほうや、現金げんきん書留かきとめ、郵便ゆうびん為替かわせで送金そうきんする方法ほうほうがある。また、クレジットカードで決済けっさいするときは、注文ちゅうもん時じにカード情報じょうほうをECサイト上じょうで入力にゅうりょくするか、電話でんわで伝達でんたつするか、注文ちゅうもん用紙ようしに記入きにゅうするか、いずれかの方法ほうほうを利用りようすることで、口座こうざ自動じどう振替ふりかえされる。

後払あとばらいの場合ばあい、商品しょうひんに同どう梱こりされた用紙ようし等とうを利用りようし、金融きんゆう機関きかんやコンビニエンスストアを通つうじて販売はんばい業者ぎょうしゃの口座こうざへ送金そうきんする方法ほうほうや、現金げんきん書留かきとめ、郵便ゆうびん為替かわせで送金そうきんする方法ほうほうや、配達はいたつ時じの運送うんそう業者ぎょうしゃによる代金だいきん引換ひきかえサービスを利用りようする方法ほうほうがある。 このほかに、消費しょうひ者しゃが法人ほうじんの場合ばあいには請求せいきゅう書しょ払はらいという方法ほうほうもある。

また、後払あとばらいの場合ばあい、業者ぎょうしゃや商品しょうひんやキャンペーンによっては分割払ぶんかつばらいが適用てきようされている場合ばあいもある。

事業じぎょう主体しゅたい

昨今さっこんの通信つうしん販売はんばい業者ぎょうしゃは、カタログ販売はんばい専門せんもんを代表だいひょうとする無む店舗てんぽ業者ぎょうしゃにとどまらず、多種たしゅ多様たようである。百貨店ひゃっかてんや専門せんもん店てんのような店舗てんぽを持もつ小売こうり業者ぎょうしゃのほか、卸売おろしうり業者ぎょうしゃや製造せいぞう業ぎょう者もの、水産すいさん業ぎょう者ものや農作物のうさくもつ生産せいさん者しゃ等とうによる直販ちょくはんまで、様々さまざまな流通りゅうつうチャンネルで通信つうしん販売はんばいが行おこなわれている。放送ほうそう局きょく・新聞しんぶん社しゃ・出版しゅっぱん社しゃ・プロバイダ等ひとしの関連かんれん企業きぎょうが通信つうしん販売はんばい事業じぎょうを行おこなう例れいも多おおい。

歴史れきし

初期しょきのカタログ

1498年ねん、ヴェネツィアの出版しゅっぱん業者ぎょうしゃアルドゥス・マヌティウスが自身じしんが刷すった本ほんのカタログを印刷いんさつした。1667年ねん、イングランドの園芸えんげい業者ぎょうしゃウィリアム・ルカス（William Lucas）が顧客こきゃくに価格かかくを知しらせるために種たねのカタログを印刷いんさつし郵送ゆうそうした。植民しょくみん地ち時代じだいのアメリカでもカタログが伝つたわり、ベンジャミン・フランクリンは、1744年ねんに売うられている科学かがくと学術がくじゅつの書籍しょせきカタログを作成さくせいしたことから、英えい領りょうアメリカで最初さいしょにカタログを作成さくせいしたと信しんじられている。

最初さいしょの通信つうしん販売はんばい

『江戸えど買物かいもの独案内ひとりあんない』（1824年ねん）に掲載けいさいされた"通販つうはん可か"を謳うたう四よんツ目め屋やの広告こうこく。

日本にっぽんにおける通信つうしん販売はんばいの始はじまりは必かならずしも明あきらかではないが、1824年ねん（文政ぶんせい7年ねん）発行はっこうの江戸えどの商店しょうてん広告こうこく集しゅう『江戸えど買物かいもの独案内ひとりあんない』に掲載けいさいされた江戸えど両国りょうこく薬研堀やげんぼりの四よんツ目め屋やの広告こうこくには「諸国しょこく御ご文通ぶんつうにて御ご注文ちゅうもん之の節ふしは箱はこ入にゅう封ふう付づけニいたし差上さしのぼ可か申さる候こう 飛脚ひきゃく便びんリにても早速さっそく御ご届とどけ可か申さる上じょう候こう」とあり、江戸えど以外いがいの地方ちほうへの通信つうしん販売はんばいもすること、その際さいには中身なかみが分わからないように封印ふういん梱包こんぽうすること、飛脚ひきゃくによるスピード配送はいそうも利用りよう可能かのうなことが記しるされており、この時代じだいには既すでに通信つうしん販売はんばいが行おこなわれていたことがわかる。

