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危険きけんぶつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
危険きけんぶつだい1るいから転送てんそう
危険きけんぶつ搭載とうさいしゃきんじるトンネル
バスなどの旅客りょかくしゃ両用りょうようのコーションプレート

危険きけんぶつ(きけんぶつ、英語えいご: Dangerous goods)とは、対象たいしょう危険きけんおよぼす可能かのうせいめた本質ほんしつものである。文脈ぶんみゃくにより危険きけんおよぼす対象たいしょうおよ危険きけんおよぼす主体しゅたいもの範囲はんいことなる。

対象たいしょうとしては、人間にんげん動物どうぶつ植物しょくぶつ環境かんきょう生態せいたい)、物体ぶったい物質ぶっしつ物品ぶっぴん)、財産ざいさんひとし該当がいとうする場合ばあいがある。一方いっぽう主体しゅたいものとしては、物質ぶっしつ化学かがく物質ぶっしつなど)や物品ぶっぴん品物しなもの製品せいひん成形せいけいぶつ機器きき器具きぐ)といったものが該当がいとうする場合ばあいがある。

また、文脈ぶんみゃくにより危険きけんぶつとされる範囲はんいことなる。

定義ていぎ一覧いちらん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでの対象たいしょう[編集へんしゅう]

言葉ことばとしての「危険きけんぶつ」の概念がいねん幅広はばひろいが、日本にっぽんほうでは「危険きけんぶつ」はいろいろな法令ほうれいさだめられている。たとえば、消防しょうぼうほう毒物どくぶつおよげきぶつ取締とりしまりほうこうあつガス保安ほあんほう労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう火薬かやくるい取締とりしまりほう危険きけんぶつ船舶せんぱく運送うんそうおよ貯蔵ちょぞう規則きそく[1]船舶せんぱくによる危険きけんぶつ運送うんそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ航空こうくうほう施行しこう規則きそく[2]の「ほうだいはちじゅうろくじょうだいいちこう国土こくど交通こうつう省令しょうれいさだめる物件ぶっけん」とは法令ほうれいじょうそうはんでいないが「危険きけんぶつ」のことである。この法令ほうれいもとづいて[3]航空機こうくうきによる爆発ばくはつぶつひとし輸送ゆそう基準きじゅんさだめる告示こくじ航空機こうくうきによる放射ほうしゃせい物質ぶっしつひとし輸送ゆそう基準きじゅんさだめる告示こくじ建築けんちく基準きじゅんほう施行しこうれい旅客りょかく自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう運輸うんゆ規則きそく[4]によっても、それぞれ危険きけんぶつ定義ていぎがなされ、規制きせいされている。

世界せかいまとには、国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくもとづく分類ぶんるい、あるいは、それをもとにした化学かがくひん分類ぶんるいおよび表示ひょうじかんする世界せかい調和ちょうわシステム(GHS)で危険きけんぶつ定義ていぎされていることが、言語げんごウィキペディアむとよくわかる。ただし、日本にっぽんでも航空こうくう輸送ゆそう海上かいじょう輸送ゆそう[5]では、この国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこく踏襲とうしゅうしており、この国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくをベースにして構築こうちくされたGHSについては、日本にっぽんでもそのまま導入どうにゅうされているので、労働ろうどう現場げんば製品せいひんラベル・安全あんぜんデータシートでは、この分類ぶんるいをよくかけるようになっている。

消防しょうぼうほう[編集へんしゅう]

消防しょうぼうほうでいう「危険きけんぶつ」とは、「別表べっぴょうだいいち品名ひんめいらんかかげる物品ぶっぴんどうひょうさだめる区分くぶんおうどうひょう性質せいしつらんかかげる性状せいじょうゆうするもの」と定義ていぎされており、貯蔵ちょぞう道路どうろ輸送ゆそうちゅう火災かさい爆発ばくはつ漏洩ろうえい事故じこにおける危険きけん状況じょうきょう想定そうていしている。この場合ばあい保健ほけん衛生えいせいじょう見地けんちから人体じんたいなどの健康けんこう有害ゆうがいという意味いみでの危険きけんせいはまたべつで、こちらは毒物どくぶつおよげきぶつ取締とりしまりほうなどが別途べっとさだめられている。

国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこく[編集へんしゅう]

航空こうくう輸送ゆそう海上かいじょう輸送ゆそう場合ばあい国際こくさい連合れんごうによる国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくもとづいた「危険きけんぶつ」の概念がいねん日本にっぽんでも「危険きけんぶつ船舶せんぱく運送うんそうおよ貯蔵ちょぞう規則きそくおよび「航空機こうくうきによる爆発ばくはつぶつとう輸送ゆそう基準きじゅんさだめる告示こくじならびに「航空機こうくうきによる放射ほうしゃせい物質ぶっしつとう輸送ゆそう基準きじゅんさだめる告示こくじ」において適用てきようされている。

国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくはほぼすべての輸送ゆそう形式けいしき道路どうろ輸送ゆそう海上かいじょう輸送ゆそう航空こうくう輸送ゆそうなど)における輸送ゆそうちゅう危険きけん状況じょうきょう想定そうていされている。国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこく根本こんぽんとする日本にっぽん法規ほうきには船舶せんぱくによる危険きけんぶつ運送うんそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ航空機こうくうきによる爆発ばくはつぶつとう輸送ゆそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじなどがある。

将来しょうらいてきには、法令ほうれい規則きそくとうにおける危険きけんぶつ分類ぶんるい貯蔵ちょぞう輸送ゆそうふくむあらゆる取扱とりあつかい状況じょうきょう想定そうていしたGHSばれる国際こくさいてき協調きょうちょう(ハーモナイズ)された体系たいけい基礎きそとしたものに移行いこうしていくとかんがえられている。

