代替だいたい燃料ねんりょう

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ブラジルサンパウロ代替だいたい燃料ねんりょう供給きょうきゅうスタンドのれいバイオディーゼル (B3)、ガソホール (E25)、ニートエタノール (E100)、圧縮あっしゅく天然てんねんガス (CNG)の4しゅあつかう。

代替だいたい燃料ねんりょう(だいたいねんりょう、えい:alternative fuel)とは、化学かがく反応はんのう原子核げんしかく反応はんのう外部がいぶからこすことなどによってエネルギー発生はっせいさせる燃料ねんりょうで、天然てんねん石油せきゆ代替だいたいする燃料ねんりょうのことである。

世界せかいてき石油せきゆ需要じゅよう急増きゅうぞうと、石油せきゆ枯渇こかつちかいとされるなか石油せきゆ価格かかく上昇じょうしょうつづいているため、さかんに研究けんきゅうされている。

なお、代替だいたいエネルギーという言葉ことばは、輸送ゆそう機関きかんエネルギーげんにおいて石油せきゆ代替だいたいするものし(電気でんき原子力げんしりょく化石かせき燃料ねんりょうふくみ)、産業さんぎょう発電はつでんエネルギーげんにおいて化石かせき燃料ねんりょう代替だいたいするものをす(原子力げんしりょくふくむ)。他方たほうしんエネルギーという場合ばあい一般いっぱん原子力げんしりょくふくまない。

石油せきゆ製品せいひん代替だいたい燃料ねんりょう[編集へんしゅう]

以下いか石油せきゆ製品せいひんべつ用途ようと代替だいたいひんしめす。現在げんざい航空こうくう船舶せんぱく燃料ねんりょう再生さいせい可能かのうエネルギーや原子力げんしりょくなどの電気でんきでは対応たいおうできず、化学かがくようナフサも一部いちぶには石炭せきたん天然てんねんガス由来ゆらい代替だいたいひんがあるが、代替だいたい困難こんなん課題かだいとなっている。

みぎ代替だいたい燃料ねんりょうめいをクリックすると当該とうがい用途ようと燃料ねんりょう使用しよう形態けいたいにリンクしている。(おな電気でんきでもガソリン代替だいたい電気でんき自動車じどうしゃ灯油とうゆ代替だいたいはヒートポンプにリンク)

しろ

くろ

産業さんぎょう輸送ゆそう発電はつでん燃料ねんりょう歴史れきし[編集へんしゅう]