英国えいこくではウェールズの事業じぎょう家かプライス・プライス・ジョーンズは、1861年ねんにはじめて近代きんだい的てきな通信つうしん販売はんばいを開始かいしした。彼かれはウェールズのニュータウン市しにある呉服ごふく屋やに弟子でし入いりし、1856年ねんに事業じぎょうを引ひき継ついだ後のち、ロイヤル・ウェールズ・ウェアハウスと改称かいしょうし、ウェールズ・フランネルを販売はんばいした。

1840年ねんには、ユニフォームペニー郵便ゆうびんが設立せつりつされ、ニュータウンへの鉄道てつどう網もうも拡張かくちょうされた、それらは小ちいさな農村のうそんの企業きぎょうを結果けっか的てきに世界せかい的てきな名声めいせいを持もつ会社かいしゃに変かえるのを支援しえんした。1861年ねんに、彼かれは独自どくじの販売はんばい方法ほうほうを始はじめた。彼かれは商品しょうひんのカタログを全国ぜんこくに配布はいふし、人々ひとびとが希望きぼうするアイテムをポストで注文ちゅうもん出来できるようにした。そして送おくられてきた注文ちゅうもんを鉄道てつどうを使つかい発送はっそうした。これが世界せかいで初はじめての通販つうはん事業じぎょうであり、その後ごの小売こうり業ぎょうの本質ほんしつを変かえるアイデアであった。

彼かれはヴィクトリア女王じょおうやヨーロッパの王室おうしつ、フローレンス・ナイチンゲールなどの有名人ゆうめいじんに製品せいひんを発送はっそうした。彼かれはまた、米国べいこくや英国えいこく植民しょくみん地ちへカーテンの輸出ゆしゅつも開始かいしした。

もっとも売うれた商品しょうひんの一ひとつは現代げんだいの寝袋ねぶくろの先駆さきがけであるEuklisia Rugで、ロシア軍ぐんへ6万まん枚まい発送はっそうするなど世界中せかいじゅうに販売はんばいした。1880年ねんには10万まん人にん以上いじょうの顧客こきゃくを抱かかえ、1887年ねんには爵位しゃくいを授与じゅよされた。

未み整理せいり

19世紀せいき後半こうはん頃ごろのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで、地方ちほうの農民のうみんたちを対象たいしょうとしたカタログ販売はんばいが開始かいしされたのが起源きげんとされている。この頃ころには鉄道てつどう網もうや郵便ゆうびん網もうの拡充かくじゅうが進すすみ、19世紀せいき末期まっきにはシアーズなど大手おおてのカタログ販売はんばい小売こうり業者ぎょうしゃが設立せつりつされ、今日きょうのようなカタログ販売はんばいの基礎きそが作つくられた。

日本にっぽんでは1876年ねん（明治めいじ9年ねん）のアメリカ産さんトウモロコシの種たねの通信つうしん販売はんばいが最初さいしょといわれている（津田つだ仙せんが創刊そうかんした「農学のうがく雑誌ざっし」において）。大正たいしょう時代じだいには野間のま清治きよじの経営けいえいする講談社こうだんしゃの代理だいり部ぶが同社どうしゃ発刊はっかん雑誌ざっしの広告こうこくを通つうじて通信つうしん販売はんばいを行おこなった。対象たいしょう商品しょうひんは雑誌ざっしだけでなく、生活せいかつ用品ようひん・雑貨ざっか、家具かぐ、果はては清涼飲料水せいりょういんりょうすい・どりこのに代表だいひょうされる食品しょくひんや化粧けしょう品ひん・薬品やくひんなど、多岐たきに渡わたった。配達はいたつは主おもに同社どうしゃ少年しょうねん部ぶ（日本にっぽん全国ぜんこくから募集ぼしゅうされ、約やく30倍ばい前後ぜんこうの高たかい競争きょうそう率りつをくぐり抜ぬけて採用さいようされた小しょう卒そつ男子だんし児童じどうによる修養しゅうよう教育きょういくとしての勤務きんむ部署ぶしょ）所属しょぞくの社員しゃいん見習みならいの者ものが自転車じてんしゃやオートバイで行おこなった。

