入場にゅうじょう券けん

入場にゅうじょう券けん（にゅうじょうけん）とは、入場にゅうじょうに何なんらかの制限せいげんが加くわわっている施設しせつや場所ばしょへ入はいるため必要ひつようとなる券けんである。

本ほん項こうでは、鉄道てつどう駅えきに入場にゅうじょうするための入場にゅうじょう券けんと、鉄道てつどう駅えき以外いがいの各種かくしゅ施設しせつに入場にゅうじょうするための入場にゅうじょう券けんをそれぞれ説明せつめいする。

鉄道てつどう駅えき以外いがいの入場にゅうじょう券けん[編集へんしゅう]

有料ゆうりょう施設しせつ等とうにおける入場にゅうじょう券けんとは、利用りよう入場にゅうじょう料金りょうきん証票しょうひょう、すなわち入場にゅうじょう料金りょうきんを支払しはらったことを証明しょうめいする証票しょうひょうのことを言いう。なお、無料むりょうの施設しせつ、催もよおし物ものなどにおいて入場にゅうじょうに制限せいげんを加くわえる場合ばあいにおいては、発行はっこうする整理せいり券けんの類るいや招待しょうたい状じょうなどを指さす場合ばあいもあり、選挙せんきょの投票とうひょう所しょ入場にゅうじょう券けんなどがある。

一般いっぱんには劇場げきじょう・映画えいが館かん、コンサートホール、スポーツ観戦かんせんなどのものがあり、日本にっぽん国内こくないでも、英語えいごのチケット（ticket）と呼よばれることも多おおい。美術館びじゅつかん・博物館はくぶつかんなどに入はいるための証票しょうひょうは入館にゅうかん券けん、動物どうぶつ園えん・植物しょくぶつ園えん・遊ゆう園地えんちなどに入はいるための証票しょうひょうは入園にゅうえん券けん、茶席ちゃせきなどに入はいるための証票しょうひょうは入室にゅうしつ券けんなどの呼称こしょうがある。公衆こうしゅう浴場よくじょうや温泉おんせんで入浴にゅうよくするための証票しょうひょうは入浴にゅうよく券けんと呼よばれる。

また、山やま・寺てらなどに入はいる場合ばあいは入山にゅうざん券けんと呼よばれる券けんを購入こうにゅうしないとならない場合ばあいがある。この入山にゅうざん券けんは、山やまの環境かんきょう保全ほぜんやトイレや道みちの整備せいびなどに充あてられる^[1]。

劇場げきじょうや映画えいが館かん、競技きょうぎ施設しせつなどの入場にゅうじょう券けんは、ミシン目めなどによって二ふたつの部分ぶぶんにちぎれるようになっているものが多おおい。こうして出来できた券けん片へんを半はん券けんといい、座席ざせきの確認かくにんや、施設しせつへ再さい入場にゅうじょうする際さいに使つかわれるほか、これが領収りょうしゅう書しょ代かわりともなる。こうした券けんをもぎ取とる行為こういやそれを行おこなう係かかりの者ものを「もぎり」という。確実かくじつに来場らいじょう者しゃの入場にゅうじょう券けんから切きり取とられていることから、スタッフが1枚まい1枚まい券けん片へんを数かぞえるのが一番いちばん正確せいかくかつ簡単かんたんに来場らいじょう者しゃ数すうを把握はあくできる方法ほうほうとしてこの入場にゅうじょう券けんの存在そんざいは重宝ちょうほうされている^{[注釈ちゅうしゃく 1]}^[2]。

近年きんねんでは半はん券けんをもぎ取とる従来じゅうらい式しきの入場にゅうじょう券けんに代かわって、極小きょくしょうICチップを組くみ込こんだICカードを用もちいたものも開発かいはつされ、2005年ねんの「愛あい・地球ちきゅう博はく」などから採用さいようされた。また、QRコードを使用しようするものも順次じゅんじ広ひろまっている。これらは、スマートフォンに組くみ込こむことによって、紙かみの入場にゅうじょう券けんを発行はっこうしない場合ばあいもある。

