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円板は、円で区切られた領域である。開円板は境界上の点を全て除いた内部であり、閉円板はその境界上の点を全て含む閉包である。
各種幾何学における円板(えんばん、英: disk; disc と綴ることもある)は、平面上で円で囲まれた有界領域である。
円板はその境界となる円周を「すべて含む」または「全く含まない」ことを以ってそれぞれ「閉円板」または「開円板」という。
初等幾何学[編集]
直交座標系では、点 (a, b) ∈ R2 を中心とする半径 R > 0 の開円板は
![{\displaystyle D=D((a,b);R)=\{(x,y)\in {\mathbb {R} ^{2}}:(x-a)^{2}+(y-b)^{2}<R^{2}\}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/c035b89efbcb9cf823c82985a836c50eb0b5836c)
で、同じ中心と半径を持つ閉円板は
![{\displaystyle {\overline {D}}={\overline {D}}((a,b);R)=\{(x,y)\in {\mathbb {R} ^{2}}:(x-a)^{2}+(y-b)^{2}\leq R^{2}\}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/302f4a58e20e39b1e9edbe8d1806c3d995dee265)
で表される。
ユークリッド幾何学における円板は、回転対称である。
半径 R の(開または閉)円板の面積は、πR2 である[1]。
前節で述べたものは、ユークリッド平面 (R2, d) の通常の(ユークリッド)距離 d に関する開円板
![{\displaystyle D(P;r)=\{Q\in \mathbb {R} ^{2}:d_{2}(P,Q)<r\}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/6604c2d5bde8f07c65c620e2d5e8fcec675d089c)
と閉円板
![{\displaystyle {\overline {D}}(P;r)=\{Q\in \mathbb {R} ^{2}:d_{2}(P,Q)\leq r\}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/6823c16a326cf4ce47e9a78fe995ddd238b46984)
であり、これは R2 を任意の距離空間 (X, d) で置き換えてもそのまま通用する。
一般の距離空間における距離に関して円板を考えたものは、一般に球体 (ball) と呼ばれるものを定める(たとえば、三次元ユークリッド空間 (R3, d) における円板は通常の意味における(狭義の)球体である)。即ち、この文脈において「円板」と言う代わりに「球体」を用いても同じ意味になる。
位相的円板[編集]
位相空間としての開円板と閉円板は同相でない(後者はコンパクトだが、前者はそうでない)。
しかし、代数的位相幾何学的な観点からは、これらは多くの性質が共通している。例えば両者とも可縮であり、ゆえ一点にホモトピー同値である。
従って、さらに、これらの基本群は自明であり、Z と同型な零次を除いて、全てのホモロジー群が自明である。一点のオイラー標数は 1 であるから、開および閉円板のそれもやはりともに 1 であることがわかる。
閉円板からそれ自身への任意の連続写像(全単射でなくてもよく、また全射であることすら仮定しない)は少なくとも一つの不動点を持つ[2]。
この主張において閉円板であるというところを「開円板」に置き換えることはできない。
例えば
![{\displaystyle f(x,y)=\left({\frac {x+{\sqrt {1-y^{2}}}}{2}},y\right)}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/7fb2756fce1c7ad332a679333ff9f66fcec1087e)
は、開単位円板上の任意の点をその点の少し右へ写すから、固定される点は存在しない。
- ^ 境界上の点の有無は面積に影響しない。
- ^ これは、ブラウワーの不動点定理の n = 2 の場合である。