和名・学名 |
出自・原産地 |
被害の現状 |
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アカキナノキ Cinchona pubescens 要注意外来生物
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南アメリカ
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マラリアの特効薬であるキニーネを生産するための有用な樹種として、太平洋諸島に導入されたが、旺盛な繁殖力により在来植物の生育を阻害する結果を招いた。高い再生力と除草剤への耐性を有し、防除が難しい。日本では薬用植物園で栽培されているが、野外に逸出はしていない。
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アメリカクサノボタン Clidemia hirta 要注意外来生物
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メキシコからパラグアイにかけてのカリブ海沿岸
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有毒な低木で、草原や森林に侵入し、光を巡って他の植物と競合。開けた場所で優占種となり密生した藪を形成する。降水量が多い地域では多数の液果をつけ、1果実当たりの種子数は300個にもなる。果実は食用にもなるが、これを好む鳥により散布されさらに個体数を増やす。インド・太平洋諸島、マダガスカル、スリランカ、フィジー、ハワイで Curse 呪い、祟りと呼ばれるほど嫌われている。日本では温室等で栽培されるが、野生化したとの報告はない。
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イタドリ Polygonum cuspidatum
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北海道西部以南の日本、台湾、朝鮮半島、中国
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19世紀に園芸花卉としてイギリスに輸出されたが、旺盛な繁殖力からたちまち在来種の植生を脅かす外来種となった。地下茎をむやみに伸ばして増えるのが特徴で、この地下茎がまたコンクリートやアスファルトを突き破るほど強靭。イギリスのスウォンジーではその土地にイタドリの生えている痕跡が認められると、銀行が土地を担保にローンを貸してくれないほど[3]であり、アメリカでも同様に被害が出ている。日本では在来植物であり、山菜として親しまれている。
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エゾミソハギ Lythrum salicaria
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ヨーロッパ、アジア、北西アフリカ
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北アメリカおよびニュージーランドに導入され、天敵不在の環境と多産性から瞬く間に増殖した。川や運河をせきとめ、在来の生態系を破壊することで問題視されている。日本では北海道に自生しているため、外来生物法に基づいた指定はない。
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オオバノボタン Miconia calvescens 要注意外来生物
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中南米
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美しい葉を持つので観葉植物として熱帯各地に導入された。密林の樹下のような日の射さない場所でも密生し、ただでさえ乏しい日光をさらに大きな葉で遮るため、その下にはまったく日が届かなくなり、何も生えてこず結果単一優勢種となり在来の植生をかき乱す。さらにこの大きな葉で雨を受け、集まった大量の水滴が地面を直撃し、侵食された土壌が流出し荒廃する。日本では沖縄や温室で栽培されているが、野生化はしていない。
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オプンティア・ストリクタ Opuntia stricta 要注意外来生物
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中南米
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代表的なウチワサボテンの一つ。非常に強健な植物で、世界各地の荒地に侵入、定着している。繁殖は実生の他、栄養繁殖もする。駆除の際、破片を残すと、かえって増える場合がある。細かい刺が多数ついており、人間や家畜に被害が発生する。サボテン科では、他にも杢キリン(葉を持つ蔓性のサボテン)や新橋(紐状のサボテン)も適応性が高く、各地に侵入している。日本での野生化の報告はない。
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カエンボク Spathodea campanulata 要注意外来生物
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西アフリカ
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世界三大花木の一つ。園芸目的で熱帯、亜熱帯の各地に導入された。パイオニア性や多産性、強靭な生命力といった侵略的外来種特有の特徴を有し、実際アメリカ、オーストラリアなど太平洋各地で野生化している。ハワイなど多数の固有種からなる植物相を有する太平洋の島嶼部の生態系への侵入が懸念されている。日本では沖縄など暖地に植栽されているが、野外逸出はしていない。
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カユプテ Melaleuca quinquenervia 要注意外来生物
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オーストラリア東岸域
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フトモモ科植物の例に漏れず、成長に大量の水を必要とするので、フロリダの沼沢地を乾燥させるため、ヘリコプターで種子が散布されたが、そこから大量の種子をばら撒き、果てはエバーグレーズ国立公園にまで侵入し、在来生物をおびやかす存在となった。これもフトモモ科植物の特徴であるが、精油には芳香があるので、アロマテラピーに用いられる。
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キバナシュクシャ Hedychium gardnerianum 要注意外来生物
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インド、ネパール、ブータンのヒマラヤ山系
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花が美しいので観賞用として世界各地に移入された。多数の実を付け、それが鳥によって散布されるほか、根の小さな断片からでも再生ができる。耐陰性があるので密林の樹下でも十分成長ができ、爆発的に個体数を増やす。河岸の下層に広大で密生した群落を形成し、他の植物を駆逐。在来植物の実生の生育を阻害し、森林構造を変化させる。日本では沖縄など暖地や植物園で植栽されているが、野外逸出はしていない。
