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原子力げんしりょくせん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アクラがた原子力げんしりょく潜水せんすいかんはロシアで運用うんようされており、かつてはインドでも運用うんようされていた。

原子力げんしりょくせん(げんしりょくせん)とは、原子げんし動力どうりょくげんとして使つか船舶せんぱくである。原子げんしみず沸騰ふっとうさせた蒸気じょうきタービンうごかし、スクリューを駆動くどうして航行こうこうする。軍艦ぐんかん場合ばあいには「原子力げんしりょくかん」とばれることもある。

特徴とくちょう

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舶用はくよう機関きかんとしての原子力げんしりょくは、以下いかのようにすうおおくの利点りてん欠点けってんあわつ。全般ぜんぱんだい規模きぼ用途ようと水中すいちゅう用途ようと機関きかんであり、利点りてんかせる用途ようと軍艦ぐんかん潜水せんすいかんおよび航空こうくう母艦ぼかんおよ砕氷さいひょうせんかぎられている。

舶用はくよう機関きかんとしての原子力げんしりょく利点りてん

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  1. 大気たいき依存いぞんせず運転うんてんできる
  2. 供給きょうきゅう不安ふあん石油せきゆ依存いぞんしなくてすむ
    • 長期間ちょうきかん燃料ねんりょう補給ほきゅうをする必要ひつようがなく、原油げんゆ価格かかく上昇じょうしょうにより経済けいざいてき損失そんしつこうむるリスクがない。
    • 石油せきゆ輸入ゆにゅうこく場合ばあい艦艇かんてい燃料ねんりょうじゅん自給じきゅうになり、シーレーン依存いぞんげられる。
  3. 大型おおがたかん/ふね場合ばあい航海こうかい燃料ねんりょう容積ようせき重量じゅうりょうくメリットがある
    • 原子力げんしりょく機関きかんだい規模きぼなほど出力しゅつりょく/重量じゅうりょう改善かいぜんする。大型おおがた高速こうそくせん場合ばあい動力どうりょく機関きかんと「燃料ねんりょう機関きかん合計ごうけい」でくらべて、重量じゅうりょう容積ようせきりに出力しゅつりょくおおきいぶんペイロードおおくできる[1]
  4. 潜水せんすいかん航空こうくう母艦ぼかんよういている
    • 詳細しょうさい軍用ぐんよう船舶せんぱくとしての原子力げんしりょく船舶せんぱくこう参照さんしょう