入場にゅうじょう券けんにおいては、複ふく数すう回かい入場にゅうじょうするための回数かいすう券けんが設定せっていされている場合ばあいがある。

イベントの中止ちゅうしや施設しせつの閉鎖へいさが決定けっていした場合ばあいは、入場にゅうじょう券けんは払はらい戻もどしとなる。

日本にっぽんの鉄道てつどう駅えきの入場にゅうじょう券けん[編集へんしゅう]


マルス端末たんまつで発行はっこうした入場にゅうじょう券けん		硬かた券けん入場にゅうじょう券けん		軟券入場にゅうじょう券けん

鉄道てつどうにおいては、見送みおくりなど、乗車じょうしゃ船せん以外いがいの目的もくてきで駅えきの改札かいさつ内うちに入場にゅうじょうする際さいに発行はっこうされる。一般いっぱんには、最低さいてい運賃うんちんと同額どうがくの場合ばあいが多おおい。しかし、最低さいてい運賃うんちんが異ことなる複数ふくすうの会社かいしゃ・路線ろせんが同どう一いち改札かいさつ内ないで利用りようできる駅えき（共同きょうどう使用しよう駅えき）には低ひくい方ほうの運賃うんちんに設定せっていされる場合ばあいや、各社かくしゃの異ことなる料金りょうきんで発行はっこうされ、それぞれの収入しゅうにゅうとして扱あつかわれながら効力こうりょくが同一どういつ^{[注釈ちゅうしゃく 2]}という例れいがある。

なお、会社かいしゃや駅えきによっては制限せいげん時間じかんを設もうけているところもあり、その旨むねを説明せつめいする目的もくてきなどから、券売けんばい機きでの発売はつばいをせず窓口まどぐちでのみ入場にゅうじょう券けんを発行はっこうする駅えきも地方ちほうの小規模しょうきぼ駅えきを中心ちゅうしんに存在そんざいする。かつては東急とうきゅう電鉄でんてつ（旧きゅう・東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ時代じだい）、名古屋鉄道なごやてつどう、近畿日本鉄道きんきにほんてつどう、京阪電気鉄道けいはんでんきてつどうの全ぜん駅えきでは、窓口まどぐちでのみの発売はつばいであった。入場にゅうじょう券けん自体じたいを発売はつばいしていない事業じぎょう者しゃ（ほとんどの地下鉄ちかてつや西日本鉄道にしにっぽんてつどうなど）もあるが、便宜べんぎ的てきに最低さいてい運賃うんちんの乗車じょうしゃ券けんを入場にゅうじょう券けんとして利用りようさせる場合ばあいもある^[3]。過去かこに北海道ほっかいどう地方ちほうでは、最低さいてい運賃うんちんの乗車じょうしゃ券けんと入場にゅうじょう券けんが併記へいきされている兼用けんようの券けんも存在そんざいした。

中間ちゅうかん改札かいさつ口こうを有ゆうする駅えきで、それぞれの駅えきを管轄かんかつする事業じぎょう者しゃが異ことなる場合ばあいは、原則げんそくとしてそれぞれの事業じぎょう者しゃが発行はっこうする入場にゅうじょう券けんが必要ひつようである。ただし国鉄こくてつ時代じだいからの慣例かんれいとして、新幹線しんかんせんと在来ざいらい線せんを管轄かんかつするJR旅客りょかく会社かいしゃが異ことなる駅えき（東京とうきょう駅えきなど）は、いずれかの事業じぎょう者しゃが発行はっこうする入場にゅうじょう券けんで新幹線しんかんせん・在来ざいらい線せんとも入場にゅうじょうできる。在来ざいらい線せんが第だい三さんセクター鉄道てつどうに移管いかんされた駅えきでは新幹線しんかんせん・在来ざいらい線せんそれぞれの入場にゅうじょう券けんが必要ひつようである^{[注釈ちゅうしゃく 3]}。

日本にっぽんで初はじめて入場にゅうじょう券けん販売はんばいを行おこなったのは、1897年ねん（明治めいじ30年ねん）の山陽さんよう鉄道てつどう（後ごの山陽本線さんようほんせんを敷設ふせつした私鉄してつ）であったとされる。また、1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）4月がつ25日にちには、上野うえの駅えきと東京とうきょう駅えきで自動じどう券売けんばい機きによる入場にゅうじょう券けん（10銭ぜに）の発売はつばいが始はじめられた^[7]。