国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくさだめる危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

UN Class.1

危険きけんぶつ輸送ゆそうかんする国連こくれん勧告かんこく別冊べっさつ試験しけん方法ほうほうおよ判定はんてい基準きじゅん」(Recommendations on the Transport of Dangerous Goods, Manual of Tests and Criteria)に記載きさいされた分類ぶんるい基準きじゅんもとづきおくひとが、輸送ゆそうひん分類ぶんるい実施じっしするものとされている。分類ぶんるい以下いかの9分類ぶんるい(class)にかれ、さらに等級とうきゅう容器ようき等級とうきゅう国連こくれん番号ばんごう細分さいぶんされる。

おくひと分類ぶんるい結果けっかおうじて規則きそくしたがい、梱包こんぽう表示ひょうじおこなって輸送ゆそうしゃ申告しんこくしなければならない。輸送ゆそうしゃおくひと申告しんこくした分類ぶんるい対応たいおうしてさだめられた輸送ゆそうじょう規則きそくにしたがって輸送ゆそう実施じっしする。

輸送ゆそうしゃひらけこりしておくひと申告しんこく表示ひょうじただしさを確認かくにんすることはしない(してはならない)ので、おくひと分類ぶんるいかかわる安全あんぜんじょう責任せきにん重大じゅうだいである。

分類ぶんるい一覧いちらん[編集へんしゅう]

国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう規則きそくもとづく各種かくしゅ表示ひょうじられる事例じれい

危険きけんぶつ船舶せんぱく運送うんそうおよび貯蔵ちょぞう規則きそくしょう定義ていぎされている危険きけんぶつつぎここのつである。下記かきの<>ない対応たいおうする国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくしょ(だい17はん)の英語えいごとその直訳ちょくやくである。

クラス1・爆発ばくはつぶつ[編集へんしゅう]

これを規定きていする日本にっぽん法令ほうれいひとつである「危険きけんぶつ船舶せんぱく運送うんそうおよ貯蔵ちょぞう規則きそく」では「火薬かやくるい」としている。
  • 等級とうきゅう1.1 大量たいりょう爆発ばくはつ(mass explosion)の危険きけんせい(hazard)がある物質ぶっしつおよ物品ぶっぴん(article)。
    • 大量たいりょう爆発ばくはつとはほぼ瞬間しゅんかんてきにほとんどすべての貨物かもつ影響えいきょうおよ爆発ばくはつ定義ていぎされる。
  • 等級とうきゅう1.2 大量たいりょう爆発ばくはつ危険きけんせいがないが、飛散ひさん危険きけんせいがある物質ぶっしつおよ物品ぶっぴん
  • 等級とうきゅう1.3 大量たいりょう爆発ばくはつ危険きけんせいがないが、火災かさい危険きけんせいがあり、かつ、よわ爆風ばくふう危険きけんせいしくはよわ飛散ひさん危険きけんせいまたはその両方りょうほう危険きけんせいのある物質ぶっしつおよ物品ぶっぴん
  • 等級とうきゅう1.4 重大じゅうだい危険きけんせいがない物質ぶっしつおよ物品ぶっぴん点火てんかまた起爆きばくきた場合ばあいにその影響えいきょう容器ようきないかぎられ、かつ、おおきな破片はへん飛散ひさんしないものをふくむ。
  • 等級とうきゅう1.5 大量たいりょう爆発ばくはつ危険きけんせいはあるが、非常ひじょう鈍感どんかん物質ぶっしつ
  • 等級とうきゅう1.6 大量たいりょう爆発ばくはつ危険きけんせいがなく、かつ、きわめて鈍感どんかん物品ぶっぴん

海上かいじょう輸送ゆそうかか危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

国際こくさい規則きそく[編集へんしゅう]

海上かいじょう輸送ゆそうかか危険きけんぶつ輸送ゆそう国際こくさいてきには日本にっぽん加盟かめいする国際こくさい海事かいじ機関きかん(IMO)(国連こくれんぞくする専門せんもん機関きかん)によって規定きていおよび管理かんり原則げんそく策定さくていおこなわれている。このIMOで、国際こくさい海上かいじょう危険きけんぶつ規則きそくInternational Maritime Dangerous Goods Code、IMDGコード[6])、国際こくさいバルクケミカルコード(IBCコード)、かく燃料ねんりょう物質ぶっしつとう専用せんよう運搬船うんぱんせん基準きじゅん(INFコード)とう国際こくさいてき安全あんぜん基準きじゅんさだめている[7]。IMDGコードは国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくもとにしてさだめられている。

IMDGコードは、2004ねん1がつ1にち以前いぜんは、SOLAS条約じょうやく勧告かんこくであったため部分ぶぶんてき国内こくない規則きそくれることが可能かのうであったが、SOLAS条約じょうやく改定かいていによって、2004ねん1がつ1にちからは、どう条約じょうやく締約ていやくこく改正かいせいされたIMDGコードの規定きていすべてを国内こくない規則きそくれ、実施じっしすることが強制きょうせいされることになった[8]

日本にっぽん規則きそく[編集へんしゅう]

日本にっぽんではこれら国際こくさい基準きじゅんもとづき容器ようき強度きょうど表示ひょうじ積載せきさい方法ほうほう船舶せんぱく構造こうぞう設備せつびとう技術ぎじゅつ基準きじゅん船舶せんぱく安全あんぜんほうもとづく危険きけんぶつ船舶せんぱく運送うんそうおよ貯蔵ちょぞう規則きそく(危規則きそくとうさだめている[7]日本にっぽん所管しょかん官庁かんちょう国土こくど交通省こうつうしょう海事かいじきょく[9]である。

