劇場げきじょう

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プロセニアム・シアター(宝塚たからづかだい劇場げきじょう

劇場げきじょう(げきじょう)とは、映画えいが演劇えんげき歌舞伎かぶき舞踊ぶようオペラバレエコンサートなどを観客かんきゃくせるための施設しせつ

おも上演じょうえんされるコンテンツの種類しゅるいわせて舞台ぶたい音響おんきょう効果こうかなどを設計せっけい建設けんせつされた施設しせつもあり、オペラは歌劇かげきじょう日本にっぽん能楽のうがくではのう舞台ぶたい、コンサートはコンサートホールしょうすることがおおい。

演劇えんげき日本にっぽんではふるくから芝居しばいばれ、江戸えど時代じだいから昭和しょうわ初期しょきにかけて各地かくち芝居しばい小屋こや(しばいごや)がてられた[1]各地かくち郷土きょうど芸能げいのう芝居しばいばかりではなく、巡業じゅんぎょうする「ドサまわ」(佐渡さわたり裏返うらがえした言葉ことば)の芸人げいにんやその一座いちざげきえんじた。一部いちぶ現存げんそんし、重要じゅうよう文化財ぶんかざい指定していされている芝居しばい小屋こやもある[1]

現代げんだいでも中小ちゅうしょう劇団げきだん公演こうえんおこな小規模しょうきぼ劇場げきじょうとく芝居しばい小屋こやぶことがあり、おおきな劇場げきじょうであっても演劇えんげき関係かんけいしゃ業界ぎょうかい用語ようごとしてこれを「小屋こや」とぶことがある。演劇えんげきは、倉庫そうこなど劇場げきじょう以外いがい建物たてものない路上ろじょうばど野外やがいおこなわれることもあるが、これらの場所ばしょ演出えんしゅつ空間くうかんではあっても劇場げきじょうとはばない。

のち芝居しばい小屋こやおおくは映画えいが上映じょうえいする設備せつびそなえるようになり、娯楽ごらくうつわりにともな映画えいがかんへと役割やくわりえていった。このため、演劇えんげき上演じょうえんしない映画えいがかんであっても「劇場げきじょう」と名付なづけられているものがおおのこっている[2]現代げんだいにおいても、映画えいがかんして「劇場げきじょう」と表現ひょうげんする場合ばあいおお[3]テレビドラマテレビアニメひとし映画えいが作品さくひんを「劇場げきじょうばん」と銘打めいうつ、映画えいが放送ほうそうするテレビ番組ばんぐみのタイトルに「…洋画ようが( / 邦画ほうが / 映画えいが劇場げきじょう」などと名付なづける、といったれいげられる。

劇場げきじょう様式ようしき[編集へんしゅう]

劇場げきじょう様式ようしきは、そこで上演じょうえんされる作品さくひん同様どうよう多種たしゅ多様たようである。おおくの劇場げきじょうでは、演技えんぎ空間くうかんである舞台ぶたいと、観客かんきゃくせき、そして舞台ぶたい装置そうちなどをおさめる舞台裏ぶたいうらと、俳優はいゆうらのひかしつである楽屋がくやそなわっている。オペラミュージカル上演じょうえんするための専用せんよう劇場げきじょうでは、これらのほかオーケストラピットなども用意よういされている。完全かんぜんたいらな空間くうかんのみの劇場げきじょうもあり、そのような空間くうかんでは上演じょうえん内容ないようわせて舞台ぶたい客席きゃくせき配置はいち調節ちょうせつできるようになっている。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

劇場げきじょうは、舞台ぶたい客席きゃくせき位置いち関係かんけいによって以下いかのように分類ぶんるいできる。

  1. 舞台ぶたい客席きゃくせき位置いち関係かんけい固定こていされているもの
    1. 空間くうかん片側かたがわ舞台ぶたいで、片側かたがわ客席きゃくせきになっているもの(プロセニアム形式けいしきシューボックスがた
    2. 舞台ぶたい客席きゃくせきし、複数ふくすう方向ほうこうから客席きゃくせきかこんでいるもの(舞台ぶたいオープン形式けいしき
    3. 舞台ぶたい空間くうかん中央ちゅうおうにあり、客席きゃくせきかこんでいるもの(円形えんけい舞台ぶたいヴィンヤードがた
  2. 演目えんもく演出えんしゅつにより、舞台ぶたい客席きゃくせき位置いち自由じゆう配置はいちできるもの

以下いか劇場げきじょう代表だいひょうてき様式ようしき解説かいせつしていく。これらのうち、古代こだいギリシャ劇場げきじょうエリザベスあさ時代じだいイギリス劇場げきじょうは、後述こうじゅつがた舞台ぶたい分類ぶんるいされるべきものだが、西洋せいよう古典こてんてき舞台ぶたい紹介しょうかいする意味いみ掲載けいさいしてある。また、歌舞伎かぶきのう劇場げきじょう舞台ぶたい分類ぶんるいできるが、日本にっぽん伝統でんとう演劇えんげき様式ようしき紹介しょうかいする意味いみ紹介しょうかいする。

古代こだいギリシア演劇えんげき[編集へんしゅう]