素材そざいにより「硬かた券けん入場にゅうじょう券けん」や「軟券入場にゅうじょう券けん」と分わけられる。改札かいさつの自動じどう化かが進すすんだ現在げんざいでも、一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃでは硬かた券けん入場にゅうじょう券けんが窓口まどぐちで販売はんばいされている。とりわけ硬かた券けん（厚紙あつがみを用もちいた券けん）によるものは記念きねん品ひんとして発行はっこうされることが多おおく、鉄道てつどうファンのみならず旅行りょこう客きゃくなどにも珍重ちんちょうされている。変かわった需要じゅようとしては、年月日ねんがっぴが数字すうじ並ならびの時とき（例れい：平成へいせい12年ねん3月がつ4日にち）に、特とくに硬かた券けん入場にゅうじょう券けんが記念きねんで多おおく買かわれる例れいがある。一方いっぽう、新駅しんえき開業かいぎょうなどで記念きねん入場にゅうじょう券けんも発行はっこうされており、切符きっぷの一いち分野ぶんやでもあることから収集しゅうしゅう家かも存在そんざいする。

JRにおいては、みどりの窓口まどぐちでも入場にゅうじょう券けんを発券はっけんしている。「軟券」に部類ぶるいされるが、超ちょう耐久たいきゅう感熱かんねつ紙しのため、硬かた券けんが廃止はいしされた現在げんざいでいつでも手てに入はいる入場にゅうじょう券けんとしては券売けんばい機き券けんよりも保存ほぞん性せいに優すぐれており、観光かんこう記念きねんに購入こうにゅうする者ものもいる。ただし、感熱かんねつ紙しのため、いくら耐久たいきゅう性せいが高たかいとはいえ、用紙ようし製造せいぞうメーカーが品質ひんしつ保証ほしょうしているのは7年間ねんかんであり、保存ほぞん状態じょうたいによってはさらに短みじかくなる。

一部いちぶの駅えきでは定期ていき券けんに類似るいじした「定期ていき入場にゅうじょう券けん」も発行はっこうされている。これは表口おもてぐちと裏口うらぐちを自由じゆうに行いき来きする通路つうろを持もたない駅えきで、頻繁ひんぱんに通とおり抜ぬけする人ひとを対象たいしょうに発行はっこうされるものである^{[注釈ちゅうしゃく 4]}。

駅えき構内こうないへの入場にゅうじょうには「乗車じょうしゃ船せんの目的もくてき」と「乗車じょうしゃ船せん以外いがいの目的もくてき」の二ふたつに分わけられる。前者ぜんしゃは乗車じょうしゃ券けん類るい、後者こうしゃは入場にゅうじょう券けんが必要ひつようとなる。JRの旅客りょかく営業えいぎょう規則きそく第だい294条じょうには「次つぎの各号かくごうに掲かかげる者ものが、乗車じょうしゃ船せん以外いがいの目的もくてきで乗降じょうこう場じょうに入場にゅうじょうしようとする場合ばあいは、入場にゅうじょう券けんを購入こうにゅうし、これを所持しょじしなければならない。（後略こうりゃく）」と規定きていされている^{[注釈ちゅうしゃく 5]}。

したがって、定期ていき乗車じょうしゃ券けんを入場にゅうじょう券けん代かわりに使用しようすることはできない。定期ていき乗車じょうしゃ券けんは乗車じょうしゃ券けんの一種いっしゅであり、乗車じょうしゃ券けんは乗車じょうしゃ券けん類るいに含ふくまれるため、「乗車じょうしゃ船せんの目的もくてき」に限かぎり使用しようでき、「乗車じょうしゃ船せん以外いがいの目的もくてき」（送迎そうげい等とうの入場にゅうじょう目的もくてき）には使用しようできないからである。同どう規則きそく第だい147条じょう第だい6項こうには「乗車じょうしゃ券けん類るいは、乗車じょうしゃ船せん以外いがいの目的もくてきで乗降じょうこう場じょうに入出いりでする場合ばあいには、使用しようすることができない。」という規定きていがあり、他たの多おおくの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃにおいても同様どうようの規定きていがある。

