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じゅん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
パーリ経典きょうてん登場とうじょうする沙門しゃもん[1] (ろく外道げどう)
(沙門しゃもんはてけいより[2])
沙門しゃもん[1] ろん(思想しそう)[2]
プーラナ・カッサパ 道徳どうとくろん道徳どうとく否定ひていろん: 善行ぜんこう悪行あくぎょうもなく、善悪ぜんあくいずれのむくいも存在そんざいしない。
マッカリ・ゴーサーラ
(アージーヴィカきょう)
運命うんめい決定けっていろん (宿命しゅくめいろん): 自己じこ意志いしによるおこないはなく、一切いっさいはあらかじめ決定けっていされており、さだめられた期間きかん流転るてんするさだめである。
アジタ・ケーサカンバリン
(じゅん)
唯物ゆいぶつろん感覚かんかくろん快楽かいらく主義しゅぎ: ひと四大しだいからなり、ぬとさんなにのこらない。善悪ぜんあくいずれのおこないのむくいもないとし、現世げんせい快楽かいらく享楽きょうらくのみをく。
パクダ・カッチャーヤナ
常住じょうじゅうろんしゃ
要素ようそ集合しゅうごうせつ:ひとみずふうよん元素げんそと、らくおよびいのち霊魂れいこん)のななつの要素ようそ集合しゅうごうにで構成こうせいされ、それらは不変ふへん不動ふどう相互そうご影響えいきょうはない。
マハーヴィーラ
(ジャイナきょう)
相対そうたい主義しゅぎ苦行くぎょう主義しゅぎ要素ようそ実在じつざいせつ: 霊魂れいこん永遠えいえん不滅ふめつ実体じったいであり、乞食こじき苦行くぎょう生活せいかつごうよごれをとし涅槃ねはん目指めざす。
サンジャヤ・ベーラッティプッタ
不可知論ふかちろん懐疑かいぎろん: 真理しんりをあるがままに認識にんしき説明せつめいすることは不可能ふかのうであるとする。判断はんだん留保りゅうほ

じゅん(じゅんせいは)またはローカーヤタサンスクリット:Lokāyata)は、釈迦しゃかどう時代じだいインド自由じゆう思想家しそうかアジタ・ケーサカンバリンいた唯物ゆいぶつろんおよび快楽かいらく至上しじょう主義しゅぎせつほうじるインド哲学てつがくうえ学派がくはかんやく仏典ぶってんでは外道げどうのひとつとして「じゅん外道げどう」とやくしている。後世こうせいにはチャールヴァーカ(Cārvāka)としょうされる。

思想しそう

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アジタ・ケーサカンバリンはみずふうよん元素げんそせつとなえた。これは4要素ようそ離合りごう集散しゅうさん世界せかい説明せつめいし、霊魂れいこん存在そんざい完全かんぜん否定ひていするものであり、ヴェーダしめされる正統せいとうバラモン教ばらもんきょうにおけるアートマン(ātman、わが)をも否定ひていするものであった。当時とうじひろしインドてきもっと重要じゅうようされたごう(karma、カルマ)のむくいについても、霊魂れいこんくべきみちしめしたごうのはたらきや善悪ぜんあく行為こういむくいを完全かんぜん否定ひていし、来世らいせみとめず、道徳どうとく宗教しゅうきょう必要ひつようなものであるとだんじてかみろん立場たちばち、人間にんげんには生得しょうとくてき目的もくてきそなわっていたり、まもらなくてはならない規範きはんがあるという従来じゅうらい伝統でんとうてき共同きょうどうたい倫理りんり否定ひていした。

マウリヤあさチャンドラグプタ側近そっきんにして冷徹れいてつ思想家しそうかでもあったカウティリヤ著書ちょしょ伝承でんしょうされる『実利じつりろんだい1かんだい2しょうに「哲学てつがくサーンキヤヨーガじゅん(ローカーヤタ)とである」[3]との一文いちぶんがある。

精神せいしん物質ぶっしつ起源きげんろん

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じゅん精神せいしんてき物質ぶっしつであるしょ元素げんそ(bhūta)が有機ゆうきてき肉体にくたいかたちになると精神せいしん現象げんしょうしょうずるとかんがえていた。このような思想しそうBhūtacaitanyavāda元素げんそ精神せいしんてきなものになるというろん)という。[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 水野みずのひろしもと増補ぞうほ改訂かいていパーリ辞典じてん春秋しゅんじゅうしゃ、2013ねん3がつ増補ぞうほ改訂かいていばんだい4さつ、p.334
  2. ^ a b DN 2 (Thanissaro, 1997; Walshe, 1995, pp. 91-109).
  3. ^ 上村うえむら勝彦かつひこ実利じつりろん岩波いわなみ文庫ぶんこ, 1984, 上巻じょうかん, 28ぺーじ
  4. ^ 佐々木ささきさいわいたかジャヤンタちょNyāyamañjarīにおける「自己じころん研究けんきゅう」、東北大学とうほくだいがく博士はかせ (文学ぶんがく)、かぶとだい5449ごう、1996ねん03がつ、pp.4-5

関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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