古代こだいギリシアでは、劇場げきじょうおかなどの斜面しゃめんけずって建造けんぞうされた。野外やがい劇場げきじょうだが、演者えんじゃ合唱がっしょうたいこえがよくとどくよう音響おんきょう効果こうかすぐれた構造こうぞうられている。劇場げきじょう全体ぜんたいすりばちじょうになっており、そこ部分ぶぶん俳優はいゆうえんじる舞台ぶたい(プロスケニオン)と、合唱がっしょうたいよう平土間ひらどま(オルケストラ)があった。客席きゃくせきは、すりばち斜面しゃめん部分ぶぶんに、舞台ぶたい半円はんえんがたかこうようにつくられた。収容しゅうよう人数にんずう最大さいだい規模きぼのもので2まんにん程度ていどわれている。

現代げんだい劇場げきじょうでも、古代こだいギリシアの劇場げきじょう様式ようしきしたり、なんらかのかたちでそのコンセプトをれたりしている劇場げきじょうすくなくない。日本にっぽんでは、いろどりこくさいたま芸術げいじゅつ劇場げきじょうしょうホール(最大さいだい客席きゃくせきすう346めい)や日比谷ひびや野外やがい音楽おんがくどう客席きゃくせきすう2669めい)、上野うえの恩賜おんし公園こうえん水上みずかみステージ(客席きゃくせきすうやく1000にん)などがある。

エリザベスちょう演劇えんげき[編集へんしゅう]

ルネサンスイギリスでは、エリザベス1せい時代じだい独特どくとく演劇えんげき文化ぶんか花開はなひらいた。 建築けんちくぶつ部分ぶぶんさんそうになっており、規定きてい料金りょうきんはらった観客かんきゃくはここにがりすわって観劇かんげきすることができた。1かい平土間ひらどまよう観客かんきゃくせきとなる。舞台ぶたい平土間ひらどますようなかたち設置せっちされており、その上部じょうぶにははしらささえられた屋根やねがある。建築けんちくぶつ部分ぶぶんとこの舞台ぶたいじょう以外いがい屋根やねはなく、平土間ひらどま上部じょうぶ陽光ようこうれるためにけとなっている。

収容しゅうよう人数にんずう劇場げきじょうによってことなるが、シェイクスピアろし戯曲ぎきょく上演じょうえんされていたロンドングローブでは、2000にんえる観客かんきゃく観劇かんげきできたという。

日本にっぽんでは、1988ねん完成かんせいした東京とうきょうグローブが、ロンドンにあったグローブした劇場げきじょうとしてある。

のう狂言きょうげん[編集へんしゅう]

能楽堂のうがくどう

のう狂言きょうげんは、のう舞台ぶたい上演じょうえんされる。ここでは明治めいじ以降いこう成立せいりつした能楽堂のうがくどう様式ようしきもとづいて説明せつめいする。

しゅ舞台ぶたいとなるのははしらかこわれたさんあいだ四方しほう板張いたばりの空間くうかんかってその右側みぎがわには、「地謡じうたい(じうたいざ)」とばれる場所ばしょがあり、シテ(主役しゅやく)の演技えんぎわせて合唱がっしょうをする地謡じうたいすわる。しゅ舞台ぶたいおくには「こう(あとざ)」があり、楽器がっき演奏えんそうしゃである「囃子方はやしかた(はやしかた)」が位置いちする。さらにそのおくは「鏡板かがみいた(かがみいた)」とばれる老松おいまつえがかれたかべがある。こうかって左側ひだりがわには「はしがか(はしがかり)」とばれる廊下ろうかがある。ここで演技えんぎおこなわれることもおおい。はしかりのまえには、しゅ舞台ぶたいちかじゅんに、「いちまつ」「まつ」「さんまつ」とばれるまつ若木わかぎえられている。はしかりのおくには、「揚幕あげまく(あげまく)」もしくはきりまく(きりまく)」というまくしに、かがみあいだばれる部屋へやがある。

いわゆるのう舞台ぶたい定着ていちゃくしたのは室町むろまち時代ときよ末期まっきごろかんがえられている。それ以前いぜんすなわ現在げんざいのう成立せいりつする以前いぜんは、神社じんじゃうち建築けんちくぶつ芝生しばふ屋外おくがいかり設置せっちされた舞台ぶたいなどでえんじられた。舞台ぶたい屋内おくないはいったのは明治めいじ時代じだいからで、この屋内おくないがたのう舞台ぶたいにも屋根やねがあるのは、のう屋外おくがいえんじられていたころ名残なごりである。現在げんざい各地かくち薪能たきぎのうさかんになり、屋外おくがいでの公演こうえんがなされているので、以前いぜんのう雰囲気ふんいきられる。

のう舞台ぶたいこまかく様式ようしきされており、はしら一本いっぽんいちほん地謡じうたいこうない位置いちなどにすべ名称めいしょうけられているが、ここでは省略しょうりゃくする。舞台ぶたいした地面じめんには数個すうこめて、音響おんきょう効果こうか工夫くふうがしてある。

ふる神社じんじゃなどにのこるものや、新設しんせつされた屋外おくがいがたのう舞台ぶたいも、しゅ舞台ぶたいがありきょうがかりがある空間くうかん基本きほん構造こうぞうはほぼ上述じょうじゅつのう舞台ぶたい同様どうようである。

歌舞伎かぶき[編集へんしゅう]

