クンビア

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クンビア

クンビア西にし: Cumbia)は、南米なんべいコロンビア沿岸えんがん地方ちほう伝統でんとうてきつたわるリズムと舞曲ぶきょくのこと。山岳さんがく地帯ちたい音楽おんがくバンブーコならびコロンビアを代表だいひょうする音楽おんがくとされる。

起源きげん[編集へんしゅう]

この舞曲ぶきょくまれた場所ばしょについては諸説しょせつあるが、一般いっぱんてきには“デプレシオン・モンポシーナ(Depresión Momposina)”と総称そうしょうされるマグダレナがわしも流域りゅういきとセサルがわなどその支流しりゅういきとされ、現在げんざい行政ぎょうせい区分くぶんでいうとエル・バンコ、モンポス、チミチャグアなどがその中心ちゅうしんになる。このは、同時どうじ先住民せんじゅうみんのことばで“ポカブイ(Pocabuy)”とばれる地域ちいきかさなる。ただし、コロンビア大衆たいしゅう文化ぶんかかんするアフロけい女性じょせい研究けんきゅうしゃ先駆せんくデリア・サパタはより海岸かいがん地方ちほうとのせつとなえている。

この音楽おんがくまれた時期じきについては、漠然ばくぜんと19世紀せいきとされることがある。ただ、コロンビアでラジオ放送ほうそうはじまったのは1929ねんはじめてクンビアが録音ろくおんされたのは1950ねんとされているので、発祥はっしょう時期じきといい、場所ばしょといい、複製ふくせいメディアに記録きろくされるまえとなり、正確せいかく確認かくにんすることは不可能ふかのうである。

「クンビア」というかたり語源ごげんについては、「うたげ」を意味いみするアフリカ・バントゥーけいのことば「クンベ」に由来ゆらいされると説明せつめいされる。ただし、クンビアが、アフロけい舞曲ぶきょくしていたことはたしかであっても、それが具体ぐたいてきにどのような特徴とくちょうをもつ音楽おんがくジャンルをしていたのか、ポロ、ガイタなどのきんえんほかのジャンルとどう区別くべつされていたのかもよくわかっていない。 一部いちぶのコロンビアの文献ぶんけんには、クンビアは、ポロ、ガイタ、ブジェレンゲ、バジェナートよっつのリズム(パセオ、ソン、プージャ、メレンゲ)など、おおくのコスタの音楽おんがく母体ぼたいになったという記述きじゅつがある[1][2][3][4]。ただし、ホセ・マリア・エミルト・デ・リマが、コロンビア大西洋たいせいようがん地方ちほう音楽おんがく複製ふくせいメディアに記録きろくされるまえである1942ねん発表はっぴょうしたコロンビア大衆たいしゅう音楽おんがく研究けんきゅう古典こてん“Folklore Colombiano”では、クンビアンバ(Cumbiamba)、ポロ(Porro)、チチャマヤ(Chicha Maya)、プーヤ(Puya)、マパレー(Mapalé)、メレンゲ(Merengue)、ガイタ(Gaita Indigena)さらに現在げんざい太平洋たいへいようがん音楽おんがくとされているクルラオ(Currulao)が大西洋たいせいようがん音楽おんがくとして紹介しょうかいされているが、クンビア(Cumbia)の名前なまえはない。

いずれにせよ、この奴隷どれいとしてれてこられたアフロけい人々ひとびとが、重要じゅうようなコンセプトや出来事できごとなどみずからのエスニックグループの記憶きおくを、うたとダンスによってメンバーあいだ共有きょうゆうし、次世代じせだいつたえようとしたいとなみがあり、それにこの地域ちいきはぐくまれていたシヌー文化ぶんかぞくする先住民せんじゅうみん伝統でんとう楽器がっきやメロディがくわわったのがクンビアのはじまりであるというのはたしかなようである。そうした起源きげんは、このジャンルに宗教しゅうきょうてき精神せいしんてきなテーマや典礼てんれいりあげたものがおおいこと、アフロけいのコミュニティの宗教しゅうきょう儀式ぎしき起源きげんをもつとされるろうそくをもってすりあしおどるダンス(ただしこれはインディヘナ起源きげんとするせつもある)に、いまもみることができる。

ジャマドール
タンボーラ

リズムと楽器がっき編成へんせいについても記述きじゅつする。クンビアのリズムは4ぶんの2拍子ひょうし基本きほんである。使つかわれる楽器がっき以下いかのとおり。

  • ふえ - ガイタ(gaita)とばれるたてふえには、あなが5つのガイタ・エンブラ(gaita hembra、先住民せんじゅうみんのことばでは“kuisi bunzí”)と2つのガイタ・マチョ(gaita macho,先住民せんじゅうみんのことばでは“ kuisi sigí ”)がある。また、フラウタ・デ・ミージョ(flauta de millo)またはピト・アトラベサオ(pito atravesao)とばれる横笛よこぶえ使つかわれる。いずれも先住民せんじゅうみん起源きげんで、このふえかなでるチャルメラふう独特どくとくうつくしいメロディラインもクンビアの特徴とくちょう
  • 太鼓たいこ - 一番いちばんちいさいのはジャマドール(llamador)またはマチョ(macho)、そのばいじゃくぐらいのおおきさのものがアレグレ(alegre)またはエンブラ(hembra)。タンボーラ(tambora)はふたつとことなり、両側りょうがわかわってある。クンビアのリズムそのものは4ぶんの2拍子ひょうしきわめて単純たんじゅんなものだが、太鼓たいこはたきだすポリリズムも、この音楽おんがく魅力みりょくひとつ。
  • マラコンなど - マラコン(maracón)は大型おおがたのマラカス。先住民せんじゅうみん起源きげんで、かつては乾燥かんそうしたカボチャのなかあなけてたねをいれてつくった。グアチェ(guache)はよこにしてする。

1950年代ねんだいから1960年代ねんだいにかけてポピュラー音楽おんがく一気いっきすすみ、さらにコロンビア国外こくがいでもられるようになったが、それらのレパートリーのなかにはクンビアというラベルにもかかわらず、音楽おんがくてきにはむしろポロとしたほうが適切てきせつなものが多数たすうある。

1981ねん有名ゆうめいになったきょく、Cumbiaのきょく:La Colegiala(ラ・コレヒアーラ)はミリオンセラーとなり、ながあいされている。Rodolfo y Tupicaの演奏えんそう歌唱かしょう世界中せかいじゅう放映ほうえいされた。コロンビアをはじめ、南米なんべいのコーヒーをイメージさせ、このきょく収録しゅうろくしたCDが土産みやげてんならんでいるほどである。Zumbaダンス・エクササイズなどでもげられてリバイバルしている。

関連かんれんジャンル[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ ラ・クンビア2021ねん2がつ5にち閲覧えつらん
  2. ^ http://www.geocities.ws/lucentum3/musifolk2.html%7Ctitle= Ritmos de Colombia|author=Eddie Ferreira|website=Geocities.ws
  3. ^ The Cumbia – Drumset Adaptations of a Traditional Colombian/Panamanian Rhythm
  4. ^ Cheville, Lila, Festivals and Dances of Panama, Panamá: Litho Impresora Panamá, 1977. 187 p.; 22 cm. Page 128-133

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • De Lima, Emirto. Folklore Colombiano. Fundación Cultural Nueva Música, 2009
  • Portaccio Fontalvo, José. Colombia y su Música. Volumen 1 - Canciones y fiestas de las llanuras del Caribe y Pacifico. Diagramación, 1995

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]