世界せかい侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅワースト100

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世界せかい侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅワースト100(せかいのしんりゃくてきがいらいしゅワースト100, 100 of the World's Worst Invasive Alien Species)とは、国際こくさい自然しぜん保護ほご連合れんごう(IUCN)のたね保全ほぜん委員いいんかいさだめた、本来ほんらい生育せいいく生息せいそく以外いがい侵入しんにゅうした外来がいらいしゅなかで、とく生態せいたいけい人間にんげん活動かつどうへの影響えいきょうおおきい生物せいぶつのリストである。

以下いか指定していされた生物せいぶつ列挙れっきょする。また、日本にっぽん外来がいらい生物せいぶつほうによる位置いちづけも併記へいきする。

哺乳類ほにゅうるい[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい
外来がいらい生物せいぶつほうじょう位置いちづけ
出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
アカギツネ
Vulpes vulpes
ヨーロッパ オーストラリアなどきゅうイギリスりょうにキツネよう移入いにゅうされた。移入いにゅう地域ちいき生態せいたいけいなか-大型おおがた肉食にくしょくじゅうくため食物しょくもつ連鎖れんさピラミッドの頂点ちょうてん君臨くんりんし、壊滅かいめつてき被害ひがいあたえる。日本にっぽん在来ざいらいのホンドギツネ、キタキツネはほんしゅ亜種あしゅあつかいのため、外来がいらい生物せいぶつほうじょうでの指定していはされていない。
アカシカ
Cervus elaphus
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
ヨーロッパ
中東ちゅうとう
きたアフリカ
オセアニアやみなみアメリカに狩猟しゅりょう動物どうぶつとして移入いにゅうされた。オセアニアでは大型おおがた肉食にくしょくじゅうといった天敵てんてきくため一方いっぽうてき増殖ぞうしょくする。また南米なんべいにおいては現地げんち固有こゆうしゅ圧迫あっぱくしている。なおきたアフリカさん亜種あしゅ絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅ指定していされている。
アナウサギ
Oryctolagus cuniculus
家畜かちく
(ヨーロッパ)
オーストラリアに狩猟しゅりょう動物どうぶつとして移入いにゅうされ、天敵てんてき不在ふざい同地どうち多産たさんせいにモノをわせ、爆発ばくはつてき増殖ぞうしょくした。オーストラリアさんゆうぶくろるいにはほんしゅ原因げんいん絶滅ぜつめつしたたねおおくいる。
イエネコ
Felis catus
家畜かちく
きたアフリカ)
だい航海こうかい時代じだい船倉ふなぐらのネズミを駆除くじょするために人間にんげんれられ、離島りとうとう放逐ほうちくされ野生やせい。キツネ同様どうよう食物しょくもつ連鎖れんさピラミッドの頂点ちょうてん君臨くんりんする。また離島りとうおおべないとりおびやかす。
イノシシ
ブタ
Sus scrofa
家畜かちく
(ユーラシア全域ぜんいき
ヨーロッパイノシシとやく資料しりょうもあるが正確せいかくにはブタ。西欧せいおう諸国しょこく植民しょくみんした大洋たいよう散在さんざいする離島りとう放逐ほうちくされさい野生やせい雑食ざっしょくせいなんでもこうにする貪欲どんよくさをゆうし、しかも多産たさんゆえ脆弱ぜいじゃく離島りとう生態せいたいけい致命ちめいてきなダメージをあたえている。
オコジョ
Mustela erminea
北半球きたはんきゅう温帯おんたいから寒帯かんたい 毛皮けがわ動物どうぶつとして養殖ようしょくされるが、おりおり養殖ようしょくじょうからしたり養殖ようしょくじょう放棄ほうきされたりして野生やせいする。肉食にくしょくせいであり、キツネやネコと同様どうよう問題もんだいかかえる。
カニクイザル
Macaca fascicularis
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
東南とうなんアジア サモアやフィジーで野生やせい果物くだもの食害しょくがいほんしゅふくマカクぞくのサルは、人間にんげんきんえん安価あんかなので実験じっけん動物どうぶつ多用たようされるが、ひとにも伝染でんせんする可能かのうせいたか未知みち病原びょうげんたい宿しゅく指摘してきがされている。外来がいらい生物せいぶつほう特定とくてい指定していけるまでは、日本にっぽんにも多数たすう個体こたい輸入ゆにゅうされていた。
クマネズミ
Rattus rattus
衛生えいせいがいじゅう
東南とうなんアジア)
ネコとおなじく大洋たいよう離島りとう定着ていちゃく離島りとうには地上ちじょう営巣えいそうせい鳥類ちょうるいおおく、また海鳥うみどり絶海ぜっかい孤島ことう地表ちひょう営巣えいそうするため、ほんしゅ侵入しんにゅうによりたまごやヒナが食害しょくがいされる。日本にっぽんでは北硫黄島きたいおうじまのウミツバメ繁殖はんしょくほんしゅにより壊滅かいめつした。ひとたいしても建築けんちくぶつ侵入しんにゅうして電線でんせんなどをかじり停電ていでん火事かじこす、感染かんせんしょうむなどおおくの被害ひがいをもたらすうえ、殺鼠剤さっそざいへのたいせい獲得かくとくした個体こたい出現しゅつげんしている。
フイリマングース
Herpestes auropunctatus
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
東南とうなんアジア ネズミやどくヘビ駆除くじょ目的もくてき世界せかい各地かくち温暖おんだん島々しまじま移入いにゅうされたがそれらを捕食ほしょくするのはまれで、もっぱら地域ちいき固有こゆう動物どうぶつ捕食ほしょくする。そうしたしょう動物どうぶつほんしゅたいする防衛ぼうえいらないので簡単かんたん捕食ほしょくされ、生態せいたいけいのバランスがくず問題もんだいする。かつてはジャワマングースHerpestes javanicus)として分類ぶんるいされていた。
トウブハイイロリス
Sciurus carolinensis
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
きたアメリカ イギリスやみなみアフリカに移入いにゅうとしいちせいのリスにはめずらしくとしせいであるためまたた増殖ぞうしょく。イギリスでは在来ざいらいしゅ駆逐くちくされた。またナッツるい食害しょくがい樹皮じゅひぐなどの農林のうりんぎょうがいじゅうでもある。
ヌートリア
Myocastor coypus
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
みなみアメリカ 軍隊ぐんたい防寒ぼうかん服用ふくよう毛皮けがわるため飼育しいくされたが、だい大戦たいせん需要じゅよう激減げきげん放棄ほうきされ野生やせい移入いにゅうさき生態せいたいけいはワニのような大型おおがた肉食にくしょくじゅうくため一方いっぽうてき増殖ぞうしょくし、農産物のうさんぶつ食害しょくがい河川かせん堤防ていぼう破壊はかいする。日本にっぽんでは水田すいでんあぜ破壊はかいする。
ハツカネズミ
Mus musculus
衛生えいせいがいじゅう
ひろしそんしゅ
ほぼ世界中せかいじゅう定着ていちゃくしている。クマネズミとおなじで、人間にんげんともな海洋かいようとう侵入しんにゅう現地げんち繁殖はんしょくしている地上ちじょう営巣えいそうせい海洋かいようとり繁殖はんしょく阻害そがいする。みなみ大西洋たいせいようゴフとうれいがある。
フクロギツネ
Trichosurus vulpecula
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
オーストラリア 天敵てんてきのいないニュージーランドに移入いにゅうされ、同地どうちだい増殖ぞうしょく問題もんだいこしている。原産地げんさんちでは保護ほご動物どうぶつ指定していされているが、家屋かおく営巣えいそうくそ尿にょうがいをあたえることがかなりある。
ヤギ
Capra hircus
家畜かちく
中央ちゅうおうアジア)
ブタ同様どうよう大洋たいよう散在さんざいする離島りとうはなされて野生やせい。ブタよりほんしゅ移入いにゅうされたしまほうおおい。あらゆる草木くさきくす貪欲どんよくさで生態せいたいけい破壊はかいする。日本にっぽんでは小笠原諸島おがさわらしょとう尖閣諸島せんかくしょとう魚釣島うおつりしまがその典型てんけい

鳥類ちょうるい爬虫類はちゅうるい両生類りょうせいるい[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい
外来がいらい生物せいぶつほうじょう位置いちづけ
出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
インドハッカ
Acridotheres tristis
インド
中央ちゅうおうアジア
ムクドリ特有とくゆう集団しゅうだんねぐらを形成けいせいし、就寝しゅうしんさわ多量たりょうくそとす都市とし害鳥がいちょう。また農作物のうさくもつ食害しょくがいする。温度おんど変化へんかつよ亜寒帯あかんたい以南いなん世界せかい全域ぜんいき定着ていちゃくしており、害虫がいちゅう駆除くじょよう移入いにゅうされたオーストラリアでは猛烈もうれついきおいで分布ぶんぷ拡大かくだいしている。日本にっぽんでは南西諸島なんせいしょとうでときおり観察かんさつされ、外来がいらい生物せいぶつほうじょうでの指定してい見送みおくられている。もっともその個体こたい台湾たいわんからわたってきたのか、それともどりしたのかは判然はんぜんとしない。
シリアカヒヨドリ
Pycnonotus cafer
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
中国ちゅうごく南西なんせい-インド ハワイ、フィジーといった離島りとう定着ていちゃくしており、営巣えいそう場所ばしょ占拠せんきょするなどして固有こゆうしゅ鳥類ちょうるい繁殖はんしょく阻害そがいするので問題もんだいとなっている。また果樹かじゅなどを食害しょくがいもする。
ホシムクドリ
Sturnus vulgaris