船舶せんぱくによる危険きけんぶつ運送うんそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ(危告示こくじ)に危険きけんぶつのリスト[10]があり、これはIMDGコードの危険きけんぶつリストにもとづいている。

IMDGコードの改正かいせいにおいては施行しこう強制きょうせいに1ねん移行いこう措置そちがあるが、国内こくないほうでは施行しこう同時どうじ強制きょうせいされ移行いこう措置そちもうけられていない。通常つうじょう、危告示こくじ施行しこうとなるすうねんの1がつ1にち先立さきだって12月25にちから28にちあたりに公布こうふされることがおおい。

航空こうくう輸送ゆそうかか危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

空港くうこうられる危険きけんぶつ禁止きんしポスター[11]

危険きけんぶつとは、国連こくれんがその輸送ゆそう危険きけんぶつ勧告かんこくさだめている9つの危険きけんせい分類ぶんるいのうちの、1つ以上いじょう基準きじゅん合致がっちするものである。荷送におくじん危険きけんぶつ正確せいかく識別しきべつ分類ぶんるい包装ほうそう等級とうきゅうへのてがもとめられる[12]輸送ゆそう危険きけんぶつ勧告かんこく分類ぶんるい基準きじゅんは、試験しけん方法ほうほうおよ分類ぶんるいマニュアル(Manual of Tests and Criteria)に記載きさいされている。これは、もと危険きけんぶつ輸送ゆそうかんする国連こくれん勧告かんこく別冊べっさつ試験しけん方法ほうほうおよ判定はんてい基準きじゅん」(Recommendations on the Transport of Dangerous Goods, Manual of Tests and Criteria)とばれていたものが、GHSにも対応たいおうさせたものである。[13]

国際こくさい規則きそく[編集へんしゅう]

航空こうくう輸送ゆそうかか危険きけんぶつ輸送ゆそう国際こくさいてきには日本にっぽん加盟かめいする国際こくさい民間みんかん航空こうくう機関きかん(ICAO)(国連こくれんぞくする専門せんもん機関きかん)がさだめる国際こくさい民間みんかん航空こうくう条約じょうやく(Convention on International Civil Aviation)のANNEX18「危険きけんぶつ航空こうくう安全あんぜん輸送ゆそう」によりさだめられている。このANNEX18を補足ほそくするために「危険きけんぶつ航空こうくう安全あんぜん輸送ゆそうかか技術ぎじゅつ指針ししん(Technical Instructions for the Safe Transport of Dangerous Goods by Air:ICAO TI)」が、より詳細しょうさい内容ないようさだめている。ICAO TIは国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくもとにしてさだめられている。

業界ぎょうかい団体だんたい規則きそく[編集へんしゅう]

国際こくさい航空こうくう運送うんそう協会きょうかい(IATA)は、国際こくさい規則きそく遵守じゅんしゅ推進すいしんする目的もくてきで、国際こくさい規則きそく TIをさらに詳細しょうさいにした 航空こうくう危険きけんぶつ規則きそくしょ(Dangerous Goods Regurations:DGR)を業界ぎょうかい団体だんたい規則きそくとしてさだめている。運用うんようじょう利便りべんせい考慮こうりょして国際こくさい規則きそく明確めいかくし、場合ばあいによっては追加ついかてき制限せいげんくわえる場合ばあいもある。

国際こくさい規格きかく国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくにあわせて2ねんごと改正かいせいだが、DGRは1ねんごと改正かいせいである。

日本にっぽん規則きそく[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは国際こくさい規則きそくであるANNEX18にもとづき航空こうくうほう だい86じょうおよび航空こうくうほう施行しこう規則きそく だい194じょうにより危険きけんぶつ航空こうくう輸送ゆそう規制きせいされる。具体ぐたいてき基準きじゅんとうは「航空機こうくうきによる爆発ばくはつぶつとう輸送ゆそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ」「航空機こうくうきによる放射ほうしゃせい物質ぶっしつとう輸送ゆそう基準きじゅんさだめる告示こくじ 」によりさだめている。日本にっぽん所管しょかん官庁かんちょう国土こくど交通省こうつうしょう航空こうくうきょくである。

船舶せんぱくによる危険きけんぶつ運送うんそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ(危告示こくじ)に危険きけんぶつのリストがあり、これはIMDGコードの危険きけんぶつリストにもとづいている。

貨物かもつ手荷物てにもつ[編集へんしゅう]

航空こうくう輸送ゆそうでは危険きけんぶつ貨物かもつとしての輸送ゆそうする場合ばあい乗客じょうきゃく乗員じょういん手荷物てにもつとして場合ばあい、それぞれに基準きじゅんがある。

一般いっぱんてき航空こうくう輸送ゆそうといえば貨物かもつとして輸送ゆそうすることを意味いみする。

道路どうろ輸送ゆそうかか危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

欧州おうしゅう周辺しゅうへん規則きそく[編集へんしゅう]

複数ふくすうくに道路どうろ接続せつぞくされた欧州おうしゅう周辺しゅうへんでは危険きけんぶつ国際こくさい道路どうろ輸送ゆそう協定きょうてい(Agreement concerning the International Carriage of Dangerous Goods by Road:ADR)を協定きょうてい加盟かめいこく規則きそくとしてさだめ、道路どうろ輸送ゆそう円滑えんかつはかっている。元々もともと欧州おうしゅう規則きそくとしてスタートしたが周辺しゅうへんこく加盟かめい範囲はんい拡大かくだいしたことから名称めいしょうから European が削除さくじょされた。