SuicaなどのICカード式しき乗車じょうしゃ券けんについてもあくまで乗車じょうしゃ券けん類るいであることから、原則げんそくとして入場にゅうじょう券けん代かわりに使用しようすることはできない。ただし、JR東日本ひがしにっぽんでは2021年ねん3月がつ13日にちから交通こうつう系けいICカードを入場にゅうじょう券けんと同等どうとうに扱あつかうサービス「タッチでエキナカ」を開始かいしした^[8]。

入場にゅうじょう券けんに係かかる料金りょうきん（入場にゅうじょう料金りょうきん）は、駅えき構内こうないの秩序ちつじょや安全あんぜんに対たいする対価たいかとされており、異常いじょう時じの入場にゅうじょう制限せいげんなどへの配慮はいりょのため、また、車くるま船内せんないへの立入禁止たちいりきんしは、出発しゅっぱつ時じのドア付近ふきんの混雑こんざつや誤あやま乗の防止ぼうしのためとされている。なお古ふるいタイプの券売けんばい機きでは乗車じょうしゃ券けんと入場にゅうじょう券けんの購入こうにゅうボタンの区別くべつが付つきにくく、入場にゅうじょう券けんを乗車じょうしゃ券けんと間違まちがえて購入こうにゅうして目的もくてき地ちまでそのまま乗車じょうしゃしてしまうケースも見受みうけられた。厳密げんみつに規定きていを適用てきようすると入場にゅうじょうした駅えきから改あらためて運賃うんちん相当そうとう額がくを支払しはらう必要ひつようがある。

経理けいり面めんでは、乗車じょうしゃ券けん・定期ていき乗車じょうしゃ券けん・入場にゅうじょう券けんのいずれも、鉄道てつどう会社かいしゃの経常けいじょう収入しゅうにゅう（売上うりあげ高だか）のうちの「鉄道てつどう事業じぎょう営業えいぎょう収益しゅうえき」に当あたり、乗車じょうしゃ券けんや定期ていき乗車じょうしゃ券けんは「旅客りょかく運輸うんゆ収入しゅうにゅう」として、それぞれ「定期ていき外がい運賃うんちん・料金りょうきん」と「定期ていき運賃うんちん・料金りょうきん」に分類ぶんるいされるが、入場にゅうじょう料金りょうきんは「運輸うんゆ雑ざつ収おさむ」のうちの「旅客りょかく雑ざつ収おさむ」として、乗車じょうしゃ券けん払はらえ戻もど手数料てすうりょう金きん、携帯けいたい品ひん一いち時じ預あずかり料金りょうきん、手て回かい品ひん料金りょうきん等とうと同おなじく「旅客りょかくに係かかる諸しょ料金りょうきん」に分類ぶんるいされる^[9]。

また、近ちかくに踏切ふみきりや通路つうろがない、「開ひらかずの踏切ふみきり」となっているといった事情じじょうから、通行つうこう者しゃの便宜べんぎを図はかるため「構内こうない通行つうこう券けん」などと称しょうした券けんを発行はっこうして駅えき改札かいさつ内ないを通行つうこうさせている場合ばあいもある。これは実質じっしつ的てきな無料むりょうの入場にゅうじょう券けんと言いえる。例たとえば北陸ほくりく新幹線しんかんせん開業かいぎょう直後ちょくご、高架こうか化か完成かんせい前まえの富山とやま駅えきで在来ざいらい線せん（あいの風ふうとやま鉄道てつどう管理かんり）を対象たいしょうに実施じっしされた例れいがある^[10]。現在げんざいでも神戸電鉄こうべでんてつの志染しじみ駅えきで発行はっこうされており、駅えき改札かいさつ内ないの踏切ふみきりを無料むりょうで通行つうこうできる。同様どうようの理由りゆうで自由じゆう通路つうろが存在そんざいしないために駅えき南北なんぼく間あいだの通行つうこうに支障ししょうを来きたしている高尾たかお駅えき（JR東日本ひがしにっぽん管理かんり）や春日部かすかべ駅えきなどでは高齢こうれい者しゃや身体しんたい障害しょうがい者しゃなどに対たいして、入場にゅうじょう券けん購入こうにゅう費用ひようの補助ほじょ制度せいどを設もうけている地方自治体ちほうじちたいもある^[11]^[12]。