もっとふるくから利用りようされてきた燃料ねんりょうの1つである
燃料ねんりょう発展はってん歴史れきしは、逆行ぎゃっこう・リバイバルがおお
  • 燃料ねんりょう歴史れきしは、一般いっぱん誤解ごかいされているような一本いっぽんどう可逆かぎゃく進化しんかではなく、環境かんきょう価格かかく資源しげんりょう変化へんかおうじて、時折ときおり回帰かいきしたり、ふる一時いちじすたれたものが見直みなおされながら発展はってんしてきた。
産業さんぎょう革命かくめいたきぎ風力ふうりょく水力すいりょく時代じだいから石炭せきたん時代じだい
  • もっとふる時代じだい主要しゅよう燃料ねんりょうであったが、広範囲こうはんい移動いどう採取さいしゅする必要ひつようがあり、資源しげんりょう充分じゅうぶんとはいえなかった。産業さんぎょう革命かくめいころから、移動いどう採取さいしゅ不要ふようで、熱量ねつりょうたか石炭せきたんだい規模きぼもちいられはじめた。石炭せきたん蒸気じょうき機関きかんわせにより、蒸気じょうきせん蒸気じょうき機関きかんしゃなどが、帆船はんせん運河うんが馬車ばしゃってわるようになり、輸送ゆそうりょう輸送ゆそう速度そくど輸送ゆそうコストを劇的げきてき改善かいぜんした。産業さんぎょう動力どうりょく蒸気じょうき機関きかんわって風車かざぐるま水車みずぐるま時代遅じだいおくれと看做みなされるようになった。
19世紀せいきまつ輸送ゆそう機関きかん燃料ねんりょう石油せきゆへ、ガソリン自動車じどうしゃ電気でんき自動車じどうしゃ駆逐くちく
  • 19世紀せいき後半こうはんから、石油せきゆ精製せいせいした灯油とうゆが、鯨油げいゆわる照明しょうめい燃料ねんりょうとしてもちいられはじめたが、当初とうしょはガソリンや重油じゅうゆてられていた。そのうち、廃棄はいきぶつ有効ゆうこう活用かつようするしん機関きかんとして、蒸気じょうき機関きかんより軽量けいりょうだい出力しゅつりょくなガソリンエンジンやディ-ゼルエンジンが発明はつめいされ、飛行機ひこうきや、自動車じどうしゃ発明はつめいされ、また電車でんしゃ発明はつめいされ、船舶せんぱくのボイラーも重油じゅうゆきにわっていった。草創そうそう自動車じどうしゃには電池でんち自動車じどうしゃおおかったが、当時とうじなまり蓄電池ちくでんち性能せいのうでは、ガソリンエンジンに匹敵ひってきする性能せいのう不可能ふかのうで、一時いちじはガソリンエンジン自動車じどうしゃ淘汰とうたされてしまった。一方いっぽうで、石炭せきたん化学かがく電気でんき化学かがく勃興ぼっこうし、化学かがく肥料ひりょう染料せんりょう防腐ぼうふざいなどが生産せいさんされたが、当時とうじ合成ごうせい樹脂じゅしはセルロイド程度ていどしかなく、家電かでん玩具おもちゃ雑貨ざっかうすめっき鋼板こうはん製造せいぞうされていた。
戦時せんじ石炭せきたん液化えきか電気でんき時代じだいたきぎ復権ふっけん
  • だい大戦たいせん時代じだい英国えいこく海洋かいよう封鎖ふうさ見越みこして、ドイツは石炭せきたん液化えきかして、代替だいたい石油せきゆ石炭せきたんから化学かがく合成ごうせいして軍用ぐんよう燃料ねんりょう自給じきゅうしたが日本にっぽん技術ぎじゅつでは石炭せきたん液化えきかができず、石油せきゆ不足ふそくになり、トロリーバスや木炭もくたんバスをはしらせて石油せきゆ不足ふそくおぎなわざるをなかった。当時とうじ最大さいだい産油さんゆこくはアメリカで、インドネシア(当時とうじオランダ植民しょくみん)がそれに石油せきゆ産地さんちで、中東ちゅうとう油田ゆでん開発かいはつすすんでいなかった。
1950年代ねんだい石炭せきたん全盛期ぜんせいき石炭せきたん液化えきか衰退すいたい
  • 1950年代ねんだいまでは、まだ各国かっこくとも、石炭せきたん石油せきゆよりやすく、蒸気じょうき機関きかんしゃ石炭せきたん焚蒸せんられ、発電はつでん燃料ねんりょう石炭せきたん主力しゅりょくであり、石油せきゆ用途ようとしゅとして交通こうつう機関きかん燃料ねんりょうだった。一時期いちじき日本にっぽん石炭せきたん生産せいさんは5000まんtをえている。
  • ドイツで戦時せんじ勃興ぼっこうした石炭せきたん液化えきか産業さんぎょうは1バレル40-50ドルちかくするために、10ドルの米国べいこく石油せきゆ入荷にゅうかすると淘汰とうたされてしまった。
1960年代ねんだい石油せきゆ全盛期ぜんせいき産業さんぎょう/発電はつでん燃料ねんりょう石炭せきたんから奪取だっしゅ。プラスチックの登場とうじょう石炭せきたん電気でんき斜陽化しゃようか
  • 1960ねんごろ中東ちゅうとうだい油田ゆでん開発かいはつすすむと、石油せきゆ価格かかくは1バレル10ドルから2ドルまで下落げらく輸送ゆそうよう燃料ねんりょうだけでなく、産業さんぎょうよう燃料ねんりょう製鉄せいてつよう石炭せきたんをのぞいて重油じゅうゆわり、えいべいどく国内こくない炭鉱たんこう維持いじする姿勢しせいだったが、日本にっぽん廃坑はいこう方針ほうしんめ、石炭せきたん埋蔵まいぞうりょうのこしたまま次々つぎつぎ国内こくない炭鉱たんこう閉山へいざんしていった。一方いっぽう石油せきゆ化学かがく工業こうぎょう勃興ぼっこうし、家電かでん衣類いるい雑貨ざっか玩具おもちゃ肥料ひりょう染料せんりょうなどは石油せきゆ化学かがくひんわった。