ADRは国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくもとにして国際こくさい連合れんごう欧州おうしゅう経済けいざい委員いいんかい(UNECE)によりさだめられている。

日本にっぽん規則きそく[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、危険きけんぶつ運搬うんぱん消防しょうぼうほう だい16じょうにより規制きせいされており、所管しょかん官庁かんちょう総務そうむしょう消防庁しょうぼうちょうである。

一方いっぽう旅客りょかく自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう運輸うんゆ規則きそく昭和しょうわ31ねん運輸省うんゆしょうれいだい44ごうだい14じょうだい52じょうもとづいて、バス、タクシーとうじん運送うんそうする事業じぎょうにおける危険きけんぶつ輸送ゆそう制限せいげん実施じっしされている。所管しょかん官庁かんちょう国土こくど交通省こうつうしょうである。

各国かっこく規則きそく[編集へんしゅう]

それぞれのくに自国じこく規則きそくさだめている。おおくのくにでは、国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくもとにしている。

鉄道てつどう輸送ゆそうかか危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

日本にっぽん規則きそく[編集へんしゅう]

まず手回てまわひん携行けいこうについて。

鉄道てつどう運輸うんゆ規程きてい昭和しょうわ17ねん鉄道てつどう省令しょうれいだい3ごう)において、旅客りょかくが「火薬かやくるい其ノほか危険きけんひん」を手荷物てにもつとして託送たくそうすることをきんじ(だい37じょう)、「火薬かやくるい其ノほか危険きけんひん」を品名ひんめい貨物かもつとして託送たくそうしたさい措置そち割増わりまし運賃うんちん請求せいきゅうおよ損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう)についてさだめている(だい59じょう)。

ここでは、「危険きけんひん」とんでいるが、日常にちじょうでは「危険きけんぶつ」とんでいることもすくなくない[14][15]

実際じっさい詳細しょうさい運用うんよう規則きそくについてはかく鉄道てつどう会社かいしゃ旅客りょかく営業えいぎょう規則きそくによっている。JR東日本ひがしにっぽんれいではだい307じょう 手回てまわひんおよ持込もちこめ禁制きんせいひんさだめている[16]東海道新幹線とうかいどうしんかんせん火災かさい事件じけん再発さいはつ防止ぼうしのため、大幅おおはば制限せいげんきびしくなった。

つぎに貨物かもつ列車れっしゃによる輸送ゆそうについて。

日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう(JR貨物かもつ)では、の平成へいせい19ねん10がつに『貨物かもつ運送うんそう約款やっかん』を改訂かいていし、危険きけんぶつ(危険きけんひん)の分類ぶんるい国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくじゅんじたものにした。また、危険きけんぶつ輸送ゆそうするさい荷主にぬし利用りよう運送うんそう事業じぎょうしゃ、JR日本にっぽん貨物かもつあいだ責任せきにん明確めいかくした[17]。その貨物かもつ運送うんそう約款やっかんだい4しょう危険きけんひん輸送ゆそうとくそくでは、国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこく大元おおもととする国連こくれん番号ばんごう容器ようき等級とうきゅう貨物かもつ運送うんそうじょう記事きじらんへの記載きさいもとめている[18]。JR貨物かもつは、また、危険きけんぶつ(危険きけんひん)の貨物かもつ取扱とりあつかいについて『危険きけんひん託送たくそう方法ほうほうのご案内あんない(コンテナ貨物かもつ)』なる冊子さっし発行はっこうしている[19]分類ぶんるい国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくじゅんじているが、容器ようき表示ひょうじなどの基準きじゅんについては消防しょうぼうほう適用てきようしている品目ひんもくもあり詳細しょうさい輸送ゆそう委託いたくするフォワーダーをつうじて個別こべつ確認かくにん必要ひつようである。

GHSによる危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

国際こくさい連合れんごう危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくとそれにもとづくかくモード(航空こうくう海上かいじょう陸上りくじょう鉄道てつどう)の規則きそくはすべて輸送ゆそう安全あんぜん限定げんていされたものである。これを貯蔵ちょぞう使用しようまで拡大かくだいしたものがGHSであるといってよい。

日本にっぽん消防しょうぼうほうさだめる危険きけんぶつ[編集へんしゅう]

消防しょうぼうほうにおいて火災かさい原因げんいんとなりかねないため、製造せいぞう貯蔵ちょぞう取扱とりあつかい設備せつび設置せっちおよび製造せいぞう貯蔵ちょぞう取扱とりあつかい数量すうりょう上限じょうげん規制きせい対象たいしょうとなっている物質ぶっしつ総称そうしょうである。すべ常温じょうおん固体こたいもしくは液体えきたいで、気体きたいふくまれない。具体ぐたいてきには、消防しょうぼうほうだい2じょうだい7こうに「別表べっぴょうだいいち品名ひんめいらんかかげる物品ぶっぴんで、どうひょうさだめる区分くぶんおうどうひょう性質せいしつらんかかげる性状せいじょうゆうするもの」と定義ていぎされているもので、これら危険きけんぶつ製造せいぞう貯蔵ちょぞう取扱とりあつかい設備せつび消防しょうぼう機関きかん有無うむおう市町村しちょうそん長等ながら設置せっち許可きょか必要ひつようである。

また、引火いんかてん危険きけんぶつよりもたか可燃かねんせい物質ぶっしつは、消防しょうぼうほうでは指定してい可燃かねんぶつばれ、貯蔵ちょぞうりょうおお場合ばあい消防署しょうぼうしょちょう届出とどけで必要ひつようとなる。具体ぐたいてきには、かみくず、わら、可燃かねんせい液体えきたいるいがこれにあたる。