記念きねん入場にゅうじょう券けん[編集へんしゅう]

駅えきの開業かいぎょうなどを記念きねんして記念きねん入場にゅうじょう券けんが発売はつばいされることがある^[13]。

「縁起物えんぎもの」としての入場にゅうじょう券けん[編集へんしゅう]

鉄道てつどうの駅えきの中なかには、特とくに駅名えきめいの字面じめんで縁起えんぎの良よさを感かんじさせるものがあり、これらの駅えきでは縁起物えんぎものとして入場にゅうじょう券けんを発行はっこうしているところがある。この効果こうかを狙ねらって、命名めいめいを行おこなった駅えきもある。無人むじん駅えきも多おおく、この場合ばあいは近隣きんりんの有人ゆうじん駅えきで発売はつばいされている。

駅名えきめいに因ちなむもの[編集へんしゅう]

幸福こうふく駅えき、愛国あいこく駅えき（旧きゅう広尾線ひろおせん）
縁起物えんぎものの駅名えきめいとしては最高さいこうの知名度ちめいどを誇ほこる。この二ふたつの駅えきの間あいだで「愛あいの国くにから幸福こうふくへ」という乗車じょうしゃ券けんも発売はつばいされていた。広尾線ひろおせん廃止はいし後ごは地元じもと企業きぎょうが独自どくじに制作せいさく・発売はつばいしている。
おかどめ幸福こうふく駅えき（くま川かわ鉄道てつどう）
同社どうしゃ発足ほっそくに際さいして新設しんせつされた駅えき。近隣きんりんの神社じんじゃにあやかって付づけたという。
真幸まさき駅えき（肥薩線ひさつせん）
縁起物えんぎものの駅名えきめいとしては最さい古参こさんの部類ぶるいに属ぞくする。無人むじん駅えきのため真幸まさき駅えきの入場にゅうじょう券けんは人吉ひとよし駅えき・吉松よしまつ駅えきで販売はんばいしている。吉松よしまつ駅えき経由けいゆで吉都線きっとせん鶴丸つるまる駅えきとの間あいだの乗車じょうしゃ券けんも売うり出だされている。
一勝地いっしょうち駅えき（肥薩線ひさつせん）
「必勝ひっしょうお守もり記念きねん入場にゅうじょう券けん」を販売はんばいしている。
学がく駅えき（徳島とくしま線せん）、学がく門かど駅えき（紀州鉄道線きしゅうてつどうせん）、学文路かむろ駅えき（南海なんかい高野たかの線せん）
受験じゅけん合格ごうかくを願ねがう縁起物えんぎものとして発売はつばいされている。学がく駅えきのそれは、5枚まい合あわせて「ご入学にゅうがく」となる。
銭函ぜにばこ駅えき（函館本線はこだてほんせん）
金きむ運うんのお守まもりとして人気にんきが出でた。
母はは恋こい駅えき（室蘭本線むろらんほんせん）
母ははの日ひのプレゼントに人気にんき。
大金おおがね駅えき（烏山線からすやません）
同線どうせんの宝積寺ほうしゃくじ駅えきとの間あいだの乗車じょうしゃ券けんも縁起物えんぎものとして人気にんきがある。無人むじん化か後ごは発売はつばいされていない。
鼎かなえ駅えき（飯田線いいだせん）
読よみの「かなえ」が「叶かなう」に通つうじるとされる。無人むじん化か後ごは発売はつばいされていない。
喜入きいれ駅えき（指宿枕崎線いぶすきまくらざきせん）
福渡ふくわた駅えき（津山線つやません）
津山線つやませんには他ほかにも金川かながわ駅えき、亀甲かめこう駅えきがあり、また終点しゅうてんの津山つやま駅えきには鶴山つるやま公園こうえんがある事ことから、津山線つやませんの快速かいそく列車れっしゃには「ことぶき」という名前なまえがついている。
狭口せばぐち駅えき（旧きゅう蒲原鉄道線かんばらてつどうせん）
無人むじん駅えきだったが「狭せまい口くち（＝狭せまき門もん）」に「入はいる」ということから加茂かも駅えき、村松むらまつ駅えき、五泉いいずみ駅えき等ひとしの有人ゆうじん駅えきで発売はつばいされていた。
初富はつとみ駅えき（新京成電鉄しんけいせいでんてつ新京成線しんけいせいせん）
硬かた券けん入場にゅうじょう券けんを新年しんねんに発売はつばい。また、北初富きたはつとみ駅えき・三咲みさき駅えき・五香ごこう駅えきの開運かいうんSKカード（パスネット）も発行はっこうされていた。
大宝たいほう駅えき（関東かんとう鉄道てつどう常総線じょうそうせん）
「大おおきい宝たからが入はいる」として人気にんきがある。また、入場にゅうじょう券けんが開運かいうん袋ぶくろに入はいっているお守まもりのような「開運かいうん大宝たいほう入場にゅうじょう券けん」も発売はつばいしている。無人むじん駅えきのため、常総線じょうそうせんの有人ゆうじん各駅かくえきで販売はんばいしている。