ヨーロッパ 原産地げんさんちでも問題もんだいになっている都市とし害鳥がいちょう都市とし害鳥がいちょうとしての性質せいしつはインドハッカにじゅんずるが、北半球きたはんきゅうではほんしゅほう悪名あくめいたかい。おなじく移入いにゅうされたきたアメリカでは被害ひがいはさらに深刻しんこくしている。日本にっぽんにもわたりをしてくる個体こたい若干じゃっかんながらいるため、日本にっぽんでは在来ざいらい鳥類ちょうるいあつかいとなり外来がいらい生物せいぶつほうじょうでの指定してい見送みおくられている。
アカミミガメ
Trachemys scripta
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
アメリカ
中部ちゅうぶ-南部なんぶ
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくない愛玩あいがんよう大量たいりょう増殖ぞうしょくされており、これらが世界せかい各国かっこく輸出ゆしゅつされている。汚水おすいつよいので汚染おせん水域すいいき単一たんいつてき優先ゆうせんしゅとなり問題もんだいする。日本にっぽんでは在来ざいらいしゅとの交雑こうざつ確認かくにんされていない。なお原産地げんさんちではぎゃくにペットよう乱獲らんかく生息せいそく環境かんきょう変化へんか野生やせい個体こたい激減げきげんしており、保護ほご動物どうぶつ指定していされている。
ミナミオオガシラ
Boiga irregularis
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
オセアニア オセアニアにあるアメリカぐん基地きちから、軍需ぐんじゅ物資ぶっしじって意図いとてき世界せかい各地かくち移入いにゅうされたとかんがえられている。移入いにゅうさき離島りとう場合ばあい被害ひがい深刻しんこくでグアムとうでは固有こゆうしゅのコウモリと鳥類ちょうるい大半たいはんほんしゅにより絶滅ぜつめつしている。
ウシガエル
Rana catesbeiana
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
カナダ南東なんとう-メキシコ北東ほくとう 食用しょくようとして世界せかい各国かっこく移入いにゅうされ、そこから野生やせい巨大きょだいなカエルで、その巨体きょたい維持いじするため食欲しょくよく旺盛おうせいであり、共食ともぐいにいたることもある。水質すいしつ汚濁おだくたいしてもつよいが、低温ていおんにはよわい。
オオヒキガエル
Bufo marinus
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく南部なんぶ-南米なんべい サトウキビの害虫がいちゅう駆除くじょのためにねつ帯域たいいき移入いにゅうされた。からだおおきいうえ繁殖はんしょくりょくつよく、有毒ゆうどくしゅなので天敵てんてきがいない。また海水かいすいたいするたいせいがある。とく離島りとう爆発ばくはつてき増加ぞうかしており、固有こゆうしゅ昆虫こんちゅうくしている。ただし侵入しんにゅうして80ねんちかつオーストラリアでは、ワニなどの天敵てんてきほんしゅたいする防衛ぼうえい措置そち[1]学習がくしゅうしており、クイーンズランドしゅうではマスコットあつかいされるなど、そのあつかいはわってきている。
コキーコヤスガエル
Eleutherodactylus coqui
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
プエルトリコ 離島りとうさん固有こゆうしゅ侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅとなっためずらしいれい観賞かんしょうよう植物しょくぶつ付着ふちゃくした個体こたい野生やせいしたとかんがえられている。オタマジャクシを直接ちょくせつガエルを特異とくい繁殖はんしょく様式ようしきゆうし、水面すいめん環境かんきょうでも繁殖はんしょく可能かのう。もともとカエルのいないハワイでだい繁殖はんしょくし、固有こゆう昆虫こんちゅうしゅ絶滅ぜつめつ懸念けねんされている。その一方いっぽう原産地げんさんちでは国民こくみんてき人気にんきゆうしている。

魚類ぎょるい[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい
外来がいらい生物せいぶつほうじょう位置いちづけ
出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
ウォーキングキャットフィッシュ
Clarias batrachus
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
東南とうなんアジア-インド 食用しょくようにアジア各地かくち養殖ようしょくされている。名前なまえのウォーキングは渇水かっすい陸上りくじょう移動いどうする姿すがた由来ゆらいする。その生態せいたいからわかるように生命せいめいりょくつよく、そこせい肉食にくしょくぎょであるため生態せいたいけいおおきく攪乱かくらんすることが指摘してきされている。
オオクチバス
Micropterus salmoides
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
きたアメリカ いわゆる「ブラックバス」であり、日本にっぽんでもっとも問題もんだいとされる移入いにゅう外来がいらいぎょ貪欲どんよく食欲しょくよく侵入しんにゅうしゅ共通きょうつうするが、汚水おすい環境かんきょうにはよわい。
カダヤシ
Gambusia affinis
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくミシシッピがわ水系すいけい カの幼虫ようちゅうボウフラを捕食ほしょくするとされ世界せかい各地かくち移入いにゅうされたが、実際じっさいにはそれほど捕食ほしょくしない。環境かんきょう適応てきおうりょくつよく、水質すいしつ汚濁おだくにもつよい。胎生たいせいのため稚魚ちぎょ生存せいぞんりつたかく、かつ成熟せいじゅくはやいことから在来ざいらい小型こがた淡水魚たんすいぎょ駆逐くちくする。
カワスズメ
Oreochromis mossambicus
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
アフリカねつ帯域たいいき 養殖ようしょくぎょとしてきんえんしゅとも世界中せかいじゅう移入いにゅうされた(商業しょうぎょうめいティラピア)。稚魚ちぎょくちなか保護ほごするため、稚魚ちぎょ生存せいぞんりつたか天敵てんてきのいない環境かんきょうでは非常ひじょう在来ざいらいぎょ駆逐くちくする。環境かんきょう変化へんかにもつよく、移入いにゅうさきでは海水かいすい馴化じゅんかした系統けいとうまであらわれている。ただし低温ていおんにはよわく、熱帯ねったい亜熱帯あねったいのぞけば冬季とうきてい水温すいおんにより死滅しめつすることがおおい。
コイ
Cyprinus carpio
ユーラシア大陸たいりく 汚染おせんつよ雑食ざっしょくせいなんでも低温ていおんにもよくえる。30cmをおおきさにそだつので天敵てんてきすくなく、淡水たんすい水域すいいき水底みなそこにおける単一たんいつゆううらないしゅす。移入いにゅうされたきたアメリカでは泥臭どろくさいという理由りゆう食用しょくようにされず、爆発ばくはつてき個体こたいすうやしている。
ナイルパーチ
Lates niloticus
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
アフリカねつ帯域たいいき ヴィクトリア悲劇ひげき悪名あくめいたかさかなで、200しゅ以上いじょう固有こゆうしゅほんたね食害しょくがいされ絶滅ぜつめついやられたとされる。一方いっぽうよう東西とうざいわず白身しろみにくたか評価ひょうかされているのでアフリカ各地かくち養殖ようしょくされており、水産すいさん資源しげんとして重要じゅうようされている。
ニジマス
Oncorhynchus mykiss
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
きたアメリカおよびカムチャッカ半島はんとう 肉食にくしょくせい体長たいちょうの1/3におよ獲物えものまで捕食ほしょくする貪欲どんよくさをゆうし、その貪欲どんよくさで渓流けいりゅうにおける食物しょくもつ連鎖れんさ頂点ちょうてん君臨くんりんし、移入いにゅうさき生態せいたいけい攪乱かくらんする。日本にっぽんでも長年ながねんわた多数たすう放流ほうりゅうされており、北海道ほっかいどう知床半島しれとこはんとうなどの一部いちぶ地域ちいき定着ていちゃくしているものの、おおくの地域ちいきでは定着ていちゃくしていない。
ブラウントラウト
Salmo trutta
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
ヨーロッパ 肉食にくしょくせい貪欲どんよくなところはニジマスにおなじ。ニジマスとことなり日本にっぽんでは北海道ほっかいどう定着ていちゃくしており、現地げんちみずうみ渓流けいりゅうではほんしゅ単一たんいつゆううらないしゅすすんで問題もんだいになっている。原産地げんさんちでは水系すいけいによりことなる亜種あしゅ分化ぶんかしており、一部いちぶ絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅである。

節足動物せっそくどうぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい英名えいめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
チュウゴクモクズガニ
Eriocheir sinensis
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
中国ちゅうごく長江ちょうこう流域りゅういき ヨーロッパやきたアメリカへ進入しんにゅうしており、欧米おうべい在来ざいらいしゅことなり陸上りくじょう移動いどうができるため、侵入しんにゅう以降いこうまたた分布ぶんぷ拡大かくだい在来ざいらいしゅ駆逐くちくした。アメリカではほんしゅかかわる一切いっさいしょう取引とりひき禁止きんしされている。なお高級こうきゅう食材しょくざいとしてられる上海しゃんはいかにほんしゅである。
ヨーロッパミドリガニ
Carcinus maenas
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
shore crab, green shore crab, European green crab.