危険きけんぶつあるいは指定してい可燃かねんぶつ品目ひんもく政令せいれいとう指定していされ、危険きけんぶつ品目ひんもく指定してい可燃かねん物品ぶっぴんへと変更へんこうになる場合ばあいもある。

危険きけんぶつ品種ひんしゅごとに一般いっぱんてきあつかえる数量すうりょう規定きていしており、それ以上いじょうりょう貯蔵ちょぞうまたはあつか場合ばあい消防しょうぼうほうさだめられた規則きそくにのっとった設備せつび施設しせつ必要ひつようであり、品種ひんしゅおうじた危険きけんぶつ取扱とりあつかいしゃによる作業さぎょうまたは監督かんとく必要ひつようとする。

  • れいガソリン危険きけんぶつだい4るいだい1石油せきゆるい水溶すいようせい)は指定してい数量すうりょうの200リットルまでは資格しかくくてもあつかえる。したがって、一般いっぱん乗用車じょうようしゃのガソリンタンク容量ようりょうは200リットルをえることはない。以前いぜんこの指定してい数量すうりょうが100リットルであった時代じだいは、乗用車じょうようしゃのガソリンタンクも100リットル以下いかであった。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

以下いかの6種類しゅるいけられ、だい1るいからだい6るい分類ぶんるいされる。(固体こたい液体えきたい両方りょうほうは、だい3るいだい5るい不燃ふねんせい物質ぶっしつは、だい1るいだい6るい。)

だい1るい[編集へんしゅう]

酸化さんかせい固体こたい:それ自体じたい燃焼ねんしょうしないが、可燃かねんぶつ酸化さんかしてはげしい燃焼ねんしょう爆発ばくはつこす固体こたい

だい2るい[編集へんしゅう]

可燃かねんせい固体こたい着火ちゃっかしやすい固体こたい低温ていおん引火いんかしやすい固体こたい

だい3るい[編集へんしゅう]

自然しぜん発火はっかせい物質ぶっしつおよきん水性すいせい物質ぶっしつ空気くうきみず接触せっしょくして、発火はっかしたり可燃かねんせいガスしたりする物質ぶっしつ

だい4るい[編集へんしゅう]

引火いんかせい液体えきたい引火いんかしやすい液体えきたい。ガソリンや灯油とうゆなどの液体えきたい燃料ねんりょうがこのるいになる。そのなかで、危険きけんじゅん以下いか順序じゅんじょ分類ぶんるいされる。たとえば、だい2石油せきゆるいよりもだい1石油せきゆるいほう危険きけんなので、保管ほかんできる指定してい数量すうりょうちいさくなり、容器ようきもとめられる安全あんぜんせいたかくなってくる。 引火いんかせい液体えきたいは、液体えきたい自身じしんくのではなく、液体えきたいから発生はっせいする蒸気じょうき揮発きはつ気体きたいしたもの)にく(蒸発じょうはつ燃焼ねんしょう)。危険きけんぶつなか唯一ゆいいつ一部いちぶあつかことのできるへいしゅ資格しかく存在そんざいする。

だい3石油せきゆるいだい4石油せきゆるい動植物どうしょくぶつあぶらるい引火いんかてんたかく、加熱かねつしないかぎ引火いんかする危険きけんせいはない。しかしいったん火災かさいになった場合ばあいえきゆたか非常ひじょうたかくなるため、消火しょうか困難こんなん状況じょうきょうとなる場合ばあいもある。

また、一部いちぶ例外れいがいもあるが、引火いんかせい液体えきたいおも特徴とくちょうとして「えき比重ひじゅうが1よりもちいさい(みずよりもかるい)、発生はっせいする蒸気じょうき空気くうきよりもおもい、みずけない(アセトアルデヒド・アルコールるい酢酸さくさん・グリセリンなど水溶すいようせいのものをのぞく)、電気でんき良導体りょうどうたいである」という性質せいしつつ。

特殊とくしゅ引火いんかぶつ
1気圧きあつで、発火はっかてんが 100°C以下いかまた引火いんかてんが −20°C以下いか沸点ふってんが 40°C以下いかのもの。
ジエチルエーテル二硫化炭素にりゅうかたんそアセトアルデヒド酸化さんかプロピレンペンタンイソペンタンギ酸ぎさんメチルなど。
だい1石油せきゆるい
1気圧きあつで、引火いんかてんが 21°Cまんのもの。
アセトンガソリンベンゼントルエンピリジンにおいエチルギ酸ぎさんエチル酢酸さくさんエチルメチルエチルケトントリエチルアミンアクロレインアクリロニトリルエチレンイミンアセトニトリル
アルコールるい
1分子ぶんし構成こうせいする炭素たんそすう3以下いか飽和ほうわ1アルコール
メチルアルコールエチルアルコールプロピルアルコール
だい2石油せきゆるい
1気圧きあつで、引火いんかてんが 21°C以上いじょう 70°Cまんのもの。
灯油とうゆ軽油けいゆ酢酸さくさん無水むすい酢酸さくさんキシレンクロロベンゼンニトロメタンテレビン油てれびんゆスチレンモノマーアクリルさんN,N-ジメチルホルムアミドプロピオンさん
だい3石油せきゆるい
1気圧きあつで、温度おんど 20°C液体えきたいであって、引火いんかてんが 70°C以上いじょう 200°Cまんのもの。
重油じゅうゆクレオソートクレゾールアニリンニトロベンゼングリセリンエチレングリコールトリレンジイソシアネート2サイクルエンジンオイル
だい4石油せきゆるい
1気圧きあつで、温度おんど 20°C液体えきたいであって、引火いんかてんが 200°C以上いじょう 250°Cまんのもの。
潤滑油じゅんかつゆ(ギヤー、シリンダー、タービン)、リンさんトリクレジルフタルさんジオクチル
動植物どうしょくぶつあぶらるい
動植物どうしょくぶつあぶらるいとは、動物どうぶつあぶらにくひとしまた植物しょくぶつ種子しゅししくは果肉かにくから抽出ちゅうしゅつしたものであって、1気圧きあつにおいて引火いんかてんが 250°Cまんのものをいい、総務そうむ省令しょうれいさだめるところにより貯蔵ちょぞう保管ほかんされているものをのぞく。
椰子やしアマニ

