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プリティヴィー(Pṛthivī)は、インド神話の古き地母神。「広き者」という意味。
プリトヴィー(Pṛthvĭ)とも発音される。
ディヤウスの妻とされ、インドラやアグニを産み出したといわれる。
プリティヴィーマーター(Pṛthivĭ Mātā、母なる大地)はディヤウシュ・ピトリ(Dyauṣ Pitṛ、父なる天空)との対比で言及され、『リグ・ヴェーダ』においては両数形でディヤーヴァープリティヴィー (Dyāvāpṛthivī) と呼ばれる一対の天地両神とされる[1][2]。
『リグ・ヴェーダ』ではディヤウスとともに天地両神として6篇の独立讃歌を持つが、単体としては1篇3詩篇の独立讃歌にとどまる。それによれば、プリティヴィーは堅固で、山岳を担い、樹木を保ち、道路に富み、大地に活気をもたらすとされる。
また『ヴィシュヌ・プラーナ』によると、農耕のなかった時代に、プリトゥ(英語版)という王が初めて大地を開墾し、豊穣をもたらしたので、大地の女神はプリトゥにちなんでプリティヴィーと呼ばれるようになったと伝えられている。
後に仏教に取り入れられ、地天(じてん)とされる。地蔵菩薩の起源とも言われる[3]。
- ^ 立川武蔵『ヒンドゥー神話の神々』せりか書房、2008年、314頁。
- ^ Doniger O'Flaherty, Wendy, ed. (2007). 『The Rig Veda』、Penguin Books、ISBN 978-0140449891、p. 201, 330
- ^ 鏡花の女人救済の原型(諸岡哲也)仏教大学大学院紀要文学研究科篇第47号(二〇一九2019年3月)
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