佐久間さくま実みのる

佐久間さくま 実みのる（さくま みのる、1940年ねん9月17日にち - ）は日本にっぽんの政治せいじ家か・元げん埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん（9期き）。元もと自民党じみんとう県議けんぎ団長だんちょう。会社かいしゃ社長しゃちょう。

経歴けいれき

埼玉さいたま県立けんりつ春日部かすかべ高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょう。会社かいしゃ役員やくいん、春日部かすかべ市議会しぎかい議員ぎいん、同どう議長ぎちょう、自民党じみんとう埼玉さいたま県連けんれん青年せいねん部長ぶちょうを経へて、1979年ねん4月がつ実施じっしの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに東ひがし7区く（春日部かすかべ市し、のち東ひがし8区く）から立候補りっこうほし、初はつ当選とうせん。以後いご、9回かい連続れんぞく当選とうせん。

埼玉さいたま県議会けんぎかい第だい90代だい議長ぎちょうに就任しゅうにん（1989年ねん3月がつから1990年ねん6月がつ）。

1992年ねんに埼玉さいたま県知事けんちじに就任しゅうにんした土屋つちや義彦よしひこと対立たいりつ。議長ぎちょう退任たいにん後ごの1993年ねん5月、過去かこの埼玉さいたま県議会けんぎかい議長ぎちょう選挙せんきょをめぐる汚職おしょく事件じけんが発覚はっかくし、佐久間さくまは収賄しゅうわい容疑ようぎで逮捕たいほされた。佐久間さくまは自民党じみんとう県議けんぎ団だんを離はなれ団だんし、議員ぎいん辞職じしょくした。

佐久間さくまは1995年ねん4月がつの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに控訴こうそ中ちゅうながら無所属むしょぞくで立候補りっこうほし、当選とうせん。その後ご受託じゅたく収賄しゅうわい罪ざいで懲役ちょうえき1年ねん2月がつ・追徴金ついちょうきん300万まん円えんの実刑じっけいが確定かくていし、佐久間さくまは県議けんぎを辞職じしょくし、服役ふくえきした。

刑期けいきを終おえて出所しゅっしょ後ごの1999年ねん4月がつの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに自民党じみんとう員いんでありながら無所属むしょぞくで再ふたたび出馬しゅつば。最下位さいかい当選とうせんで再選さいせんを果はたした。

2003年ねん4月がつの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに無所属むしょぞくで出馬しゅつばし（この選挙せんきょから選挙せんきょ区くは「東ひがし8区く」）、最下位さいかいながら7回かい目めの当選とうせんを果はたした。

その後ご、佐久間さくまは所属しょぞく会派かいはを「いきいき埼玉さいたまの会かい」に移うつり、2007年ねん4月がつの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに同どう会派かいはから出馬しゅつばし、最下位さいかいで8回かい目めの当選とうせんを果はたした。その後ご、自民党じみんとうに復ふく党とうした。

2011年ねん4月がつの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょでは自民党じみんとう公認こうにんで出馬しゅつばし、最下位さいかいで9回かい目めの当選とうせんを果はたした。

2015年ねん4月がつ12日にち実施じっしの埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに無所属むしょぞくで出馬しゅつばしたが（東ひがし7区く）、落選らくせんした。

落選らくせん後ごは「元もと埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん」の肩書かたがきで2019年ねんに実施じっしされた埼玉さいたま県知事けんちじ選挙せんきょにおいて大だい野元のもと裕ひろしの応援おうえん演説えんぜつを行おこなっている。

人物じんぶつ

歴代れきだい首相しゅしょうと懇意こんいで経世会けいせいかいにも近ちかかった。佐久間さくま自身じしんも「ポスト畑はたけ(畑はた和かず)」に意欲いよくを示しめしており、既すでに自民党じみんとう経世会けいせいかいと社会党しゃかいとうとの間あいだでは、畑はたけを引退いんたいさせ佐久間さくまを後継こうけい者しゃとすることで話はなしがついていたといわれている。(詳細しょうさいは「土屋つちや義彦よしひこ」の稿こうを参照さんしょう。)