だい5るい[編集へんしゅう]

自己じこ反応はんのうせい物質ぶっしつ加熱かねつ衝撃しょうげきで、分子ぶんしないふくまれる酸素さんそじょもえざいとなることではげしくえたり爆発ばくはつしたりする物質ぶっしつ。これらの物質ぶっしつ原因げんいん火災かさいは、消火しょうか困難こんなんである。

だい6るい[編集へんしゅう]

酸化さんかせい液体えきたい:それ自体じたい燃焼ねんしょうしないが、可燃かねんぶつ酸化さんかしてはげしい燃焼ねんしょう爆発ばくはつこす液体えきたい

指定してい数量すうりょう[編集へんしゅう]

一定いってい数量すうりょう指定していして、その数量すうりょう以上いじょうあつかったり保管ほかんしたりする場合ばあいに、届出とどけで必要ひつようになる基準きじゅん数量すうりょうである。危険きけんせいたかいほど指定してい数量すうりょうすくなくなる。そのなんばい、あるいは、なんぶんいち規制きせい内容ないようわる。かく指定してい数量すうりょうつぎのとおり。

  • だい1るい酸化さんかせい固体こたい
    • だい1しゅ酸化さんかせい固体こたい:50kg
    • だい2しゅ酸化さんかせい固体こたい:300kg
    • だい3しゅ酸化さんかせい固体こたい:1,000kg
  • だい2るい可燃かねんせい固体こたい
  • だい3るい自然しぜん発火はっかせい物質ぶっしつおよきん水性すいせい物質ぶっしつ
    • カリウム:10kg
    • ナトリウム:10kg
    • アルキルアルミニウム:10kg
    • アルキルリチウム:10kg
    • リン:20kg
    • だい1しゅ自然しぜん発火はっかせい物質ぶっしつおよきん水性すいせい物質ぶっしつ:10kg
    • だい2しゅ自然しぜん発火はっかせい物質ぶっしつおよきん水性すいせい物質ぶっしつ:50kg
    • だい3しゅ自然しぜん発火はっかせい物質ぶっしつおよきん水性すいせい物質ぶっしつ:300kg
  • だい4るい引火いんかせい液体えきたい
    • 特殊とくしゅ引火いんかぶつ:50L
    • だい1石油せきゆるい 
      • 水溶すいようせい液体えきたい:200L
      • 水溶すいようせい液体えきたい:400L
    • アルコールるい:400L
    • だい2石油せきゆるい
      • 水溶すいようせい液体えきたい:1,000L
      • 水溶すいようせい液体えきたい:2,000L
    • だい3石油せきゆるい
      • 水溶すいようせい液体えきたい:2,000L
      • 水溶すいようせい液体えきたい:4,000L
    • だい4石油せきゆるい:6,000L
    • 動植物どうしょくぶつるい:10,000L
  • だい5るい自己じこ反応はんのうせい物質ぶっしつ
    • だい1しゅ自己じこ反応はんのうせい物質ぶっしつ:10kg
    • だい2しゅ自己じこ反応はんのうせい物質ぶっしつ:100kg
  • だい6るい酸化さんかせい液体えきたい
    • 酸化さんかせい液体えきたい:300kg

計算けいさんほう[編集へんしゅう]

以下いかのような方法ほうほう倍数ばいすう計算けいさんおこなう。
  • 同一どういつ危険きけんぶつ同一どういつ場所ばしょ貯蔵ちょぞうし、またあつか場合ばあい倍数ばいすうが1以上いじょうなら危険きけんぶつ施設しせつとなり許可きょか必要ひつよう。)
貯蔵ちょぞう取扱とりあつか危険きけんぶつ数量すうりょう  = 倍数ばいすう
指定してい数量すうりょう
  • 品名ひんめいちが危険きけんぶつどういち場所ばしょ貯蔵ちょぞうし、またあつか場合ばあい倍数ばいすうが1以上いじょう場合ばあい当該とうがい場所ばしょ指定してい数量すうりょう以上いじょう危険きけんぶつ貯蔵ちょぞうし、またあつかっているものとみなされる。)
Aの貯蔵ちょぞうりょう  +  Bの貯蔵ちょぞうりょう  +  Cの貯蔵ちょぞうりょう  = 倍数ばいすう
Aの指定してい数量すうりょう Bの指定してい数量すうりょう Cの指定してい数量すうりょう

道路どうろ通行つうこう規制きせい[編集へんしゅう]

危険きけんぶつ積載せきさい車両しゃりょうは、道路どうろほうだい46じょうだい3こうもとづき、水底みなそこトンネル通行つうこう禁止きんし制限せいげんされている。延長えんちょう5,000 m以上いじょう長大ちょうだいトンネル、水際みずぎわにあり路面ろめんたかさが水面すいめん以下いかのトンネルも、水底みなそこトンネルにじゅんじたあつかいで同様どうよう措置そちがなされる。これは道路どうろほう規定きていもとづき、道路どうろ管理かんりしゃ指定していする[20]

