(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ズーク - Wikipedia コンテンツにスキップ

ズーク

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ズーク
様式ようしきてき起源きげん ハイチの音楽おんがくジャンルであるコンパ[1], カデンス・リプソ[1], ビギン[1], グオッカ[1], カダンスなどを融合ゆうごうしたジャンル。
文化ぶんかてき起源きげん 1980年代ねんだいに、フランスりょうアンティルグアドループマルティニーク)、ハイチセントルシアドミニカ[よう曖昧あいまい回避かいひ]などで誕生たんじょう
使用しよう楽器がっき ベレもちいられる楽器がっきマケブーラなどの太鼓たいこチ・ブワなどの打楽器だがっき[2];管楽器かんがっきシンセサイザーギターベース[3]など。
サブジャンル
ズーク・ラヴ - キゾンバ - コラ・ズーク
融合ゆうごうジャンル
ズーク・ランバダ- ズークR&B- コンパ・ラヴ
地域ちいきてきなスタイル
ハイチ - しょうアンティル諸島しょとう - 西にしアフリカ - フランス - ポルトガル
テンプレートを表示ひょうじ

ズーク(Zouk)は、グアドループマルティニークなどのフランスりょうアンティル発祥はっしょうとする音楽おんがくのジャンルである。ズークというジャンルを確立かくりつさせたのは、クレオール言語げんごはなブラック・カリブである[4]。ズークのうたおおくはアンティルけいのクレオール(フランス語ふらんすごけい)でうたわれる[3]しょうアンティル諸島しょとうのクレオール言語げんごにおいて、Zouk は「パーティ」「まつり」という意味いみがあるが、19世紀せいきカリブ海かりぶかい諸島しょとうひろまったポーランドのダンス音楽おんがくマズルカのことをさすこともしばしばある[1]。ズークは発祥はっしょうのアンティルのみならず、カナダのケベックしゅうフランスなど、フランス語ふらんすご公用こうようである地域ちいきひろしたしまれている。またアフリカでも、フランス語ふらんすごけん人気にんきのあるジャンルである。

特徴とくちょう

[編集へんしゅう]
ズークのリズム

多用たようした徹底的てっていてきなスタジオワークが特徴とくちょうであり、単純たんじゅんなフレーズをかえワーク・ソングふう音楽おんがくおお[5]。また、ビギンなどクレオール伝統でんとう音楽おんがく大胆だいたんりれたルーツ志向しこうつよ音楽おんがくである。

発祥はっしょう

[編集へんしゅう]

キューバ音楽おんがくが20世紀せいきはいっても発展はってんげた一方いっぽうで、1960年代ねんだいごろまでマルティニークなどのしょうアンティル諸島しょとう音楽おんがく停滞ていたいしていたとされる[6]

しかし1960年代ねんだい後半こうはんはいり、ハイチ流行りゅうこうした音楽おんがくジャンルであるコンパCompas)に、ビギンBiguine)をれたカダンスKadans)というジャンルがしょうアンティル諸島しょとうまれた[5]。 1970年代ねんだいはいり、ドミニカ[よう曖昧あいまい回避かいひ]からカダンスにソウル、レゲエれたリプソ出現しゅつげんフレンチ・カリビアン音楽おんがくかい衝撃しょうげきあたえ、クレオールうたわれるカリビアン音楽おんがく登場とうじょう待望たいぼうされた[5]

1978ねんパリのスタジオでピエール・エドゥアール・デシムス当時とうじアンティーユながれていたさまざまな音楽おんがくもとに、あたらしいダンス・ミュージックを誕生たんじょうさせた。そのときのレコーディングメンバーをもと1979ねんカッサヴKassav')が結成けっせいされ、1984ねんに「ズークだけがおれたちのクスリさ」をヒットさせた。

その、ズークはR&Bやレゲエの影響えいきょうけ、ゆっくりとしたテンポでより歌謡かようせいたかいズーク・ラヴへと展開てんかいした。ズークのサウンドはメレンゲソカといったほかのの音楽おんがくジャンルにも影響えいきょうあたえ、1990年代ねんだいはいったのちもフレンチ・カリビアンの音楽おんがく一定いってい地位ちいたもっている[7]

日本にっぽんでも、カッサヴやマラヴォワMalavoi)といったアーティストにより、ズークという音楽おんがく紹介しょうかいされた[8]

ズークのアーティスト

[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e World Music: Latin and North America, Caribbean, India, Asia and Pacific. Rough Guides. (2000). p. 290. ISBN 9781858286365. https://books.google.co.uk/books?id=QzX8THIgRjUC&pg=PA289&dq=zouk&lr=lang_en%7Clang_fr%7Clang_de&hl=ko&cd=2#v=onepage&q=zouk&f=false 2010ねん5がつ22にち閲覧えつらん 
  2. ^ Manuel, Peter (2001). “Indo-Caribbean Music”. Garland Encyclopedia of World Music. New York and London: Garland Publishing. pp. 918–918. ISBN 0-8240-6040-7. https://books.google.co.uk/books?id=Xb2ibVAXO9sC&pg=PA918&dq=zouk+mazurka&hl=ko&ei=-70bTLTvN5KaOOGo0NAK&sa=X&oi=book_result&ct=result 
  3. ^ a b Guilbault, Jocelyne (1993). Zouk: world music in the West Indies. University of Chicago Press. p. 9. ISBN 9780226310411. https://books.google.co.uk/books?id=d0lrjteCl2IC&pg=PA33&dq=%22Henri+Guedon%22&lr=&hl=ko&cd=12#v=onepage&q=%22Henri%20Guedon%22&f=false 2010ねん5がつ22にち閲覧えつらん 
  4. ^ Guilbault, Jocelyne (1993). Zouk: world music in the West Indies. University of Chicago Press. p. 7. ISBN 9780226310411. https://books.google.co.uk/books?id=d0lrjteCl2IC&pg=PA33&dq=%22Henri+Guedon%22&lr=&hl=ko&cd=12#v=onepage&q=%22Henri%20Guedon%22&f=false 2010ねん5がつ22にち閲覧えつらん 
  5. ^ a b c 北中きたじゅう 2007, pp. 48–49.
  6. ^ 中村なかむらとうよう 2006, p. 3, 『ジュ・ウヴェ』ライナーノーツ
  7. ^ ひがし 2002, pp. 122–124.
  8. ^ 中村なかむらとうよう 2006, p. 2, 『ジュ・ウヴェ』ライナーノーツ

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • ひがし琢磨たくま へん『カリブ・ラテンアメリカ おん地図ちず音楽之友社おんがくのともしゃ、2002ねんISBN 4276238242 
  • 北中きたじゅう正和しょうわ 監修かんしゅう世界せかい音楽おんがくでできている:中南米ちゅうなんべい北米ほくべい・アフリカへん音楽おんがく出版しゅっぱんしゃ、2007ねんISBN 9784861710261 
  • マラヴォワ『ジュ・ウヴェ』(CD)中村なかむらとうよう(ライナーノーツ)(リマスターばん)、ライス(Creon Music)、2006ねん。MSR-581。 音源おんげんは1989年版ねんばんおなじ。

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]