舶用はくよう機関きかんとしての原子力げんしりょく欠点けってん

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  1. 機関きかん取得しゅとくコストが高額こうがく下記かき目安めやす。「むつ」は原子力げんしりょく委員いいんかい試算しさんの2-3ばいかった)
    • アメリカ海軍かいぐん空母くうぼにおいては28まん馬力ばりき (206MW) で通常つうじょうがた原子力げんしりょくでの取得しゅとく価格かかく排水はいすいりょう比例ひれい1,782おくえん(87まんえん/Kw・8まん馬力ばりきで509おくえん
    • 「むつ」建造けんぞう時代じだい原子力げんしりょく委員いいんかい試算しさんでは2まん馬力ばりき (15MW) の原子力げんしりょく機関きかんで21おくえんであり、どう出力しゅつりょくディーゼル機関きかんより大幅おおはば高価こうかであった。
    • 軍艦ぐんかんであってもかずそろえねばならない駆逐くちくかんフリゲートでは(原油げんゆ高騰こうとうした場合ばあいのぞき)原子力げんしりょく機関きかんたか取得しゅとく保守ほしゅ廃棄はいきコストは問題もんだいとされる。
  2. 原子げんし点検てんけん人員じんいんコストがかり、燃料ねんりょう交換こうかん点検てんけん長期ちょうき稼動かどういられる。
    • 原子げんしは1-2ねんに1かいねつ交換こうかんパイプのにくあつ損耗そんこう被覆ひふくかんいたみなどを点検てんけんせねばならず、アメリカ空母くうぼ場合ばあい10-20ねん保守ほしゅ点検てんけん間接かんせつ運航うんこう人件じんけんかっている。アメリカ空母くうぼ場合ばあい、40ねん寿命じゅみょうの20ねん燃料ねんりょう交換こうかん近代きんだい改装かいそうおこなうが、どう排水はいすいりょう通常つうじょう動力どうりょく空母くうぼより1,520おくえん(1ドル115えん換算かんさん高価こうかである。また長期間ちょうきかん空母くうぼ拘束こうそくされる。
    • 日本にっぽん原子力げんしりょく研究所けんきゅうじょ開発かいはつしたしん舶用はくようMRXは原子げんしモジュールごと片方かたがたずつとし1かい交換こうかんして船体せんたいやすまず稼動かどうさせ、モジュール保守ほしゅ点検てんけん燃料ねんりょう交換こうかん修理しゅうり工場こうじょう集中しゅうちゅう処理しょりできる仕様しようとして、上記じょうき問題もんだい回避かいひするこころみがなされている。
  3. はいせんはいコストがかさ
    • 原子げんしはいコストは規模きぼ仕様しようにもよるが、べい空母くうぼ場合ばあい1500おくえんである。
    • 船体せんたい被曝ひばくして放射能ほうしゃのうびると廃棄はいきコストが急増きゅうぞうする。MRXは船体せんたい寿命じゅみょう解体かいたい船体せんたい鉄材てつざい放射能ほうしゃのう市販しはんてつどう程度ていどであることを要求ようきゅう仕様しようにしている。
  4. 原子げんしは1,000-3,500tの重量じゅうりょうがあり小型こがた艦船かんせんかない。
    • 中性子ちゅうせいし減衰げんすいには距離きょりおおきな要素ようそとなるので、1まん馬力ばりきでも14まん馬力ばりきちか放射線ほうしゃせん遮蔽しゃへいあつみが必要ひつようで、小型こがたほど出力しゅつりょく/重量じゅうりょうわるくなる傾向けいこうがある。原子力げんしりょく委員いいんかい資料しりょうでは1まん馬力ばりき原子げんしが1,000t、原研げんけんのMRXが4まん馬力ばりきで1,800tである。原子げんし重量じゅうりょう原型げんけいかん燃料ねんりょう+ボイラ重量じゅうりょう上回うわまわると通常つうじょう機関きかんより重量じゅうりょうてき不利ふりになり、ペイロードをうしなうか重量じゅうりょう過多かたになる。
    • ベインブリッジ」(9,100t・6まん馬力ばりき) は原型げんけいリーヒきゅうミサイル巡洋艦じゅんようかん (7,800t・8まん5せん馬力ばりき) にたいして1,300t重量じゅうりょう超過ちょうかし、出力しゅつりょくが2まん5,000馬力ばりき低下ていかした。つぎの「トラクスタン」(8,659t・7まん馬力ばりき) では原型げんけいベルナップきゅうミサイル巡洋艦じゅんようかん (8,957t・8まん5,000馬力ばりき) より300t減量げんりょう成功せいこうしたが、出力しゅつりょくが1まん5,000馬力ばりき低下ていかした。この2かん水上すいじょう原子力げんしりょく艦船かんせんとして最小さいしょうのものである。
    • しかしりょうかんともライフサイクルコストではスプルーアンスきゅう駆逐くちくかんより高価こうかであった。
      • 参考さんこう舶用はくよう機関きかん重量じゅうりょう電気でんき推進すいしん・25kt・8,000km・178あいだ前提ぜんてい
        • 4まん馬力ばりき程度ていど機関きかん1では原子力げんしりょく不利ふり
        • ガスタービン 4.9まん馬力ばりき・1,421t
        • ロールス・ロイスMT30エンジン 22t・発電はつでん55t・燃料ねんりょう1,344t)MT30
        • 舶用はくようディーゼル 4まん馬力ばりき・1,282t
        • (MTU20V1163TB93 24.5t×4・はつ電機でんき11t×4・燃料ねんりょう1,140t)MTU20V1163
        • 商用しょうようディーゼル 4.4まん馬力ばりき・2,053t
        • (MANB&WK80MC-C6-9 1065t・直結ちょっけつ燃料ねんりょう989t)MAN B&WK80MC
        • 原子げんしMRX 4まん馬力ばりき・2,173t
        • (MRX 1,800t・蒸気じょうきタービン373t)MRX
  5. 原子げんし事故じこきたときの被害ひがい甚大じんだいなものとなる可能かのうせいがある
    • そのため、かり原子力げんしりょくコンテナせん理論りろんじょう採算さいさんるようになっても、かつては「サヴァンナごう」の寄港きこうれた実績じっせきのある欧米おうべい港湾こうわん今日きょう寄港きこうれる保証ほしょうはない。
  6. かくジャックへの懸念けねん
    • 民間みんかん原子力げんしりょく商船しょうせんはこの問題もんだいのため、こう濃縮のうしゅくかく燃料ねんりょう使つかえない。現在げんざい商用しょうよう原子げんし警察官けいさつかん警備けいびしているが、原子力げんしりょく商船しょうせんもそれと同等どうとう以上いじょう警備けいび体制たいせいもとめられるならコストアップ要因よういんになる。
  7. 維持いじ管理かんり
    • 原子げんしは、たか水準すいじゅんでの維持いじ管理かんり必要ひつようである。