しかし、1993年ねん5月、1989年ねんと1992年ねんの県議会けんぎかい議長ぎちょう選挙せんきょをめぐる汚職おしょく事件じけんが発覚はっかくし、議長ぎちょうとなった宇津木うつき清蔵せいぞう・玉田たまだ共きょう瑞みず両りょう県議けんぎ（両者りょうしゃとも自民党じみんとう）に現金げんきんを要求ようきゅうした佐久間さくまが収賄しゅうわい容疑ようぎで、宇津木うつき・玉田たまだが贈賄ぞうわい容疑ようぎで逮捕たいほされるという事態じたいとなった。佐久間さくまは自民党じみんとう県議けんぎ団だんを離はなれ団だんし、自民党じみんとう県議けんぎはすべて土屋つちや支持しじに回まわった。

失脚しっきゃくするかに見みえた佐久間さくまであったが、1995年ねん4月がつの統一とういつ地方ちほう選挙せんきょ埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに控訴こうそ中ちゅうながら立候補りっこうほ。

一方いっぽう土屋つちやは元もと大正製薬たいしょうせいやく販売はんばい部長ぶちょうで現職げんしょくの春日部かすかべ市議会しぎかい議長ぎちょうだった清水しみず寿郎としお（保守ほしゅ系けい無所属むしょぞく）を擁立ようりつし、佐久間さくまを県議会けんぎかいから排除はいじょしようと図はかった。中傷ちゅうしょうや怪文書かいぶんしょなども飛とび交かう激はげしい選挙せんきょ戦せんの結果けっか、両者りょうしゃとも当選とうせんした。

1996年ねん7月がつ、佐久間さくまの上告じょうこくが棄却ききゃくされ、受託じゅたく収賄しゅうわい罪ざいで懲役ちょうえき1年ねん2月がつ・追徴金ついちょうきん300万まん円えんの実刑じっけいが確定かくてい。佐久間さくまは県議けんぎを辞職じしょくし、服役ふくえき（自民党じみんとう離党りとうはせず党籍とうせきは維持いじ）。県議会けんぎかいを舞台ぶたいにした隠微いんびな政争せいそうは終局しゅうきょくに向むかった。

出所しゅっしょした佐久間さくまは1999年ねん4月がつの統一とういつ地方ちほう選挙せんきょ埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょに自民党じみんとう員いんながら非ひ公認こうにん非ひ推薦すいせんで再ふたたび出馬しゅつば。僅差きんさながら当選とうせんし、復権ふっけんを果はたした。一方いっぽう、自民党じみんとう公認こうにんで立候補りっこうほした清水しみずは次点じてんで落選らくせんした。これを受うけ、佐久間さくまに近ちかしい野本のもと陽一よういち元もと県議会けんぎかい議長ぎちょう（佐久間さくまと同期どうき当選とうせん）らが早速さっそく「自民党じみんとう員いんが当選とうせんした以上いじょう自民党じみんとう県議けんぎ団だんに迎むかえるべき」と佐久間さくまの党とう県議けんぎ団だん復ふく団だんを提案ていあんした。しかし、土屋つちや直系ちょっけいだった清水しみずが議席ぎせきを守まもれなかったため知事ちじの土屋つちやは機嫌きげんを悪わるくしており、また佐久間さくまが知事ちじ与党よとう会派かいはである自民党じみんとう県議けんぎ団だんに復帰ふっきすれば新あらたな火種ひだねとなる恐おそれがあることから、党内とうないでも「時期じき尚早しょうそう」と反対はんたいする声こえが多おおく、この時ときは復帰ふっきできなかった。以後いご佐久間さくまは自民党じみんとう員いんでありながら無所属むしょぞくで活動かつどう（自民党じみんとう員いんであるため個々ここの議決ぎけつは自民党じみんとう県議けんぎ団だんと行動こうどうを共ともにしており、事実じじつ上じょう知事ちじ与党よとう議員ぎいんであった）し、党とう活動かつどうは制限せいげんされたものの、佐久間さくまと親したしい県議けんぎも党内とうない外がいに複数ふくすうおり、県議会けんぎかいでは隠然いんぜんたる影響えいきょう力りょくを有ゆうした。県議会けんぎかいで土屋つちやと佐久間さくまが表立おもてだって対立たいりつすることはなくなったが、土屋つちや辞任じにんまで友好ゆうこう的てきな関係かんけいになることはなかった。2001年ねん12月の春日部かすかべ市長しちょう選挙せんきょでは土屋つちや義彦よしひこ・品子しなこ親子おやこが支持しじする現職げんしょくの三枝さえぐさ安あん茂しげるに対たいし、佐久間さくまは対立たいりつ候補こうほを支援しえん。土屋つちや対たい佐久間さくまの代理だいり戦争せんそうと評ひょうされた。結果けっかは土屋つちやが支援しえんした現職げんしょくの三枝さえぐさが6選せんを果はたした。