初期しょき歌舞伎かぶきのう舞台ぶたい様式ようしきしていたが、次第しだいはしかり部分ぶぶん拡大かくだいし、舞台ぶたい空間くうかんひろがっていった。また初期しょきには屋外おくがい舞台ぶたい仮設かせつされ、観客かんきゃく芝居しばいしばうえ)で観劇かんげきしていた。やがて市中しちゅう芝居しばい小屋こやてられるようになるが、屋根やね舞台ぶたいうえのみで、観客かんきゃく土間どますわって観劇かんげきしたため、雨天うてん上演じょうえんはできなかった。かわら葺の屋根やねそなえた芝居しばい小屋こやはじめててられたのは1724ねんとおる9ねん)のことである。

歌舞伎かぶき劇場げきじょうはその複雑ふくざつ機構きこうおおきな特徴とくちょうがある。これには静寂しじま次元じげんてき洗練せんれんきわめたのう反動はんどうとして、歌舞伎かぶきがより躍動やくどうてきさん次元じげんてき見世物みせものとして発達はったつしていったこと、そして人形にんぎょう使つかうことで幻想げんそうてき表現ひょうげん可能かのう人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりからつよ影響えいきょうけたことなどが理由りゆうとしてあげられる。

奥村おくむら政信まさのぶ 芝居しばい浮繪』(しばい うきえ)ひろし年間ねんかんの葺屋まち市村いちむら
広島ひろしまけん府中ふちゅう上下じょうげまち現存げんそんするおう1925ねん竣工しゅんこう
出石いずし永楽えいらくかん1901ねん竣工しゅんこう

みぎ錦絵にしきえひろし年間ねんかん(1741–44ねん葺屋まちにあった市村いちむら様子ようすえがかれている。間口まぐちせまひのき舞台ぶたいにはまだのう名残なごりのかざ破風はふけられていたこと、すで桟敷さじき土間どまから板張いたばりになってそのうえ屋根やねおおわれていたこと、かいには座敷ざしきせきがありそのうえにはかりりの天窓てんまどがあったことなどがれる。ガス灯がすとう劇場げきじょうない設置せっちして夜間やかん上演じょうえんおこなうようになったのは明治めいじ11ねん(1878ねん)に開場かいじょうした新富しんとみ最初さいしょで、それ以前いぜん上演じょうえんすべ朝方あさがたから日没にちぼつまでだった。

舞台ぶたい延長えんちょうとして観客かんきゃくせきつらぬく「花道かどう」は、役者やくしゃ主義しゅぎ演劇えんげきでありサービス精神せいしん旺盛おうせい歌舞伎かぶきにとって重要じゅうよう装置そうちであり、大坂おおさかではうけたまわおう前期ぜんきまでにられ、江戸えどでものべたから5ねん創設そうせつされ[4]独特どくとく発達はったつをとげた。花道かどう舞台ぶたい下手へた客席きゃくせきから舞台ぶたいむかって左側ひだりがわ)よりにもうけられ、演目えんもくによっては上手じょうずがわにも「かり花道かどう」がもうけられるようになった。花道かどう客席きゃくせきがわたりには「鳥屋とりや(とや)」とばれるしょう部屋へやがあり、ここから役者やくしゃがチャリンといった独特どくとくおとをたててひらく「揚幕あげまく(あげまく)」をくぐって花道かどう出入でいりする。

舞台ぶたい中央ちゅうおうには、舞台ぶたい一部いちぶ回転かいてんさせて場面ばめん転換てんかん容易よういにし、かつそれをにすることが可能かのうまわ舞台ぶたいもうけられている。まわ舞台ぶたいはその形状けいじょうから「ぼん」ともばれ、歌舞伎かぶき発祥はっしょうとする日本にっぽんはつ舞台ぶたい機構きこうである。

舞台ぶたいにはまた「せま(せり)」とばれる昇降しょうこう装置そうちなんしょかにもうけられている。せまりには大道具おおどうぐ上下じょうげさせる「だいせま(おおぜり)」と役者やくしゃ上下じょうげさせる「しょうせま(こぜり)」があり、いずれも人力じんりき昇降しょうこうさせていた。またせまりはその位置いちによって「まえせまり」「なかせまり」などとばれる。後代こうだいになると複数ふくすうだいせまり・しょうせまりがまわ舞台ぶたいなかもうけられたり、だいせまりを分割ぶんかつして昇降しょうこうさせることが可能かのうになったりして、舞台ぶたい機構きこう飛躍ひやくてき複雑ふくざつなものとなった[5]。また花道かどう舞台ぶたいななさんにはひと一人ひとりれるほどのしょうせまりがもうけられているが、これが「すっぽん」とばれる、妖怪変化ようかいへんげやくどころの不気味ぶきみだし演出えんしゅつにはかせない装置そうちである。

これら「まわ舞台ぶたい」「せま」のほか、のう舞台ぶたい破風はふ名残なごりの「大臣だいじんばしら撤去てっきょ」「宙乗ちゅうのり」はいずれも大坂おおさか道頓堀どうとんぼりにて並木なみき正三しょうさん(なみきしょうざ)により考案こうあん実演じつえんされた。[4]

このほか、「もの」とばれる音曲おんぎょく効果こうかおん奏者そうしゃたちが位置いちする「くろ御簾みす(くろみす)」あるいは「下座げざ(げざ)」とばれるしょう部屋へやがあり、下座げざの2かい部分ぶぶん義太夫ぎだゆうぶしかなでられるしょう部屋へやになっている場合ばあいもある。