民間みんかん船舶せんぱくへの導入どうにゅう

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西側にしがわ諸国しょこく

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西側にしがわ諸国しょこくでは、1960年代ねんだいから70年代ねんだいにかけて民間みんかん船舶せんぱくへの原子力げんしりょく動力どうりょく導入どうにゅう計画けいかく推進すいしんされた。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく西にしドイツ日本にっぽん実証じっしょうせんねた原子力げんしりょくせんが3せき建造けんぞうされたが、いずれも高度こうど技術ぎじゅつ採算さいさんせいによるこうコスト、政治せいじてき判断はんだん、さらには微弱びじゃくだが事故じここしたなどの理由りゆう退役たいえきしている。2025ねんにはあらたな原子力げんしりょくせん就役しゅうえき予定よてい

貨客船かきゃくせんサヴァンナ
アメリカでは、アイゼンハワー大統領だいとうりょう提案ていあん原子力げんしりょく貨客船かきゃくせん「サヴァンナ」が建造けんぞうされたが、1962ねん処女しょじょ航海こうかいでは定員ていいん60にん旅客りょかくたいして14にんしかあつまらず、やく1まんtの船倉ふなぐらたいしてあつまった貨物かもつは400tだけだった。そのも、乗組のりくみいん同級どうきゅうせんたいして3わりおお必要ひつよううえ特殊とくしゅ教育きょういく訓練くんれん必要ひつようで、賃金ちんぎん金額きんがくから労使ろうし紛争ふんそうしょうじた。さらに、母港ぼこうにも専用せんよう補修ほしゅう施設しせつ岸壁がんぺき必要ひつようと、運航うんこうにはいくつもの制約せいやくされた。これらの問題もんだいによって、「サヴァンナ」の運航うんこうには同級どうきゅうせんより毎年まいとし200まんドルも割高わりだかなコストがかかることから、就役しゅうえきからわずか10ねんの1972ねんはいせんされた。
鉱石こうせき運搬船うんぱんせんオットー・ハーン
1960ねんから原子力げんしりょく商船しょうせん検討けんとうはじめた西にしドイツでは、1968ねんに「オットー・ハーン」が就役しゅうえきした。「オットー・ハーン」は鉱石こうせき運搬うんぱんともに、研究けんきゅうしゃ36めい実験じっけんせんであり、機密きみつ指定してい解除かいじょされた政府せいふ公文書こうぶんしょによると原子力げんしりょく潜水せんすいかん応用おうようするための技術ぎじゅつ研究けんきゅうかんがえられていたという。西にしドイツ政府せいふは、1979ねんに「オットー・ハーン」を一般いっぱん貨物かもつせん改装かいそうし、あらたに原子力げんしりょくコンテナせん建造けんぞうする計画けいかくだった。予定よていどおり、「オットー・ハーン」は1979ねん原子げんし撤去てっきょしディーゼル推進すいしん貨物かもつせんになったが、1980ねんみどりとう結成けっせいされると、はん原発げんぱつおおきな政治せいじりょくつようになり、あらたな原子力げんしりょくせん建造けんぞう中止ちゅうしされた。
ドイツさい統一とういつて、2002ねん4がつには原子力げんしりょく発電はつでんふくむすべての原子力げんしりょく利用りよう廃止はいしする改正かいせい原子力げんしりょくほう施行しこうされ、原子力げんしりょくせん建造けんぞう保有ほゆう禁止きんしされた。現在げんざいも、ドイツは政治せいじてき原子力げんしりょく商船しょうせん検討けんとうできる状況じょうきょうではない。
