ブラフマン

ブラフマン（ब्रह्मन्、brahman）は、ヒンドゥー教きょうまたはインド哲学てつがくにおける宇宙うちゅうの根ね理り。自己じこの中心ちゅうしんであるアートマンは、ブラフマンと同一どういつ（等価とうか）であるとされる（梵我一如いちにょ）。

概要がいよう

サンスクリットの「力ちから」を意味いみする単語たんごからきている。特とくに、物質ぶっしつ世界せかいを変かえる儀式ぎしきや犠牲ぎせい（生贄いけにえ）の力ちからを意味いみする。そこから、単語たんごの2つ目めの意味いみが出でてくる。2つ目めの意味いみはヒンドゥー教きょうの最高さいこうのカースト、ブラフミン（en:Brahmins、バラモン）であり、彼かれらは上述じょうじゅつのような力ちからを持もっているとされる。

歴史れきし

神聖しんせいな書物しょもつであるウパニシャッドにあるように、ヒンドゥー教きょうのヴェーダーンタ学派がくは (Vedantic) の思想しそうによれば、この単語たんごが指さしているのは、外界がいかいに存在そんざいする全すべての物ものと全すべての活動かつどうの背後はいごにあって、究極きゅうきょくで不変ふへんの現実げんじつである。

ブラフマンは宇宙うちゅうの源みなもとである。神聖しんせいな知性ちせいとして見みなされ、全すべての存在そんざいに浸透しんとうしている。それゆえに、多おおくのヒンドゥーの神かみ々は1つのブラフマンの現あらわれである。初期しょきの宗教しゅうきょう的てきな文書ぶんしょ、ヴェーダ群ぐんの中なかでは、全すべての神かみ々は、ブラフマンから発生はっせいしたと見みなされる。

Great indeed are the Gods who have sprung out of Brahman. - Atharva Veda
偉大いだいなるものは、実じつに、ブラフマンの中なかから湧わき出でて来きた神かみ々である。 - 『アタルヴァ・ヴェーダ』

ウパニシャッドの哲学てつがく者しゃは、ブラフマンは、アートマンと同一どういつであるとする。ヒンドゥーの神かみ々の体系たいけいでは、ブラフマンはブラフマーと同一どういつのものと見みなされる。ブラフマー（創造そうぞう者しゃ）は三神みかみ一体いったい（Trimurti）の神かみ々の1つであり、ヴィシュヌ（保持ほじ者しゃ）と、シヴァ（破壊はかい者しゃ）とは本来ほんらい同一どういつとされている。

関連かんれん項目こうもく

• ブラフモ・サマージ
• 梵天ぼんてん
• トリムルティ（三神みかみ一体いったい）
• 釈迦しゃか