人物じんぶつに因ちなむもの[編集へんしゅう]

小和田こわだ駅えき（飯田線いいだせん）
愛子あいこ駅えき（仙山線せんざんせん）
それぞれ、皇后こうごう雅子まさこの旧姓きゅうせい「小和田こわだ」（ただし駅名えきめいは「こわだ」、苗字みょうじは「おわだ」）、敬たかし宮みや愛子あいこ内親王ないしんのう（駅名えきめいは「あやし」、名前なまえは「あいこ」）に因ちなんだもの。小和田こわだ駅えきは無人むじん駅えきであるが、皇太子こうたいし徳とく仁じん親王しんのう（現げん・今上きんじょう天皇てんのう）の妃ひとなった1993年ねんには係員かかりいんが出張しゅっちょうして販売はんばいを行おこなっていた。

なお、乗車じょうしゃ券けんにおける例れいについては「縁起物えんぎもの乗車じょうしゃ券けん」の欄らんを参照さんしょう。

トイレや駅えきナカ施設しせつの利用りよう時じ[編集へんしゅう]

公衆こうしゅうトイレが駅えきの改札かいさつ内ないにしかない地区ちくは珍めずらしくない。『東京とうきょう新聞しんぶん』が首都しゅと圏けんの鉄道てつどう各社かくしゃに取材しゅざいしたところ、トイレを使つかいたい場合ばあいの対応たいおうは以下いかの通とおりであった^[14]。

入場にゅうじょう券けんを購入こうにゅうしてもらう。: JR東日本ひがしにっぽん、東武鉄道とうぶてつどう、京成電鉄けいせいでんてつ、京王けいおう電鉄でんてつ、京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつ

原則げんそく的てきに入場にゅうじょう券けんが必要ひつようだが、やむを得えないと駅えき係員かかりいんが判断はんだんすれば入場にゅうじょう券けんなしで利用りようを認みとめることもある。: 西武鉄道せいぶてつどう、東急とうきゅう電鉄でんてつ、相模鉄道さがみてつどう