ヨーロッパ バラストすいつうじて世界中せかいじゅうひろまった。てい酸素さんそ環境かんきょうつよく、浚渫しゅんせつにより深度しんどした港湾こうわんほんしゅ絶好ぜっこう環境かんきょう提供ていきょうする。また冬季とうき産卵さんらん孵化ふかするといったほかのカニと競合きょうごうしない生活せいかつゆうすることもほんしゅ一方いっぽうてき個体こたいすうやす要因よういんとなっている。
アシナガキアリ
Anoplolepis gracilipes
不明ふめい
(アジアかアフリカか)
邪魔じゃま相手あいて見境みさかい攻撃こうげきするため、攻撃こうげきけた生物せいぶつたまご殲滅せんめつされたりして絶滅ぜつめついたり、侵入しんにゅう地域ちいき生態せいたいけい貧弱ひんじゃくする。またカメムシ吸汁昆虫こんちゅう保護ほごする習性しゅうせいがあり、間接かんせつてき農業のうぎょう害虫がいちゅうとなる。ほんしゅとうリストちゅう熱帯ねったいさんアリのなかもっと分布ぶんぷひろい。被害ひがいおおきいのは太平洋たいへいようインド洋いんどよう離島りとうで、クリスマスとうでは固有こゆう鳥類ちょうるい特産とくさんのアカガニの絶滅ぜつめつ危惧きぐされており、アフリカマイマイの侵入しんにゅう阻止そししていたこのカニの個体こたいすう減少げんしょうによりアフリカマイマイ侵入しんにゅう懸念けねんされている。
アノフェレス・クァドリマクラタス
Anopheles quadrimaculatus
きたアメリカ ハマダラカ一種いっしゅ水田すいでんのような環境かんきょうこのむ。マラリアはむろんのこと、各種かくしゅ伝染でんせんびょう媒介ばいかいする。ヒトのみならず、イヌにたいしてもいぬ糸状いとじょうちゅう媒介ばいかいする指摘してきがされている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく過去かこいちマラリアの根絶こんぜつ成功せいこうしたのだが、近年きんねんふたた病人びょうにんておりほんたね媒介ばいかいした可能かのうせいたかいとされている。著名ちょめいなマラリアのはこガンビエハマダラカAnopheles gambiae)のようなほかのハマダラカはもっぱら熱帯ねったいさん低温ていおん環境かんきょうたいするたいせいがないのだが、ほんしゅ温帯おんたいさんなので越冬えっとう可能かのうであり、温帯おんたい地域ちいき侵入しんにゅうした場合ばあい、その地域ちいきにマラリアが蔓延まんえんする危険きけんせい指摘してきされている。
アルゼンチンアリ
Linepithema humile
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
アルゼンチン
ウルグアイ
パラグアイ
ブラジル南部なんぶ
建築けんちくぶつこのんで営巣えいそうし、周囲しゅういにいるものはヒトもふくめて見境みさかいなく攻撃こうげきされる。とくたねのアリについてはこれを殺戮さつりく根絶こんぜつするので侵入しんにゅう地域ちいきからは在来ざいらいしゅのアリがえる。女王じょおうせい頻繁ひんぱんぶんするとともに、放浪ほうろうせいつよいのでいち箇所かしょまらず駆除くじょ困難こんなんきわめる。侵入しんにゅう地域ちいきでは半径はんけい100km におよぶ巨大きょだいコロニーを形成けいせいすることでもられている。
イエシロアリ
Coptotermes formosanus
中国ちゅうごく南部なんぶ たね小名しょうみょうformosanus台湾たいわんの)とあるが実際じっさい原産地げんさんち中国ちゅうごく南部なんぶかんがえられている。家屋かおくなどの建築けんちくぶつ食害しょくがいする。熱帯ねったいさんなので、天敵てんてきのいない南方なんぽう離島りとうなどに侵入しんにゅうした場合ばあい被害ひがいはことさら甚大じんだいで、日本にっぽんでは八重山諸島やえやましょとう小笠原諸島おがさわらしょとうがその典型てんけいれいしめしている。ハワイではイオラニ宮殿きゅうでんなど歴史れきしてき建築けんちくぶつにまで被害ひがいおよんでいる。
キナラ・カプレッシ
Cinara cupressi
チリ
アルゼンチン
アブラムシの一種いっしゅ中米ちゅうべい、アフリカ、ヨーロッパ、中東ちゅうとう、モーリシャスに侵入しんにゅうしており、イトスギぞく、ビャクシンぞく寄生きせいして吸汁しこれらをらす。これら2ぞく針葉樹しんようじゅには一般いっぱん害虫がいちゅうがあまりかないため、庭園ていえんじゅとしてよく栽培さいばいされるが、ほんしゅはその前提ぜんていくつがえ園芸えんげい害虫がいちゅうとなっている。乾燥かんそうつよ湿気しっけよわいという性質せいしつゆうする。
キオビクロスズメバチ
Vespula vulgaris
ユーラシア大陸たいりく全域ぜんいき 日本にっぽんにも分布ぶんぷしている地下ちか営巣えいそうせいのクロスズメバチ。本来ほんらい攻撃こうげきせいはあまりつよくないのだが、人為じんい移入いにゅうされた北米ほくべいではえさおおくをヒトにたよっているためほんしゅによる刺傷ししょう被害ひがい多発たはつしている。またオーストラリアでは女王じょおうせい多年たねん営巣えいそうせいへと進化しんかし、成虫せいちゅうすう3,000,000-4,000,000とうといった巨大きょだいつくるようになっている。
コカミアリ
Wasmannia auropunctata
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
中米ちゅうべい
キューバ
英名えいめいは Electric ant。サトウキビやカカオの吸汁害虫がいちゅう保護ほごするので、原産地げんさんちでもきらわれている熱帯ねったいせいアリ。しかしのカカオの害虫がいちゅう駆除くじょするので、カメルーンのように歓迎かんげいしている地域ちいきもある。ガラパゴスとう侵入しんにゅうしており、海鳥うみどりのヒナや固有こゆうしゅであるゾウガメやイグアナの攻撃こうげきされころされるといった被害ひがい相次あいついでいる。ほんしゅもヒアリ同様どうようアルカロイドけいどくどくはりゆうしている。
タバココナジラミ
Bemisia tabaci
アメリカ シラミとあるが実際じっさいにはウンカ仲間なかま。トマト、ワタ、サツマイモといった農作物のうさくもつを吸汁し、さらにはこれらにウイルスびょう感染かんせんさせるだい害虫がいちゅう農作物のうさくもつなえなどをつうじて世界中せかいじゅうひろまったとかんがえられている。むしたい微小びしょうなため侵入しんにゅう防止ぼうししにくく、通年つうねん繁殖はんしょくし、ライフサイクルもみじかいので農薬のうやくたいする抵抗ていこうせいもすぐ獲得かくとくする。
ツヤオオズアリ
Pheidole megacephala
おそらく南部なんぶアフリカ ほんリストにげられたアリのなかでアシナガキアリとならんで分布ぶんぷいきひろく、すでに世界中せかいじゅう熱帯ねったいひろまっている。英語えいごでの別名べつめい lion ant のとお非常ひじょう凶暴きょうぼう性格せいかくゆうしており、ほんしゅ侵入しんにゅうした地域ちいきではえて植物しょくぶつしょう貧弱ひんじゃくする。また電気でんき系統けいとうせられる性質せいしつがあり、電話でんわせんなどがられる。
ツヤハダゴマダラカミキリ
Anoplophora glabripennis
中国ちゅうごく
朝鮮半島ちょうせんはんとう
幼虫ようちゅう広葉樹こうようじゅならほぼすべてのしゅ穿孔せんこう内部ないぶ食害しょくがいする。穿孔せんこうされた樹勢じゅせいよわまる、ひど場合ばあい枯死こしするといった被害ひがいける。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく侵入しんにゅうし、厄介やっかい林業りんぎょう害虫がいちゅうとなっている。日本にっぽんさんするゴマダラカミキリほんしゅきんえんしゅで、性質せいしつはほぼおなじ。
ヒアリ
Solenopsis invicta
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
