(Translated by https://www.hiragana.jp/)
アグニ - Wikipedia コンテンツにスキップ

アグニ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アグニしん18世紀せいき細密さいみつより

アグニ: अग्नि [agni])は、インド神話しんわしん

解説かいせつ[編集へんしゅう]

赤色あかいろからだほのおころもまとい、めんひじななまいした姿すがたえがかれることがおおい。ディヤウスプリティヴィー息子むすことするせつもあるが、ブラフマー創造そうぞうした蓮華れんげから誕生たんじょうしたとするせつや、太陽たいようまたはいしからまれたとするせつもある。また、誕生たんじょうすぐに両親りょうしんころしたともいわれる。つまスヴァーハーで、一説いっせつによるとスカンダかれ息子むすこであるという。アーリアじんはい信仰しんこう起源きげんとするふるかみだとかんがえられ、イラン神話しんわアータル起源きげんおなじくする。のあらゆる属性ぞくせい神格しんかくであるが、とく儀式ぎしきにおけるまつりとして重視じゅうしされる。供物くもつまつりたるアグニにとうじられてけむりとなりてんとどけられ、かみ々はアグニによって祭場さいじょう召喚しょうかんされる。すなわちかれ地上ちじょう人間にんげん天上てんじょうかみとの仲介ちゅうかいしゃであり(これはブードゥーきょうレグバLegba〉とる)、『リグ・ヴェーダ』においては最初さいしょ名前なまえばれており、冒頭ぼうとう讃歌さんかささげられ、インドラいでおおくの讃歌さんかささげられるなどきわめて重視じゅうしされる。

またかれ天上てんじょうにあっては太陽たいよう中空なかぞらにあっては稲妻いなづまにあってはまつりなど、世界せかい遍在へんざいする。いえもり、また心中しんちゅうのいかりのほのお思想しそう霊感れいかんとしても存在そんざいするとかんがえられた。また人間にんげん動物どうぶつ体内たいないにあっては食物しょくもつ消化しょうか作用さようとして存在そんざいし、栄養えいよう全身ぜんしんわたらせて健康けんこうをもたらし、ひいては子孫しそん繁栄はんえい財産ざいさん家畜かちく)の増大ぞうだいなどももたらすとされた。

のちにはローカパーラlokapāla世界せかい守護神しゅごじん〉)八神はっしんいちはしらとして、東南とうなん方角ほうがく守護しゅごするとされた。だが、後期こうきになるとかげうすくなり、叙情詩じょじょうしラーマーヤナ』においてラーヴァナによって尻尾しっぽけられたハヌマーン治療ちりょうをした程度ていどである。仏教ぶっきょうではてん(かてん)とばれる。

ヒッタイト文書ぶんしょられる神格しんかくアクニ(Akni)はアグニからの借用しゃくようだとするせつもある(Johann Tischler, Hethitisches Etymologisches Glossar, Lieferung 1, Innsbruck: 1977)。

言語げんごがく[編集へんしゅう]

サンスクリットagní-インド・ヨーロッパ祖語そご *h₁ngʷ-ni- から派生はせいしたものとかんがえられ〈アグニ〉のほか〈〉もあらわし、これとどうみなもとかたりにはロシア огонь (ogon')〈〉(< スラヴ祖語そご *ògņь) やラテン語らてんご ignis〉などがあり[1]後者こうしゃ動詞どうし ignīre過去かこ分詞ぶんし ignītus英語えいご igniteをつける〉の語源ごげんともなった[2]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Derksen, Rick (2008). Etymological Dictionary of the Slavic Inherited Lexicon. Leiden Indo-European etymological dictionary series. 4. Leiden: Brill. p. 364. NCID BA85999306 
  2. ^ 小学館しょうがくかんランダムハウス英和大えいわだい辞典じてん だい2はん 編集へんしゅう委員いいんかい へん へん「ignite」『小学館しょうがくかんランダムハウス英和大えいわだい辞典じてん』(だいはん)、1994ねんISBN 4-09-510101-6 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]