舞台ぶたい最前さいぜんめんには「定式ていしきまく」とばれるまくがある。かつて定式ていしきまく江戸えどさんでそれぞれことなるものを使用しようしていた。現在げんざい、かつて中村なかむら使つかった「くろ柿色かきいろしろ」の定式ていしきまく平成へいせい中村なかむらが、かつて市村いちむら使つかった「くろ柿色かきいろ萌葱もえぎ」の定式ていしきまく国立こくりつ劇場げきじょうが、そしてかつて森田もりた守田もりた使つかった「萌葱もえぎ柿色かきいろくろ」の定式ていしきまく歌舞伎座かぶきざが、それぞれ踏襲とうしゅうして使用しようしている。

さん代目だいめ歌川うたがわ豊国ほうこく おどり形容けいよう江戸えどさかえ(おどり けいよう えどえの さかえ)

芝居しばい小屋こや内部ないぶるにつれて飛躍ひやくてき発達はったつげる。ひだり錦絵にしきえさるわかまち移転いてん安政あんせい年間ねんかん(1854–1859ねん)の市村いちむら大判おおばんさんまい続物つづきものえがいたもので、そこには枡席ますせき仕切しきられた中央ちゅうおうの「平土間ひらどま(ひらどま)[6]花道かどうかり花道かどう区切くぎられたその両側りょうがわには一段いちだんたかくなった「高土間たかどま(たかどま)[7]、さらにその外側そとがわ格子こうしおくには「うずら(うずら)[8]、そしてそのうえ場内じょうないをコのかこむ2かいせきの「桟敷さじき(さじき)」がえる。舞台ぶたいからもっととおくに位置いちする2かい正面しょうめん桟敷さじき(この錦絵にしきえ視点してん)はとくに「こう桟敷さじき(むこうさじき)[9]ばれた。そこに陣取じんどって舞台ぶたいごえをかける常連じょうれんきゃく大向おおむこである。さらに舞台ぶたい下手へたおく(この錦絵にしきえひだりあたり)にも客席きゃくせきもうけられ、その1かい部分ぶぶんを「羅漢らかんだい(らかんだい)[10]、2かい部分ぶぶんを「吉野よしの(よしの)[11]といった。

プロセニアムがた[編集へんしゅう]

チェスキー・クルムロフじょうにあるバロック劇場げきじょう舞台ぶたい

プロセニアム・シアターとばれるこの形式けいしき劇場げきじょうでは、舞台ぶたい客席きゃくせきとがプロセニアムまたはプロセニアム・アーチばれる額縁がくぶちじょう構造こうぞうぶつによって明確めいかく区切くぎられている。額縁がくぶち部分ぶぶんには、装飾そうしょくほどこしてある場合ばあいがしばしば見受みうけられる。プロセニアムのあるラインには、緞帳どんちょうばれるおおきな化粧けしょうまくろし出来できるようになっていることがある。

典型てんけいてきなプロセニアム・シアターでは、観客かんきゃくはプロセニアムにたいして正面しょうめんくように設置せっちされた座席ざせき腰掛こしかけ、観劇かんげきする。開幕かいまく言葉ことばどおり、げきはじまりとわりや途中とちゅう休憩きゅうけいさいには緞帳どんちょう開閉かいへいするが、演目えんもく演出えんしゅつによってはまった緞帳どんちょう使つかわない場合ばあいもある。この形式けいしきリヒャルト・ワーグナーによるバイロイト祝祭しゅくさい劇場げきじょうによって完成かんせいされ、18世紀せいき以降いこう市民しみん社会しゃかい発展はってんともひろまっていき、現在げんざいもっと一般いっぱんてき劇場げきじょうスタイルとして認知にんちされるにいたった。

収容しゅうよう人数にんずう劇場げきじょうおおきさによってかなりことなる。

舞台ぶたいりょうはしは、大道具おおどうぐかくすことが可能かのうなスペースが確保かくほされている。また舞台ぶたい天井てんじょうは、バトンとばれるぼうなんほんわたされており、舞台ぶたいがいから手動しゅどうもしくは電動でんどうげできるようになっている。これらの機構きこうかした、スペクタクルな舞台ぶたい演出えんしゅつ可能かのうなのも、このような舞台ぶたい構造こうぞう特徴とくちょうえる。

舞台ぶたいとなる領域りょういき額縁がくぶち区切くぎられているため、舞台ぶたい内側うちがわ外側そとがわ明確めいかくけてしまう。そのため、観客かんきゃくとのあいだ心理しんりてき距離きょりまれてしまうことがある。これを解消かいしょうする目的もくてきや、演出えんしゅつじょう目的もくてきのために、舞台ぶたい前面ぜんめん仮設かせつ舞台ぶたい場合ばあいがある。これを舞台ぶたい、もしくはたんしとぶ。

舞台ぶたいがた[編集へんしゅう]

このタイプは、舞台ぶたい観客かんきゃくせきかってし、複数ふくすう方向ほうこうから観客かんきゃく舞台ぶたいかこ形式けいしき劇場げきじょうである。歴史れきしふるく、古代こだいギリシアの劇場げきじょうや、シェイクスピアが現役げんえき活躍かつやくしていた英国えいこくエリザベスあさ演劇えんげきなども、このような劇場げきじょう上演じょうえんされていた。広義こうぎには、のう舞台ぶたいや、花道かどうのある歌舞伎かぶき劇場げきじょうもこれふくまれる。