1970年代ねんだいだい1およびだい2オイルショック石炭せきたん復権ふっけん産業さんぎょう/発電はつでん燃料ねんりょう石炭せきたん原子力げんしりょく天然てんねんガスに移行いこう、アルコール登場とうじょう
  • 1974ねん第一次だいいちじオイルショックがきて、石油せきゆ値段ねだんは1バレル12ドルに高騰こうとう、1979ねんだいオイルショックがきて石油せきゆ価格かかく一時期いちじき1バーレル50ドルをえた。ブラジルではサトウキビのはい糖蜜とうみつから自動車じどうしゃようアルコール燃料ねんりょう製造せいぞうして石油せきゆ価格かかく高騰こうとう対応たいおうし、一時期いちじき自動車じどうしゃ半分はんぶんがアルコール自動車じどうしゃになるほど普及ふきゅうした。日本にっぽんではドイツしき石炭せきたん液化えきか(人造じんぞう石油せきゆ合成ごうせい)のさい研究けんきゅうはじまり、米国べいこくではオイルサンドやオイルシェールの開発かいはつ検討けんとうされた。べいえいどく発電はつでん燃料ねんりょうふたた国内こくないずみ回帰かいきした、日本にっぽん工業こうぎょう燃料ねんりょう発電はつでん燃料ねんりょう重油じゅうゆから石炭せきたん回帰かいきしたものの、すで炭鉱たんこうじており、原子力げんしりょく発電はつでんしょさかんに建設けんせつされ、またえんだかになったので海外かいがいずみやLNGが発電はつでん燃料ねんりょうはしらになった。
1980・1990年代ねんだい 代替だいたい燃料ねんりょうつぶ戦略せんりゃくべいでアルコール燃料ねんりょう欧州おうしゅうでバイオディーゼル・アパルトヘイトでなんアで石炭せきたん液化えきか
  • イラン・イラク戦争せんそう終結しゅうけつするとアラブ諸国しょこくは、代替だいたい燃料ねんりょう発展はってんさえむために、石炭せきたん液化えきか限界げんかいてん1バレル30-50ドルを下回したまわ値段ねだん販売はんばい。アルコールや石炭せきたん液化えきかプロジェクトが解散かいさんまれ、チェルノブイリ事故じこもあって原子力げんしりょく発電はつでんしょ反対はんたい運動うんどうりあがった。しかし、環境かんきょう問題もんだい貿易ぼうえき赤字あかじ削減さくげんなどを意図いとして、ドイツではバイオディーゼル、米国べいこくはアルコール燃料ねんりょう導入どうにゅうすすめた。全般ぜんぱん代替だいたい燃料ねんりょうふゆ時代じだいだったが、人種じんしゅ差別さべつ政策せいさくで、石油せきゆ制裁せいさいけて石油せきゆ輸入ゆにゅうできなくなった、みなみアフリカ共和きょうわこくでは、サソールしゃがフィッシャー・トロプシュほうによる石炭せきたん液化えきか開始かいし
2000年代ねんだい 中国ちゅうごく・インドの経済けいざい成長せいちょうだい3オイルショック。中国ちゅうごく石炭せきたん液化えきか欧州おうしゅう風力ふうりょく復権ふっけん電気でんき自動車じどうしゃ復権ふっけん
  • 自動車じどうしゃ家電かでん人口じんこうは、ぜん地球ちきゅうおよそ10おくにんであったものが、中国ちゅうごく13おくにん・インド12おくにんなかしんこく高度こうど成長せいちょうによって、石油せきゆ輸出ゆしゅつこくにとって「石油せきゆ安値やすねって、代替だいたい燃料ねんりょう発展はってんめる戦略せんりゃく」から「石油せきゆ温存おんぞん高値たかね維持いじ戦略せんりゃく」のほうが有利ゆうりになり2008ねんだいさんオイルショックは発生はっせいし、石油せきゆ価格かかくは1バレル170ドルまで上昇じょうしょうし、航空こうくう運賃うんちん電気でんき料金りょうきん燃油ねんゆサーチャージの暴騰ぼうとうやガソリン暴騰ぼうとう漁船ぎょせんのストライキなど混乱こんらんまねいた。
  • あわせて、CO2問題もんだい重要じゅうようされ、また燃料ねんりょう暴騰ぼうとうによる損害そんがい回避かいひするために、かつて不安定ふあんていさゆえに見捨みすてられた風車かざぐるまや、なまり電池でんちよわさでガソリンしゃ駆逐くちくされた電池でんち自動車じどうしゃ架線かせんのないところけないがゆえに軽油けいゆDieselバスに駆逐くちくされたトロリーバス、燃料ねんりょうあつめや薪割まきわ問題もんだい石炭せきたん駆逐くちくされたたきぎストーブなどが、Nas電池でんちだい口径こうけい風力ふうりょく発電はつでん、リチウム空気くうき電池でんち自動車じどうしゃ、ハイブリッドトロリーバス、木質もくしつペレット燃料ねんりょうストーブなどがさかんに研究けんきゅうされるようになり、一部いちぶ実用じつようした

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]