三さん統すべ暦れき

三さん統すべ暦れき（さんとうれき）は、中国ちゅうごく暦れきの一ひとつで、劉りゅう歆が太初たいしょ暦れきを補修ほしゅうして作つくった太陰たいいん太陽暦たいようれきによる天体てんたい暦れき。

概略がいりゃく

王おう莽の新しんと後こう漢かんで用もちいられ、章あきら帝みかどの元和がんわ2年ねん（85年ねん）の改暦かいれきに至いたるまで使つかわれた。従来じゅうらいの月日つきひの配当はいとうに加くわえ、日ひ月食げっしょくの予報よほうや五ご惑星わくせいの位置いち計算けいさんが導入どうにゅうされ、天体てんたい暦れきとしての性格せいかくが強つよい中国ちゅうごくの暦こよみの規範きはんとなった。班はん固かたの『漢書かんしょ』律りつ暦れき志こころざしに記載きさいされている。

命名めいめい

三さん統みつるとは、天てん統みつる＝夏なつ、地ち統みつる＝殷いん、人ひと統みつる＝周しゅうというように「三さん」を周期しゅうきに王朝おうちょうが循環じゅんかんするという三さん統すべ説せつに由来ゆらいする。劉りゅう歆はこの三さん統すべ説せつに形而上学けいじじょうがく的てきな意味いみを付与ふよし、五ご行ぎょう説せつと組くみ合あわせてさまざまな現象げんしょうを解釈かいしゃくした。これによって三さん統すべ暦れきでは、暦こよみと五ご声こえ十じゅう二に律りつや度量衡どりょうこうが連動れんどうして扱あつかわれている。

特記とっき

天体てんたい暦れきとして予報よほうのため食しょく周期しゅうき135月がつが導入どうにゅうされたり、紀年きねんのため木星もくせいの運行うんこうを144年ねんに一いち次じ（天球てんきゅうの十じゅう二に分ぶんの一いち区画くかく）を超こえて145次じとする超ちょう辰たつ法ほう、暦こよみ元もとをきわめて遠とおい過去かこに置おいて暦こよみ計算けいさんする上うえ元もと積年せきねん法ほうが行おこなわれている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『暦こよみのすべて』渡辺わたなべ敏夫としお著ちょ、雄山閣ゆうざんかく出版しゅっぱん、1980年ねん