貨物かもつせんむつ
日本にっぽんでは、1963ねんから技術ぎじゅつ開発かいはつおも目的もくてきとして原子力げんしりょくせん計画けいかく開始かいしされた。この計画けいかく背景はいけいには、当時とうじ原子力げんしりょく委員いいんかい委員いいんちょうかく政策せいさく熱心ねっしん推進すいしんしゃでもある中曽根なかそね康弘やすひろだったことも理由りゆうである。1963ねん原子力げんしりょく委員いいんかいは「むつ」建造けんぞうを36おくえん見積みつもり、これにもとづいて科学技術庁かがくぎじゅつちょうげん文部もんぶ科学かがくしょう)は予算よさん作成さくせいした。しかし、アメリカの「サヴァンナ」が2まんtで総額そうがく4,690まんドル(169おくえん、このうち原子げんしだけで2,830まんドル)だったのにくらべると、36おくえんあきらかに過少かしょう見積みつもりであった。造船ぞうせん原子げんし会社かいしゃ見積みつもりは60おくえん当初とうしょだれ応札おうさつせず、1967ねんに60おくえん建造けんぞう契約けいやく締結ていけつされた。
1972ねん原子力げんしりょくせん「むつ」は就役しゅうえきしたものの、水産物すいさんぶつへの風評ふうひょう被害ひがいおそれた漁民ぎょみん反対はんたい試験しけんができなかった。1974ねん1がつ第一次だいいちじオイルショック影響えいきょうもあり、日本国にっぽんこく政府せいふ一部いちぶ漁民ぎょみん反対はんたいって「むつ」を出航しゅっこうさせ、太平洋たいへいよううえ臨界りんかい出力しゅつりょく上昇じょうしょう試験しけんおこなった。そのさい遮蔽しゃへい不備ふびによる微量びりょう放射線ほうしゃせんもれが検出けんしゅつされた。軽微けいびなトラブルであったが当時とうじ社会しゃかい情勢じょうせい影響えいきょうし、「むつ」は母港ぼこう大湊おおみなとこう入港にゅうこう拒否きょひされた。
やむをえず佐世保させぼこう修理しゅうりをしたのち受入うけいれみなとがなく、1981ねん大湊おおみなとからややはなれた関根せきねはまに、1,000おくえんとうじてしん母港ぼこう関根せきねはまこう建設けんせつして収容しゅうようすることに決定けっていしたが、これにも巨額きょがく新港しんこう建設けんせつ地元じもと対策たいさくがかかるため「むつ」はいせんろんこった。「むつ」は1991ねん問題もんだいなく8まん2,000km(地球ちきゅう2しゅうぶん)の試験しけん航海こうかいえ、1993ねん海洋かいよう地球ちきゅう研究けんきゅうせんみらい」に改装かいそうされた。
研究けんきゅうせんEarth 300英語えいごばん
2025ねん就航しゅうこう予定よてい研究けんきゅうせん動力どうりょく溶融ようゆうしお使用しようしており、気候きこう変動へんどう海洋かいよう環境かんきょう悪化あっかといった地球ちきゅうじょう課題かだいについて研究けんきゅう調査ちょうさする。AI、ロボット、機械きかい学習がくしゅう、リアルタイムデータ処理しょり最新さいしん量子りょうしコンピュータなどをつ「最先端さいせんたん」の研究けんきゅうしつが22しつ搭載とうさいされており、航海こうかいでは様々さまざま分野ぶんや科学かがくしゃ160にん学生がくせい20にん従業じゅうぎょういん165にん、VIPゲスト40にん乗船じょうせんさせる予定よてい[2][3]