しかし、日本にっぽんにおいて産業さんぎょうとして確立かくりつしたのは戦後せんごで、ラジオ受信じゅしん機き製作せいさく用よう電子でんし部品ぶひんの雑誌ざっし広告こうこくによる通信つうしん販売はんばい、大手おおて百貨店ひゃっかてんの通信つうしん販売はんばいへの参入さんにゅうが始はじまり、1960年代ねんだいにはカタログ販売はんばいの主要しゅよう業者ぎょうしゃが設立せつりつされ、1970年代ねんだい頃ころからはテレビショッピング、ラジオショッピングの形かたちでも行おこなわれるようになった。

1980年代ねんだい後半こうはん以後いご、女性じょせいの社会しゃかい進出しんしゅつの拡大かくだいや、宅配たくはい便びんサービスの拡充かくじゅう、さらに1990年代ねんだい以後いごインターネットの拡大かくだいによって大おおきく発達はったつし、現在げんざいでは販売はんばい品目ひんもくも魚介ぎょかい類るいなどの生鮮せいせん食品しょくひんから、各かく地方ちほうの名産めいさん品ひん、パソコンなどの大型おおがた電気でんき製品せいひんに至いたるまで販売はんばいされている。

通信つうしん販売はんばいの利点りてん・欠点けってん

利点りてん

利用りよう者しゃにとって

• はがき・封書ふうしょ・電報でんぽう・電話でんわ・ファクシミリ・スマートフォン・タブレット・PCなど、購入こうにゅう希望きぼうの意思いし表示ひょうじを伝達でんたつする通信つうしん手段しゅだんが豊富ほうふである。
• 店舗てんぽを探さがしたり、店舗てんぽに出でかけたりする必要ひつようがないので、時間じかん・労力ろうりょく・交通こうつう費ひが節約せつやくできる。
• 好すきな時ときに好すきな場所ばしょで好すきなだけ、興味きょうみのある対象たいしょうを比較ひかく検討けんとうしたうえで買かい物ものができる。
• 最小限さいしょうげんの個人こじん情報じょうほうを提出ていしゅつするだけで、事業じぎょう者しゃ側がわと対面たいめんすることも対話たいわすることもなく買かい物ものができる。
• 指定していの場所ばしょに配送はいそうしてもらえるので、嵩かさばるものや重おもいものを持もち帰かえる必要ひつようがない。
• 通販つうはんでしか買かえない商品しょうひんや、媒体ばいたい特有とくゆうの値引ねびき・景品けいひんなどの特典とくてんの提供ていきょうを得えられることが多おおい。

事業じぎょう者しゃにとって

• 受注じゅちゅう予測よそくや広告こうこく効率こうりつについて、テストしてデータを分析ぶんせきした後のちに本番ほんばん展開てんかいができるので、企画きかくの成功せいこう確かく率りつが高たかまる。
• 商品しょうひんや役務えきむと、媒体ばいたいの種類しゅるいや規模きぼ、時期じきや時間じかんや地域ちいきを勘案かんあんしたテストデータに基もとづく、商しょう材ざい発注はっちゅうと在庫ざいこ管理かんり及および人員じんいん管理かんりができるので適正てきせい在庫ざいこ及および適正てきせい人員じんいんの精度せいどが増ます。
• 詳細しょうさい精緻せいちな属性ぞくせいをともなう顧客こきゃく管理かんりができるので、的確てきかくなアウトバウンドが可能かのうである。
• リアルの店舗てんぽも販売はんばい員いんも必要ひつようないので経済けいざい性せいが良よい。

