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ボーンマス

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ボーンマス
Bournemouth
イングランドの旗
位置いち
ボーンマスの位置の位置図
ボーンマスの位置いち
座標ざひょう : 北緯ほくい5043ふん 西経せいけい152ふん / 北緯ほくい50.717 西経せいけい1.867 / 50.717; -1.867
行政ぎょうせい
くに イギリスの旗 イギリス
 カントリー イングランドの旗イングランド
 リージョン 南西なんせいイングランド
 カウンティ ドーセット
 単一たんいつ自治体じちたい ボーンマス
地理ちり
面積めんせき  
  単一たんいつ自治体じちたいいき 38.77 km2
人口じんこう
人口じんこう (2021ねん現在げんざい
  単一たんいつ自治体じちたいいき 196,445にん
  備考びこう [1]
その
ひとしときおび グリニッジ標準時ひょうじゅんじ (UTC+0)
夏時間なつじかん 英国えいこく夏時間なつじかん (UTC+1)
Postcode
公式こうしきウェブサイト : http://www.bournemouth.gov.uk/

ボーンマスBournemouth)は、イングランド南部なんぶドーセットみなみ海岸かいがん位置いちする都市としである。ドーセットの最大さいだい都市としで、人口じんこうやく20まんにん(2021ねん)。11kmつづくビーチや温暖おんだん気候きこうから、イギリス有数ゆうすうのリゾートとしてられる。隣接りんせつする都市としプールおよクライストチャーチともにサウス・イースト・ドーセット都市としけん構成こうせいし、これらをふく人口じんこうやく40まんにんとなる。

イギリスかく都市とし住民じゅうみんにそのまちでの生活せいかつしあわせかをたずねた2007ねんの「イギリスでもっと幸福こうふくまち調査ちょうさで、ボーンマスは回答かいとうしゃの82%がしあわせとこたえ1となった[2]

歴史れきし[編集へんしゅう]

ボーンがわ(Bourne[3])の河口かこう(mouth)を意味いみするボーンマスの地域ちいきめいとして記録きろくはじめて登場とうじょうするのは14世紀せいきである[4]18世紀せいきまではぎなかったが、1812ねんにドーセット義勇ぎゆうのう騎兵きへいだん将校しょうこうルイス・トレゴンウェルLewis Tregonwell地主じぬしジョージ・タップスGeorge Tappsより土地とち購入こうにゅう移住いじゅう。この一帯いったい保養ほようとする計画けいかくてたトレゴンウェルは、結核けっかくくとされていたマツ植樹しょくじゅし、いくつかのかし別荘べっそうヴィラ)をてた。このこころみは結果けっかてき成功せいこうしなかったものの、トレゴンウェルがくなる1832ねんには別荘べっそう家屋かおく点在てんざいするしょうコミュニティとなっていた[5]今日きょうトレゴンウェルは「ボーンマスの創設そうせつしゃ」とされている[6]

タップスの死後しご土地とち相続そうぞくした息子むすこのジョージ・タップス=ジャーヴィスGeorge Tapps-Gervisさらなるまち発展はってん着手ちゃくしゅし、ボーンマス最初さいしょのホテル(現在げんざいのロイヤル・バース・ホテル)を建設けんせつしたり、著名ちょめい作家さっかまねいて滞在たいざいさせるなど、リゾートとしての知名度ちめいど向上こうじょう尽力じんりょくした[5][7]1856ねんには今日きょうがいのシンボルであるボーンマス桟橋さんばし原型げんけいとなるながさ30mの桟橋さんばし設置せっちされた[8]

1870ねん鉄道てつどう開通かいつうするとまち急速きゅうそく発展はってんし、ミッドランドロンドンからの避暑ひしょきゃくにぎわいをせるようになった。1880ねんには17,000にんだった人口じんこう1900ねんには60,000にんがり、おおくの芸術げいじゅつ作家さっか滞在たいざいした[5]20世紀せいきはいると中心ちゅうしんがいおおくの劇場げきじょう、カフェ、ホテル、アール・デコ様式ようしき映画えいがかん誕生たんじょうした。だい世界せかい大戦たいせんなかだい規模きぼばくげきからはまぬかれたが、うみからの侵入しんにゅうそなえて要塞ようさいされた臨海りんかい地区ちく深刻しんこく損害そんがいけた[9]

歴史れきしてきにはハンプシャー一部いちぶであるが、1974ねん地方ちほう行政ぎょうせい再編さいへんによりドーセットに編入へんにゅう1997ねんより単一たんいつ自治体じちたい地位ちい獲得かくとくした。