これらの原子力げんしりょく商船しょうせん運航うんこう実績じっせき軍艦ぐんかん運用うんよう実績じっせきにより、原子力げんしりょく機関きかん当初とうしょ見込みこまれていたより、点検てんけん補修ほしゅうはい費用ひようかること判明はんめいしている。1960年代ねんだい原子力げんしりょく委員いいんかい見積みつもりでは、点検てんけん補修ほしゅうコストやはいコストがはいっていなかったので、原油げんゆが1バレルあたり2ドルで5まんt・15ノットでもコストダウンすれば採算さいさん可能かのうせいがあるとかんがえていたようである。2000ねん、1バレル20ドルのころ原研げんけんおこなった調査ちょうさでは、6500TEU・やく7まんt・速力そくりょく30ノットの大型おおがた高速こうそくせんで、ようや採算さいさんれるレベルだという。

ソ連それん・ロシア

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ソビエト連邦れんぽうロシア連邦れんぽうでは、冬季とうき長期間ちょうきかんごおりざされる北極圏ほっきょくけん北極ほっきょくかい航路こうろ航行こうこうのために、民間みんかん原子力げんしりょくせん重要じゅうよう役割やくわりたしている。1959ねん最初さいしょ原子力げんしりょく砕氷さいひょうせんレーニン」が就役しゅうえきして以降いこう、9せき原子力げんしりょく砕氷さいひょうせん建造けんぞうされた。このうち4せき原子力げんしりょく砕氷さいひょうせん現在げんざい運航うんこうされ、さらに3せき代替だいたいせんとして建造けんぞうちゅうである。

1988ねんには、原子力げんしりょくラッシュせんけんコンテナせんセブモルプーチ」が就役しゅうえきした。あまりの巨体きょたい採算さいさんわず、たびたび係留けいりゅうされて一時いちじ掘削くっさくせんへの改装かいそう予定よていされたが、2016ねん以降いこう北極ほっきょくかい航路こうろバルト海ばるとかいなどで運航うんこうつづいている。

中国ちゅうごく

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2023ねん12月5にち中国ちゅうごく江南こうなん造船ぞうせん集団しゅうだん上海しゃんはい開催かいさいされた「中国ちゅうごく国際こくさい海事かいじ技術ぎじゅつ学術がくじゅつかい展覧てんらんかい」で、世界せかい最大さいだいとなる積載せきさいりょう2まん4000TEUの原子力げんしりょくコンテナせん設計せっけい発表はっぴょうした。動力どうりょく溶融ようゆうしお使用しようするとのこと[4]

軍用ぐんよう船舶せんぱくとしての原子力げんしりょくせん

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原子力げんしりょく軍用ぐんよう艦船かんせん動力どうりょくとしては一定いってい評価ひょうかけ、多数たすう原子力げんしりょくせん建造けんぞう運用うんようされている。そのしゅたる用途ようと原子力げんしりょく潜水せんすいかん大型おおがた航空こうくう母艦ぼかんである。

潜水せんすいかんようとしては、内燃ないねん機関きかん燃焼ねんしょうによる蒸気じょうきボイラーとはことなり酸素さんそ必要ひつようとせず、ぎゃく原子力げんしりょく発電はつでんによる豊富ほうふ電力でんりょく海水かいすい電気でんき分解ぶんかいし、酸素さんそすことができる。機関きかん運転うんてん乗員じょういん呼吸こきゅう必要ひつよう酸素さんそむための浮上ふじょうおこなことなく、長期間ちょうきかん潜行せんこうしたままという運用うんよう可能かのうになること動力どうりょくげんではられないメリットとされた。

航空こうくう母艦ぼかんようとしては長期ちょうき作戦さくせん行動こうどうりょくをはじめ、下記かき様々さまざま利点りてんがある。

  • 潤沢じゅんたく電力でんりょくによる良好りょうこう居住きょじゅう環境かんきょうおよび長大ちょうだい航続こうぞく距離きょりは、空母くうぼ外洋がいよう展開てんかいささえるうえおおきなメリットである。
  • 大型おおがた通常つうじょう空母くうぼでは機関きかん燃料ねんりょう搭載とうさいが8000tにもなるが、それも不要ふよう。そのぶん航空こうくう燃料ねんりょう航空こうくうへいそうふえでき、長期間ちょうきかん作戦さくせん行動こうどうささえられる。
  • カタパルト膨大ぼうだいなエネルギー・蒸気じょうき消費しょうひするが、原子力げんしりょくかんであれば豊富ほうふ蒸気じょうき持続じぞく供給きょうきゅう可能かのう
  • 排気はいきさないのでちゃくかん障害しょうがいとなる熱気ねっきりゅう発生はっせいさせず、艦内かんないけむり不要ふよう
  • ガスタービン空母くうぼ舷側げんそく吸気きゅうきこう浸水しんすいこうとなる可能かのうせいがあるが、それも不要ふよう
  • 空母くうぼ通常つうじょう高速こうそく航行こうこうかいかぜることによって艦載かんさい発着はっちゃくかん距離きょり短縮たんしゅくすることがおおい。しかし通常つうじょう動力どうりょくがたでは燃料ねんりょう多量たりょう消費しょうひしがちなため、原子力げんしりょく空母くうぼ有利ゆうり