みなみアメリカ・アマゾン川あまぞんがわ流域りゅういき 英名えいめいをFire ant(ファイアーアント)としょうするが、このばれるたねには中米ちゅうべいさんしゅもあるので、とくほんたね場合ばあいはRIFA(Red Imported Fire Ant)としょうする。リストにあるほか熱帯ねったいさんアリに習性しゅうせいおなじくするが、ほんしゅはアルカロイドけい毒液どくえき仕込しこんだどくはりゆうしており、これで相手あいてすので被害ひがいおおきい。アメリカ南部なんぶ、フィリピン、台湾たいわん中国ちゅうごく南部なんぶ定着ていちゃくしている。
ヒトスジシマカ
Aedes albopictus
東南とうなんアジア-ひがしアジア ぞくうヤブカ。元来がんらい熱帯ねったいせいだが、冬眠とうみんできるので温帯おんたい亜寒帯あかんたいにまで分布ぶんぷひろげている。おそらくはひがしアジアから北米ほくべい輸出ゆしゅつされたタイヤの雨水あまみずひそんでいたボウフラがアメリカ東部とうぶ定着ていちゃくし、10ねんたないうちにそこから欧州おうしゅう中南米ちゅうなんべい中東ちゅうとう分布ぶんぷひろげた。西にしナイル、チクングニアねつねつデング熱でんぐねつなどの熱病ねつびょう媒介ばいかいするうえに、いぬ糸状いとじょうちゅうはこでもある。
ヒメアカカツオブシムシ
Trogoderma granarium
みなみアジア 典型てんけいてきな貯穀害虫がいちゅう高温こうおんかつ乾燥かんそうした環境かんきょう爆発ばくはつてき増殖ぞうしょくするが、低温ていおん環境かんきょう冬眠とうみんるのでひとたび倉庫そうこなどにはびこると根絶こんぜつ不可能ふかのう。いまではタイとインドネシアをのぞいたアフリカからアジアにかけてのねつ帯域たいいきすべてのくに分布ぶんぷしている。オセアニア諸国しょこくへの食品しょくひん持込もちこめにはきびしい制限せいげんがあるが、その理由りゆうひとつにほんしゅ侵入しんにゅうたいする警戒けいかいがある。
マイマイガ
Lymantria dispar
ユーラシア大陸たいりく温帯おんたいいき 幼虫ようちゅう広葉樹こうようじゅ針葉樹しんようじゅ草本そうほん区別くべつなくくす森林しんりん害虫がいちゅうで、定期ていきてき異常いじょう発生はっせいかえすことでられる。原産地げんさんちでは天敵てんてきによりやがて異常いじょう発生はっせい収束しゅうそくするが、天敵てんてきのいないきたアメリカに侵入しんにゅうした一群いちぐん異常いじょう発生はっせいむところがなく、問題もんだいになっている。
セルコパジス・ペンゴイ
Cercopagis pengoi
黒海こっかいカスピ海かすぴかい オオメミジンコの1しゅ元々もともと塩水えんすいせいだが塩分えんぶん濃度のうどたいするたいせいつよく、淡水たんすいでも生存せいぞん繁殖はんしょく可能かのう。バラストすいつうきゅうソ連それん黒海こっかいからひがしヨーロッパの淡水たんすいけい侵入しんにゅうしたほか、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく五大ごだいみずうみにも侵入しんにゅうした。個体こたいすうやすことでエサである在来ざいらい植物しょくぶつせいプランクトンを大量たいりょう消費しょうひし、競合きょうごうする在来ざいらい動物どうぶつせいプランクトンやしょうさかな圧迫あっぱく、さらにプランクトンしょくせい魚類ぎょるいあらたなエサになりこれらを異様いようやすなど、生態せいたいけい多大ただい影響えいきょうあたえている。ながえだかくゆうしており、これがさかなもうまらせるなどの漁業ぎょぎょう被害ひがいている。

軟体動物なんたいどうぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
アフリカマイマイ
Achatina fulica
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
ひがしアフリカのサバナ とうリストちゅう知名度ちめいどではヤギやブタにならぶ。食用しょくようとして世界中せかいじゅう移入いにゅうされたものが野外やがい逸出いっしゅつ。その巨体きょたいから侵入しんにゅう地域ちいきには天敵てんてきがほとんどおらず、猛烈もうれつ繁殖はんしょくりょく増加ぞうか農作物のうさくもつらす。さらには広東かんとんじゅうせんむしなかあいだ宿主しゅくしゅであることが判明はんめいし、いまでは世界中せかいじゅう国々くにぐに生体せいたい移動いどう持込もちこめ禁止きんしされている。さらに、ほんしゅ駆除くじょ目的もくてきとして導入どうにゅうされ失敗しっぱいした結果けっか、このリストに記載きさいされることになった生物せいぶつが2しゅもある。
カワホトトギスガイ
Dreissena polymorpha
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
カスピ海かすぴかい黒海こっかい バラストすいかいしてアメリカの五大ごだいみずうみやヨーロッパの河川かせん侵入しんにゅう水中すいちゅうろしたあらゆるものに付着ふちゃくする性質せいしつがあり、だい発生はっせいして発電はつでんしょ取水しゅすいかんなどをまらせるなどする。二枚貝にまいがいからじょうにまで付着ふちゃくし、付着ふちゃくされたほうかい窒息ちっそくする。大量たいりょう植物しょくぶつせいプランクトンを消費しょうひするので水質すいしつ浄化じょうか寄与きよするいちめんゆうするが、これはすなわち生態せいたいピラミッド底辺ていへんおおきく変動へんどうさせることになるので生態せいたいけいおおきな影響えいきょうあたえる。
スクミリンゴガイ
Pomacea canaliculata
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
南米なんべいラプラタがわ水系すいけい 日本にっぽんではジャンボタニシの別名べつめいがあるが、分類ぶんるいがくじょうではタニシとは遠縁とおえん食用しょくよう目的もくてき各地かくち移入いにゅうされたが失敗しっぱいわり、放棄ほうきされた養殖ようしょくじょうから逸出いっしゅつたまごようかい致死ちしりつひくおさえる繁殖はんしょく戦略せんりゃくをとっているので、天敵てんてきのいない地域ちいきでは爆発ばくはつてき増殖ぞうしょくする。アジアではとく水田すいでんだい発生はっせいし、イネを食害しょくがいするなどの被害ひがいている。またアフリカマイマイにおなじく広東かんとんじゅうせんちゅう宿主しゅくしゅでもある。
ヌマコダキガイ
Potamocorbula amurensis
たまき日本にっぽん海域かいいき 汽水せい二枚貝にまいがい。バラストすいかいしてサンフランシスコわん侵入しんにゅうし、いまでは海底かいてい単一たんいつ優先ゆうせんしゅしている。動物どうぶつせいプランクトンを大量たいりょう消費しょうひし、侵入しんにゅう地域ちいき生態せいたいけい崩壊ほうかいする。日本にっぽん在来ざいらいしゅであるため外来がいらい生物せいぶつほうでの指定していはされていない。日本にっぽんでは希少きしょうしゅである。
ムラサキイガイ(チレニアイガイ)
Mytilus galloprovincialis
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
地中海ちちゅうかい沿岸えんがん いわゆるル貝るがい一種いっしゅ海中かいちゅうからだ固定こていし、海水かいすいをろして微生物びせいぶつなどをエサとするので、汚水おすい浄化じょうか役立やくだいちめんつ。しかしその性質せいしつから汚水おすい環境かんきょうにはつよく、また繁殖はんしょくりょくたかい。さらに人工じんこうぶつこのんで付着ふちゃくする性質せいしつがあり、都市とし港湾こうわんなどでは単一たんいつ優先ゆうせんしゅし、だい発生はっせいして発電はつでんしょ取水しゅすいかんまらすなどする。船底ふなそこなどに付着ふちゃくして世界中せかいじゅうひろまった。
ヤマヒタチオビ
Euglandina rosea
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