自動じどう改札かいさつ機きを通とおれる無料むりょうの「入場にゅうじょう証しょう」を渡わたす。: 小田急電鉄おだきゅうでんてつ（2016年ねん3月がつ開始かいし）

入場にゅうじょう券けんがなく、利用りよう者しゃを改札かいさつに近ちかいトイレに案内あんないする。: 東京とうきょうメトロ、東京とうきょう都と交通こうつう局きょく

このほか大都市だいとし圏けんの主要しゅよう駅えきでは「駅えきナカ」と呼よばれる改札かいさつ内ないの飲食いんしょく・商業しょうぎょう施設しせつが増ふえている^{[注釈ちゅうしゃく 6]}。ほとんどの事業じぎょう者しゃでは、改札かいさつ内ないに立たち入いるだけで入場にゅうじょう券けんは必要ひつようとなるが、小田急電鉄おだきゅうでんてつでは商業しょうぎょう施設しせつやコインロッカーの利用りようが証明しょうめいできれば入場にゅうじょう料りょうを払はらい戻もどしている^[15]^[16]。近鉄きんてつの大和やまと西大寺さいだいじ駅えきでは、券売けんばい機きでの購入こうにゅう時じに入場にゅうじょう券けんと割引わりびき券けんが発券はっけんされ、店舗てんぽで割引わりびき券けんを提示ていじすると入場にゅうじょう券けん代金だいきん分ぶんの割引わりびきと、場合ばあいによっては差額さがく分ぶんの返金へんきんが受うけられる^[17]。またJR西日本にしにほん新大阪しんおおさか駅えきでは、入場にゅうじょう後ごに入場にゅうじょう券けんを構内こうないの書店しょてんに呈示ていじして割引わりびき券けんを受取うけとり、500円えん以上いじょうの買かい物ものをすると入場にゅうじょう券けん分ぶんの代金だいきんが値引ねびきされる^[18]。

なお、入場にゅうじょう券けんには不正ふせい乗車じょうしゃ防止ぼうしのため多おおくの場合ばあい、時間じかん制限せいげん（JR北海道ほっかいどう・JR東日本ひがしにっぽん・JR東海とうかい・JR西日本にしにほんの全ぜん駅えきおよびJR九州きゅうしゅうの小倉こくら駅えきと博多はかた駅えきの場合ばあいは発売はつばいから2時じ間あいだ。関西かんさい私鉄してつの一部いちぶでもほぼ同様どうようの制度せいどあり）があり、超過ちょうかした場合ばあいは再度さいど入場にゅうじょう料金りょうきんが加算かさんされる。

日本にっぽん以外いがいの鉄道てつどう駅えきの入場にゅうじょう券けん　[編集へんしゅう]

世界せかい各国かっこくの鉄道てつどう駅えきで、入場にゅうじょう券けんによる駅えき構内こうないへの入場にゅうじょう規制きせいを行おこなっている国くには、イギリスやインド、パキスタンなどがある。

イギリス[編集へんしゅう]

ナショナル・レール[編集へんしゅう]

イギリス国鉄こくてつの駅えきでは、20世紀せいき中盤ちゅうばんまで入場にゅうじょう券けん（Platform ticket）が広ひろく用もちいられ、民営みんえい化か後ごに国鉄こくてつの路線ろせん網もうを引ひき継ついだナショナル・レールでもほとんどの駅えき窓口まどぐちで発券はっけん可能かのうである。近年きんねんは大都市だいとし近郊きんこうや主要しゅよう駅えきを中心ちゅうしんに改札かいさつ口こうが設もうけられており、その結果けっか入場にゅうじょう券けんに対たいする新あらたな需要じゅようが生うまれている。なお、入場にゅうじょう券けんは通常つうじょう自動じどう券売けんばい機きでは購入こうにゅうできず、出札しゅっさつ窓口まどぐちでの購入こうにゅうとなる。価格かかくは1枚まい10ペンスで1時じ間あいだ有効ゆうこうの駅えきが多おおい。改札かいさつ業務ぎょうむを行おこなわない駅えきでは入場にゅうじょう券けんを購入こうにゅうする必要ひつようはない。

一部いちぶの列車れっしゃ運行うんこう会社かいしゃは管轄かんかつ下かにある駅えきで入場にゅうじょう券けんの発売はつばいを中止ちゅうししている。そのような駅えきで本来ほんらい入場にゅうじょう券けんを必要ひつようとする利用りよう者しゃは、改札かいさつ係員かかりいんに申もうし出で、許可きょかを得えてから入場にゅうじょう（無料むりょう）することになる。収集しゅうしゅう目的もくてきなど実際じっさいに使用しようしない場合ばあい、出札しゅっさつ係員かかりいんの裁量さいりょうにより、無効むこうであることを了解りょうかいのうえで発売はつばいすることもある。その一方いっぽうで、発売はつばいを正式せいしきには中止ちゅうししていない会社かいしゃの駅えきでも、係員かかりいんが入場にゅうじょう券けんの存在そんざいを知しらないなどの理由りゆうで発売はつばいを拒否きょひする場合ばあいがあるなど、入場にゅうじょう券けんの発売はつばい可否かひに関かんする方針ほうしんは徹底てっていされていない。