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キバンジロウ Psidium cattleianum 要注意外来生物
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ブラジル及びその周辺地域
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別名はテリハバンジロウで、英名はストロベリーグアバ。果実は熱帯果樹として有名なグアバより味が良く、熱帯、亜熱帯の各地に導入された。日陰でもよく育ち、また塩分にも強いので、密林の下や波を被るような悪環境すら厭わずどこにでもはびこり、栄養繁殖を頻繁に行って密生した藪を形成して単一優先種化し、在来の固有植物の成長を阻害する。種子生産量も多く、そのほとんどが稔性が高い。甘い果実は鳥獣の格好のエサになり、摂食した鳥獣によって種子が散布され個体数を増殖させる。天敵による駆除や防除は、同属近縁種で商業的に重要なグアバをも標的にしてしまうため困難を極める。日本では小笠原諸島に侵入しており、固有種のムニンヒメツバキの成長を阻害しているとの報告がある。またシクンシ科の固有種モモタマナと競合することが懸念されている。
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キミノヒマラヤキイチゴ Rubus ellipticus 要注意外来生物
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アジア
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地下茎でとめどなく増殖し、甘い液果を付けるので、これらを好む鳥獣に捕食され散布されることでも個体数を増やす。侵入したハワイでは在来のキイチゴ類が駆逐された。日本には同属の別種の侵入が認められているが、本種の侵入は確認されていない。
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ギンネム Leucaena leucocephala 要注意外来生物
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中南米
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多目的に有用な植物として世界中の熱帯、亜熱帯にあたる地域に導入された。かなり深くに根を下ろし、その根から水を吸い上げるため旱魃に強い。マメ科に近い本種は根に空中窒素固定作用を有する根粒菌を共生させているため、貧栄養の状態であっても極端に成長が早い。さらにアレロパシー物質のミモシンを分泌するため、すぐさま本種のみで林を形成して他種を駆逐し、本来こういった場所において優占種となるべき当該地域の固有植物群への遷移を疎外している。日本では、沖縄県や小笠原諸島に導入されたが、本種の好む日当たりの良い空き地や、耕作放棄された田畑は大抵本種に占拠されており、在来固有種の生育を阻害している。
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クズ Pueraria lobata var. lobata
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日本列島、朝鮮半島、中国、東南アジア
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北アメリカでは、イシミカワと並ぶ最悪の害草。1876年にフィラデルフィアの独立百年祭博覧会の際に日本から運ばれて飼料作物および庭園装飾用として展示されたのをきっかけとして、東屋やポーチの飾りとして使われるようになった。さらに緑化・土壌流失防止用として政府によって推奨され、20世紀前半は持てはやされた。しかし、その後のアメリカでの畜産の業態変化[4]から利用されなくなり、繁茂力の高さや拡散の早さから、有害植物ならびに侵略的外来種として指定され、駆除が続けられている。
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サンショウモドキ Schinus terebinthifolius 要注意外来生物
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南アメリカ
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先駆植物であるため、人の手による開発でかく乱された場所にいちはやく侵入し、他の植物より早く成長する。耐塩性を中程度に有するほか、洪水、火災、旱魃などさまざまな障害に対しての耐性を有するので、簡単に他の植物を圧倒し単一優先種と化す。特に、マツの自然林、マングローブ林、湿地、で問題視されている。日本ではおそらく米軍が占領中に持ち込んだ荷物から侵入し、小笠原に定着しているものの、沖縄には侵入していない。
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セイロンマンリョウ Ardisia elliptica 要注意外来生物
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スリランカ、インド西岸、マレーシア、インドシナ半島、インドネシア
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園芸樹、果樹として、オーストラリア、アメリカ、太平洋諸島へ導入され、侵略的外来種となった。日陰で10年、日向ならわずから2年で成木となる。日向に植林された成木は、最高400の果実を産出でき、日陰でも多数の実を生らす。種子には休眠期間がなくすぐに発芽し、若木は何年もの間、日陰のような悪条件のもとでも生存が可能。その後日が当たると急速に成長し実を生らす。果実は鳥獣により摂食され、そこからさらに散布される。
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タマリクス・ラモシッシマ Tamarix ramosissima 要注意外来生物
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ユーラシア全域
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氾濫原、潅漑水路、湖岸などに生育し、塩性地やアルカリ土壌も厭わない。在来の水生生物にまったく利用されないので水路では根や折れた枝が島状に堆積し、砂利の多い景観を変化させ水環境に影響を及ぼす。また長期間の水ストレスに耐えることができ、アメリカ南西部の砂漠にある氾濫原群集で単一優占種と化している。葉の堆積物や枝は野火を起こしやすく、野火で在来の動植物が破壊された後に、盛んに萌芽再生を行いさらに個体数を増やす。
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ダンチク Arundo donax
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ユーラシアの亜熱帯域
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アメリカでは1820年代に屋根葺き材として南ヨーロッパからロサンゼルス近郊へ導入され、大陸を横断し、いまでは東海岸にまで侵入している。オーストラリア、ニュージーランドへも導入された。侵入先では河岸に密生し、単一優先種となることで在来生物相に影響を与える。しかしながら土中水中から砒素や重金属など汚染物質を効率的に回収する、屋根葺き材として以外にも木管楽器のリードとして利用できる、バイオ燃料の原料になるなどの利点も少なくない。