危険きけんぶつ積載せきさいしゃ通行つうこう禁止きんしとなっている恵那山えなさんトンネル
危険きけんぶつ積載せきさいトラック掲載けいさいされているマーク

日本にっぽん国外こくがいでも、ゴッタルド道路どうろトンネルスイス)のように、長大ちょうだいトンネルでは危険きけんぶつ積載せきさい車両しゃりょう通行つうこう禁止きんし制限せいげんされている[21]

日本にっぽん道路どうろトンネルでは、関越かんえつトンネル関越かんえつ自動車じどうしゃどう)・驒トンネル東海とうかい北陸ほくりく自動車じどうしゃどう)・栗子くりごトンネル東北とうほく中央ちゅうおう自動車じどうしゃどう)・恵那山えなさんトンネル中央ちゅうおう自動車じどうしゃどう)など延長えんちょう5,000m以上いじょう長大ちょうだいトンネルでこの規定きてい適用てきようされているが、山手やまてトンネル首都高しゅとこうそく中央ちゅうおう環状かんじょうせん)、アクアトンネル(東京湾とうきょうわんアクアライン)、横浜よこはまきたトンネル首都高しゅとこうそく神奈川かながわ7ごう横浜よこはまきたせん)など長大ちょうだいトンネルと水底みなそこトンネルの両方りょうほう条件じょうけん該当がいとうするものもある。

近年きんねんでは樽峠たるとうげトンネル中部ちゅうぶ横断おうだん自動車じどうしゃどう)・しんかいトンネル国道こくどう106ごう)・箕面みのおトンネルしん名神めいしん高速こうそく道路どうろ[22][23]だい万木まんぎトンネル松江まつえ自動車じどうしゃどう)などのように、通行つうこう規制きせい回避かいひするため、意図いとてきにトンネル延長えんちょうを5,000 m未満みまん(4,900 mだい)におさえている事例じれいもあり[24]しん東名高速道路とうめいこうそくどうろしん名神めいしん高速こうそく道路どうろいたっては、危険きけんぶつ積載せきさい車両しゃりょうどういち区間くかん走行そうこう実現じつげんさせるため、5,000 mをえるトンネルをけたルートとなっている。

2016ねん平成へいせい28ねん)に条件じょうけんきの規制きせい緩和かんわおこなわれ、災害さいがいとき被災ひさい迅速じんそくなエネルギー輸送ゆそうおこなえるよう、タンクローリーなど、危険きけんぶつ積載せきさいしゃ前後ぜんご誘導ゆうどうしゃともなって長大ちょうだいトンネルの走行そうこうができる、「エスコート通行つうこう方式ほうしき」が導入どうにゅうされた[25]

国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこく定義ていぎとのちが[編集へんしゅう]

国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくにおける危険きけんぶつと、日本にっぽん消防しょうぼうほうにおける危険きけんぶつ定義ていぎことなることに注意ちゅうい必要ひつようである。れいげると、消防しょうぼうほうでは引火いんかてん250°C以下いか液体えきたい危険きけんぶつだい4るい引火いんかせい液体えきたいとしているが、国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこくでは引火いんかてんが60°C以下いか(かつはつとめてんが35°C以上いじょう)の液体えきたい危険きけんぶつクラス3の引火いんかせい液体えきたいとしている。[26]