管轄かんかつ下かにある駅えきで入場にゅうじょう券けんを発売はつばいする列車れっしゃ運行うんこう会社かいしゃ

イースト・コースト、イースト・ミッドランズ・トレインズ、ノーザン・レール、ファースト・スコットレール、サウスイースタン、サザン、ヴァージン・トレインズ

入場にゅうじょう券けんの発売はつばいを中止ちゅうしした列車れっしゃ運行うんこう会社かいしゃ

アリーヴァ・トレインズ・ウェールズ、ファースト・グレート・ウエスタン、グレーター・アングリア、サウスウェスト・トレインズ

上記じょうきにかかわらず発売はつばいしない駅えき

ロンドン・ヴィクトリア駅えき、チャリングクロス駅えき、キャノンストリート駅えき、ユーストン駅えき、エディンバラ・ウェイバリー駅えき

ロンドン地下鉄ちかてつ[編集へんしゅう]

ロンドン地下鉄ちかてつの各駅かくえきでは、全すべての駅えき窓口まどぐちで入場にゅうじょう券けんを1枚まい1ポンド（サザーク駅えきは20ペンス^[19]）で発売はつばいしている。しかし駅えき構内こうないへ入場にゅうじょうする正当せいとうな理由りゆうがない場合ばあい、発売はつばいを拒否きょひされる場合ばあいがある。

パキスタン[編集へんしゅう]

イギリスの植民しょくみん地ちであったパキスタンの鉄道てつどうにおいても入場にゅうじょう券けん（Platform ticket)による駅えき構内こうないへの入場にゅうじょう規制きせいが行おこなわれている。

韓国かんこく[編集へんしゅう]

韓国かんこく鉄道てつどう公社こうしゃ（KORAIL）の駅えき（広域こういき電鉄でんてつ除のぞく）では、かつて入場にゅうじょう券けんを有料ゆうりょうにて販売はんばいしていた（当時とうじ500ウォン）。しかし信用しんよう乗車じょうしゃ方式ほうしきの導入どうにゅうなどがあり発売はつばいが中止ちゅうしされた後のち、現在げんざいは駅えき券売けんばい機きにて無料むりょうで発券はっけん可能かのうとなっている。また、一部いちぶの駅えきにおいて、記念きねん入場にゅうじょう券けん目的もくてきの入場にゅうじょう券けんを発売はつばいしている（1枚まい1,000ウォン）。

台湾たいわん[編集へんしゅう]

台湾たいわん鉄路てつろ管理かんり局きょくでは、かつて入場にゅうじょう券けんを有料ゆうりょうにて販売はんばいしていた（当時とうじ6元もと）。2013年ねん6月がつ1日にちに廃止はいしされ、身分みぶん証しょうとの交換こうかんで通行つうこう証しょうを貸与たいよする形式けいしきに変更へんこうされた。

道みちの駅えき記念きねんきっぷ[編集へんしゅう]

多おおくの道みちの駅えきでは来訪らいほう記念きねんのお土産みやげとして、鉄道てつどうの記念きねん入場にゅうじょう券けんにヒントを得えた「記念きねんきっぷ」を発売はつばいしている。当初とうしょは「記念きねん入場にゅうじょう券けん」としていたが、立たち寄よりが自由じゆうな道みちの駅えきには「入場にゅうじょう」という概念がいねんが存在そんざいしない事ことから、誤解ごかいを与あたえないよう現在げんざいの名称めいしょうに改あらためられた。料金りょうきんは1枚まい180円えん（税込ぜいこみ）。特定とくていの駅えきで販売はんばいされるか、市町村しちょうそん合併がっぺい記念きねんや購入こうにゅう特典とくてんの無料むりょう配布はいふなどをして対応たいおうしている。