アメリカ南東なんとう 肉食にくしょくせいのカタツムリで、アフリカマイマイを駆除くじょするため、世界せかい各地かくちとく大洋たいよう離島りとう導入どうにゅうされた。しかしほんたね導入どうにゅうされた地域ちいきではアフリカマイマイがることはなく、わりに離島りとうさん固有こゆうしゅカタツムリが激減げきげんし、ハワイやタヒチではかなりのたね絶滅ぜつめつした。人間にんげん意図いと沿わなかったがゆえにリストに掲載けいさいされたこの経緯けいいはマングースにる。

その脊椎動物せきついどうぶつ以外いがいゆう体腔たいこう動物どうぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
キヒトデ(ヒトデ)
Asterias amurensis
きた太平洋たいへいよう 北海道ほっかいどう以南いなん浅海せんかいから海岸かいがん岩礁がんしょうからすなどろそこひろ生息せいそくする。日本にっぽんでもホタテガイやアサリなどの漁業ぎょぎょう資源しげん捕食ほしょくするため、しばしば駆除くじょ対象たいしょうとなるほどであり、ヨーロッパやオーストラリアなど天敵てんてきのいない地域ちいきでは猛烈もうれつえ、在来ざいらい二枚貝にまいがいるいくすなど猛威もういをふるっている。天草諸島あまくさしょとうなど一部いちぶ地域ちいき卵巣らんそう食用しょくようとするほか、発生はっせい実験じっけん使用しようされるなど以外いがい利用りようはされず、おおくは邪魔じゃましゃとしてあつかわれている。
ニューギニアヤリガタリクウズムシ
Platydemus manokwari
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
ニューギニア アフリカマイマイ駆除くじょ最後さいごふだとして導入どうにゅうされた。ヤマヒタチオビとことなりアフリカマイマイの個体こたいすう激減げきげんした小笠原諸島おがさわらしょとう父島ちちじまのようなれいもあるが、その副作用ふくさようとしてヤマヒタチオビのそれとおな弊害へいがいたのでリストり。ほんしゅによる固有こゆうしゅカタツムリの絶滅ぜつめつしゅすうはヤマヒタチオビのそれによるものをはるかにえている。
ムネミオプシス・レイディ
Mnemiopsis leidyi
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
北米ほくべいから南米なんべいにかけての大西洋たいせいようがん ツノクラゲの1しゅ。バラストすい混入こんにゅうすることで貨物かもつせんなどによって意図いとてき世界せかい各地かくち温暖おんだん海域かいいき分布ぶんぷ拡大かくだいしている。外来がいらいしゅとしての最初さいしょ記録きろくは1980年代ねんだい黒海こっかいであり、その地中海ちちゅうかい、アゾフかい、マルマラかい、1990年代ねんだいにはカスピ海かすぴかいで、2000年代ねんだいになってもバルト海ばるとかい北海ほっかい続々ぞくぞくあらたな定着ていちゃく報告ほうこくされている。大量たいりょう発生はっせいすることで動物どうぶつプランクトンが減少げんしょうし、それらを捕食ほしょくする魚類ぎょるい海洋かいよう哺乳類ほにゅうるい影響えいきょうあたえるなど、生態せいたいけい深刻しんこく被害ひがいしょうじさせている。一方いっぽうで、動物どうぶつプランクトンのえさとなる植物しょくぶつプランクトンの増加ぞうかこしているとの指摘してきもある。こんによる漁業ぎょぎょう被害ひがい問題もんだいになっている。最初さいしょ侵入しんにゅう確認かくにんされた黒海こっかいでは一時期いちじきほんしゅによる生態せいたいけい貧困ひんこんすすんだが、その天敵てんてきのクシクラゲが同様どうようにバラストすいかいして侵入しんにゅうしたことで個体こたいすう激減げきげんさせ、2017ねん時点じてんいている。

水生すいせい植物しょくぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
イチイヅタ(イワヅタ)
Caulerpa taxifolia
アフリカ熱帯ねったい海域かいいき 原産地げんさんち熱帯ねったい海域かいいき。1980年代ねんだい初頭しょとうモナコ水族館すいぞくかん周辺しゅうへん地中海ちちゅうかいへの侵入しんにゅう確認かくにんされた。どう水族館すいぞくかん水槽すいそううえ栽されていたかぶから逸出いっしゅつしたもので、同館どうかんない殺菌さっきんライトをなんびたせいで突然変異とつぜんへんいこしており、本来ほんらいなかったはずの毒性どくせい耐寒たいかんせいそなえた[2]。わずか10ねんらずで東欧とうおうアドリア海あどりあかいいたるなど、地中海ちちゅうかい全域ぜんいき分布ぶんぷ拡大かくだいしたが、2017ねん時点じてんではそのいきおいはなくなり、アドリア海あどりあかいからも姿すがたしている。
オオサンショウモ
Salvinia molesta
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
熱帯ねったいアメリカ 観賞かんしょうよう水質すいしつ実験じっけんよう輸入ゆにゅうされた。生育せいいく速度そくどはやく、あつかいも簡単かんたんなため、とみ栄養えいようした湖沼こしょう水質すいしつ浄化じょうか利用りようできる一方いっぽうで、大量たいりょう繁茂はんもしたほんしゅ枯死こしして、ぎゃくとみ栄養えいようまねくこともある。日本にっぽんでは1995ねん愛知あいちけん豊橋とよはし河川かせん野外やがいへの定着ていちゃく確認かくにんされた。在来ざいらいしゅサンショウモ競合きょうごう駆逐くちくする危険きけんせい指摘してきされている。オーストラリアやアフリカでは在来ざいらい水生すいせい植物しょくぶつおどかし、水田すいでん雑草ざっそうとなっている。
スパルティナ・アングリカ
Spartina anglica
特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ
ヨーロッパ、南北なんぼくアメリカ、みなみアフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、中国ちゅうごく 汽水沿岸えんがんいき土砂どしゃ流出りゅうしゅつ抑制よくせいなどの目的もくてき導入どうにゅうされた。種子しゅしおおくはみのりとなるが、地下茎ちかけい急速きゅうそく伸長しんちょうさせて旺盛おうせい繁殖はんしょくし、根茎こんけい植物しょくぶつたい断片だんぺんからも再生さいせいできる。マコモなどたねつよ競合きょうごうし、単一たんいつ群落ぐんらく形成けいせいすることで、水鳥みずとりえさじょうまねいたといった事例じれい報告ほうこくされているほか、カキりょう阻害そがい枯死こしたい堆積たいせきすることによる水路すいろながれの停滞ていたいなどが懸念けねんされている。
ホテイアオイ
Eichhornia crassipes
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
みなみアメリカ はなうつくしく、観賞かんしょうようとして日本にっぽんなどで拡散かくさんした。繁殖はんしょくりょく非常ひじょうつよ水面すいめんおおくすほど。さむさによわいので冬期とうきになるとれるが腐敗ふはいして悪影響あくえいきょうあたえるため、「あお悪魔あくま」とばれる。一方いっぽう中国ちゅうごくのように、とみ栄養えいようすすんだ湖水こすいほんしゅもちいて浄化じょうかし、その水面すいめんからげたほんたね家畜かちくのエサにもちいるなど、有効ゆうこう活用かつようしているくにもある。
ワカメ
Undaria pinnatifida
日本にっぽん朝鮮半島ちょうせんはんとう近海きんかい ゆうはし配偶はいぐうたいバラストすいって世界せかい各地かくち拡散かくさんした。日本にっぽん朝鮮半島ちょうせんはんとうでは食用しょくようにするが、地域ちいきではほとんど食用しょくようにせず、さらには移入いにゅうさき天敵てんてき皆無かいむ環境かんきょう一方いっぽうてき増殖ぞうしょくするのでたんなるがいとしてあつかわれる。欧米おうべいなどでは「うみ雑草ざっそう」とばれる。

