反転はんてん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

反転はんてん(はんてん)とはなんらかのものをぎゃくにすること。数学すうがく化学かがく技術ぎじゅつ専門せんもん用語ようごとしてはそれぞれ以下いか意味いみつ。

数学すうがくにおける反転はんてん[編集へんしゅう]

線形せんけい空間くうかんもとベクトル[よう曖昧あいまい回避かいひ])のすべての成分せいぶん符号ふごうぎゃくにする変換へんかんである。すなわち n 次元じげん空間くうかんてん原点げんてんかんしててん対称たいしょうてんうつ変換へんかんである。3次元じげん空間くうかんでの対称たいしょう操作そうさとしては記号きごうiであらわされる。反転はんてんふくかがみうつかいはんなどを反転はんてんぶこともある[1]

中心ちゅうしん O, 半径はんけい rえんがあり、O を始点してんとするはん直線ちょくせんじょうに2てん P, P' があり、OP * OP' = r2 であるとき、P を P' にうつ操作そうさをこのえんかんする反転はんてんという。同様どうよう球面きゅうめんちょう球面きゅうめんかんする反転はんてん定義ていぎできる[2]

また、むす理論りろんにおいてはむす射影しゃえい局所きょくしょ変形へんけいひとつとして反転はんてんという用語ようご使つかわれる。

化学かがくにおける反転はんてん[編集へんしゅう]

分子ぶんし立体りったい配置はいち立体りったいはい反転はんてんする反応はんのうおおられている。ワルデン反転はんてんシクロヘキサンのイスがたからぎゃくのイスがたへの変換へんかんアンモニア分子ぶんし反転はんてんなどがられている。

エネルギーのたかじゅん分布ぶんぷ密度みつどひくじゅん分布ぶんぷ密度みつどよりおおきくなったものを反転はんてん分布ぶんぷという。エネルギーの大小だいしょう高低こうてい)が正常せいじょうじゅん反対はんたいのものを反転はんてんじゅんという[1]

技術ぎじゅつにおける反転はんてん[編集へんしゅう]

航空機こうくうきでは、ジェット機じぇっときぎゃく推力すいりょく装置そうち、プロペラぎゃく推力すいりょく機構きこうにより推力すいりょく反転はんてんさせる。ぎゃく回転かいてん2じゅう反転はんてんプロペラじゅう反転はんてんしきローター交差こうさ反転はんてんしきローターなど)によりトルクを相殺そうさいする。

コンピューティングにおける優先ゆうせん順位じゅんい逆転ぎゃくてんは、優先ゆうせん順位じゅんいたかタスク優先ゆうせん順位じゅんいひくいタスクにリソース占有せんゆうされ、システムの性能せいのう低下ていかさせる状態じょうたい

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 長倉ながくら三郎さぶろう(へん)「岩波いわなみ理化学りかがく辞典じてん-だい5はん岩波書店いわなみしょてん (1998/02)
  2. ^ 日本にっぽんすう学会がっかい岩波いわなみ数学すうがく辞典じてん-だい3はん岩波書店いわなみしょてん(1985/12)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]