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チガヤ Imperata cylindrica
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汎存種(ユーラシア、アフリカ、オーストラリア)
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地下にことさら頑丈な匍匐茎を張るので除去が困難であり、世界最強の雑草という称号すらある。特に熱帯から亜熱帯にかけての雨季と乾季のはっきりした地域では非常によく繁殖し、本種のみで構成された草原がより広範囲、恒常的に存在する場所もある。東南アジアなどで森林を破壊するとアランアランと呼ばれる草原になりやすく、そうなると遷移を妨害してなかなか森林が回復しないと言われる。なお本種は汎存種であるのでアメリカ大陸を除く世界中では在来種で、被害が特に問題になっている東南アジアでも当然ながられっきとした在来種である。
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ハギクソウ Euphorbia esula 絶滅危惧IA
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中央及び南ヨーロッパ、ヒマラヤ以北の東アジア
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19世紀初頭に、非意図的に米国に移入され、最初に記録されたマサチューセッツ州から約80年でノースダコタ州にまで到達した。トウダイグサ科の例に漏れず有毒なので家畜による捕食が期待できず、また断片から一個体を復元できるなど栄養繁殖を繰り返し爆発的に増加する。しかし日本のハギクソウは愛知県の海浜に細々と生き残る絶滅危惧種。本種の亜種 E. esula L. var. nakaii とされるが、別種 E. octoradiata に分類されることもある。
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ハリエニシダ Ulex europaeus 要注意外来生物
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西ヨーロッパ
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日当たりの良い所を好み、土壌環境に対する適応性が大きい。アリによる種子の散布と、根茎を通じての繁殖で個体数を増やす。枝に鋭く長い棘を有し、これで家畜の体を傷つけるほか、抜き取りによる防除も厄介なものとなる。1886年に小石川植物園(東京)で栽培の記録があり、明治初年ごろに観賞用に導入された。1950年に横浜市での定着が記録されており、現在では本州(神奈川、和歌山、島根)、四国などへの定着が報告されている。
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ヒマワリヒヨドリChromolaena odorata 要注意外来生物
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熱帯アメリカ
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攪乱された日当たりの良い、畑地、樹園地、牧草地、路傍、林縁、低木林、荒地、川岸などに生育する。雨期後の種子繁殖が多く、1個体当たりの種子生産量は87,000個、1㎡当たりでは 400,000個との報告があり、着地後すぐに発芽するほか、火事にあったり刈り取られたり古い茎が枯死すると根茎から再生するので駆除は困難を極める。アレロパシー作用があるので、他の植物を寄せ付けず、単一で密生した藪を形成するほか、アレルギーの原因植物とも言われておりトリフィドと呼ばれるまで嫌われている。侵入した南アフリカでは養殖ナイルワニの繁殖を阻害している。日本では沖縄に定着したとの報告があるが、分布拡大にまでは至っていない。
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フランスカイガンショウ Pinus pinaster 要注意外来生物
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地中海西部沿岸域
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原産地以外では、イギリス南部、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドに帰化しているが、パイオニア植物としての性質ゆえ各地で厄介な外来種として扱われる。なお原産地のヨーロッパでは製材樹として重要な扱いを受けている。防除方法としては、機械的に倒伏させるのが最も有効とされている。日本では明治以降、たびたび記念樹や庭園樹などとして各地に植栽されているが、在来のアカマツ、クロマツ同様マツ材線虫病に対する感受性が高いため、被害に遭い枯死しているのが現状である。
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プロソピス・グランドゥロサ Prosopis glandulosa
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ホザキサルノオ Hiptage benghalensis
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ツルヒヨドリ Mikania micrantha
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ミツバハマグルマ(アメリカハマグルマ) Wedelia trilobata
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ミモザ・ピグラ Mimosa pigra
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ミリカ・ファヤ Myrica faya
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モリシマアカシア Acacia mearnsii
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オーストラリア南東部、タスマニア
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南アフリカなどでは本種が林冠を拡げることで日光を遮ってしまい、在来種の植物の生育を妨げている。
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ヤツデグワ Cecropia peltata
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ランタナ Lantana camara
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リグストルム・ロブストゥム Ligustrum robustum
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