陸上りくじょう植物しょくぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
アカキナノキ
Cinchona pubescens
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
みなみアメリカ マラリア特効薬とっこうやくであるキニーネ生産せいさんするための有用ゆうようしゅとして、太平洋たいへいよう諸島しょとう導入どうにゅうされたが、旺盛おうせい繁殖はんしょくりょくにより在来ざいらい植物しょくぶつ生育せいいく阻害そがいする結果けっかまねいた。たか再生さいせいりょく除草じょそうざいへのたいせいゆうし、防除ぼうじょむずかしい。日本にっぽんでは薬用やくよう植物しょくぶつえん栽培さいばいされているが、野外やがい逸出いっしゅつはしていない。
アメリカクサノボタン
Clidemia hirta
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
メキシコからパラグアイにかけてのカリブ海かりぶかい沿岸えんがん 有毒ゆうどく低木ていぼくで、草原そうげん森林しんりん侵入しんにゅうし、ひかりめぐって植物しょくぶつ競合きょうごうけた場所ばしょゆううらないしゅとなり密生みっせいしたやぶ形成けいせいする。降水こうすいりょうおお地域ちいきでは多数たすうえきはてをつけ、1果実かじつたりの種子しゅしすうは300にもなる。果実かじつ食用しょくようにもなるが、これをこのとりにより散布さんぷされさらに個体こたいすうやす。インド・太平洋たいへいよう諸島しょとう、マダガスカル、スリランカ、フィジー、ハワイで Curse まじない、たたばれるほどきらわれている。日本にっぽんでは温室おんしつとう栽培さいばいされるが、野生やせいしたとの報告ほうこくはない。
イタドリ
Polygonum cuspidatum
北海道ほっかいどう西部せいぶ以南いなん日本にっぽん台湾たいわん朝鮮半島ちょうせんはんとう中国ちゅうごく 19世紀せいき園芸えんげい花卉かきとしてイギリスに輸出ゆしゅつされたが、旺盛おうせい繁殖はんしょくりょくからたちまち在来ざいらいしゅ植生しょくせいおびやかす外来がいらいしゅとなった。地下茎ちかけいをむやみにばしてえるのが特徴とくちょうで、この地下茎ちかけいがまたコンクリートやアスファルトをやぶるほど強靭きょうじん。イギリスのスウォンジーではその土地とちにイタドリのえている痕跡こんせきみとめられると、銀行ぎんこう土地とち担保たんぽにローンをしてくれないほど[3]であり、アメリカでも同様どうよう被害ひがいている。日本にっぽんでは在来ざいらい植物しょくぶつであり、山菜さんさいとしてしたしまれている。
エゾミソハギ
Lythrum salicaria
ヨーロッパ、アジア、北西ほくせいアフリカ きたアメリカおよびニュージーランドに導入どうにゅうされ、天敵てんてき不在ふざい環境かんきょう多産たさんせいからまたた増殖ぞうしょくした。かわ運河うんがをせきとめ、在来ざいらい生態せいたいけい破壊はかいすることで問題もんだいされている。日本にっぽんでは北海道ほっかいどう自生じせいしているため、外来がいらい生物せいぶつほうもとづいた指定していはない。
オオバノボタン
Miconia calvescens
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
中南米ちゅうなんべい うつくしいつので観葉かんよう植物しょくぶつとして熱帯ねったい各地かくち導入どうにゅうされた。密林みつりん樹下じゅかのようなさない場所ばしょでも密生みっせいし、ただでさえとぼしい日光にっこうをさらにおおきなさえぎるため、そのしたにはまったくとどかなくなり、なにえてこず結果けっか単一たんいつ優勢ゆうせいしゅとなり在来ざいらい植生しょくせいをかきみだす。さらにこのおおきなあめけ、あつまった大量たいりょう水滴すいてき地面じめん直撃ちょくげきし、侵食しんしょくされた土壌どじょう流出りゅうしゅつ荒廃こうはいする。日本にっぽんでは沖縄おきなわ温室おんしつ栽培さいばいされているが、野生やせいはしていない。
オプンティア・ストリクタ
Opuntia stricta
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
中南米ちゅうなんべい 代表だいひょうてきなウチワサボテンのひとつ。非常ひじょう強健きょうけん植物しょくぶつで、世界せかい各地かくち荒地あれち侵入しんにゅう定着ていちゃくしている。繁殖はんしょく実生みしょうほか栄養えいよう繁殖はんしょくもする。駆除くじょさい破片はへんのこすと、かえってえる場合ばあいがある。こまかいとげ多数たすうついており、人間にんげん家畜かちく被害ひがい発生はっせいする。サボテンでは、ほかにももくキリン(づるせいのサボテン)や新橋しんばしひもじょうのサボテン)も適応てきおうせいたかく、各地かくち侵入しんにゅうしている。日本にっぽんでの野生やせい報告ほうこくはない。
カエンボク
Spathodea campanulata
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
西にしアフリカ 世界せかいさんだい花木はなのきひとつ。園芸えんげい目的もくてき熱帯ねったい亜熱帯あねったい各地かくち導入どうにゅうされた。パイオニアせい多産たさんせい強靭きょうじん生命せいめいりょくといった侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅ特有とくゆう特徴とくちょうゆうし、実際じっさいアメリカ、オーストラリアなど太平洋たいへいよう各地かくち野生やせいしている。ハワイなど多数たすう固有こゆうしゅからなる植物しょくぶつしょうゆうする太平洋たいへいよう島嶼とうしょ生態せいたいけいへの侵入しんにゅう懸念けねんされている。日本にっぽんでは沖縄おきなわなど暖地だんちうえ栽されているが、野外やがい逸出いっしゅつはしていない。
カユプテ
Melaleuca quinquenervia
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
オーストラリア東岸とうがんいき フトモモ植物しょくぶつれいれず、成長せいちょう大量たいりょうみず必要ひつようとするので、フロリダの沼沢しょうたく乾燥かんそうさせるため、ヘリコプターで種子しゅし散布さんぷされたが、そこから大量たいりょう種子しゅしをばらき、てはエバーグレーズ国立こくりつ公園こうえんにまで侵入しんにゅうし、在来ざいらい生物せいぶつをおびやかす存在そんざいとなった。これもフトモモ植物しょくぶつ特徴とくちょうであるが、精油せいゆには芳香ほうこうがあるので、アロマテラピーもちいられる。
キバナシュクシャ
Hedychium gardnerianum
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
インド、ネパール、ブータンのヒマラヤ山系さんけい はなうつくしいので観賞かんしょうようとして世界せかい各地かくち移入いにゅうされた。多数たすうけ、それがとりによって散布さんぷされるほか、ちいさな断片だんぺんからでも再生さいせいができる。たい陰性いんせいがあるので密林みつりん樹下じゅかでも十分じゅうぶん成長せいちょうができ、爆発ばくはつてき個体こたいすうやす。河岸かわぎし下層かそう広大こうだい密生みっせいした群落ぐんらく形成けいせいし、植物しょくぶつ駆逐くちく在来ざいらい植物しょくぶつ実生みしょう生育せいいく阻害そがいし、森林しんりん構造こうぞう変化へんかさせる。日本にっぽんでは沖縄おきなわなど暖地だんち植物しょくぶつえんうえ栽されているが、野外やがい逸出いっしゅつはしていない。
キバンジロウ
Psidium cattleianum
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
