メレンゲ (音楽おんがく)

メレンゲ（音楽おんがく）
様式ようしき的てき起源きげん	マンボ、ボンバ、ジャズ、ソン
文化ぶんか的てき起源きげん	19世紀せいき半なかば; ドミニカ
使用しよう楽器がっき	アコーディオン、ベースギター、ギロ、タンボーラ、サックス、トロンボーン、トランペット、コンガ
融合ゆうごうジャンル
	レゲトン、メレンラップ、メレンハウス
地域ちいき的てきなスタイル
	中南米ちゅうなんべい
関連かんれん項目こうもく
	本文ほんぶん参照さんしょう
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メレンゲ（英語えいご・スペイン語ご（アメリカ大陸あめりかたいりく） merengue, フランス語ふらんすご meringue, ハイチ・クレオール語ご meringue）はカリブ海かりぶかい周辺しゅうへん諸国しょこく及およびアメリカなどのラティーノ文化ぶんか圏けんで演奏えんそうされるラテン音楽おんがく、及およびダンス。ハイチではメラングと呼よばれている。

大おおきく分わけてドミニカ発祥はっしょうのメレンゲと、ベネズエラ発祥はっしょうのメレンゲに分わけられる。以下いかは特記とっきのない限かぎりドミニカ系けいのメレンゲの説明せつめいとする。

概要がいよう[編集へんしゅう]

メレンゲはアフリカとヨーロッパの要素ようそが融合ゆうごうした音楽おんがくである。楽器がっきはアコーディオン、ベースギター、ギロ、タンボーラなどが使用しようされる。ピアノ、サクソフォン、トランペット、ギター、コンガなどが使用しようされることも多おおい。

基本きほんが2拍子ひょうしの単純たんじゅんなリズムなため踊おどりやすい。即興そっきょうが容易よういで、ヒップホップやハウスなど他たのジャンルの音楽おんがくと合体がったいして多様たような展開てんかいを見みせている。

詳細しょうさい[編集へんしゅう]

「メレンゲ」という言葉ことばの語源ごげんには諸説しょせつあるが、フランスのデザートのメレンゲから、もしくは西にしアフリカのダンスと音楽おんがくに関かんする言葉ことばからとも言いわれる。

19世紀せいき中頃なかごろにギロとタンボーラによって構成こうせいされるメレンゲの基本きほんスタイルが確立かくりつされた^[1]。その後ご、「メレンゲの父ちち」と呼よばれるファン・バウティスタ・アルフォンセカ（スペイン語ご版ばん）の手てによって上流じょうりゅう階級かいきゅう向むけのメレンゲが様式ようしき化かされた。また、マリンバやアコーディオンが加くわわったテンポの速はやい民俗みんぞく的てきなメレンゲが現あらわれ、のちにペリーコ・リピアーオの名なで呼よばれるようになった。

ドミニカ共和国どみにかきょうわこくでは1930年ねんから1961年ねんの独裁どくさい者しゃ、ラファエル・トルヒーヨによってメレンゲは政治せいじ宣伝せんでんの手段しゅだんとして利用りようされ、国民こくみんにメレンゲを踊おどるように推奨すいしょうした。この時期じきにベースギター・ギター、サクソフォンが加くわわったメレンゲ楽団がくだん（メレンゲ・ティピコ）というスタイルが確立かくりつされた^[2]。1950年代ねんだいには、ルイス・アルベルティのダンス向むきのメレンゲ曲きょくもヒットした^[3]。 1960年代ねんだいよりジョニー・ベントゥーラ（英語えいご版ばん）が率ひきいる、ホーン奏者そうしゃ5人にんを含ふくむ12人にん編成へんせいのコンポ、ソウル歌手かしゅのような派手はでな衣装いしょうで全員ぜんいん揃そろってステップを踏ふむといった革新かくしん的てきなメレンゲが人気にんきを集あつめた^[4]。1980年代ねんだいにはウィルフリード・バルガス（英語えいご版ばん）らの活躍かつやくにより、ニューヨークやラテンアメリカ全域ぜんいきにメレンゲを広ひろめた。

1980年代ねんだい末まつより、フアン・ルイス・ゲラ＆4.40（クアトロ・クアレンタ）が日常にちじょう的てきで詩的してきな歌詞かしを持もつ「コーヒーの雨あめを降ふらせろ」で爆発ばくはつ的てきな人気にんきを得えた。ゲラの音楽おんがくは、それまでの陳腐ちんぷな恋愛れんあいや猥雑わいざつな歌うたからメレンゲの将来しょうらいを一変いっぺんさせた。

1990年代ねんだい以後いご、サルサとメレンゲの融合ゆうごうからプエルトリコでメレンゲが盛さかんとなった。また、ニューヨークのラティーノたちによって、メレンラップやメレンハウスなど、クラブ・ミュージックとして発展はってんした。

ダンス[編集へんしゅう]

メレンゲはラテンダンスのステップの一ひとつでもある。ドミニカのメレンゲは早はやい2ビートの音楽おんがくに合あわせて2ビートのステップを繰くり返かえす。基本きほん的てきに左右さゆうの動うごきだが、前まえに出でる動うごきが挿入そうにゅうされることもある^[5]。サルサやメレンゲは男女だんじょが密着みっちゃくして踊おどるスタイルだったが、近年きんねんはプンタやマカレナの流行りゅうこうの影響えいきょうから、きびきびと力強ちからづよく踊おどるスタイルに変化へんかしてきている^[6]。

代表だいひょう的てきなアーティスト[編集へんしゅう]

ベネズエラのメレンゲ[編集へんしゅう]

ベネズエラのメレンゲは3拍子ひょうしと2拍子ひょうしが等間隔とうかんかくに交互こうご進行しんこうする、8分ぶんの5拍子ひょうしが基本きほんのリズムとなる^[7]。アフロ系けいのスイング感かんとヨーロッパ音楽おんがくのコード進行しんこうが融合ゆうごうしたダンス音楽おんがくで、19世紀せいき半なかばに首都しゅとカラカスを中心ちゅうしんに流行りゅうこうし、20世紀せいきの中頃なかごろまでは国民こくみん的てきな音楽おんがくとして親したしまれた。

1940年代ねんだい以降いこう、基幹きかん産業さんぎょうが農業のうぎょうから石油せきゆ産業さんぎょうに転換てんかんするとともに、人口じんこうが都市としへと流入りゅうにゅうし農村のうそんが衰退すいたいしてしまう。それにつれキューバやドミニカといった外国がいこくの音楽おんがくへ人々ひとびとの嗜好しこうが変化へんかしてしまい、ベネズエラのメレンゲは衰退すいたいしてしまった^[7]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ 北中きたじゅう 2007, p. 41.
^ 東ひがし 2002, p. 44.
^ http://www.ballroomdanceacademy.com/the-dances/descriptions-of-dances/merengue/　　Ballroom Dance Academy
^ スチュワード 2000, pp. 104–117.
^ スチュワード 2000, pp. 14–15.
^ スチュワード 2000, p. 117.
^ ^a ^b 石橋いしばし 2010, pp. 132–133.