一いち行ぎょう

一いち行ぎょう
683年ねん - 727年ねん
一いち行ぎょう（奈良なら国立こくりつ博物館はくぶつかん所蔵しょぞう『真言しんごん八はち祖そ像ぞう』のうち）
諡号しごう	大だい慧とし禅師ぜんじ
生地きじ	邢州鉅鹿県けん
宗派しゅうは	真言宗しんごんしゅう
寺院じいん	天台山てんだいざん国清寺こくせいじ
師し	普ひろし寂さび、恵めぐみ真しん、善ぜん無む畏かしこ、金剛こんごう智さとし
著作ちょさく	『開ひらけ元もと大だい衍暦』

一いち行ぎょう（いちぎょう、いっこう、諡号しごう：大だい慧とし禅師ぜんじ、弘道こうどう元年がんねん（683年ねん） - 開ひらき元もと15年ねん10月8日にち（727年ねん11月25日にち））は、中国ちゅうごくの唐とう代だいの僧そうであり、天文学てんもんがく者しゃでもある。俗名ぞくみょうは張ちょう遂とげで、大だい衍暦を編纂へんさんした。本ほん貫ぬきは魏ぎ州しゅう繁しげる水みず県けん。曾祖父そうそふは張ちょう公こう謹。祖父そふは張ちょう大だい素もと。父ちちは張ちょう懍。

683年ねんに邢州鉅鹿県けんに生うまれる。禅ぜん・律りつ・天台てんだい教学きょうがく・密教みっきょう・天文学てんもんがく・暦学れきがくを学まなび、善ぜん無む畏かしこの『大だい毘盧遮那るしゃな成仏じょうぶつ神変しんぺん加持かじ経けい』7巻かんの翻訳ほんやく事業じぎょうに参加さんかし、その際さいの講義こうぎを『大日だいにち経けい疏』20巻かんとしてまとめた。善ぜん無む畏かしこ・金剛こんごう智さとしから密教みっきょうを学まなんだ。真言しんごん八はち祖そ（伝つて持じの八はち祖そ）の一人ひとり。

また、それまで使用しようされていた麟徳暦れきが日食にっしょく予報よほうに不備ふびがあるため、梁はり令れい瓚と共ともに黄道こうどう游ゆう儀ただしや水運すいうん渾象（水力すいりょく式しき天球儀てんきゅうぎ）を作成さくせいして天体てんたい観測かんそくを行おこない、更さらに南宮なんぐう説せつと共ともに北きたは鉄てつ勒から南みなみは交州に至いたる大だい規模きぼな子午線しごせん測量そくりょうを行おこなって、緯度いど差さ1度どに相当そうとうする子午線しごせん弧こ長ちょうが351里さと80歩ほ（約やく123.7km）という結果けっかを算出さんしゅつし、それらの観測かんそく結果けっかに基もとづいて『開ひらく元もと大だい衍暦』52巻かんを作成さくせいした。

略歴りゃくれき

• 683年ねん 邢州鉅鹿県けんにて誕生たんじょう
• 703年ねん 荊州玉泉寺ぎょくせんじの天台宗てんだいしゅう僧そう弘ひろ景けいの下したで出家しゅっけ
• 704年ねん頃ごろ 嵩山たけやまの普ひろし寂さびに禅ぜんを学まなぶ
• 705年ねん頃ごろ 金剛こんごう智さとしから陀羅尼だらにを学習がくしゅう
• 707年ねん頃ごろ 玉泉寺ぎょくせんじの恵めぐみ真しんに戒律かいりつを学まなぶ
• 710年ねん頃ごろ 天台山てんだいざん国清寺こくせいじで開眼かいがん
• 715年ねん頃ごろ 長安ながやすに招聘しょうへいされる
• 721年ねん 玄げん宗むねの命いのちにより、新暦しんれきを作成さくせい
• 727年ねん 示寂じじゃく。新暦しんれき「大だい衍暦」が完成かんせい
• 729年ねん 大だい衍暦が官かん暦れきとして採用さいようされる

伝記でんき

• 『宋そう高僧こうそう伝でん』巻まき五ご

参考さんこう文献ぶんけん

• 塙はなわ保己一ほきいち「続ぞく群ぐん書しょ類従るいじゅう. 第だい29輯ノ下しも 雑ざつ部ぶ」『続つづけ群ぐん書しょ類従るいじゅう. 第だい29輯ノ下しも 雑ざつ部ぶ』1923年ねん、16頁ぺーじ、doi:10.11501/936491。 
• 長部おさべ和雄かずお『一いち行ぎょう禅師ぜんじの研究けんきゅう』神戸商科大学こうべしょうかだいがく経済けいざい研究所けんきゅうじょ、1963年ねん。 
• 藪内やぶうち清きよし『世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 2』下中しもなか邦彦くにひこ編へん、平凡社へいぼんしゃ、1972年ねん。 

関連かんれん項目こうもく

• 7世紀せいき生うまれの天文学てんもんがく者しゃ

師し：善ぜん無む畏かしこ

真言宗しんごんしゅう（伝つて持じ6祖そ）

弟子でし：