地理ちり[編集へんしゅう]

ロンドンから170km南西なんせい位置いちする。西にしをプール、ひがしをクライストチャーチ、きたイースト・ドーセットせっし、みなみイギリス海峡かいきょう(プールわん)にめんしている。ストゥアがわ北端ほくたん東端ひがしばた自然しぜん境界きょうかい形成けいせいし、都市としめい由来ゆらいでもあるボーンがわまち中心ちゅうしん分断ぶんだんするようにすすんでイギリス海峡かいきょうへとそそぐ。世界せかい遺産いさんジュラシック・コースト西にし位置いちする。

気候きこう[編集へんしゅう]

みなみ海岸かいがん位置いちするボーンマスは年間ねんかんとおして比較的ひかくてき温暖おんだん気候きこうめぐまれており、なつ平均へいきん気温きおんは12〜22℃、ふゆ平均へいきん気温きおんは1〜8℃である。年間ねんかん降水こうすいりょうやく800mmで、イギリスの国内こくない平均へいきんである1126mmよりすくない[10]

経済けいざい[編集へんしゅう]

イギリス平均へいきんより10%たかい95%の就業しゅうぎょう人口じんこうサービス産業さんぎょう従事じゅうじする。製造せいぞうぎょうとなりまちプールで根付ねついたためボーンマスでは衰退すいたいしており、就業しゅうぎょう人口じんこうの2%にぎない[11]。ボーンマス経済けいざい中心ちゅうしん観光かんこうぎょうであり、年間ねんかん4.4おくポンドやく620おくえん)の収益しゅうえきがある[12]。2020ねん5がつ2019新型しんがたコロナウイルスによるロックダウン解除かいじょされると大勢おおぜい観光かんこうきゃく海岸かいがんせん話題わだいとなった[13]

海岸かいがんせんにほどちかいボーンかわりょうきし形成けいせいされたショッピングストリートは、だい部分ぶぶん歩行ほこうしゃ天国てんごくとなっており、ブティックカフェアクセサリーショップがならんでいる。東部とうぶのボスコム地区ちくBoscombe)にはアンティークショップ露店ろてんが、西にしのウェストボーン地区ちくWestbourne)にはブランドショップやインテリアショップがあつまる。ヴィクトリア様式ようしきのアーケードも各所かくしょられる[14]北部ほくぶ郊外こうがいにはカッスルポイント・ショッピングセンター(Castlepoint Shopping Centre)とばれる大型おおがた商業しょうぎょう施設しせつがある。

文化ぶんか[編集へんしゅう]

ボーンマス桟橋さんばし

7マイルやく11km)つづくビーチやヴィクトリアあさエドワードあさ建築けんちく街並まちなみでられる[15]。かつては現役げんえき引退いんたい生活せいかつたのしむ保養ほようというイメージがあったが、現在げんざいでは中心ちゅうしんがいクラブバーレストランならび、若者わかものがナイトライフを満喫まんきつできるまちとしても人気にんきがある[16]。また語学ごがく学校がっこうおおく、主要しゅよう語学ごがく留学りゅうがくさきとしておおくの留学生りゅうがくせいおとずれる[17]

ランドマーク[編集へんしゅう]