メディアにとって

• 通販つうはん事業じぎょう者しゃが出稿しゅっこうするのはイメージ広告こうこくでなく営業えいぎょう広告こうこくであるから、一いち次じ媒体ばいたいの場合ばあい、媒体ばいたい費ひを融通ゆうずうすれば、出稿しゅっこう量りょうを増加ぞうかしてもらえることが多おおい。
• 一いち次じ媒体ばいたいの場合ばあい、広告こうこくの尺しゃくやスペースといった規模きぼにおいて、通販つうはん事業じぎょう者しゃは一般いっぱん広告こうこく主ぬしよりも長大ちょうだいなことが多おおく営業えいぎょう効率こうりつが良よい。
• 通販つうはん事業じぎょう者しゃは大小だいしょう様々さまざまな原稿げんこうを保持ほじしているので、一いち次じ媒体ばいたいの場合ばあい突発とっぱつ的てきなアナを埋うめてもらえることが多おおい。
• 一いち次じ媒体ばいたいの場合ばあい、不景気ふけいき等とうで広告こうこく主ぬしが減少げんしょうし、媒体ばいたい費ひが低下ていかする時ときほど、広告こうこくを営業えいぎょうと捉とらえている通販つうはん事業じぎょう者しゃは広告こうこく主ぬしとして頼たよりになる。
• ネットにおいては、システム構築こうちく後ごは利便りべん性せいに応おうじて営業えいぎょう効率こうりつが著いちじるしく高たかまることも多おおい。
• 二に次じ媒体ばいたいのうち印刷いんさつ業者ぎょうしゃと配布はいふ業者ぎょうしゃ(郵便ゆうびん・宅配たくはい便びん・その他た)においては、雑誌ざっしを凌駕りょうがする規模きぼのカタログ等とうを受注じゅちゅうすると、営業えいぎょう効率こうりつが良よい。

欠点けってん

利用りよう者しゃにとって

• 店頭てんとうで現物げんぶつを手てにする機会きかいがないため、利用りよう者しゃは記事きじやウェブサイトなど広告こうこく上じょうの写真しゃしんや動画どうがや仕様しよう説明せつめいを基もとに判断はんだんするしかない（写真しゃしん等とうだけでは商品しょうひんの全体ぜんたい像ぞうを窺うかがい知しることができない）。そのため、到着とうちゃく後ごの現物げんぶつに後悔こうかいするケースがあるが、交換こうかんや返品へんぴんの正当せいとうな理由りゆうとはされないことがある。
• 色いろ・柄え・サイズは広告こうこくイメージと微妙びみょうに異ことなることもあるため、交換こうかんや返品へんぴんができたとしてもストレスが残のこることがある。
• 急きゅうを要ようする入手にゅうしゅや、自みずからの希望きぼうする日時にちじでの受うけ取とりが必かならずできるとは限かぎらない。
• 必要ひつような組くみ立たてや設置せっちのサービスの付帯ふたいしていない商品しょうひんや事業じぎょう者しゃがある。
• レビューサイトには意図いと的てきな虚偽きょぎのレビューが多数たすう存在そんざいしている。
• 特とくにテレビやラジオといった電波でんぱメディアにおいて、商品しょうひんの本体ほんたい価格かかくのみが強調きょうちょうされ、別途べっと送料そうりょうや代引だいびきき手数料てすうりょうがかかることがアナウンスされない（テレビだと小ちいさいサイズの文字もじで短時間たんじかんしか表示ひょうじされない、ラジオだと「別途べっと送料そうりょうを頂戴ちょうだいします」とアナウンスするだけで具体ぐたい的てきな金額きんがくがわからない）場合ばあいがある。
• 販売はんばい者しゃが倒産とうさんないし閉店へいてんするなどして、連絡れんらく不能ふのうになった場合ばあい、損そんをする危険きけんが大おおきい。販売はんばい者しゃが破産はさん法ほうによる破産はさん手続てつづき開始かいしの決定けっていを受うけた場合ばあいは、利用りよう者しゃは破産はさん管財かんざい人じんからの連絡れんらくを待まつことになる。破産はさん手続てつづき開始かいしにより前払まえばらいで注文ちゅうもんした商品しょうひんの発送はっそうが不可ふかとなった場合ばあいは、利用りよう者しゃはその販売はんばい者しゃの債権さいけん者しゃとなる。破産はさん手続てつづき開始かいし当日とうじつ以前いぜんに前払まえばらいで代金だいきんを支払しはらった場合ばあいは一般いっぱん債権さいけんとして扱あつかわれ、払はらえ戻もど額がくは最終さいしゅう配当はいとう率りつによる（全額ぜんがく払はらえ戻もどは保証ほしょうできない）。破産はさん手続てつづき開始かいし決定けってい後ごの翌日よくじつ以降いこうに前払まえばらいで代金だいきんを支払しはらった場合ばあいは、財団ざいだん債権さいけんとして扱あつかわれる場合ばあいがある。いずれの場合ばあいも破産はさん手続てつづきの廃止はいしにより払はらえ戻もどを受うけられない場合ばあいがある。このことは通販つうはんに限かぎらず小売こうり業ぎょう全般ぜんぱんの問題もんだいであるので、気きをつけたい。
• 特とくにインターネットでのペット通販つうはんにおいて、高価こうかな犬いぬが購入こうにゅう後ごすぐに衰弱すいじゃく死しするなどの問題もんだいが多発たはつしている。

