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化学かがく反応はんのうしき

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反応はんのうしきから転送てんそう

化学かがく反応はんのうしき(かがくはんのうしき、英語えいご: chemical equation)とは、物質ぶっしつ化学かがく反応はんのう表現ひょうげんするため図表ずひょうである。通常つうじょう化学かがく反応はんのうしきちゅう物質ぶっしつ化学かがくしきもちいてあらわされ、物質ぶっしつあいだでの化学かがくりょうろんてき関係かんけいあらわしたり、反応はんのう機構きこう化学かがく反応はんのう前後ぜんこうでの物質ぶっしつ構造こうぞう変化へんか表現ひょうげんしたりする。最初さいしょ化学かがく反応はんのうしきジャン・ベガンによってあらわされた[1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

化学かがく反応はんのうでは反応はんのうまえ化学かがく物質ぶっしつ反応はんのうぶつ (reactant)、反応はんのう化学かがく物質ぶっしつ生成せいせいぶつ (product)といい、矢印やじるし記号きごう通常つうじょうじゅん方向ほうこう反応はんのうでは「→」)で区切くぎられ、個々ここ物質ぶっしつ化学かがくしきはプラス記号きごう区切くぎられる。個々ここ物質ぶっしつ化学かがくしきには、IUPAC命名めいめいほう使用しようし、電子でんしもちいてあらわす(詳細しょうさいIUPAC命名めいめいほう参照さんしょう)。

反応はんのうぶつ 生成せいせいぶつ

化学かがく反応はんのうしき左辺さへんはらけいまたは反応はんのうけい右辺うへん生成せいせいけいぶことがある。生成せいせいぶつ右側みぎがわく。

具体ぐたいれい[編集へんしゅう]

たとえば反応はんのうぶつである

化学かがく反応はんのうして生成せいせいぶつである

ができあがる状況じょうきょうしめした化学かがく反応はんのうしき

表記ひょうきされる。

一般いっぱんてき記号きごう[編集へんしゅう]

反応はんのうぶつ生成せいせいぶつ区切くぎ記号きごうは、さまざまなタイプの反応はんのう区別くべつするために使用しようされる。

  • 「=」- 化学かがくりょうろんてき関係かんけいしめすために使用しようされる
  • 「→」- せいじゅん方向ほうこう反応はんのうしめすために使用しようされる
  • 「⇄」 - 両方向りょうほうこう反応はんのうしめすために使用しようされる[2]
  • 」 - 化学かがく平衡へいこうしめすために使用しようされる[3]
  • 「←→(両頭りょうとう矢印やじるし)」-共鳴きょうめいしめすために使用しようされる

化学かがく平衡へいこうであること強調きょうちょうしたい場合ばあいは、化学かがく反応はんのうしき矢印やじるしは「」ではなく「」にする。たとえばしたのように表記ひょうきされる:

反応はんのうによって気体きたい発生はっせいする場合ばあい、その気体きたい化学かがくしき右側みぎがわに「↑」をしめし、また析出せきしゅつ沈殿ちんでん)する物質ぶっしつ化学かがくしき右側みぎがわには「↓」をしめす。反応はんのうにエネルギーが必要ひつよう場合ばあいは、矢印やじるしうえしめす。大文字おおもじのギリシャ文字もじ(デルタ)[4]矢印やじるしうえしめし、ねつエネルギーはんおう関係かんけいすることをしめす。また、ひかり放射線ほうしゃせんによるエネルギーの関与かんよしめすために[5]使用しようすることがある。

化学かがくしき付加ふかする記号きごう[編集へんしゅう]

化学かがくしき物理ぶつりてき状態じょうたいあらわ場合ばあい化学かがくしきのち括弧かっこない状態じょうたいしめす。

化学かがく反応はんのうしき関連かんれんするものにねつ化学かがく方程式ほうていしきイオン反応はんのうしきはん反応はんのうしきなどがある。

化学かがくりょうろんてき反応はんのうしき[編集へんしゅう]

量的りょうてき関係かんけい化学かがくりょうろんもとづいて化学かがく反応はんのうしきあらわ場合ばあいかく物質ぶっしつ組成そせいしきあらわすのが普通ふつうである。 反応はんのうしきちゅう組成そせいしきには倍数ばいすう比例ひれい法則ほうそくてい比例ひれい法則ほうそくしたがうように係数けいすう付与ふよされる。係数けいすう化学かがくりょうすうまたは化学かがくりょうろん係数けいすう、stoichiometric number)にはすんでやくとなる整数せいすうもちい(ただし1の場合ばあい表記ひょうき)、後者こうしゃ法則ほうそくより右辺うへん左辺さへんかく原子げんしについて種類しゅるい総数そうすうはそれぞれひとしくしなければならない。係数けいすうには、IUPAC命名めいめいほうしめされる数学すうがく定数ていすう物理ぶつり化学かがく定数ていすうもちいることができる。