舞台ぶたい観客かんきゃくせき進出しんしゅつしていることで、観客かんきゃく俳優はいゆう心理しんりてき物理ぶつりてき距離きょりちぢめ、舞台ぶたいじょう出来事できごとをより身近みぢかかんじさせる効果こうかがある。西欧せいおうにおける舞台ぶたい劇場げきじょうでは、観客かんきゃくせき急斜面きゅうしゃめんになっていることがおおい。これは、劇場げきじょうないのどの客席きゃくせきにいても、俳優はいゆうへの距離きょりちかかんじられるような効果こうかねらってのものである。

収容しゅうよう人数にんずう劇場げきじょうおおきさによってかなりことなるが、あまりおおきくなってしまうと、さい後列こうれつ観客かんきゃく舞台ぶたいとの一体いったいかんそこなうことになり、この形状けいじょうであることの利点りてんうしなってしまう。よって、100にん以下いかから1000にん規模きぼ程度ていどまでの劇場げきじょうおおい。

またストリップ劇場げきじょうには、デベソとばれる舞台ぶたいまれていることがおおい。

欧米おうべいでの代表だいひょうてきがた舞台ぶたい劇場げきじょうには、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくミネソタしゅうミネアポリスの、タイロン・ガスリー劇場げきじょうなどがある。どう劇場げきじょうななぽうから舞台ぶたいかこ構造こうぞうになっている。

アリーナがた[編集へんしゅう]

観客かんきゃく舞台ぶたいかこむこのタイプの劇場げきじょうは、ヴィンヤードがたコンサートホールばれ、クラシック専用せんようのコンサートホールでよくられる。客席きゃくせき舞台ぶたいおく用意よういすることで、観客かんきゃく指揮しきしゃ指揮しきたのしむことが出来できる。構造こうぞうじょう舞台ぶたいじょうにはあまりった機構きこうむことができない。また、おおがかりな舞台ぶたい装置そうち設置せっちするのにも通常つうじょうはあまりいていないとされる。ぎゃくえば、コストをおさえた舞台ぶたい製作せいさく可能かのう形式けいしきである。日本にっぽんにおけるヴィンヤードがたコンサートホールの代表だいひょうてきなものとして、サントリーホールだいホールやミューザ川崎かわさきシンフォニーホールなどがある。一方いっぽうで、シューボックスがたコンサートホールとばれるホールでも、ステージをかこむように4めん客席きゃくせきはいするアリーナ形式けいしきのシューボックスがた配置はいちのホールがあり、日本にっぽんにおける代表だいひょうてきなものとして、横浜よこはまみなとみらいホール大阪おおさかザ・シンフォニーホールなどがられる。これらは「かこがたシューボックス形式けいしき」などとも呼称こしょうされる。

演劇えんげきよう舞台ぶたいとしては、比較的ひかくてきあたらしい形態けいたいのものである。舞台ぶたい劇場げきじょう中央ちゅうおう設置せっちされ、観客かんきゃく舞台ぶたいじょうとのよりふか一体いったいかんられる構造こうぞうえる。円形えんけい劇場げきじょう、またはシアター・イン・ザ・ラウンドともばれる。東京とうきょう渋谷しぶや神宮前じんぐうまえにあった青山あおやま円形えんけい劇場げきじょうが、日本にっぽん唯一ゆいいつどう形式けいしき劇場げきじょうだった(2015ねん2がつ閉館へいかん)。

フラットスペースがた劇場げきじょう[編集へんしゅう]

フラットスペースがた劇場げきじょうとは、そのとおり、空間くうかん自体じたい平土間ひらどまになっており、舞台ぶたい客席きゃくせき自由じゆう仮設かせつできる方式ほうしき劇場げきじょうす。和洋わようわず、しょう劇場げきじょう倉庫そうこなどを改造かいぞうしてつくられた劇場げきじょうなどではフラットスペースがたである場合ばあいおおい。また、展示てんじかいやファッションショーなどで使用しようされることも想定そうていした劇場げきじょうに、フラットスペースがた採用さいようしているところも見受みうけられる。

劇場げきじょうがたレストラン[編集へんしゅう]

本格ほんかくてき舞台ぶたい併設へいせつしているレストランもある[12]一般いっぱんてき劇場げきじょうでは、飲食いんしょく禁止きんしまたはマナーとして自粛じしゅくもとめられる場合ばあいおおい。

舞台ぶたい設備せつび[編集へんしゅう]

劇場げきじょう設備せつびは、おおきく建築けんちく設備せつび舞台ぶたい設備せつび二分にぶんされ、舞台ぶたい設備せつびは、舞台ぶたい機構きこう設備せつび舞台ぶたい照明しょうめい設備せつび舞台ぶたい音響おんきょう設備せつびさんふんされる(映像えいぞう設備せつびべつ区分くぶんとすることもある)。

舞台ぶたい照明しょうめい舞台ぶたい音響おんきょうについては、かく記事きじ参照さんしょう

舞台ぶたい各部かくぶ名称めいしょう[編集へんしゅう]

舞台ぶたいじょう実際じっさい演者えんじゃ演技えんぎおこな場所ばしょ客席きゃくせきからえる範囲はんいアクティングエリアという[13]舞台ぶたい客席きゃくせきさかい開口かいこうプロセニアムといい、古典こてんてきなオペラハウスでは間口まぐちたかく、日本にっぽん古典こてん芸能げいのう主演しゅえんとする劇場げきじょうでは場合ばあい間口まぐちひろいがひくくなっている[13]

上手じょうず(かみて)は客席きゃくせきからると右側みぎがわ[13]舞台ぶたいからると左側ひだりがわをいう(英語えいごではStage left)。一方いっぽう下手へた(しもて)は客席きゃくせきからると左側ひだりがわ[13]舞台ぶたいからると右側みぎがわをいう(英語えいごではStage right)。