事業じぎょう者しゃにとって

• 尺せき(放送ほうそう時間じかん)や紙面しめん(広告こうこくを表示ひょうじするスペース)に限かぎりがあるため、商品しょうひんや役務えきむの特長とくちょうを充分じゅうぶん訴求そきゅうできないことがある。
• 広告こうこくの自由じゆう度どが高たかいため、破天荒はてんこうな切口きりくちや過剰かじょうな演出えんしゅつ、根拠こんきょ不足ふそくや憶測おくそくによる説明せつめいなどを原因げんいんとして、虚偽きょぎ広告こうこくや誇大こだい広告こうこくと判断はんだんされ、法的ほうてきトラブルを引ひき起おこすおそれがある。
  • 普段ふだん想定そうていできない極端きょくたんな状況じょうきょう下かで商品しょうひんを使用しようしてみせる際さいに加工かこう・補助ほじょ具ぐ使用しようを実施じっししたり、正確せいかくな裏付うらづけなしに優良ゆうりょう性せい・有利ゆうり性せいを断言だんげんしたりなどして、性能せいのうや価値かちを適切てきせつな判断はんだんからそらせるなど。
  • 視聴しちょう者しゃ参加さんか型がたテレビ通販つうはんでは、モッタイをつけて販売はんばい員いんが価格かかくを発表はっぴょうしたり、セット販売はんばい品ひんや景品けいひんを紹介しょうかいしたりすると、参加さんか者しゃが大おおげさに反応はんのうするという演出えんしゅつが典型てんけい化かしている。これなどは、適切てきせつな価値かち判断はんだんを阻害そがいする目的もくてきで演出えんしゅつしていると言いわざるをえない。
• 広告こうこくの頻度ひんど・増殖ぞうしょく度ど・総量そうりょう等とうを調査ちょうさするだけで、商品しょうひん・役務えきむや原稿げんこう・コンテンツの成否せいひが競合きょうごう他社たしゃに知しられてしまう。
• テスト時じと本番ほんばん時じの時間じかん的てきズレに、天候てんこう・競合きょうごう・社会しゃかい情勢じょうせい等とうが影響えいきょうして誤算ごさんが生しょうじるおそれがある。
• 誤算ごさんは上昇じょうしょう方向ほうこうにも下降かこう方向ほうこうにも起おこり得えるので、大量たいりょうの供給きょうきゅう不足ふそく又または大量たいりょうの余剰よじょう在庫ざいこを引ひき起おこすおそれがある。
• 媒体ばいたい(テレビ・ラジオ・新聞しんぶん・雑誌ざっし・チラシ・ネット等ひとし及およびその個々ここの番組ばんぐみ・紙かみ誌し・サイト等とう)、年月としつき、曜日ようび、時間じかん、その他たによって視聴しちょう購読こうどく利用りよう者しゃ層そうが変化へんかしやすいため、事業じぎょう展開てんかいにおいて営業えいぎょう効率こうりつが大おおきく変化へんかするおそれがある。
• 2017年ねん通販つうはんの隆盛りゅうせいと競争きょうそう激化げきかを主おもな原因げんいんとする、宅配たくはい便びんや郵便ゆうびん等とうの荷物にもつ取扱とりあつかい数すうが激増げきぞうしたことにより、いわゆる宅配たくはい便びん業ぎょうの労働ろうどう環境かんきょうの急変きゅうへんと労働ろうどう条件じょうけんの悪化あっかが顕在けんざい化かした。これ以降いこう、配送はいそう負担ふたんの増加ぞうかや配送はいそうの不安定ふあんてい化かが、懸案けんあんであり続つづける可能かのう性せいがある。