たとえば、炭素たんそ (C) をもちいて酸化さんかどう(II)(CuO) を還元かんげんし、二酸化炭素にさんかたんそ (CO2) とどう (Cu) を生成せいせいする反応はんのう

あらわされる。

ねつ化学かがく方程式ほうていしき[編集へんしゅう]

ねつ化学かがく方程式ほうていしき(ねつかがくほうていしき、英語えいご: thermochemical equation)とは、化学かがく反応はんのうにおけるエネルギー収支しゅうし化学かがく方程式ほうていしき表記ひょうきしたものである。エネルギー収支しゅうし右辺うへんしきりょうあたりの発生はっせい熱量ねつりょうしめす。したがって、発熱はつねつ反応はんのう場合ばあいせい、吸熱反応はんのう場合ばあいまけしめされる。

はん反応はんのうしき[編集へんしゅう]

はん反応はんのうしき酸化さんか還元かんげん反応はんのう使用しようされる化学かがく反応はんのうしき形式けいしきである(電子でんし ふくしき)。

酸化さんか還元かんげん反応はんのうでは酸化さんか反応はんのう還元かんげん反応はんのうとが共役きょうやくしている。したがって、酸化さんか反応はんのう還元かんげん反応はんのうとを強調きょうちょうしたい場合ばあいは、それぞれの反応はんのうしき分割ぶんかつしてしめすことがある。これをはん反応はんのうしきぶ。その結果けっかはん反応はんのうしきでは電子でんしとうりょう右辺うへん左辺さへんとでつりあわない。つりあわないぶんが、酸化さんか反応はんのうから還元かんげん反応はんのうわたされる電子でんしとうりょうになっている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Crosland, M.P. (1959). “The use of diagrams as chemical 'equations' in the lectures of William Cullen and Joseph Black”. Annals of Science 15 (2): 75–90. doi:10.1080/00033795900200088. 
  2. ^ The notation was proposed in 1884 by the Dutch chemist Jacobus Henricus van 't Hoff. See: van 't Hoff, J.H. (1884) (フランス語ふらんすご). Études de Dynamique Chemique [Studies of chemical dynamics]. Amsterdam, Netherlands: Frederik Muller & Co.. pp. 4–5. https://archive.org/stream/etudesdedynamiqu00hoff#page/4/mode/2up  Van 't Hoff called reactions that didn't proceed to completion "limited reactions". From pp. 4–5: "Or M. Pfaundler a relié ces deux phénomênes … s'accomplit en même temps dans deux sens opposés." (Now Mr. Pfaundler has joined these two phenomena in a single concept by considering the observed limit as the result of two opposing reactions, driving the one in the example cited to the formation of sea salt [i.e., NaCl] and nitric acid, [and] the other to hydrochloric acid and sodium nitrate. This consideration, which experiment validates, justifies the expression "chemical equilibrium", which is used to characterize the final state of limited reactions. I would propose to translate this expression by the following symbol: HCl + NO3 Na NO3 H + Cl Na. I thus replace, in this case, the = sign in the chemical equation by the sign , which in reality doesn't express just equality but shows also the direction of the reaction. This clearly expresses that a chemical action occurs simultaneously in two opposing directions.)
  3. ^ The notation was suggested by Hugh Marshall in 1902. See: Marshall, Hugh (1902). “Suggested Modifications of the Sign of Equality for Use in Chemical Notation”. Proceedings of the Royal Society of Edinburgh 24: 85–87. doi:10.1017/S0370164600007720. 
  4. ^ The symbol is more properly denoted as a simple triangle (△), which was originally the alchemical symbol for fire.
  5. ^ This symbol comes from the Planck equation for the energy of a photon, . It is sometimes mistakenly written with a 'v' ("vee") instead of the Greek letter '' ("nu")

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • 西川にしかわ友成ともなり化学かがく反応はんのうしき(<特集とくしゅう>現代げんだい化学かがく神話しんわ)」『化学かがく教育きょういくだい15かんだい1ごう日本にっぽん学会がっかい、1967ねん、18-25ぺーじdoi:10.20665/kagakukyouiku.15.1_18NAID 110001821160