ぎゃく原子力げんしりょくによるメリットが航続こうぞく性能せいのうのみとなるミサイル巡洋艦じゅんようかんなどへの適用てきようは、建造けんぞう通常つうじょう動力どうりょくがたより大幅おおはばにコストがかかることなどからりやめられている(参考さんこう:バージニアきゅう原子力げんしりょくミサイル巡洋艦じゅんようかん)。

通常つうじょう動力どうりょく空母くうぼ原子力げんしりょく動力どうりょく空母くうぼのライフサイクルコスト比較ひかく[5]
費用ひよう種別しゅべつ 通常つうじょう動力どうりょく空母くうぼ 原子力げんしりょく空母くうぼ
開発かいはつ(Investment cost)[6] 3,353.4おくえん(29.16おくドル)[7] 7,407.15おくえん(64.41おくドル)[8]
取得しゅとく(Ship acquisition cost) 2,357.5(20.50) 4,667.85(40.59)
中期ちゅうき近代きんだい改修かいしゅう(Midlife modernization cost) 995.9(8.66) 2,739.3(23.82)
運用うんよう維持いじ(Operating and support cost) 12,793.75(111.25) 17,114.3(148.82)
直接ちょくせつ運用うんよう維持いじ(Direct operating and support cost) 12,001.4(104.36) 13,428.55(116.77)
間接かんせつ運用うんよう維持いじ(Indirect operating and support cost) 791.2(6.88) 3,685.75(32.05)
廃棄はいき/処分しょぶん(Inactivation/disposal cost) 60.95(0.53) 1,033.85(8.99)
廃棄はいき/処分しょぶん(Inactivation/disposal cost) 60.95(0.53) 1,020.05(8.87)
使用しようかく燃料ねんりょう保管ほかん(Spent nuclear fuel storage cost) なし 14.95(0.13)
ライフサイクルコスト 16,208.1おくえん(140.94おくドル) 25,555.3おくえん(222.22おくドル)
比較ひかく 100% 157.7%
63.4% 100%

出典しゅってんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく会計検査院かいけいけんさいん1998ねん 通常つうじょう動力どうりょく原子力げんしりょく空母くうぼのコスト比較ひかく[9]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 世界せかいにおける原子力げんしりょくせん研究けんきゅう開発かいはつ運航うんこう実績じっせき参照さんしょう
  2. ^ なんじゃこりゃ!? きょだい原子力げんしりょくせん度肝どぎもくデザインで計画けいかくちゅう 目立めだってナンボな目的もくてき
  3. ^ 原子力げんしりょくスーパーヨットのたびは300まんドル…2025ねん出航しゅっこう予定よてい科学かがくしゃ学生がくせい無料むりょう招待しょうたい
  4. ^ 中国ちゅうごく船舶せんぱく集団しゅうだん世界せかいはつにして最大さいだい原子力げんしりょくコンテナせん設計せっけい正式せいしき発表はっぴょう中国ちゅうごくメディア
  5. ^ 単位たんいおくえん 115えん/ドル換算かんさん (カッコないおくドル)) 小数点しょうすうてんげはおこなわない
  6. ^ かん寿命じゅみょうを50ねんとする。
  7. ^ 通常つうじょうがた動力どうりょく空母くうぼ燃料ねんりょうには運搬うんぱん補給ほきゅう作業さぎょう経費けいひふくまれる。
  8. ^ 原子力げんしりょく空母くうぼ開発かいはつにはかく燃料ねんりょう価格かかくふくまれる。
  9. ^ Cost-Effectiveness of Conventionally and Nuclear-Powered Aircraft Carriers, www.fas.org英語えいご

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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