ランバダ

ランバダ（ランバーダ, Lambada）とは、南米なんべいから発祥はっしょうし、1980年代ねんだい後半こうはんに世界せかい的てきに有名ゆうめいになったダンス及および音楽おんがくである。

概要がいよう

ランバダは、ブラジルのフォホー（英語えいご版ばん）やマーシン（ポルトガル語ご版ばん）、カリンボー（ポルトガル語ご版ばん）などに起源きげんがあるとされ、またドミニカのメレンゲやコロンビアのクンビアが、それらブラジルのリズム音楽おんがくの影響えいきょうの元もとに変化へんかしたものである。したがってランバダは、南米なんべいのいくつかの異ことなる文化ぶんかが混まざりあったものである。

男女だんじょがペアで踊おどるダンスであるが、密着みっちゃく度どが高たかく、腰こしをくねくね動うごかすパフォーマンスと時ときに片足かたあしを相手あいての股またの間あいだに入いれてお互たがいの股間こかん（局部きょくぶ）を太股ふとももで刺激しげきするように擦こすり合あわせ腰こしをすり寄よせる格好かっこうをする、極きわめてエロチックなダンスとして話題わだいになった。1980年代ねんだいに日本にっぽんで流行りゅうこうしていたディスコでは、そのエロチックさ故ゆえにランバダを踊おどることを禁止きんしする所ところも現あらわれた。

ダンスとしてのランバダは、ブラジルのノルデスチ（北東ほくとう部ぶ）であるパラー州しゅうを中心ちゅうしんに、ブラジル由来ゆらいのダンス音楽おんがくと他たのスペイン語ご圏けんを由来ゆらいとするダンス音楽おんがくが親したしまれて踊おどられていたことから、その2つが結むすびついたことに由来ゆらいする。特とくに大西洋たいせいよう側がわのポルト・セグーロで広ひろまったとされるのが一般いっぱん的てきである。

現在げんざい、ランバダはカリブ由来ゆらい（フランス領りょう小しょうアンティール諸島しょとうのグアドループ、マルティニーク）のズーク（Zouk）とミクスチャーされて踊おどられている。日本にっぽんにも愛好あいこう者しゃが多おおい。

ランバダという言葉ことばには、「鞭むちで打うつ」という意味いみがあるとされる。

カオマのランバダ

このダンスのための曲きょくとして、フランスの「カオマ」(Kaoma) というグループが1989年ねんに「Lambada」（オリコン最高さいこう位い12位い）というヒット曲きょくを出だした。また、カオマの曲きょくはいろいろなアーティストがカバーし、日本にっぽんでは特とくに石井いしい明美あけみが日本語にほんご詞し（作詞さくし：麻木あさぎかおる）でカバーしたことでも知しられている。なおカオマは、当時とうじのいわゆるワールドミュージックのブームの先駆せんく的てきなバンドでフランスを拠点きょてんとしていたが、メンバーはブラジル人じんなど様々さまざまな国くにの出身しゅっしん者しゃで構成こうせいされた多た国籍こくせきバンドであった。

カオマのランバダは、ボリビアを代表だいひょうするフォルクローレグループであるロス・カルカス (Los Kjarkas)のオリジナル曲きょく「Llorando se fue（ジョランド・セ・フエ：泣なきながら去さった、日本語にほんご題だい：『泣なきながら』）」を無断むだんで盗用とうようした曲きょくであった。原曲げんきょくは愛あいする人ひととの悲かなしみの別わかれを歌うたった、哀愁あいしゅうのあるしっとりとしたものであったのに対たいし、カオマは曲調きょくちょうをアップテンポにして密着みっちゃく度どの多おおいダンスをつけた。当時とうじボリビアは著作ちょさく権けん保護ほごの法ほう整備せいびが進すすんでいなかった事こともあり、カオマが法的ほうてきに裁さばかれることはなかったが、原曲げんきょくを知しる人ひとたちの中なかには、カオマの行為こういに憤いきどおりを感かんじ、全まったく異ことなるイメージの曲きょくとして全ぜん世界せかいに広ひろまってしまったことを悲かなしむ者ものも少すくなくなかった。その反面はんめん、ランバダのヒットにより、日本にっぽんなどでは原曲げんきょくの“Llorando se fue”の知名度ちめいどが上あがり、今いまでは「コンドルは飛とんでいく」と並ならびフォルクローレの定番ていばんとなっている。

カオマのヒットにより、1990年ねんには映画えいが『ランバダ/青春せいしゅんに燃もえて（英語えいご版ばん）』が制作せいさく・公開こうかいされ、のちにブレイクするジェニファー・ロペスも出演しゅつえんしていた。

アレンジ

2011年ねんに発売はつばいしたOn the Floor（英語えいご版ばん）（ジェニファー・ロペスfeat.ピットブル名義めいぎ）で、カオマ版ばんのこの曲きょくをアレンジしている。

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