地上ちじょうからたボーンマス・アイ
ボーンマス・インターナショナル・センターとボーンマス海洋かいよう水族館すいぞくかん
  • ボーンマス桟橋さんばし(Bournemouth Pier)
もっと有名ゆうめい観光かんこうスポットのひとつで、ビーチの中央ちゅうおう位置いちする。1856ねん全長ぜんちょう30mの質素しっそ桟橋さんばし設置せっちされ、その度重たびかさなる拡張かくちょう補強ほきょうにより305mにまで延長えんちょうされたが、大戦たいせんなか敵艦てきかん侵入しんにゅうふせぐために上部じょうぶ構造こうぞう除去じょきょされていた。桟橋さんばしじょうにはピア・シアターとばれる劇場げきじょうがあり、レストランやバーも併設へいせつされている[8]
  • ボーンマス・インターナショナル・センター(Bournemouth International Centre, BIC)
3だい政党せいとうとう大会たいかいひらかれるなど会議かいぎじょうとして使用しようされるほか、コンサート会場かいじょうとしても利用りようされる[18]
  • セント・ピーター教会きょうかい(St Peter's Church)
ボーンマスで最初さいしょてられた教会きょうかいで、だいいちきゅう指定してい建築けんちくぶつGrade I listed building)に認定にんていされている[19]。『フランケンシュタイン』の作者さくしゃとしてられるメアリー・シェリー一族いちぞく墓地ぼちがある[20]
  • ボーンマス・ガーデンズ(Bournemouth Gardens)
まち中心ちゅうしんながれるボーンかわ沿ってつくられたヴィクトリア様式ようしき公園こうえん上流じょうりゅうがわからアッパー・ガーデンズ、セントラル・ガーデンズ、ローワー・ガーデンズとばれ、かわともにボーンマス桟橋さんばしまでつづいている[21]
  • ボーンマス・アイ(Bournemouth Eye)
ローワー・ガーデンズないにある、繋留けいりゅうされたヘリウム気球ききゅう。30にん乗客じょうきゃくせて、地上ちじょう150メートルまで上昇じょうしょうする[22]
  • ロイヤル・バース・ホテル(Royal Bath Hotel)
創業そうぎょう1838ねんのヴィクトリア建築けんちくによる高級こうきゅうホテルプリンス・オブ・ウェールズのエドワード7せい)の宿泊しゅくはくより「ロイヤル」をかんする。オスカー・ワイルドとき首相しゅしょうベンジャミン・ディズレーリなどの名士めいし滞在たいざいした[23]
  • パビリオン・シアター(Pavilion Theatre)
  • ボーンマス海洋かいよう水族館すいぞくかん(Oceanarium Bournemouth)
  • ウォーターフロント・コンプレックス(IMAXシネマ
750まんポンドやく11おくえん)を投資とうしし、1999ねん海岸かいがんどおりにオープンしたふくあい娯楽ごらく施設しせつ全高ぜんこう19mのたかさがパーベックとうIsle of Purbeck)をのぞ景観けいかんそこねるとして住民じゅうみん観光かんこうきゃくから非難ひなんこえがり、2005ねん調査ちょうさでは「イングランドでもっときらわれている建物たてもの」に選出せんしゅつされるという不名誉ふめいよこうむった。これをけて、とう施設しせつ2013ねんなかこわしが決定けっていした。跡地あとちには野外やがいのイベントスペースが新設しんせつされる予定よていである[24][25]

芸術げいじゅつ[編集へんしゅう]

セント・ピーター教会きょうかいないにあるメアリー・シェリーとその家族かぞくはか

教育きょういく[編集へんしゅう]

ボーンマス大学だいがくとアーツ・ユニバーシティ・ボーンマスという2つの大学だいがくがあり、いずれもキャンパスはとなりまちプールにまたがっている。ボーンマス大学だいがくはイングランド南部なんぶもっと規模きぼおおきい大学だいがくひとつとしてられている[29]。また語学ごがく教育きょういくさかんなまちとしても有名ゆうめいなボーンマスには多数たすう英語えいご学校がっこうがあり、留学生りゅうがくせい語学ごがく研修けんしゅうさきとしても人気にんきがある[17]

スポーツ[編集へんしゅう]

プレミアリーグ所属しょぞくAFCボーンマスというフットボールクラブがあり、チェリーズ(Cherrys)の愛称あいしょうしたしまれる。

ウォータースポーツさかんで、かぜつよにはおおくのウィンドサーファーカイトサーファーサーフィンたのしむ。ボーンマス東部とうぶのボスコムにはヨーロッパはつ人工じんこうサーフィンリーフが建設けんせつされたが、現在げんざい安全あんぜんじょう理由りゆうにより閉鎖へいさされており、改修かいしゅう作業さぎょうおこなわれている[30]

交通こうつう[編集へんしゅう]

中心ちゅうしんがいからすこはなれてボーンマスえきが、まち東部とうぶにポークスダウンえきがある。まち西側にしがわ住民じゅうみんにはとなりまちプールのブランクサムえき利用りようされる。ロンドン・ウォータールーえきまでやく1あいだ50ふん。バスを利用りようする場合ばあいはロンドンまでやく2あいだ30ふん

ボーンマス国際こくさい空港くうこう中心ちゅうしんがいからくるまで20〜30ぶん場所ばしょにあり、イギリス国内こくないおよびヨーロッパ各国かっこくにアクセスが可能かのう実際じっさいにはボーンマスではなくとなりまちクライストチャーチのはずれに位置いちする)。

関係かんけいしゃ[編集へんしゅう]

ボーンマス出身しゅっしん著名ちょめいじん[編集へんしゅう]

居住きょじゅうそのゆかりある人物じんぶつ[編集へんしゅう]

