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ラートリー(Rātrī)は、夜の意で、インド神話における夜の女神である。天空神ディヤウスの娘で[1]、暁の女神ウシャスの姉[2]。また太陽の母とされる。『リグ・ヴェーダ』における数少ない女神の1つであり、ウシャスとともに称えられることが多いが[3]、独立讃歌はわずか1詩篇にとどまる(10巻127)。讃歌においては夜間の安全と安息が祈願されており、それによると女神は夜空の星を目としてあらゆる地を監視し[4]、ウシャスと交代して暗闇を遠ざけ、帰路に就く者を守護し、オオカミや盗人を遠ざけるという[5]。
- ^ 『リグ・ヴェーダ』10巻127・8。
- ^ 『リグ・ヴェーダ』10巻127・3。
- ^ 『インド神話伝説辞典』によれば1巻142、188など(ラートリーの項、p.339)。
- ^ 『リグ・ヴェーダ』10巻127・1。
- ^ 『リグ・ヴェーダ』10巻127・3-6。