客席きゃくせきから舞台ぶたいおくがわ舞台ぶたいおく前側まえがわ舞台ぶたいまえという[13]。また、客席きゃくせき舞台ぶたい境界きょうかい舞台ぶたいはし(ぶたいばな)またはかまち(かまち)という[13]舞台ぶたいりょうサイドの上手じょうず下手へたにある空間くうかん舞台ぶたいそでといい、通常つうじょうそでまくによってかくされている[13]

緞帳どんちょうより客席きゃくせきがわている舞台ぶたい部分ぶぶんエプロンという[13]。オーケストラピットの周囲しゅういかこむようにもうけた通路つうろ舞台ぶたいシルバーブリッジという。また、歌舞伎かぶき舞台ぶたいなどにみられる舞台ぶたいから客席きゃくせき貫通かんつうしている通路つうろ花道かどうという[13]

アクティングエリアに隣接りんせつする舞台ぶたいがわかたのスペースをウイング(ふところ)といい、おおきなものはがわ舞台ぶたいとして使用しようできるようになっている[13]。また、舞台ぶたい後方こうほう背景はいけいめんホリゾント(サイクロラマ)といい、とくこう舞台ぶたいがある場合ばあいにはまく仕切しきられている[13]

舞台ぶたい上部じょうぶには舞台ぶたいまくやスクリーン、美術びじゅつバトン、照明しょうめいバトンなどをける(ブドウだな)とばれる設備せつび設置せっちされる[13]。また、プロセニアムからまでの緞帳どんちょう照明しょうめい器具きぐなどをるためのスペースをフライズという[13]

舞台ぶたい機構きこう[編集へんしゅう]

舞台ぶたい機構きこう(ぶたいきこう)とは、前述ぜんじゅつとおり、劇場げきじょう設備せつびのうち、建築けんちく設備せつびのぞいたもので、さらに舞台ぶたい照明しょうめい設備せつび舞台ぶたい音響おんきょう設備せつび(および場合ばあいによっては映像えいぞう設備せつび以外いがいのものをす。また、演出えんしゅつおうじて大道具おおどうぐとう転換てんかんするための舞台ぶたいつるしぶつ機構きこう舞台ぶたいゆか機構きこうなどの総称そうしょうであり、さらに、照明しょうめい音響おんきょうとう設備せつび負荷ふかするつるしぶつ機構きこうふくむ。前述ぜんじゅつとおり、それ以外いがいにも舞台ぶたい機構きこうふくめるものがある。現在げんざいでは技術ぎじゅつ進歩しんぽともない、かなりひろ範囲はんいふく概念がいねんとなっており、野外やがい劇場げきじょう仮設かせつ舞台ぶたいなども舞台ぶたい機構きこう範疇はんちゅうである。

元来がんらいは、道具方どうぐかた職分しょくぶん関連かんれんしてもちいられ、その職分しょくぶんひろがっていった結果けっか言葉ことば範囲はんいひろがっていったものであるから、前述ぜんじゅつ舞台ぶたい設備せつび意味いみ舞台ぶたい機構きこうというのは誤用ごようである(ぎゃく舞台ぶたい設備せつびという言葉ことばせま意味いみ舞台ぶたい機構きこう同義どうぎもちいられることがおおい)。このてんもっと問題もんだいになるのは、舞台ぶたい機構きこう調整ちょうせい技能ぎのうという資格しかくめいである。

舞台ぶたいつるしぶつ機構きこう[編集へんしゅう]

  • まくるいようつるしぶつ機構きこう
    • 緞帳どんちょう(どんちょう) - プロセニアム形式けいしき劇場げきじょうにおいてもっと客席きゃくせきちか位置いち配置はいちされる昇降しょうこう形式けいしきまく[13]
    • 定式ていしきまく - 歌舞伎かぶきとう劇場げきじょうもちいられる黒色こくしょく柿色かきいろ萌葱色もえぎいろさんしょくからなる引幕ひきまく[13]
    • 暗転あんてんまく - 舞台ぶたい転換てんかんかくすための黒色こくしょくまく通常つうじょう緞帳どんちょううしろに配置はいちされる[13]
    • 引割まく(ひきわり) - 舞台ぶたい中央ちゅうおうから上手じょうず下手へた双方そうほうひらくことのできる引幕ひきまく[13]中割なかわりまくとも[13]
    • そでまく(そでまく) - 客席きゃくせきからがわ舞台ぶたいえないよう上手じょうず下手へたいちついずつ奥行おくゆきにわせて複数ふくすうまい配置はいちするほそまく通常つうじょう黒色こくしょく[13]
    • 一文いちぶん字幕じまく(いちもんじまく) - 舞台ぶたい上部じょうぶ大道具おおどうぐとうかくすため舞台ぶたい間口まぐち平行へいこうになるようにられたたけみじかまく[13]通常つうじょうそでまく同色どうしょく奥行おくゆきにわせて複数ふくすうまい配置はいちする[13]たんに「もんじ」とぶこともある。別名べつめいかすみまく(かすみまく)」。
    • だい黒幕くろまく(おおぐろまく) - 舞台ぶたい後方こうほうのホリゾントまく直前ちょくぜんられるまくで、ホリゾントまくこうかべかくすためのまく通常つうじょう黒色こくしょく[13]
    • ホリゾントまく - 舞台ぶたい最後さいごられるまくで、舞台ぶたい照明しょうめいてて色彩しきさい演出えんしゅつ効果こうかたかめるためのまく[13]うすいグレーまたは白色はくしょくもちいる。
    • 東西とうざいまく(とうざいまく) - もと歌舞伎かぶきよう定式ていしきまく呼称こしょう現在げんざいは、上手じょうず下手へた側面そくめんげるまくう。
  • 舞台ぶたい照明しょうめいようつるしぶつ機構きこうくわしくは舞台ぶたい照明しょうめい参照さんしょう
    • 照明しょうめいバトン
    • フライブリッジ
    • その
      • 照明しょうめいようラダー、昇降しょうこうしきタワー、照明しょうめいようトラスなどがる。
  • 舞台ぶたい音響おんきょうようつるしぶつ機構きこう
  • 大道具おおどうぐようつるしぶつ設備せつび
    • バトンつるしぶつバトン、美術びじゅつバトン、道具どうぐバトンなどという)
    • てんつるし装置そうち - いちてんつるし装置そうち大道具おおどうぐなどをいちてんげる機構きこう複数ふくすうわせて、舞台ぶたいたいして水平すいへい方向ほうこうについてななめにげる場合ばあいる。
    • その
      • プロセニアム開口かいこう調整ちょうせい機構きこうつるしこみしき音響おんきょう反射はんしゃばん防火ぼうかシャッター、遮音しゃおんカーテンなど