姉妹しまい都市とし[編集へんしゅう]

ギャラリー[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ city population”. 2023ねん5がつ11にち閲覧えつらん
  2. ^ “Bournemouth happiest town in UK”. BBC News. (2007ねん3がつ8にち). http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/dorset/6431649.stm 2007ねん9がつ6にち閲覧えつらん 
  3. ^ ボーンがわ自体じたいはごくちいさなかわであり、Bourneも「小川おがわ」という意味いみちゅう英語えいご"bourn"(もしくは"burn")からている。
  4. ^ Ashley & Ashley 1990.
  5. ^ a b c Edwards 1981.
  6. ^ Bournemouth honours town founder Lewis Tregonwell”. Daily Echo (2012ねん4がつ24にち). 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  7. ^ Emery 2008, p. 16.
  8. ^ a b History of Bournemouth Pier”. National Piers Society. 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  9. ^ Emery 2008, p. 100.
  10. ^ Average weather in Bournemouth, United Kingdom”. World Weather and Climate Information. 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  11. ^ Key facts on the economy and labour market”. dorsetforyou.com. Dorset County Council. 2013ねん2がつ24にち閲覧えつらん
  12. ^ Economy booming thanks to tourism”. Bournemouth Daily Echo (2007ねん). 2009ねん2がつ12にち閲覧えつらん
  13. ^ えいリゾート、ロックダウン緩和かんわだい混雑こんざつ 地元じもと懸念けねんいか”. BBC (2020ねん5がつ22にち). 2020ねん5がつ22にち閲覧えつらん
  14. ^ Darwin Porter, Danforth Prince (2003). Frommer's Great Britain. John Wiley & Sons. p. 266 
  15. ^ Nick Dalton (2012). Frommer's England and the Best of Wales. John Wiley & Sons. p. 311 
  16. ^ Bournemouth rides a new wave”. The Telegraph (2004ねん7がつ26にち). 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  17. ^ a b c Rawlings 2005, p. 145.
  18. ^ Bournemouth venue marks 25 years”. BBC Dorset. 2012ねん12がつ20日はつか閲覧えつらん
  19. ^ Bournemouth's Listed Buildings”. Bournemouth Borough Council. 2013ねん6がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  20. ^ a b Mary Shelley's Bournemouth legacy”. BBC Dorset (2010ねん2がつ4にち). 2013ねん1がつ12にち閲覧えつらん
  21. ^ Bournemouth, Garden by the Sea”. Bournemouth County Council. p. 2 (2011ねん5がつ). 2013ねん6がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2012ねん9がつ9にち閲覧えつらん
  22. ^ Bournemouth Balloon Facts”. The Bournemouth Balloon. 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  23. ^ Darwin Porter, Danforth Prince (2003). Frommer's Great Britain. John Wiley & Sons. p. 268 
  24. ^ The History of the IMAX”. Daily Echo. 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  25. ^ Bournemouth Imax building dismantled”. BBC News Dorset (2012ねん11月5にち). 2013ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  26. ^ Background”. Russell-Cotes Art Gallery and Museum (2008ねん). 2013ねん1がつ5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん1がつ4にち閲覧えつらん
  27. ^ Rawlings 2005, p. 131.
  28. ^ Rodney Legg (2009ねん11月). “Tolkien in Bournemouth and Dorset”. Dorset Life Magazine. 2013ねん1がつ12にち閲覧えつらん
  29. ^ A Picture of Bournemouth”. Bournemouth Borough Council. p. 13 (2011ねん). 2012ねん11月21にち閲覧えつらん
  30. ^ Boscombe surf reef closed over safety concerns”. BBC News Dorset (2011ねん3がつ31にち). 2011ねん5がつ6にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Andrews, Ian; Henson, Frank (2004). Images of England - Bournemouth. Stroud, Glos: Tempus Publishing Ltd 
  • Ashley, Harry W.; Ashley, Hugh (1990). Bournemouth 1890-1990 (a brief history of Bournemouth over the last 100 years). Bournemouth: Bournemouth Borough Council 
  • Cave, Paul (1986). A History of the Resort of Bournemouth. Southampton: Paul Cave Publications Ltd 
  • Edwards, Elizabeth (1981). A History of Bournemouth. Phillimore & Co 
  • Emery, Andrew (2008). A History of Bournemouth Seafront. Stroud, Glos: Tempus Publishing Ltd 
  • Rawlings, Keith (2005). Just Bournemouth. Wimborne: Dovecote Press 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]