ブラジルおよびその周辺しゅうへん地域ちいき 別名べつめいはテリハバンジロウで、英名えいめいはストロベリーグアバ。果実かじつ熱帯ねったい果樹かじゅとして有名ゆうめいグアバよりあじく、熱帯ねったい亜熱帯あねったい各地かくち導入どうにゅうされた。日陰ひかげでもよくそだち、また塩分えんぶんにもつよいので、密林みつりんしたなみこうむるようなあく環境かんきょうすらいとわずどこにでもはびこり、栄養えいよう繁殖はんしょく頻繁ひんぱんって密生みっせいしたやぶ形成けいせいして単一たんいつ優先ゆうせんしゅし、在来ざいらい固有こゆう植物しょくぶつ成長せいちょう阻害そがいする。種子しゅし生産せいさんりょうおおく、そのほとんどがみのりせいたかい。あま果実かじつ鳥獣ちょうじゅう格好かっこうのエサになり、摂食せっしょくした鳥獣ちょうじゅうによって種子しゅし散布さんぷされ個体こたいすう増殖ぞうしょくさせる。天敵てんてきによる駆除くじょ防除ぼうじょは、同属どうぞくきんえんしゅ商業しょうぎょうてき重要じゅうようなグアバをも標的ひょうてきにしてしまうため困難こんなんきわめる。日本にっぽんでは小笠原諸島おがさわらしょとう侵入しんにゅうしており、固有こゆうしゅのムニンヒメツバキの成長せいちょう阻害そがいしているとの報告ほうこくがある。またシクンシ固有こゆうしゅモモタマナと競合きょうごうすることが懸念けねんされている。
キミノヒマラヤキイチゴ
Rubus ellipticus
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
アジア 地下茎ちかけいでとめどなく増殖ぞうしょくし、あまえきはてけるので、これらをこの鳥獣ちょうじゅう捕食ほしょくされ散布さんぷされることでも個体こたいすうやす。侵入しんにゅうしたハワイでは在来ざいらいのキイチゴるい駆逐くちくされた。日本にっぽんには同属どうぞく別種べっしゅ侵入しんにゅうみとめられているが、ほんしゅ侵入しんにゅう確認かくにんされていない。
ギンネム
Leucaena leucocephala
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
中南米ちゅうなんべい 多目的たもくてき有用ゆうよう植物しょくぶつとして世界中せかいじゅう熱帯ねったい亜熱帯あねったいにあたる地域ちいき導入どうにゅうされた。かなりふかくにろし、そのからみずげるため旱魃かんばつつよい。マメちかほんしゅ空中くうちゅう窒素ちっそ固定こてい作用さようゆうする根粒こんりゅうきん共生きょうせいさせているため、ひん栄養えいよう状態じょうたいであっても極端きょくたん成長せいちょうはやい。さらにアレロパシー物質ぶっしつのミモシンを分泌ぶんぴつするため、すぐさまほんしゅのみではやし形成けいせいしてたね駆逐くちくし、ほんらいこういった場所ばしょにおいてゆううらないしゅとなるべき当該とうがい地域ちいき固有こゆう植物しょくぶつぐんへの遷移せんい疎外そがいしている。日本にっぽんでは、沖縄おきなわけん小笠原諸島おがさわらしょとう導入どうにゅうされたが、ほんたねこの日当ひあたりのや、耕作こうさく放棄ほうきされた田畑たはた大抵たいていほんしゅ占拠せんきょされており、在来ざいらい固有こゆうしゅ生育せいいく阻害そがいしている。
クズ
Pueraria lobata var. lobata
日本にっぽん列島れっとう朝鮮半島ちょうせんはんとう中国ちゅうごく東南とうなんアジア きたアメリカでは、イシミカワなら最悪さいあくがいそう1876ねんフィラデルフィアの独立どくりつひゃくねんさい博覧はくらんかいさい日本にっぽんからはこばれて飼料しりょう作物さくもつおよび庭園ていえん装飾そうしょくようとして展示てんじされたのをきっかけとして、東屋あずまややポーチのかざりとして使つかわれるようになった。さらに緑化りょくか土壌どじょう流失りゅうしつ防止ぼうしようとして政府せいふによって推奨すいしょうされ、20世紀せいき前半ぜんはんてはやされた。しかし、そののアメリカでの畜産ちくさん業態ぎょうたい変化へんか[4]から利用りようされなくなり、繁茂はんもりょくたかさや拡散かくさんはやさから、有害ゆうがい植物しょくぶつならびに侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅとして指定していされ、駆除くじょつづけられている。
サンショウモドキ
Schinus terebinthifolius
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
みなみアメリカ 先駆せんく植物しょくぶつであるため、ひとによる開発かいはつでかくらんされた場所ばしょにいちはやく侵入しんにゅうし、植物しょくぶつよりはや成長せいちょうする。たい塩性えんせいちゅう程度ていどゆうするほか、洪水こうずい火災かさい旱魃かんばつなどさまざまな障害しょうがいたいしてのたいせいゆうするので、簡単かんたん植物しょくぶつあつだお単一たんいつ優先ゆうせんしゅす。とくに、マツの自然しぜんりん、マングローブりん湿地しっち、で問題もんだいされている。日本にっぽんではおそらくべいぐん占領せんりょうちゅうんだ荷物にもつから侵入しんにゅうし、小笠原おがさわら定着ていちゃくしているものの、沖縄おきなわには侵入しんにゅうしていない。
セイロンマンリョウ
Ardisia elliptica
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
スリランカ、インド西岸せいがん、マレーシア、インドシナ半島いんどしなはんとう、インドネシア 園芸えんげいじゅ果樹かじゅとして、オーストラリア、アメリカ、太平洋たいへいよう諸島しょとう導入どうにゅうされ、侵略しんりゃくてき外来がいらいしゅとなった。日陰ひかげで10ねん日向ひなたならわずから2ねん成木なりきとなる。日向ひなた植林しょくりんされた成木なりきは、最高さいこう400の果実かじつ産出さんしゅつでき、日陰ひかげでも多数たすうらす。種子しゅしには休眠きゅうみん期間きかんがなくすぐに発芽はつがし、若木わかぎなんねんものあいだ日陰ひかげのような悪条件あくじょうけんのもとでも生存せいぞん可能かのう。そのたると急速きゅうそく成長せいちょうじつらす。果実かじつ鳥獣ちょうじゅうにより摂食せっしょくされ、そこからさらに散布さんぷされる。
タマリクス・ラモシッシマ
Tamarix ramosissima
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
ユーラシア全域ぜんいき 氾濫はんらんばら潅漑かんがい水路すいろ湖岸こがんなどに生育せいいくし、塩性えんせいやアルカリ土壌どじょういとわない。在来ざいらい水生すいせい生物せいぶつにまったく利用りようされないので水路すいろではれたえだしまじょう堆積たいせきし、砂利じゃりおお景観けいかん変化へんかさせみず環境かんきょう影響えいきょうおよぼす。また長期間ちょうきかんみずストレスにえることができ、アメリカ南西なんせい砂漠さばくにある氾濫はんらんげん群集ぐんしゅう単一たんいつゆううらないしゅしている。堆積たいせきぶつえだ野火のびこしやすく、野火のび在来ざいらい動植物どうしょくぶつ破壊はかいされたのちに、さかんに萌芽ほうが再生さいせいおこないさらに個体こたいすうやす。
ダンチク
Arundo donax
ユーラシアの亜熱帯あねったいいき アメリカでは1820年代ねんだい屋根やねざいとしてみなみヨーロッパからロサンゼルス近郊きんこう導入どうにゅうされ、大陸たいりく横断おうだんし、いまでは東海岸ひがしかいがんにまで侵入しんにゅうしている。オーストラリア、ニュージーランドへも導入どうにゅうされた。侵入しんにゅうさきでは河岸かわぎし密生みっせいし、単一たんいつ優先ゆうせんしゅとなることで在来ざいらい生物せいぶつしょう影響えいきょうあたえる。しかしながら土中どちゅう水中すいちゅうから砒素ひそ重金属じゅうきんぞくなど汚染おせん物質ぶっしつ効率こうりつてき回収かいしゅうする、屋根やねざいとして以外いがいにも木管もっかん楽器がっきリードとして利用りようできる、バイオ燃料ねんりょう原料げんりょうになるなどの利点りてんすくなくない。