2003年ねん4月がつの統一とういつ地方ちほう選挙せんきょ埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょでは佐久間さくま（無所属むしょぞく・自民党じみんとう籍せき・非ひ公認こうにん非ひ推薦すいせん）・清水しみず（自民党じみんとう公認こうにん）ともに当選とうせん。再ふたたび対立たいりつが表面ひょうめん化かする様相ようそうとなった。しかし、同年どうねん7月がつにダスキン不正ふせい支出ししゅつ事件じけんにより、土屋つちやの政治せいじ資金しきん管理かんり団体だんたいをめぐる問題もんだいで土屋つちやの長女ちょうじょ市川いちかわ桃子ももこが逮捕たいほされ、土屋つちやが県知事けんちじを辞職じしょくし政界せいかいを引退いんたいした。捜査そうさ機関きかんから知事ちじ公舎こうしゃを家宅かたく捜索そうさくされ、土屋つちや本人ほんにんは起訴きそ猶予ゆうよ、長女ちょうじょの桃子ももこには有罪ゆうざいが確定かくていした。県政けんせいにおける両者りょうしゃの政争せいそうは完全かんぜんに終おわったが、佐久間さくまは自民党じみんとう員いんでありながら、同年どうねんの総そう選挙せんきょでは自身じしんが所属しょぞくする支部しぶの支部しぶ長ちょうである土屋つちや品子しなこ（桃子ももこの妹いもうと）を支援しえんしないなど、その後ごも対立たいりつが尾おを引ひいた。

土屋つちや辞職じしょく後ごの知事ちじ選挙せんきょで佐久間さくまは民主党みんしゅとう出身しゅっしんで保守ほしゅ色しょくの強つよい上田うえだ清司せいじを支援しえんし、その当選とうせんを歓迎かんげいした。野党やとう会派かいはとなった自民党じみんとう県議けんぎ団だんを上田うえだ知事ちじに引ひき合あわせ与党よとう会派かいは化かするなど、再ふたたび影響えいきょう力りょくを増ましているといわれた。2007年ねん4月がつの統一とういつ地方ちほう選挙せんきょ埼玉さいたま県議会けんぎかい議員ぎいん選挙せんきょで9選せんを果はたした佐久間さくまは自民党じみんとう県議けんぎ団だんに復帰ふっきした。一方いっぽう清水しみずは落選らくせんしたが、土屋つちやの死しの直後ちょくごの2008年ねん11月に行おこなわれた県議けんぎ補欠ほけつ選挙せんきょに立候補りっこうほ。品子しなこらの支援しえんを受うけ3選せんを果はたした。しかし、この出馬しゅつばの際さい清水しみずは自民党じみんとうを離党りとう、自民党じみんとうの推薦すいせんも受うけず、政治せいじ団体だんたい「かすかべ元気げんき塾じゅく」として活動かつどう。清水しみずは当選とうせん後ごの県議会けんぎかいでは無所属むしょぞくで活動かつどうした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 1983年ねん3月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、1983年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 1987年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、1987年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 1991年ねん3月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、1991年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 1995年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、1995年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 1999年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、1999年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 2003年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、2003年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 2007年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、2007年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 2011年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、2011年ねん。
• 『埼玉さいたま新聞しんぶん』縮刷しゅくさつ版ばん 2015年ねん4月がつ号ごう、埼玉新聞社さいたましんぶんしゃ、2015年ねん。