舞台ぶたいゆか機構きこう[編集へんしゅう]

  • せま(せり)機構きこう
    • だいせま
    • なかせま
    • しょうせま
    • すっぽんせま
    • 沈下ちんかゆかせまり - 後述こうじゅつのスライディングステージを使つかさいにできる段差だんさをなくす機構きこう
    • 雛壇ひなだんせまり - 舞台ぶたいじょう雛壇ひなだんつく機構きこう舞台面ぶたいめんから上方かみがたにしか可動かどうしない。
    • 運搬うんぱんせまり - 運搬うんぱん専用せんようせまり。当初とうしょから運搬うんぱんせまりとしてもうけられることはすくないが、当初とうしょ演出えんしゅつ目的もくてきをかねてつくられたものが、性能せいのうその理由りゆう演出えんしゅつ利用りようできなくなり、運搬うんぱんせまりとなったものはおおい。当然とうぜんながらせまじょう、および周辺しゅうへん障害しょうがいぶつがないときしか利用りようできず大変たいへん不便ふべんである。
    • オーケストラピットせまり - 舞台ぶたい前方ぜんぽう客席きゃくせきスペースを沈下ちんかさせて、オーケストラピットとするための機構きこう舞台面ぶたいめんまで上昇じょうしょうさせて、舞台ぶたいとして使つかえるものがおおい。
    • 客席きゃくせきだんゆかせまり - 客席きゃくせき可変かへん装置そうち一種いっしゅせま機構きこうで、客席きゃくせき平土間ひらどまから、だんゆか可変かへんするもの。座席ざせき収納しゅうのう機能きのうそなえているものがおおい。
    • 花道かどうせまり - 花道かどう自体じたい沈下ちんかさせて客席きゃくせきとする機構きこうほん花道かどうかり花道かどう)を沈下ちんかさせるものと、わき花道かどう沈下ちんかさせるものがある。わき花道かどう収納しゅうのうは、にプロセニアムまわ可変かへん機構きこうによるものがある。
    • 傾斜けいしゃゆか装置そうち - 舞台ぶたいゆかおくたかくした傾斜けいしゃ舞台ぶたい開帳かいちょうじょう)をつく機構きこう
    • 沈下ちんかしき音響おんきょう反射はんしゃばん
  • 走行そうこうしき舞台ぶたいゆか機構きこう
    • スライディングステージ
    • ステージワゴン
  • まわ舞台ぶたい機構きこう
    • まわ舞台ぶたい平形ひらがたうえ(うえ)まわし)
    • まわ舞台ぶたい円筒えんとうがたした(した)まわし)
  • その
    • 搬式ゆか(ユニットゆか
    • 奈落ならく
    • 安全あんぜん機構きこう昇降しょうこうすり、落下らっか防止ぼうしネットなど)

その機構きこう[編集へんしゅう]

  • 残響ざんきょう可変かへん装置そうち
  • 客席きゃくせき間仕切まじきり装置そうち
  • プロセニアムまわ可変かへん機構きこう - プロセニアムの開口かいこうはばたかさのみではなく、プロセニアムアーチ周辺しゅうへん天井てんじょう壁面へきめんふくめて可変かへんする機構きこうプロセニアム・アーチ記事きじくわしい。
  • 客席きゃくせき可変かへん機構きこう
  • 走行そうこうしき音響おんきょう反射はんしゃばん

舞台ぶたい機構きこう関係かんけいする代表だいひょうてき業者ぎょうしゃとして、以下いかげられる(外部がいぶリンク)。

4めん舞台ぶたい[編集へんしゅう]