メディアにとって

• 通販つうはん広告こうこくは営業えいぎょう広告こうこくなので、通販つうはん業者ぎょうしゃは常時じょうじ費用ひよう対たい効果こうかを確認かくにんしているため、媒体ばいたい料金りょうきんが一般いっぱん広告こうこく主ぬしよりも低ひくめになりがちである。特とくにテレビのタイムCMの場合ばあい、通販つうはん業者ぎょうしゃは採算さいさん割われを起おこすと春秋しゅんじゅうの改編かいへん時じに料金りょうきん交渉こうしょうが厄介やっかいになり、料金りょうきんが折おり合あわなければ手仕舞てじまいしたがるので面倒めんどうな存在そんざいである。
• 通販つうはん広告こうこく主ぬしとの長期ちょうき契約けいやくを解消かいしょうした時とき、広告こうこくのスペースや尺しゃくが長大ちょうだいなため補充ほじゅうに苦労くろうすることがある。
• 通販つうはんコンテンツによる間あいだに合あわせ的てきな尺しゃくやスペースの補充ほじゅうに依存いぞんしても、相応そうおうの視聴しちょう購読こうどく利用りよう者しゃしか得えられず、また通販つうはんばかりの編成へんせいになりすぎれば、本体ほんたいの支持しじ者しゃ離ばなれを招まねくおそれがある。

法令ほうれい等とう

通信つうしん販売はんばいについては、不当ふとう景品けいひん類るい及および不当ふとう表示ひょうじ防止ぼうし法ほう（景品けいひん表示法ひょうじほう）などの、商しょう取引とりひきに関かんする一般いっぱん的てきな法律ほうりつ以外いがいに、特定とくてい商しょう取引とりひきに関かんする法律ほうりつ（特定とくてい商しょう取引とりひき法ほう）の適用てきようを受うけ、商品しょうひんや販売はんばい条件じょうけんに限かぎらず事業じぎょう者しゃなどの各種かくしゅ情報じょうほうの表示ひょうじ義務ぎむが規定きていされている。ただし、訪問ほうもん販売はんばいや電話でんわ勧誘かんゆう販売はんばい等とうで規定きていされているクーリングオフは、適用てきようされない（業者ぎょうしゃによっては商品しょうひん到着とうちゃく後ごの返品へんぴんを受うけ付つけない場合ばあいもある）。2009年ねんから返品へんぴん特約とくやく事項じこう表示ひょうじ義務ぎむを怠おこたり、広告こうこくで返品へんぴんに関かんする規定きていが明示めいじされていない場合ばあいのみ、クーリングオフに準じゅんじた制度せいどが導入どうにゅうされた。したがって利用りよう者しゃは、購入こうにゅう前まえに返品へんぴんに関かんする文言もんごんをよく理解りかいしておくことが望のぞましい。

• 通信つうしん販売はんばいによって商品しょうひんまたは指定してい商品しょうひんを購入こうにゅうした場合ばあい、返品へんぴんに関かんする特約とくやくが広告こうこくに明示めいじされていない場合ばあいは、商品しょうひん等とうの引渡ひきわたしを受うけた日ひから起算きさん(受うけた当日とうじつが1日にち目め)して8日にち以内いないは契約けいやくの撤回てっかいができる（クーリングオフ類似るいじ制度せいど）。
• 現金げんきんでの2回かい以上いじょうの分割払ぶんかつばらいの場合ばあいや、クレジットカードでの翌月よくげつ1回かい払はらい以外いがい（すなわち、2回かい以上いじょうの分割払ぶんかつばらいおよびボーナス一括払いっかつばらい）の場合ばあいには、割賦かっぷ販売はんばい法ほうの適用てきようを受うける。
• 利用りよう者しゃの請求せいきゅう又または承諾しょうだくを受うけていない限かぎり、次つぎの場合ばあいを除のぞいて電子でんしメール(又またはファクシミリ)による広告こうこくをすることができない。
  • 契約けいやく内容ないようや注文ちゅうもん事項じこう確認かくにんのメール(又またはファクシミリ)に付随ふずいして広告こうこくをする場合ばあい
  • メールマガジン(又またはファクシミリの通信つうしん文ぶん)に付随ふずいして広告こうこくをする場合ばあい
  • フリーメール(又または請求せいきゅうされたファクシミリ)などを利用りようして広告こうこくをする場合ばあい

