シヴァ派は

シヴァ像ぞうを取とり囲かこむ人々ひとびと

シヴァ派は（梵: Śaiva, シャイヴァ）は、ヒンドゥー教きょうにおける有力ゆうりょくな宗派しゅうはの1つ。

2世紀せいきのクシャーナ朝あさ時代じだいには、既すでに大おおきな勢力せいりょくとなっていた。

シヴァ神かみを最高さいこう神しんとして崇拝すうはいする。シヴァ神しんには、「イーシュヴァラ」（自じ在天ざいてん、主宰しゅさい神しん/最高さいこう神しん）、「マヘーシュヴァラ」（大だい自在じざい天てん）等とうの伝統でんとう的てきな絶対ぜったい者しゃ概念がいねんが異名いみょうとして取とり込こまれており、シヴァ派はによるその「一いち者しゃ」概念がいねんの普及ふきゅう・探求たんきゅうは、ヨーガ学派がくはや不ふ二に一元論いちげんろんなどの哲学てつがく的てき発達はったつにも寄与きよした。

サティー、パールヴァティー、ドゥルガー等ひとしのシヴァ神しんの妃ひも併あわせて崇拝すうはいされ、またリンガと呼よばれる男性だんせい器き（と女性じょせい器きの交合こうごう）像ぞうをかたどった神体しんたいが用もちいられるのも特徴とくちょうの1つ。

シヴァ派はは仏典ぶってんでも、「自じ在天ざいてん（イーシュヴァラ）・大だい自じ在天ざいてん（マヘーシュヴァラ）を崇拝すうはいし、体からだ中ちゅうに灰はいを塗ぬりたくる外道げどう」「人間にんげんの髑髏しゃれこうべを連つらねて首飾くびかざりにする外道げどう」等とうとして言及げんきゅうされている。

支流しりゅう

シヴァ派はに括くくられる主おもな派はとしては、以下いかのようなものがある。

• 聖典せいてんシヴァ派は - アーガマ (ヒンドゥー教きょう)を聖典せいてんとし、特とくに南みなみインドのタミル地方ちほうで栄さかえた
• カシュミール・シヴァ派は - カシュミール地方ちほうを中心ちゅうしんに栄さかえた。もともとは聖典せいてんシヴァ派はと同おなじ聖典せいてんを信奉しんぽうしていたようだが、9世紀せいきから独自どくじの神学しんがくが形成けいせいされていった
• パーシュパタ（獣しし主ぬし）派は
• シャクティ（性せい力りょく）派は
• ラセーシュヴァラ（水銀すいぎん）派は - 水銀すいぎんはシヴァ神しんとその妃ひとの結合けつごうから生しょうじた不老不死ふろうふしの霊薬れいやくであり、これを服用ふくようし、ヨーガを行おこなうことで、解脱げだつできるとする
• リンガーヤタ派は - 特とくにカルナータカ地方ちほうに広ひろまった。シヴァ神しんの象徴しょうちょうであるリンガを常つねに身みにつけ、カースト制度せいどを否定ひていし、偶像ぐうぞう崇拝すうはいや巡礼じゅんれいなど、外的がいてきな儀礼ぎれいを廃止はいしした
• カーパーリカ派は - 人間にんげんの髑髏しゃれこうべを連つらねて頭あたまや首くびの飾かざりにするといった、独特どくとくの修行しゅぎょう法ほうを実践じっせんした

シヴァ神しん

エローラ石窟せっくつにヒンドゥー教きょうの主神しゅしんともいえるシヴァ神しんが祭まつられている。エローラ石窟せっくつにアウランガバードという町まちの西北せいほく約やく30キロメートルのところにある。南北なんぼく2キロメートルにわたって、仏教ぶっきょう、ヒンドゥー教きょう、ジャイナ教きょうの三みっつの宗教しゅうきょうが石窟せっくつ寺院じいんに祭まつられている大石おおいし窟くつ群ぐんである。巨大きょだいなエローラ石窟せっくつの中央ちゅうおうに位置いちする第だい16石せき窟くつに、カイラーサナータ寺院じいんがある。8世紀せいきから9世紀せいきにかけてつくられたものである。

関連かんれん項目こうもく

• シヴァ神しん
• ヒンドゥー教きょう