4めん舞台ぶたいとは舞台ぶたいりょうそでおよび舞台ぶたいおく舞台ぶたいおな面積めんせきのスペースをゆうし、転換てんかん演目えんもく変更へんこうおこなさいすみやかな舞台ぶたい装置そうちえを可能かのうにした舞台ぶたい本来ほんらい舞台ぶたい1めんとあわせて4めんかぞえる。複数ふくすう作品さくひん長期ちょうき上演じょうえんおこなうヨーロッパの歌劇かげきじょうなどでは普通ふつう設備せつびである。日本にっぽん劇場げきじょうでは国立こくりつ劇場げきじょうなどのだい劇場げきじょうであっても4めん舞台ぶたいそなえる劇場げきじょうはなかった。だい劇場げきじょうとしてはアクトシティ浜松はままつだいホール(1994ねん)が日本にっぽん最初さいしょの4めん舞台ぶたいとされる。ほかにしん国立こくりつ劇場げきじょう1997ねん)、びわホール滋賀しが県立けんりつ芸術げいじゅつ劇場げきじょう)(1998ねん)、まつもと市民しみん芸術げいじゅつかん2004ねん)、兵庫ひょうご県立けんりつ芸術げいじゅつ文化ぶんかセンター2005ねん)のかくだいホールが4めん舞台ぶたいゆうする。類似るいじ構造こうぞうとして、愛知あいちけん芸術げいじゅつ劇場げきじょう1992ねん)の下手へたそでせまい3めん舞台ぶたいよこすか芸術げいじゅつ劇場げきじょう1993ねん)のりょうそでがスライドする3めん舞台ぶたい富山とやま芸術げいじゅつ文化ぶんかホール (オーバード・ホール)(1996ねん)の上手じょうずそでせまい3めんはん舞台ぶたいなどがある。

客席きゃくせき[編集へんしゅう]

おとこおんな別席べっせき[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは1930年代ねんだいまで、興行こうぎょうじょうまり規則きそくもとづき常設じょうせつかん男女だんじょ別席べっせきであった。しかし映画えいがかんなどでは男女だんじょべつによるせき制限せいげんはなく問題もんだいしょうじていなかったことから、1931ねん昭和しょうわ6ねん)、警視庁けいしちょう男女だんじょべつせい時代遅じだいおくれであるとして全国ぜんこく先駆さきがけて撤廃てっぱいした[14]

劇場げきじょう発生はっせいしたおも事件じけん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 週刊しゅうかんエンタメ】芝居しばい小屋こや保存ほぞん 正念場しょうねんば/コロナやにな高齢こうれいで『読売新聞よみうりしんぶん朝刊ちょうかん2022ねん4がつ30にち
  2. ^ 無声むせい映画えいが弁士べんし舞台ぶたいじょうえんじたので、初期しょき映画えいがかんには舞台ぶたい必須ひっすであった。のち弁士べんしがいなくなっても、映画えいがかんには慣例かんれいてき舞台ぶたいつくられた。現在げんざいでは映画えいが封切ふうきたって、ここでキャスト(役者やくしゃ)やスタッフ挨拶あいさつする。
  3. ^ いちれいとして、イオンエンターテイメントのサイトでは、運営うんえいするシネマコンプレックスなどの所在地しょざいちを「劇場げきじょう案内あんない」としている。
  4. ^ a b 木谷きたに蓬吟ほうぎん道頓堀どうとんぼりの300ねん新大阪しんおおさか出版しゅっぱんしゃ、1947ねん
  5. ^ 歌舞伎かぶきへのさそ「セリ」まわ舞台ぶたい(2011ねん11月24にち閲覧えつらん
  6. ^ 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』(小学館しょうがくかん)「平戸ひらどあいだ」のこう
  7. ^ 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』(小学館しょうがくかん)「高土間たかどま」のこう
  8. ^ 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』(小学館しょうがくかん)「うずら桟敷さじき」のこううえ桟敷さじきささえるはしらあいだすりをわたしたようがあたかもうずらをいれるかごのようだったことから。
  9. ^ 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』(小学館しょうがくかん)「こう桟敷さじき」のこう
  10. ^ 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』(小学館しょうがくかん)「羅漢らかんだい」のこう中村なかむら市村いちむらだけにあり、森田もりたにはなかった。
  11. ^ 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』(小学館しょうがくかん)「吉野よしの芳野よしの」のこうの(4)
  12. ^ 日本にっぽん伝統でんとうんだ「劇場げきじょうがた」レストラン、中央ちゅうおうにはのう舞台ぶたい 東京とうきょうフランス通信つうしんしゃ(2018ねん3がつ19にち)2018ねん3がつ28にち閲覧えつらん
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 設計せっけい資料しりょう〈ステージライティングの基礎きそ知識ちしきPanasonic(2019ねん6がつ4にち閲覧えつらん
  14. ^ 常設じょうせつかん男女だんじょせき撤廃てっぱい警視庁けいしちょう断行だんこう東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん昭和しょうわ6ねん1がつ30にち夕刊ゆうかん(『昭和しょうわニュース事典じてんだい4かん 昭和しょうわ6ねん-昭和しょうわ7ねん本編ほんぺんp28 昭和しょうわニュース事典じてん編纂へんさん委員いいんかい 毎日まいにちコミュニケーションズかん 1994ねん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  1. ^ 「こんぴら歌舞伎かぶきのあゆみ」こんぴら歌舞伎かぶき公式こうしきサイト
  2. ^ きゅう広瀬ひろせ”. くに指定してい文化財ぶんかざいとうデータベース(文化庁ぶんかちょう). 2018ねん1がつ4にち閲覧えつらん
  3. ^ きゅう広瀬ひろせくに重文じゅうぶん芝居しばい小屋こやでは4けん」『朝日新聞あさひしんぶん』1998ねん10がつ17にち