このちがいの理解りかいたん国際こくさい実務じつむおこなとき重要じゅうようなのではなく、日本にっぽん国内こくないでの危険きけんぶつについての法令ほうれい遵守じゅんしゅした実務じつむおこなさいにも重要じゅうようである。それは、消防しょうぼうほうにおいて陸上りくじょう自動車じどうしゃによる危険きけんぶつ輸送ゆそう規制きせいしており、海上かいじょうでの輸送ゆそうについては国連こくれん危険きけんぶつ輸送ゆそう勧告かんこく国際こくさい条約じょうやくとうしたがっている船舶せんぱく安全あんぜんほうもとづく「船舶せんぱくによる危険きけんぶつ運送うんそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ」(危告示こくじ)により、危険きけんぶつ定義ていぎ規制きせいされている。同様どうよう航空こうくうほう施行しこう規則きそく(昭和しょうわじゅうななねん運輸省うんゆしょうれいだいじゅうろくごう)だいひゃくきゅうじゅうよんじょうだいいちこうだいきゅうごうならびにどうじょうだいこうだいいちごうだいさんごうおよだいよんごう規定きていもとづく「航空機こうくうきによる爆発ばくはつぶつとう輸送ゆそう基準きじゅんとうさだめる告示こくじ」により、航空こうくう輸送ゆそうにおける危険きけんぶつ定義ていぎされている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 危険きけんぶつ船舶せんぱく運送うんそうおよ貯蔵ちょぞう規則きそく昭和しょうわさんじゅうねん運輸省うんゆしょうれいだいさんじゅうごうだいじょうだいいちこう”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 総務そうむしょう行政ぎょうせい管理かんりきょく (2019ねん8がつ30にち). 2020ねん1がつ6にち閲覧えつらん。 “2019ねん9がつ1にち施行しこうぶん
  2. ^ 航空こうくうほう施行しこう規則きそく昭和しょうわじゅうななねん運輸省うんゆしょうれいだいじゅうろくごうだいひゃくきゅうじゅうよんじょう:輸送ゆそう禁止きんし物件ぶっけん”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 総務そうむしょう行政ぎょうせい管理かんりきょく (2019ねん5がつ7にち). 2020ねん1がつ6にち閲覧えつらん。 “2019ねん10がつ1にち施行しこうぶん
  3. ^ 空港くうこうとうかける「『危険きけんぶつ』のみは法令ほうれい禁止きんしされています。」というがみはこれにもとづいている。
  4. ^ 昭和しょうわさんじゅういちねん運輸省うんゆしょうれいだいよんじゅうよんごう 旅客りょかく自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう運輸うんゆ規則きそく だいしょう 旅客りょかく物品ぶっぴん持込もちこめ制限せいげん) だいじゅうじょう”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 国土こくど交通こうつうしょう. 2023ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん
  5. ^ 国土こくど交通省こうつうしょう 航空こうくう貨物かもつ危険きけんぶつ代表だいひょうれい
  6. ^ IMO International Maritime Dangerous Goods (IMDG)
  7. ^ a b 国土こくど交通省こうつうしょう海事かいじきょく 危険きけんぶつ海上かいじょう運送うんそうとうかか安全あんぜん対策たいさく
  8. ^ NKKK 危険きけんぶつコンテナ運送うんそうセミナー資料しりょう 一般いっぱん社団しゃだん 法人ほうじん 日本にっぽん海事かいじ検定けんてい協会きょうかい(NKKK)
  9. ^ 海事かいじきょくページ
  10. ^ 告示こくじ別表べっぴょう1 (すくなくとも2ねんに1かい改定かいていされます。実際じっさい利用りようするさいかならずもとの告示こくじ確認かくにんすることが必要ひつようです。)
  11. ^ もとファイル(pdf)
  12. ^ IATA 航空こうくう危険きけんぶつ安全あんぜん輸送ゆそう協会きょうかいやく (2014ねん1がつ1にち). 航空こうくう危険きけんぶつ規則きそくしょ (IATA Dangerous Goods Regulations). 航空こうくう危険きけんぶつ安全あんぜん輸送ゆそう協会きょうかい 
  13. ^ About the Manual of Tests and Criteria”. 国連こくれん. 2018ねん3がつ21にち閲覧えつらん
  14. ^ 鉄道てつどう マニア 車内しゃないへの危険きけんぶつ禁止きんし!! http://www.youtube.com/watch?v=md2wtc4Va0o 2013ねん1がつ13にち閲覧えつらん
  15. ^ tetsuchanlime 【えき放送ほうそうJR東海じぇいあーるとうかい中央西線ちゅうおうさいせん 危険きけんぶつ禁止きんし案内あんない http://www.youtube.com/watch?v=1n01nyEkqXA 2013ねん1がつ13にち閲覧えつらん
  16. ^ JR東日本ひがしにっぽん旅客りょかく営業えいぎょう規則きそくだい2へん 旅客りょかく営業えいぎょう -だい10しょう 手回てまわひん”. www.jreast.co.jp. 2023ねん8がつ25にち閲覧えつらん
  17. ^ JR貨物かもつ 安全あんぜん報告ほうこくしょ 2008ねん https://www.jrfreight.co.jp/assets/files/safety_pdf_10.pdf 2019ねん6がつ28にち閲覧えつらん
  18. ^ JR日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃ 2016ねん 貨物かもつ輸送ゆそう約款やっかんhttps://www45.nittsu.co.jp/nvaapp/pdf/wrc_kmt_ykn.pdf
  19. ^ JR日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃ(平成へいせい21ねん10がつ) じょうだい7こうに「別表べっぴょうだいいち品名ひんめいらんかかげる物品ぶっぴんで、どうひょうさだめる区分くぶんおうどうひょう性質せいしつらんかかげる性状せいじょうゆうするもの」と定義ていぎされているもの 2013ねん1がつ13にち閲覧えつらん
  20. ^ 国土こくど交通省こうつうしょう資料しりょう (PDF)
  21. ^ 道路どうろトンネルにおける危険きけんぶつ輸送ゆそう車両しゃりょう走行そうこう 国土こくど交通省こうつうしょう資料しりょう 2018ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  22. ^ 『みち』No.104、1996ねん平成へいせい8ねん)11月(季刊きかん)、日本道路公団にほんどうろこうだん、6ぺーじ愛知あいちけん図書館としょかんくら
  23. ^ 土屋つちや功一こういち紹介しょうかい 中部ちゅうぶ地方ちほうこう規格きかく幹線かんせん道路どうろもう」『高速こうそく道路どうろ自動車じどうしゃだい32かんだい12ごう公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん高速こうそく道路どうろ調査ちょうさかい、1989ねん12月、32ぺーじ 
  24. ^ しんかいトンネル着工ちゃっこう 宮古みやふる盛岡もりおか横断おうだん道路どうろ難所なんしょ回避かいひ」『岩手いわて日報にっぽう岩手日報社いわてにっぽうしゃ、2015ねん6がつ29にち2019ねん3がつ3にち閲覧えつらんオリジナルの2015ねん7がつ2にち時点じてんにおけるアーカイブ。
  25. ^ 長大ちょうだいトンネルとうにおける災害さいがい通行つうこう規制きせい緩和かんわについて ~被災ひさいへの迅速じんそくなエネルギー輸送ゆそう確保かくほのため「エスコート通行つうこう方式ほうしき」を導入どうにゅう』(PDF)(プレスリリース)国土こくど交通省こうつうしょう、2016ねん8がつ26にちhttps://www.mlit.go.jp/common/001142703.pdf2021ねん7がつ30にち閲覧えつらん 
  26. ^ 平成へいせい8年度ねんど危険きけんぶつ安全あんぜん運送うんそうかんする講習こうしゅうかい」テキスト 日本にっぽん財団ざいだん図書館としょかん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]