通販つうはんにおける必要ひつよう表示ひょうじ事項じこう

1. 販売はんばい価格かかく（役務えきむの対価たいか）
2. 分割払ぶんかつばらいに係かかる表記ひょうき及および金額きんがく、契約けいやく期間きかん、その他たの販売はんばい条件じょうけん(分割払ぶんかつばらいがある場合ばあいのみ)
3. 送料そうりょう
4. その他た負担ふたんすべき金銭きんせんの内容ないようと額がく（その他た負担ふたんすべき金銭きんせんがある場合ばあいのみ/例れい・「代金だいきん引換ひきかえ手数料てすうりょう」など）
5. 代金だいきん（対価たいか）の支払しはらい時期じき
6. 商品しょうひんの引渡時期じき（権利けんりの移転いてん時期じき、役務えきむの提供ていきょう時期じき）
7. 代金だいきん（対価たいか）の支払しはらい方法ほうほう
8. 返品へんぴんの特約とくやく（権利けんりの返還へんかん特約とくやく）に関かんする事項じこう（特約とくやくがない場合ばあいは、ない旨むねの表示ひょうじが必要ひつよう）

   ネット通販つうはんの場合ばあいは、広告こうこく画面がめんへの表示ひょうじ義務ぎむに加くわえて最終さいしゅう申もうし込こみ画面がめんにも表示ひょうじ義務ぎむがある。

9. 事業じぎょう者しゃの名称めいしょう（法人ほうじんの場合ばあい）又または氏名しめい（個人こじん事業じぎょう者しゃの場合ばあい）
10. 事業じぎょう者しゃの住所じゅうしょ
11. 事業じぎょう者しゃの電話でんわ番号ばんごう
12. 事業じぎょう者しゃのメールアドレス(電子でんしメール広告こうこくの場合ばあいのみ)
13. ネット通販つうはんにより広告こうこくするとき、法人ほうじんの場合ばあいには、事業じぎょう者しゃの代表だいひょう者しゃの氏名しめい又または通信つうしん販売はんばい業務ぎょうむの責任せきにん者しゃの氏名しめい
14. 申込もうしこみの有効ゆうこう期限きげん（申込もうしこみに有効ゆうこう期限きげんがある場合ばあいのみ）
15. 瑕疵かし責任せきにんについての定さだめ（瑕疵かし責任せきにんについての定さだめがある場合ばあいのみ）

    販売はんばい業者ぎょうしゃの責任せきにんについての内容ないようを明示めいじする。

16. 特別とくべつの販売はんばい条件じょうけん（販売はんばい数量すうりょうの制限せいげんなど、特別とくべつの販売はんばい条件じょうけんがある場合ばあいのみ）

    ただし、「請求せいきゅうにより上記じょうき事項じこうを記載きさいした書面しょめんを交かわする、または、電磁でんじ的てき記録きろくを提供ていきょうする」という趣旨しゅしの表示ひょうじがあれば、上記じょうき事項じこうの中なかには省略しょうりゃくできるものもある。この場合ばあい、請求せいきゅう者しゃに金銭きんせんを負担ふたんさせるときはその額がくの表示ひょうじ義務ぎむがある。

また、通信つうしん販売はんばい業者ぎょうしゃのネット広告こうこくの中なかには「通信つうしん販売はんばい法ほうに基もとづく表示ひょうじ」等とうとしているものが少すくなからず見受みうけられるが、「通信つうしん販売はんばい法ほう」という法律ほうりつは存在そんざいしない。「通信つうしん販売はんばい法ほう」に相当そうとうしうる法律ほうりつとして「特定とくてい商しょう取引とりひき法ほう」（さらに略りゃくして「特とく商法しょうほう」）が考かんがえられるが、同どう法ほうの正規せいき名称めいしょうは「特定とくてい商しょう取引とりひきに関かんする法律ほうりつ」である。

関連かんれん項目こうもく

• 買かい物もの難民なんみん
• 特定とくてい商しょう取引とりひきに関かんする法律ほうりつ
• 電子でんし消費しょうひ者しゃ契約けいやく及および電子でんし承諾しょうだく通知つうちに関かんする民法みんぽうの特例とくれいに関かんする法律ほうりつ
• 日本にっぽん通信つうしん販売はんばい協会きょうかい
• 商品しょうひん検索けんさくサイト
• 実演じつえん販売はんばい
• 食材しょくざい宅配たくはいサービス
• ネットスーパー
• ニッチ市場いちば