チガヤ
Imperata cylindrica
ひろしそんしゅ(ユーラシア、アフリカ、オーストラリア) 地下ちかにことさら頑丈がんじょう匍匐ほふくくきるので除去じょきょ困難こんなんであり、世界せかい最強さいきょう雑草ざっそうという称号しょうごうすらある。とく熱帯ねったいから亜熱帯あねったいにかけての雨季うき乾季かんきのはっきりした地域ちいきでは非常ひじょうによく繁殖はんしょくし、ほんたねのみで構成こうせいされた草原そうげんがより広範囲こうはんい恒常こうじょうてき存在そんざいする場所ばしょもある。東南とうなんアジアなどで森林しんりん破壊はかいするとアランアランばれる草原そうげんになりやすく、そうなると遷移せんい妨害ぼうがいしてなかなか森林しんりん回復かいふくしないとわれる。なおほんたねひろしそんしゅであるのでアメリカ大陸あめりかたいりくのぞ世界中せかいじゅうでは在来ざいらいしゅで、被害ひがいとく問題もんだいになっている東南とうなんアジアでも当然とうぜんながられっきとした在来ざいらいしゅである。
ハギクソウ
Euphorbia esula
絶滅ぜつめつ危惧きぐIA
中央ちゅうおうおよみなみヨーロッパ、ヒマラヤ以北いほくひがしアジア 19世紀せいき初頭しょとうに、意図いとてき米国べいこく移入いにゅうされ、最初さいしょ記録きろくされたマサチューセッツしゅうからやく80ねんでノースダコタしゅうにまで到達とうたつした。トウダイグサれいれず有毒ゆうどくなので家畜かちくによる捕食ほしょく期待きたいできず、また断片だんぺんからいち個体こたい復元ふくげんできるなど栄養えいよう繁殖はんしょくかえ爆発ばくはつてき増加ぞうかする。しかし日本にっぽんのハギクソウは愛知あいちけん海浜かいひん細々こまごまのこ絶滅ぜつめつ危惧きぐしゅほんしゅ亜種あしゅ E. esula L. var. nakaii とされるが、別種べっしゅ E. octoradiata分類ぶんるいされることもある。
ハリエニシダ
Ulex europaeus
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
西にしヨーロッパ 日当ひあたりのところこのみ、土壌どじょう環境かんきょうたいする適応てきおうせいおおきい。アリによる種子しゅし散布さんぷと、根茎こんけいつうじての繁殖はんしょく個体こたいすうやす。えだするどながとげゆうし、これで家畜かちくからだきずつけるほか、りによる防除ぼうじょ厄介やっかいなものとなる。1886ねん小石川こいしかわ植物しょくぶつえん東京とうきょう)で栽培さいばい記録きろくがあり、明治めいじ初年しょねんごろに観賞かんしょうよう導入どうにゅうされた。1950ねん横浜よこはまでの定着ていちゃく記録きろくされており、現在げんざいでは本州ほんしゅう神奈川かながわ和歌山わかやま島根しまね)、四国しこくなどへの定着ていちゃく報告ほうこくされている。
ヒマワリヒヨドリChromolaena odorata
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
熱帯ねったいアメリカ 攪乱かくらんされた日当ひあたりのい、畑地はたち園地えんち牧草ぼくそう路傍ろぼうはやしゆかり低木ていぼくりん荒地あれち川岸かわぎしなどに生育せいいくする。雨期うき種子しゅし繁殖はんしょくおおく、1個いっこ体当たいあたりの種子しゅし生産せいさんりょうは87,000、1㎡たりでは 400,000との報告ほうこくがあり、着地ちゃくちすぐに発芽はつがするほか、火事かじにあったりられたりふるくき枯死こしすると根茎こんけいから再生さいせいするので駆除くじょ困難こんなんきわめる。アレロパシー作用さようがあるので、植物しょくぶつけず、単一たんいつ密生みっせいしたやぶ形成けいせいするほか、アレルギーの原因げんいん植物しょくぶつともわれておりトリフィドばれるまできらわれている。侵入しんにゅうしたみなみアフリカでは養殖ようしょくナイルワニの繁殖はんしょく阻害そがいしている。日本にっぽんでは沖縄おきなわ定着ていちゃくしたとの報告ほうこくがあるが、分布ぶんぷ拡大かくだいにまではいたっていない。
フランスカイガンショウ
Pinus pinaster
要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ
地中海ちちゅうかい西部せいぶ沿岸えんがんいき 原産地げんさんち以外いがいでは、イギリス南部なんぶみなみアフリカ、オーストラリア、ニュージーランドに帰化きかしているが、パイオニア植物しょくぶつとしての性質せいしつゆえ各地かくち厄介やっかい外来がいらいしゅとしてあつかわれる。なお原産地げんさんちのヨーロッパでは製材せいざいじゅとして重要じゅうようあつかいをけている。防除ぼうじょ方法ほうほうとしては、機械きかいてき倒伏とうふくさせるのがもっと有効ゆうこうとされている。日本にっぽんでは明治めいじ以降いこう、たびたび記念樹きねんじゅ庭園ていえんじゅなどとして各地かくちうえ栽されているが、在来ざいらいのアカマツ、クロマツ同様どうようマツざいせんむしびょうたいする感受性かんじゅせいたかいため、被害ひがい枯死こししているのが現状げんじょうである。
プロソピス・グランドゥロサ
Prosopis glandulosa
ホザキサルノオ
Hiptage benghalensis
ツルヒヨドリ
Mikania micrantha
ミツバハマグルマ(アメリカハマグルマ)
Wedelia trilobata
ミモザ・ピグラ
Mimosa pigra
ミリカ・ファヤ
Myrica faya
モリシマアカシア
Acacia mearnsii
オーストラリア南東なんとう、タスマニア みなみアフリカなどではほんしゅ林冠りんかんひろげることで日光にっこうさえぎってしまい、在来ざいらいしゅ植物しょくぶつ生育せいいくさまたげている。
ヤツデグワ
Cecropia peltata
ランタナ
Lantana camara
リグストルム・ロブストゥム
Ligustrum robustum

微生物びせいぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
アファノマイセスきん
Aphanomyces astaci
ザリガニカビびょう原因げんいんきん
エキビョウキン
Phytophthora cinnamomi
パイナップルのしんくさびょう原因げんいんきん。なお、「エキビョウキン」はPhytophthoraぞく総称そうしょう
カエルツボカビ
Batrachochytrium dendrobatidis
カエルツボカビしょう原因げんいんきん両生類りょうせいるい減少げんしょうおおきな要因よういんの1つといわれる。
クリどう枯病きん
Endothia parasitica
とりマラリア原虫げんちゅう
Plasmodium relictum
ニレ立枯たちがれ病菌びょうきん
Ophiostoma ulmi
ニレ立枯たちがれびょう(Dutch elm disease)の原因げんいんきん
バナナ萎縮いしゅくびょうウイルス バナナ萎縮いしゅくびょう原因げんいんウイルス。ナノウイルス

過去かこ指定していされていた生物せいぶつ[編集へんしゅう]

和名わみょう学名がくめい 出自しゅつじ原産地げんさんち 被害ひがい現状げんじょう 画像がぞう
牛疫ぎゅうえきウイルス 牛疫ぎゅうえき原因げんいんウイルス。パラミクソウイルス

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 毒腺どくせんのあるあたま部分ぶぶんべないなどする。
  2. ^ ただしどう水族館すいぞくかんはこれを否定ひていしている。
  3. ^ ただし、銀行ぎんこうがここまでイタドリを警戒けいかいしているのは、スウォンジーだけである。
  4. ^ 放牧ほうぼくから穀物こくもつによる肥育ひいくりかわったので、牧草ぼくそうらなくなった。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]